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黄泉比良坂の戦い
,→神軍の作戦
なお、たとえ相手が邪神であっても嘘をついて騙すようなことは、国祖神政の時代には決して許されることではなかった。だが和光同塵の時代においては、ある程度やむを得ないこととされている。
== 魔軍の作戦 ==
'''【イザナミ・日の出神の偽者】'''
[[イザナミ]]・[[日の出神]]が[[ロッキー山]]に行くと言挙げしたことを知った[[大国彦]]は、それを利用して、自ら偽のイザナミ・日の出神になりすました。
その理由については記されていない。
推測だが、黄泉島や天教山に進軍するため、高級神であるイザナミの知名度や信用を利用して、魔軍の勢力を拡大しようとしたのではないか? ロッキー山にイザナミが来たことで常世神王の勢力が盛んになったこと<ref>{{rm|8|18|巴留の関守}}:高彦([[荒熊]])のセリフ「この巴留の国には常世神王の勢力侮り難く今また伊弉冊命様が何処からかお出になつて、ロッキー山にお鎮まりなされ、常世神王の勢力ますます旺盛となり」:イザナミがロッキー山に来たことで常世神王の勢力が盛んになったことが語られている。</ref>や、イザナミ・日の出神がロッキー山でウラル教を開いたということ<ref>{{rm|10|4|鬼鼻団子}}:[[遠山別]]のセリフ「伊弉冊大神、日の出神は、ロッキー山に宮柱太敷き立てウラル教を開き給ふぞ」</ref>、イザナミ・日の出神がロッキー山に現れたということを聞いて常世の国に来た、自分も三五教からウラル教に改宗するということ<ref>{{rm|10|14|松風の音}}:[[松代姫]](白狐が化けた偽者)のセリフ「畏れ多くも三五教の守護神、神伊弉冊命様、日の出神様、ロッキー山に現れますと承はり、お跡慕ひて参りました。郷に入つては郷に従へとかや、妾はこれより三五教を棄て、常世神王の奉じ給ふウラル教に帰依いたします」</ref>が、登場人物のセリフ中で語られている。
'''【桃の実の偽者】'''
[[照山彦]]・[[竹山彦]](鬼武彦)が[[間の国]]で捕まえた[[松竹梅の宣伝使]]を護送し常世城に帰城した時に、竹山彦がこの三人を「黄泉比良坂の桃の実」として戦場に派遣すれば、その美しさに敵(神軍)は帰順するはず、と偽常世神王(広国別)に注進している。<ref>{{rm|10|2|天地暗澹}}:[[竹山彦]]のセリフ「聞きしに勝る国色の誉、譬ふるにもの無き天下の美形、永く此城内に留め置かせられ、黄泉比良坂の桃の実として、陣中に遣はし給へば、如何なる英雄豪傑も、美人の一瞥に魂奪はれ魄散り、帰順致すは火を睹るよりも明かならむ。敵の糧を以て敵を制するは、是六韜三略の神算鬼謀、常世神王の御盛運は弥々益々六合に輝き渡り申さむ」</ref>
しかしその三人が消えてしまった(この三人は白狐が変化した偽者だった)。<ref>{{rm|10|8|善悪不可解}}</ref>
偽イザナミ([[大国姫]])は、松竹梅がいないとこの戦いはないと思った。<ref>{{rm|10|13|蟹の将軍}}:[[蟹彦]]のセリフ「松、竹、梅の三人の桃の実がなければこの戦ひは勝目がないと、伊弉冊命様の……ドツコイ大国姫命の御命令だ。早く三人を貴様の手にあるなら御目にかけて、抜群の功名をなし、手柄者と謳はれるがよからう」</ref>
そこで魔軍の[[国玉姫]]・[[杵築姫]]・[[田糸姫]]が松竹梅の三姉妹に扮し、桃の実隊として黄泉島に出陣した。<ref>{{rm|10|13|蟹の将軍}}:「花を欺く松、竹、梅の三人に扮したる国玉姫、田糸姫、杵築姫は馬上に跨りながら、桃の実隊として美々しき衣裳を太陽に照されながら、ピカリピカリと進んで来る」</ref>
本物の[[桃の実]]である[[松竹梅の宣伝使]]は、すでに黄泉島に渡っていた。<ref>{{rm|10|14|松風の音}}:[[珍山彦]]のセリフ「松、竹、梅の三人の宣伝使は去年の中に黄泉島に渡つて居られますよ」</ref>
== 古事記との比較 ==