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* 性格は、洒脱、豪放、小事にあくせくせず、何事にも無頓着。<ref>{{rm|21|15|化地蔵}}:「心の底より国依別の洒脱なる気品に惚込み」、{{rm|69|1|大評定}}:「国照別は父国依別の洒脱にして豪放な気分を受け」、{{rm|69|3|喬育}}:「国依別は元来磊落豪放にして、小事に齷齪せず、何事に対しても無頓着なる性質とて」</ref> | * 性格は、洒脱、豪放、小事にあくせくせず、何事にも無頓着。<ref>{{rm|21|15|化地蔵}}:「心の底より国依別の洒脱なる気品に惚込み」、{{rm|69|1|大評定}}:「国照別は父国依別の洒脱にして豪放な気分を受け」、{{rm|69|3|喬育}}:「国依別は元来磊落豪放にして、小事に齷齪せず、何事に対しても無頓着なる性質とて」</ref> | ||
* 女癖が悪く、若い時から、女殺し、後家倒し、家潰し、などと言われて来た。先妻の[[お国]]は宗彦の不品行を苦にして溜め池に飛び込み自殺をした。その後、お勝を妻にし、お国の霊を恐れて旅をしている。<ref name="rm2005">{{rm|20|5|親不知}}:「私も今こそ、斯うして猫の様に温順しくなつて了つたが、随分名代の悪者でしたよ。家妻を貰つては赤裸にして追出し、押かけ婿にいつては、其家を潰し、何度となく嬶泣かせの家潰しや、後家倒し借り倒しなど、悪い事の有らむ限りを尽して来た所、最後の女房が私の不身持を苦にして、裏の溜池へドンブリコとやつて、ブルブルブル、波立つ泡と共に寂滅為楽となつて了つた。それから直に此お勝を女房となし」、{{rm|21|15|化地蔵}}:地蔵のセリフ「オイ国依別、イヤ女殺しの後家倒しの、宗彦の巡礼上りの宣伝使、貴様の翫弄した女達に、今此処で会はしてやらうか」、他</ref> | * 女癖が悪く、若い時から、女殺し、後家倒し、家潰し、などと言われて来た。先妻の[[お国]]は宗彦の不品行を苦にして溜め池に飛び込み自殺をした。その後、お勝を妻にし、お国の霊を恐れて旅をしている。<ref name="rm2005">{{rm|20|5|親不知}}:「私も今こそ、斯うして猫の様に温順しくなつて了つたが、随分名代の悪者でしたよ。家妻を貰つては赤裸にして追出し、押かけ婿にいつては、其家を潰し、何度となく嬶泣かせの家潰しや、後家倒し借り倒しなど、悪い事の有らむ限りを尽して来た所、最後の女房が私の不身持を苦にして、裏の溜池へドンブリコとやつて、ブルブルブル、波立つ泡と共に寂滅為楽となつて了つた。それから直に此お勝を女房となし」、{{rm|21|15|化地蔵}}:地蔵のセリフ「オイ国依別、イヤ女殺しの後家倒しの、宗彦の巡礼上りの宣伝使、貴様の翫弄した女達に、今此処で会はしてやらうか」、他</ref> | ||
− | * 幼名は「竹」<ref>{{rm|20|6|梅花の痣}} | + | * 幼名は「竹」<ref>{{rm|20|6|梅花の痣}}:「ハイ子供の時は'''竹'''と云ひました。バラモン教から宗彦といふ名を貰つたのです」</ref>(竹公<ref>{{rm|21|15|化地蔵}}:「貴様の名はヤツパリ'''竹公'''又の名は宗彦、右の腕に梅の花の斑紋があると云ふ事が記してある」</ref>)。出身は熊野辺り。丙午の年に生まれた。両親は誰だか分からない。悪人に攫われて、大台ケ原の山奥の岩窟に長い間閉じ込められていた。そこへ立派な神様(誰かは不明)が現れて、「お前はこれから浪速の里へ出て苦労せよ。一人前になったら世界を巡礼せよ」と言われた。成人して、酒を呑むようになり、幾度か養子に行ったり、家を持ったりしたが、窮屈で飛び出し、自暴酒を呑んで女房に心配をかけ、幾人も女房を先立たせた。<ref>{{rm|20|6|梅花の痣}}:「私も実の所両親がわからず、他人から熊野辺の生れだと子供の時分に聞いたことがあります。私は大台ケ原の山奥の巌窟に悪神に攫へられて、長らく閉ぢこめられて居りました。其処へ立派な神様が現はれて、「お前はこれから浪速の里へ往て苦労せよ。一人前になつたら世界を順礼せい」と仰有いました(略)さうして私も兄弟が三人あつたさうです(略)漸く成人して牛馬にも踏まれないやうになつた頃から、徐々酒を呑み、そこら辺りへ養子にも幾度か行つて見、又家も持つて見ましたが、何分子供の時分から乞食のやうに、其処中を彷徨うて育つて来たものですから、家を持つの、養子に往くのと云ふことは窮屈でツイ飛び出し、自棄酒を呑んで女房に心配をかけ、沢山の女房を先立たしました。或人に聞けば私は丙午の年に生れたとかで、女に祟る身魂ぢやさうです」</ref> ({{rm|20|6|梅花の痣}}で両親が[[松鷹彦]]・[[お竹]]だと判明する。「[[#主なエピソード]]」を参照) |
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* (第21巻で宗彦から国依別に改名) | * (第21巻で宗彦から国依別に改名) |
2021年8月25日 (水) 22:43時点における最新版
この項目では、国依別に改名した宗彦について説明しています。その他の宗彦については「宗彦 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
国依別(くによりわけ)は、霊界物語に登場する人物。旧名「宗彦(むねひこ)」。三五教の宣伝使。ウヅの国の国司。
目次
概要
- 初出:第20巻第5章「親不知」#(宗彦)、第21巻第2章「夢の懸橋」#(国依別に改名)
- 性格は、洒脱、豪放、小事にあくせくせず、何事にも無頓着。[1]
- 女癖が悪く、若い時から、女殺し、後家倒し、家潰し、などと言われて来た。先妻のお国は宗彦の不品行を苦にして溜め池に飛び込み自殺をした。その後、お勝を妻にし、お国の霊を恐れて旅をしている。[2]
- 幼名は「竹」[3](竹公[4])。出身は熊野辺り。丙午の年に生まれた。両親は誰だか分からない。悪人に攫われて、大台ケ原の山奥の岩窟に長い間閉じ込められていた。そこへ立派な神様(誰かは不明)が現れて、「お前はこれから浪速の里へ出て苦労せよ。一人前になったら世界を巡礼せよ」と言われた。成人して、酒を呑むようになり、幾度か養子に行ったり、家を持ったりしたが、窮屈で飛び出し、自暴酒を呑んで女房に心配をかけ、幾人も女房を先立たせた。[5] (第20巻第6章「梅花の痣」#で両親が松鷹彦・お竹だと判明する。「#主なエピソード」を参照)
関係の深い人物
- 松鷹彦:父。
- お竹:母。
- 天の真浦:兄。幼名は「松」。
- お春:天の真浦の妻。
- お勝:妹。幼名は「梅」。妹だと知らずに夫婦になっていた。
- 玉治別:お勝の夫。旧名は「田吾作」。黒姫が捨てた子。
- 竜国別:竜国別・玉治別・国依別の三人で高春山のアルプス教を言向け和しに向かう。旧名は「竜若」。アルプス教の教主・鷹依姫の息子。
- 言依別命:錦の宮の教主。国依別を連れて高砂島に渡る。
- 末子姫:妻。八人乙女の第八女。
- 国照別:息子。
- 春乃姫:娘。
- お国:先妻。自殺した。[2]
- お市:昔の女。[6]
- お松:昔の女。常公の妹。[7] →「松姫」
- お勝と夫婦になる前に、お国、お光、お福、お三、お四つ、お市、お高という先妻がいた(正式結婚に限らない)。[8]
主なエピソード
- 宗彦はバラモン教の修験者であったが、宇都山村で松鷹彦と出会い、感化されて三五教の信者になる。この松鷹彦が生き別れた親だと判明する。〔第20巻〕
- 宗彦は宣伝使になり、三国ケ岳のバラモン教・蜈蚣姫を、次に高春山のアルプス教・鷹依姫を言向け和す神業に参加する。〔第20巻〕
- (第21巻で宗彦から国依別に改名)
- 国依別は錦の宮の教主・言依別命と共に、琉球に渡り、竜神から琉球の玉を受け取る。言依別命は琉の玉の精霊を、国依別は球の玉の精霊を自分の体に移す。〔第27巻〕
- 二人は台湾島へ行き、日楯・月鉾の兄弟に玉の力を与える。〔第28巻〕
- 二人は高砂島に上陸し、テルの国の御倉山地方の人々を飢餓から救う。〔第30巻〕
- 国依別はヒルの国の大地震を鎮め、日暮シ山のウラル教の教主・ブールを言向け和す。〔第31巻〕
- 言依別命と二人で、ハルの国の帽子ケ岳に登り、アマゾンのモールバンド・エルバンドを言向け和す神業に参加する。猛獣やモールバンドに霊光を発射して、宣伝使たちを助ける。〔第32巻〕
- 国依別は末子姫と結婚して、ウヅの国の国司になる。国内が乱れ、二人の子供たちが政治改革をしようと活躍する。〔第69巻〕
第20巻 (1)
宗彦は妻のお勝と二人で、バラモン教の修験者になって旅をしていた。死んだ赤児の冥福を祈るため三年前から巡礼の旅をしている[9](と、世人の同情を買うために嘘をついている[10])。
宇都山村の浮木の里で、武志の宮の神司をしている松鷹彦と出会う。宗彦・お勝は松鷹彦に感化されて改心し、三五教に入った。松鷹彦も宗彦に諭されて魚釣り(殺生)を止める。三人は武志の宮で朝夕神に仕えた。
ある日、宗彦・お勝・天の真浦の三人が、松鷹彦・お竹夫婦の生き別れた子供だと判明する。素盞嗚尊が高天原を追放されて世の中が常暗になった時、悪魔が横行して、三人の子は何者かに攫われ、行方不明になっていたのだった。妻のお勝が実の妹だと知り、夫婦の縁を切ることになる[11]。天の真浦が父の後を継ぎ、お勝は田吾作(玉治別)と結婚し、宗彦は綾の聖地に行き、宣伝使になった。〔ここまで、第20巻第5章「親不知」#~第7章「再生の歓」#〕
第20巻 (2)
宗彦は宣伝使としての初陣として、三国ケ岳の魔神を言向け和しに向かう。田吾作と留公がお伴を申し出るが、宣伝使は一人旅であるため、宗彦は二人を連れて行くことを断る。だが二人はこっそり宗彦の後をついて行った。
宗彦は熊田の小村の原彦の家に立ち寄る。原彦が13年前に殺した男の怨霊に祟られ苦しんでいたのを助ける。その男は実は田吾作だった。〔ここまで、第20巻第8章「心の鬼」#〕
原彦も同道することになった。宗彦一行4人(宗彦、田吾作、留公、原彦)は三国ケ岳を登って行くと、5~6歳の童子3人(笑童子、泣童子、怒童子)が現れ、宗彦らを笑い飛ばしたり、情けないと泣いたり、叱ったりして、説教した。〔第20巻第9章「童子教」#〕
登って行くと大岩窟があり、30~40軒の家があった。この部落の住民はみな、バラモン教の蜈蚣姫が毒茶を飲ませて、話が出来ないようにされていた。その中にお玉の方(玉照姫の母)がいた。一行3人(宗彦、田吾作、原彦)はお玉の方に導かれて岩窟の中に入って行く。岩窟の奥に蜈蚣姫がいた。3人は毒茶を飲んでしまい、話が出来ず、動けなくなってしまう。そこへ留公が宣伝歌を歌いながら現れた。3人は動けるようになる。お玉の方は蜈蚣姫が桶伏山から奪った黄金の玉[12]のありかを探していたのだった。一行5人(お玉の方、宗彦、田吾作、留公、原彦)は黄金の玉を持って山を下り、綾の聖地に向かった。黄金の玉は錦の宮に納まった[13]。〔第20巻第10章「山中の怪」#~第20巻第12章「如意宝珠」#〕
第21巻
竜若(高城山の松姫館に仕えていた)、田吾作、宗彦の3人はそれぞれ竜国別、玉治別、国依別と改名した。3人は言依別命に命じられ、高姫・黒姫の消息を探るため高春山に向かった。高姫・黒姫の2人は高春山のアルプス教の教主・鷹依姫を言向け和しに行ったのだが、3ヶ月経っても消息が無かったからである。
一行3人は亀山の珍の館に立ち寄り、高熊山の岩窟を参拝し、進んで行った。途中で6人の盗人(遠雲甲三駿武)に出会い、玉治別が諭して自分の子分にしてしまう。〔ここまで、第21巻第2章「夢の懸橋」#~第4章「砂利喰」#〕
アルプス教の秘密書類を手に入れ、杢助の家に寄り、津田の湖へ向かう。ここで3人は別々の道を行くことにする。竜国別は道を北に取って迂回して大谷山から、国依別は鼓の滝を越えて六甲山に登り、玉治別は津田の湖を舟で渡って、それぞれ高春山に向かうことにした。〔第21巻第5章「言の疵」#~第8章「津田の湖」#〕
国依別は六甲山の頂上へ登る途中、石地蔵に、女を苦しめた罪で苦しめられる。石地蔵は昔の女のお市の姿に化けた。しかしそれは夢だった。高春山のテーリスタンの部下たち6人が国依別を捕まえに来た。その中に常公がいた。常公の妹・お松も国依別の昔の女だったが、今はウラナイ教の松姫として活躍していることを聞き、感心する。国依別は彼らを改心させ、一同6人を引き連れて高春山へ向かう。〔第21巻第15章「化地蔵」#〕
杢助、お初、竜国別、玉治別、国依別の5人は、鷹依姫と高姫を言向け和し、紫の玉と如意宝珠の玉の二つの玉を持って綾の聖地に向かった。〔第21巻第16章「約束履行」#~第18章「解決」#〕
→国依別は第21巻のほとんどの章に登場する。エピソードの詳細は「第21巻」を見よ
第22巻
黒姫が保管していた黄金の玉が紛失した。高姫が保管している紫の玉と如意宝珠の玉を、国依別が箱を開けて確かめると、玉は石コロにすり替わっていた。〔第22巻第5章「壇の浦」#〕
杢助が「太元教(おおもてきょう)」という宗教を立てたと聞いて、国依別は調べるために、生田の森の杢助の館を訪れる。〔第22巻第17章「生田の森」#〕
武志の宮を継いでいた天の真浦がフサの国に行ってしまったため、国依別はやむを得ず武志の宮に仕えた。〔第22巻第20章「三の魂」#〕
第25~27巻
生田の森の杢助館には、国依別、秋彦・駒彦の3人が、臨時留守居役として仕えていた。杢助館に高姫、黒姫、高山彦の3人が訪れて玉のありかを探ろうとする。国依別は再度山の大天狗だと名乗り偽神懸かりとなって、3人にそれぞれ、近江の竹生島に玉が隠してあると嘘を教える。3人は偽の神懸かりを信じて竹生島に旅立った。国依別と秋彦は綾の聖地へ向かった。〔第25巻第17章「森の囁」#~第18章「玉の所在」#〕
竜宮島から五個の麻邇宝珠が由良に運ばれて来た。麻邇宝珠を船に乗せ由良川を遡って綾の聖地に向かう。国依別は船の舳先に乗り、玉を運んだ。〔第26巻第10章「船歌」#〕
錦の宮に納められた五個の麻邇宝珠の拝観が行われた。玉は五個のうち四個までが石コロとすり替えられていた。これは神の経綸により言依別命が隠したのであった。言依別命と国依別は、船で高砂島に向かった。〔第27巻第5章「玉調べ」#~第7章「猫の恋」#〕
第27~28巻
言依別命と国依別は、琉球の琉の島に上陸し、琉球の竜神(大竜別・大竜姫)から琉の玉と球の玉を受け取る。その玉の精霊を二人の身魂に移し、形骸だけを若彦に渡して生田の森に持ち帰らせた。二人は再び高砂島に向かって出発する。〔第27巻第8章「琉と球」#~第18章「神格化」#〕 →詳細は「第27巻」を見よ
言依別命と国依別は、台湾島に立ち寄った。日楯・月鉾の兄弟の前に現れて、珍の神宝を授ける[14]と伝えて去った。日楯・月鉾は琉球の玉の神徳を授かった[15]。〔第28巻第3章「玉藻山」#〕
言依別命と国依別は高島丸に乗って高砂島へ向かった。高姫は二人が玉を持っていると思って後を追うが舟が沈んでしまう。高島丸の船長は高姫一行3人(高姫、常彦・春彦)を救出する。言依別命と国依別は高姫一行に気づかれないようにした。高島丸がテルの港に着くと、二人は上陸して進んで行った。〔第28巻第19章「高島丸」#~第22章「高砂上陸」#〕
第30巻
言依別命と国依別は北へ進んだ。テルとヒルの国境にある御倉山を参拝する。この地方は干魃で苦しんでいたが、川には魚(御倉魚)が沢山棲んでいた。しかしウラル教によって魚を食べることを禁じられているため、人々は飢えていた。ウラル教の宣伝使ブールは魚を食べると神罰が下ると脅すが、国依別が魚を食べても何も起こらなかった。人々は安心して魚を食べ、三五教の信者になった。ここから二人は別行動になる。言依別命はテルの国からウヅの都に直行し、国依別はテルの国人に教えを宣べ伝えてから、ヒル、ハルと回り、ウヅへ行くことになった。〔第30巻第14章「霊とパン」#〕
魚を食べることを許されたため、この地方の住民は飢餓から救われた。二人の若者(キジ・マチ)が国依別の弟子となり、三人でヒルの都を目指した。〔第30巻第15章「花に嵐」#~第16章「荒しの森」#〕
国依別、キジ・マチの三人は、ウラル教の宣伝使・エスの娘のエリナと出会う。エリナの父は三五教に感化されたため、教主ブールに呼び出され、日暮シ山で水牢に投獄されているという。国依別はキジ・マチに、日暮シ山へ行ってエスを助け出すよう命じる。自分はエリナを家へ送って行く。〔第30巻第18章「日暮シの河」#~第21章「神王の祠」#〕
第31巻
ヒルの都で大地震が発生した。国依別は「球の玉」の力で災害を鎮め、食糧や負傷者の治療に尽力した。救われた人々はこぞって三五教に改宗した。〔第1~3章〕
国依別はヒルの都の三五教の神司・楓別命の館にしばらく滞在する。国依別(この時43~4歳[16])は、紅井姫(楓別命の妹。この時19歳[16])とエリナの二人に言い寄られ、仕方なく弟子にする。〔第4~6章〕
楓別命に仕えるモリス(内事の司)と秋山別は、国依別に嫉妬して、紅井姫とエリナを奪い取ろうとする。国依別は二人の女弟子を従えて日暮シ山に進み、落とし穴からキジ・マチを救い出した。ウラル教の教主ブールを言向け和す。エリナの父エスを教主として、三五教が広められた。〔第7~13章〕
国依別一行三人(国依別、キジ→安彦に改名、マチ→宗彦に改名)はブラジル峠へ進む。秋山別とモリスは恋敵の国依別の命を狙うが、逆に国依別に命を救われる。二人は改心して国依別の弟子となった。〔第14~21章〕
一行は屏風ケ岳という山脈の中央・帽子ケ岳に登る。山頂で、ウヅの国から登って来た言依別命と合流する。一行はここを基地としてアマゾンの魔神モールバンドとエルバンドに対して、言霊戦を開始することになる。〔第22~25章〕
→国依別は第31巻の主人公格であり、ほぼ全ての章に登場する。エピソードの詳細は「第31巻」を見よ
第32~33巻
アマゾンの兎の都に猛獣の軍隊が攻めてきた。鷹依姫は言霊を宣り上げた。すると帽子ケ岳から二つの火光がサーチライトのように輝いた。言依別命と国依別が発射した琉球の玉の霊光である[17]。猛獣たちは光に打たれて逃げ去った[18]。〔第32巻第5章「琉球の光」#~第6章「獅子粉塵」#〕
高姫、安彦ら8人の宣伝使がモールバンドに襲われた時、二人が帽子ケ岳から霊光を発射すると、モールバンドは逃げ去った。〔第32巻第12章「鰐の橋」#〕
高姫、鷹依姫、安彦ら12人の宣伝使たちがアマゾン河の魔神を言向け和し、帽子ケ岳の頂上の言依別命・国依別の前に帰って来た。正純彦一行4人も合流し、合わせて一行18人は山を下りて、ウヅの都の末子姫の館へ凱旋した。〔第32巻第14章「山上の祝」#〕
国依別と末子姫は結婚することになる。それを高姫が反対するが、二人の結婚式は無事行われた。〔第32巻第22章「橋架」#~第33巻第16章「暗夜の歌」#〕
第69巻
ウヅの国の国司となった国依別と、妻の末子姫の間には、国照別と春乃姫という二人の子供がいた。ウヅの国には常世の国からウラル教が入り、国内は乱れて来た。しかし国依別は一切の政務を重臣の松若彦に一任し、政治に関与しなかった。球の玉の神徳によって世の中の成り行きを達観していたため、時が来るまではわざと政治に関与しなかったのである。〔第69巻第1章「大評定」#、第69巻第3章「喬育」#〕
ウヅの国とヒルの国の政治改革が、国照別・春乃姫と、国愛別・清香姫(ヒルの国司・楓別命の子)ら若者たちによって行われる。 →詳細は「第69巻」を見よ
脚注
- ↑ 第21巻第15章「化地蔵」#:「心の底より国依別の洒脱なる気品に惚込み」、第69巻第1章「大評定」#:「国照別は父国依別の洒脱にして豪放な気分を受け」、第69巻第3章「喬育」#:「国依別は元来磊落豪放にして、小事に齷齪せず、何事に対しても無頓着なる性質とて」
- ↑ 2.0 2.1 第20巻第5章「親不知」#:「私も今こそ、斯うして猫の様に温順しくなつて了つたが、随分名代の悪者でしたよ。家妻を貰つては赤裸にして追出し、押かけ婿にいつては、其家を潰し、何度となく嬶泣かせの家潰しや、後家倒し借り倒しなど、悪い事の有らむ限りを尽して来た所、最後の女房が私の不身持を苦にして、裏の溜池へドンブリコとやつて、ブルブルブル、波立つ泡と共に寂滅為楽となつて了つた。それから直に此お勝を女房となし」、第21巻第15章「化地蔵」#:地蔵のセリフ「オイ国依別、イヤ女殺しの後家倒しの、宗彦の巡礼上りの宣伝使、貴様の翫弄した女達に、今此処で会はしてやらうか」、他
- ↑ 第20巻第6章「梅花の痣」#:「ハイ子供の時は竹と云ひました。バラモン教から宗彦といふ名を貰つたのです」
- ↑ 第21巻第15章「化地蔵」#:「貴様の名はヤツパリ竹公又の名は宗彦、右の腕に梅の花の斑紋があると云ふ事が記してある」
- ↑ 第20巻第6章「梅花の痣」#:「私も実の所両親がわからず、他人から熊野辺の生れだと子供の時分に聞いたことがあります。私は大台ケ原の山奥の巌窟に悪神に攫へられて、長らく閉ぢこめられて居りました。其処へ立派な神様が現はれて、「お前はこれから浪速の里へ往て苦労せよ。一人前になつたら世界を順礼せい」と仰有いました(略)さうして私も兄弟が三人あつたさうです(略)漸く成人して牛馬にも踏まれないやうになつた頃から、徐々酒を呑み、そこら辺りへ養子にも幾度か行つて見、又家も持つて見ましたが、何分子供の時分から乞食のやうに、其処中を彷徨うて育つて来たものですから、家を持つの、養子に往くのと云ふことは窮屈でツイ飛び出し、自棄酒を呑んで女房に心配をかけ、沢山の女房を先立たしました。或人に聞けば私は丙午の年に生れたとかで、女に祟る身魂ぢやさうです」
- ↑ 第21巻第15章「化地蔵」#
- ↑ 第21巻第15章「化地蔵」#
- ↑ 第20巻第5章「親不知」#:お勝のセリフ「どうだ是れから此肉体に先妻のお国に、お光、お福、お三、お四つ、お市、お高が同盟軍を作つて憑依して来るが、それでも其方はまだ未練があるか」
- ↑ 第20巻第5章「親不知」#:「バラモン教の修験者 宗彦お勝の両人が 一粒種の愛し子に 先立たれたる悲しさに 赤児の冥福祈らむと 二世を契つた妹と背が 足に任せて雲水の 行衛定めぬ草枕 旅に出でたる其日より 憂きを三年の夫婦連れ」、宗彦のセリフ「来世が怖ろしくなつて来たので、罪亡ぼしに巡礼となつて、各地の霊山霊場を巡拝し、今日で殆ど三年、この自転倒島を廻つて来ました」、「私は御存じの通りバラモン教のお経を唱へて、巡礼に廻つて居る者で吾子の冥福を祈る丈の者」
- ↑ 第20巻第5章「親不知」#:松鷹彦のセリフ「一粒種の子に放れたのが悲しさに巡礼に廻つたと云うたぢやないか。今聞けば子に別れたと言ふのは全くの嘘だらう。そんな憐れつぽい事を云つて、世人の同情を買ひ、殊勝な若夫婦だと言はれようと思つて嘘八百を言ひ並べて歩くのだらう」
- ↑ 第20巻第7章「再生の歓」#:宗彦のセリフ「素より兄妹と知つて天則を犯したのでもなし、知らず識らずの反則であるから神様も赦して下さるだらう。何うぞ心配してくれな、併し兄妹と分つた以上は、お前の望み通り暇を上げませう」
- ↑ 第20巻第11章「鬼婆」#:「桶伏山に隠されし 珍の宝を奪ひ取り 逃げ行く姿を見るよりも」
- ↑ 第20巻第12章「如意宝珠」#:「お玉の方に抱かれて黄金の玉の御神体は一とまづ錦の宮の殿内深く納まり給うた」
- ↑ 第28巻第3章「玉藻山」#:「琉と球との宝玉の 御稜威を吾が身に負ひ来る 三五教の宣伝使 汝等二人に玉藻山 元の昔に恢復し 誠の道にバラモンの 敵を言向け和すてふ 珍の神宝授けなむ」
- ↑ 第28巻第3章「玉藻山」#:「日楯、月鉾の両人は、琉、球の玉の威徳に感じたりけむ、身体より強烈なる五色の光を放射し乍ら」
- ↑ 16.0 16.1 第31巻第5章「秋鹿の叫」#:「紅井姫はまだ十九才の花盛り、国依別は早くも四十の坂を三つ四つ越してゐた。されど球の玉の神徳にてらされて、元気益々加はり、血色よく、一見して三十前後の若者とより見えなかつた」
- ↑ 第32巻第5章「琉球の光」#:竜国別の歌「帽子ケ岳の頂上より 琉と球との霊光は 電火の如く輝きて 魔神の咆哮一時に 跡形もなく止みにけり」、第32巻第6章「獅子粉塵」#:左守の大兎の歌「帽子ケ岳の頂上より 瑞の御霊の神司 言依別の大教主 国依別の真人が 琉と球との神力を 発揮し給ひて吾々が 此苦しみを詳さに 救ひ給ひし事の由」、他
- ↑ 第32巻第6章「獅子粉塵」#:「雲霞の如く押し寄せたる猛獣の一隊は、琉と球との霊光に照らされ、命カラガラアラスの森の獅子王が陣屋へ、転けつ輾びつ帰り行く」