神懸かり
神懸かり(かみがかり、かんがかり[1])とは、神霊が人に憑依すること。帰神(きしん)・神懸(しんけん)・神憑(しんぴょう)の三種類ある。
帰神・神懸・神憑
簡潔に言うと、帰神とは主神の直接内流を受け主神と和合した状態。神懸とは主神の間接内流を受けた状態で、正神の神懸かり。神憑とは邪神の神懸かりである。
- 帰神(きしん)は、主神の直接内流を受けて、主神と和合する状態。「帰神」の意は、自分の精霊がその本源である主神の神格に帰一和合するということである。帰神した者は、最も霊界の真相を伝える予言者・伝達者である。[2]
- 神懸(しんけん)は、霊国天人(エンゼル)が人間の精霊に降り来た状態である。主神の間接内流ともいう。神界の消息をある程度まで人間界に伝達する。[3]
- 神憑(しんぴょう)とは、邪霊が外部から人間の肉体に侵入して罪悪と虚偽を行わせる状態である。この邪霊を悪霊とか副守護神とも言う。偽予言者・偽救世主は、この副守護神が説き教える言葉を、尊い神だと信じている。またその副守護神自身も自らの言葉を尊い神の言葉だと信じている。神憑は、自愛と世間愛から来る凶霊が、世人を迷わし、主神の神格を毀損することになる。[4]
- 王仁三郎の文献において、この三種の言葉が必ずしも使い分けされているわけではない。
- 霊界物語の戦前の版では、三種の語が厳密に使い分けされていない。たとえば邪霊の「神懸り」だとか、正神の「神憑り」と表記されている。これは筆録や植字の段階で、三種の語の違いを意識しなかったのだと思われる。筆録者によって表記のクセがある可能性もある。同じ章の中で同じ出来事を指すのに「神懸り」と「神憑り」が混用されている場合もあるが、これは植字のミスだとも考えられる。聖師御校正本(戦前の版を使って王仁三郎が自筆で校正した本)を見ると、そもそも王仁三郎自身が校正の段階で三種の違いを訂正していない。
- 戦後の普及版や校定版では、三種の語の用法がおかしいような箇所では、適切な語に置き換えたり、平仮名で「神がかり」と表記したりしている。八幡書店版は原則として校定版と同じである。愛善世界社版は聖師御校正本と同じであるが、聖師御校正本で三種の語が訂正されていないので、正神の「神憑り」というような表記が存在する。霊界物語ネットは愛善世界社版と同じである。【例】「#神懸かりのシーン」の第37巻第16章「四郎狸」#、第37巻第20章「仁志東」#、第37巻第24章「神助」#等の脚注を参照。
- 「帰神」や「神懸」「神憑」と書いて「かみがかり」「かむがかり(かんがかり)」と読ませている場合もあるが、それは帰神も含めた総称としての「神懸かり」を指している場合も多い。
- 霊界物語において帰神・神懸・神憑の違いが詳しく説明されているのは大正12年(1923年)1月に口述した第48巻第1章「聖言」#であるが、それ以前から、類似したことは説いている。
公憑・私憑
神懸を「公憑(こうひょう)」、神憑を「私憑(しひょう)」と呼ぶ場合もある。
『神霊界』大正8年(1919年)10月15日号掲載「随筆#」:「亦た正守護神と云ふのに、公憑(こうへう)私憑(しへう)の二大別があります。公憑とは甲の肉体にも乙にも丙にも丁にも臨機応変的に憑依する神霊であり、私憑とは或る種の因縁を有する身魂、一人に限つて憑依する神霊を指すので在ります。正守護神なるものは要するに、他より来つて人の肉体を機関として、神界の経綸を助け且つ又本守護神の天職を輔弼する所の、善良なる神霊であります。而して公憑は神懸(かむがかり)と曰ひ私憑は神憑(かむがかり)と言ふのであります」
王仁三郎の神懸かり
王仁三郎は長沢雄楯に神懸かりの修法を習ってから神懸かりになったのではない。王仁三郎が神懸かりになったのは7歳の時からである。
『神霊界』大正8年(1919年)8月15日号掲載「随筆#」:「私は七歳の時から神憑(かんがかり)状態で、突然に身体が中空にとび上つたり、種々の予言をしたり、人の病気を直したり、人の知らぬ事を知つたり、里人からは不思議な子供じや、神つきじやとか、神童じやとか言はれたものでありました。私の郷里穴太の老人連中に御聞きに成れば事実が判ります」「(略)長沢氏に合ふたのである。そこで私の幼時からの帰神状態を話すると、始めて長沢氏が、それは神界から任命された真正の神憑りであつて、神界の御思召に依つて、貴下が茲ヘ御出に成つたのだと云はれました。私でさえも自分の帰神を神経病ではないかと疑がつて居た際、一見して正しき神憑じやと断言されたのが、私の非常に気に入つたので、長沢氏を師と仰ぐ事になつたのである。併し先生から授かつて、神憑りに成つたのではない。七歳の時からの神憑(かんがかり)であつたのである。其の証に、長沢氏より四月十六日、先生に逢つた翌日、直ぐに「鎮魂帰神の高等得業を証す」と云ふ辞令を頂いて、今に大切に保存して在ります」
修法
「神がかりの修養をなさむとせば、まづ第一に正食を励み、身体を強壮にし、身魂ともに爽快となりしとき、初めて至真、至美、至明、至直の神霊にたいし帰神の修業をなし、憑依または降臨を乞はねばならないのである」〔第5巻第14章「審神者」#〕
神懸かりのシーン
霊界物語で登場人物が神懸かりするシーンは多数登場する。その主なものを記す。(偽の神懸かりも含む)
(下の引用文中にある「帰神」「神懸」「神憑」の語の用法は、前述(#帰神・神懸・神憑)した定義通りに使われているとは限らない)
- 第3巻第24章「蛸間山の黒雲」#:蛸間山にはもともと国魂神が鎮祭されていたが、新たに国魂を祭ったため、二つの国魂が主権をめぐって争い、八王神(吾妻別)には新しい国魂神が、八頭神(国玉別)には以前の国魂神が憑依して戦った。[5]
- 第4巻第1章「常世会議」#:「従ひきたれる瑞穂姫は俄然帰神(かむがかり)となり、身体上下左右に震動しはじめ、早くも口が切りし憑神はいふ、 『我は国治立命の荒魂、奇魂なり(略)』 と宣言して、姫の体内より出で去りたまひぬ」
- 第5巻第13章「神憑の段」#:竜山別(言霊別命の長子)は「神々とともにウラル山の中腹に登つて断食断水の仲間に加はつてゐた。たちまち身体震動し、顔色火のごとくなつて神憑りとなつた。彼には八頭八尾の大蛇の眷属、青竜魔が憑りうつり」
- 第7巻第28章「不思議の窟」#:祝姫は「涼しき声を張上げ調子よく歌ひながら、汗を流し帰神(かむがかり)して舞ひ狂ひける」
- 第8巻第16章「霊縛」#:蚊々虎が「神懸り」し、淤縢山津見がそれを鎮める。
- 第9巻第19章「悔悟の涙」#:「熊公は忽ち身体震動して、ここに神憑(かむがかり)状態となり口を切つて、 『此方は大蛇彦命である(略)』と雷の如くに呶鳴りつける」。[6]
- 第14巻第13章「山上幽斎」#:小鹿峠の二十三坂の頂上で、三五教の宣伝使・勝彦は、弥次彦・与太彦・六公の3人に頼まれて鎮魂帰神術を行うと、3人は「神懸り」して邪神が懸かり、空中を浮遊したりして大変なことになる。
- 第15巻第13章「神女出現」#:ラサフの都で「数十の男女、真裸の儘、庭前の野原に両手を合せ蹲踞み乍ら、力なき声を振絞り、何事か一心不乱に祈願をこめ、やがて一人の男、大麻を打振り乍ら神懸状態となつて、驀地に西北指して駆け出したり。数多の男女はわれ遅れじと一生懸命に追跡する」その状況を高国別が目撃する。
- 第16巻第15章「谷間の祈」#~第16章「神定の地」#:剣尖山の麓の谷川の畔で青彦がウラナイ教を広めていると、森林の中から悦子姫が女神のフリをして青彦を諫める。すると悦子姫に本物の「天照皇大神」が懸かり、ここに宮殿を造れと宣示する。「皇大神の神懸り」[7]。
- 第16巻第18章「遷宅婆」#:剣尖山の山麓の神殿が完成し鎮祭式の際、英子姫に「天照大神の和魂」が懸かり、悦子姫は真名井ケ岳へ、亀彦・英子姫は綾の聖地へ向かえと宣示する。[8]
- 第16巻第20章「思はぬ歓」#:悦子姫は日の出神の神霊を身に浴びて「得も云はれぬ神格加はり優しき中に冒すべからざる威厳を備へ、言葉さへ頓に荘重の度を加へて、一見別人の如く思はれ、無限の霊光を全身より発射するに至りぬ」。(特に神懸かりしたというわけではない)
- 第17巻第6章「瑞の宝座」#:瑞の宝座で悦子姫に「豊雲野尊(別名・豊国姫神)」が懸かり、音彦たちに、鬼ケ城山へ向かえと宣示する。
- 第22巻第11章「黄金像」#:「金助は忽ち神懸(かむがかり)状態となり、四角張つた肩を、なだらかに地蔵肩のやうにして了ひ、容貌も何となく美はしく一種の威厳を帯び断れ断れに口を切つた」
- 第22巻第14章「初稚姫」#:「杢助の背から下された初稚姫は一同の前に立ち、忽ち神憑り状態になつて仕舞つた」。[9] [10]
- 第22巻第18章「布引の滝」#:「初稚姫は優し味のある声にて(略)と云つて神懸りは元に復した」
- 第23巻第2章「副守囁」#:「竹彦は身体をブルブルと慄はせ乍ら、又神憑りになつて(略)と呶鳴り出した」
- 第23巻第3章「松上の苦悶」#:「竹彦は『ウヽヽ』と又もや松上にて神懸りを始めた」。[11]
- 第23巻第14章「籠抜」#:友彦は「偽神憑りとなつて(略)と雷の如く呶鳴り立てた」(神懸かりしたフリをした)
- 第25巻第18章「玉の所在」#:国依別は「偽神憑り」をして、高姫・黒姫・高山彦の3人に、玉のありか(ウソの場所)を教えた。
- 第28巻第1章「カールス王」#:「高照姫命」と称する霊が去った後、ユリコ姫は「忽ち身体動揺して帰神(かみがかり)となり、今の高照姫と称する女神は、金狐の化身にして、セールス姫の副守護神なることを口走り、初めて女神の正体を感知したり」……この時、ユリコ姫に懸かった神霊は真実(女神の正体が金狐で、セールス姫の副守だということ)を教えた。
- 第28巻第10章「縺れ髪」#:ユリコ姫は「神懸り」して(竜世姫命が懸かった)日楯・月鉾の兄弟に、琉球の南島へ渡って救援を求めよと宣示した。
- 第28巻第12章「サワラの都」#:「二三日以前より、照子姫様に高砂島の竜世姫命様御神懸り遊ばし、あなた方御三人様がここへ御越しになるから、出迎ひに出よとのお告で御座いました」
- 第29巻第2章「懸橋御殿」#:「竜国別一行が遥々海洋万里の浪を渡りて、玉の所在を尋ねむとしたるは、実は鷹依姫の帰神(かむがかり)を盲信したるが故なり。帰神に迷信したるもの程、憐れむべきは無かるべし。然り乍ら又一方には、是によりて海外の布教宣伝を為し得たるは神慮と云ふべき也」……鷹依姫に主神が懸かったわけではないが、「かむがかり」に「帰神」という文字を宛てている。
- 第29巻第2章「懸橋御殿」#:鏡の池の岩窟で、鷹依姫が偽の神懸りをして(月照彦命のフリをした)となり、竜国別が審神者となって、テーナの里の酋長アールを欺して、黄金の宝玉を手に入れる。アールに「国玉依別命」という神名を与えて、ここの神司に任じて、鷹依姫らは鏡の池から逃げ去る。「誠か嘘か知らね共 鷹依姫の神懸り 仰せの儘を畏みて 正直一途の酋長は 国玉依別、玉竜姫の 神の命と夫婦連」[12]。
- 第29巻第19章「生霊の頼」#:高姫一行6人(他にヨブ、常彦、春彦、マール、ボール)は天祥山のハンドの滝で禊して、高姫が審神者となって幽斎修業を始めた。するとマールに「鷹依姫の生霊(いくみたま)」が「神憑り」、玉の森で迷っているので一時も早く来て神業を助けてくれと頼んだ。[13]
- 第31巻第9章「誤神託」#:秋山別とモリスは神王の森で、神占によって紅井姫の行方を伺うことにする。秋山別が神主となり、モリスが審神者となる。するとモリスは「偽神懸り」をして自分に都合のよいことばかりを言う。[14]
- 第31巻第25章「会合」#:神素盞嗚大神は捨子姫(末子姫の侍女)に神懸かり、言依別命に対して、アマゾンの曲神を言向け和しに行けと命じた。[15] [16] [17] [18] [19]
- 第34巻第2章「孫甦」#~第3章「障文句」#:孫公は「神懸(かむがかり)」して、黒姫に、夫・高山彦は愛子姫と結婚して火の国にいると教える。[20]
- 第37巻第7章「五万円」#:高熊山修業を終えた喜楽は友人の斎藤宇一宅を借りて幽斎修業に着手した。最初に多田琴、次に斎藤静子が発動した[21]。多田琴には「白滝大明神」が、斎藤静子には「恒富大明神」と称する霊が懸かった。
- 第37巻第7章「五万円」#~第8章「梟の宵企」#:喜楽(上田喜三郎の雅号)に「松岡天使」や「大霜天狗」が懸かった[22]。喜楽に憑依した大霜天狗は山奥に小判が百万円ばかり埋蔵してあり、その場所を教えると言って喜楽を連れ出すが、いくら掘っても出て来なかった(騙された)。
- 第37巻第9章「牛の糞」#:喜楽に憑依した大霜天狗は、道端に十万円入った財布が落ちていると言って、斎藤宇一と喜楽を連れ出すが、落ちていたのは財布ではなく、牛の糞だった(騙された)[23]。「斯の如くして神さまは天狗を使ひ、自分等の執着を根底より払拭し去り、真の神柱としてやらうと思召し、いろいろと工夫をおこらし下さつたのだと、二十年程経つて気がついた。それ迄は時々思ひ出して、馬鹿らしくつて堪らなかつたのである」
- 第37巻第10章「矢田の滝」#:喜楽は矢田の滝で、「神懸り」して滝に打たれている外志ハルに遭遇する。外志ハルには「力松大明神」が懸かっていた。
- 第37巻第12章「邪神憑」#:「小谷重吉の神憑りは喜楽の姿を見るより」、「半分は肉体、半分は野天狗の神憑(かむがかり)といふ状態であつた」。
- 第37巻第16章「四郎狸」#:岩田弥太郎の妻お藤に「白木大明神」と称する霊が懸かった。喜楽は石田小末を連れて岩田宅へ行く。小末は「帰神(きしん)状態」となり、お藤に懸かった霊が白木大明神というのは偽りで、実は四郎右衛門という狸だということを見破った。[24]
- 第37巻第16章「四郎狸」#~第17章「狐の尾」#:高島ふみ子に稲荷が懸かり教会を開いているので喜楽が行ってみると、高島ふみ子は「神憑り」になり、赤い色の狐の尻尾(作り物[25])を見せながら神事を行っていた(偽の神懸かりだった)。
- 第37巻第19章「逆襲」#:多田琴に「小松林命」が「神憑り」、喜楽に対し、「霊術を応用して芝居の役者になれ」と指示する。しかしその神霊は実は小松林命ではなく松岡天使で、喜楽が役者になりたそうにしていたから改心させるためにからかったのだった。
- 第37巻第20章「仁志東」#:喜楽は清水の長沢雄楯のもとを訪ね、長沢の審神によって喜楽は小松林命の「神憑(しんぺう)」ということが明らかになり、高等「神憑(かむがかり)」と断定を下された。[26]
- 第37巻第24章「神助」#:「扨幽斎修行の結果は極て良好であつて、数多の修行者の中に二三の変則的不成功者を出しただけで、其他は残らず神人感合の境に到達し、中には筆紙を用ひて世界動乱の予言をなす者あり、北清事変の神諭を言ふ者あり、日露戦争の予言をしたり世界戦争を予告したりする神が憑つて来た。天眼通、天耳通、宿命通、感通等の神術に上達する者も出来て来た。大に神道の尊厳無比を自覚した信者も尠からずあつた。中に最も不可思議なるは西村まき子と云ふ十八才の女、俗にいふ白痴であつたが彼は神懸りとなるや平素の言動は一変し、かの神世に於ける大気津姫の如く、自分の耳から粟を幾粒となく出し、鼻よりは小豆を出し、秀処よりは麦種抔を出したる奇蹟があつた」。
- 第37巻第24章「神助」#:「福島寅之助の神懸りは随分乱暴なもので、邪神界の先導者とも云ふべき霊であつて、大変に審神者や役員を手古摺らした」。[27]
- 第38巻第2章「吉崎仙人」#:「此九十九仙人の精霊が、上谷の幽斎修行場へ現はれて来て、当年十八才の四方春三に神懸(かむがかり)し筆を取らして(略)依頼文を書いた」。
- 第38巻第7章「火事蚊」#:明治32年(1899年)頃の大本での神懸かりは、乱雑なもので、癲狂院そのままの状態であった。福島寅之助に邪神が懸かり妄動を繰り広げる。
- 第44巻第6章「山下り」#:祠の森で五十子姫に国照姫命が神懸かり、治国別に黄金山に進めと命じ、玉国別にはここに神殿を造れと命じる。
- 第49巻第5章「復命」#:祠の森の神殿が完成した。五十子姫に国照姫命が神懸かり、道公・伊太公・純公にそれぞれ道彦・伊太彦・真純彦という名を与え、玉国別の従者になれと命じる。晴公には道晴別という名を与え、治国別の従者になれと命じる。
- 第49巻第9章「善幻非志」#:祠の森の神殿で、楓(神司の珍彦の娘)が神懸かりとなった。その神懸かりはあまり高等なものではなかったが、日の出神と名乗っていた。そこへ高姫が現れ、怒鳴りつけると、憑霊は出て行った。高姫は日の出神と自称する病気が再発し、脱線だらけの神懸かりを始め出した。自問自答の神懸かりが再発し、精霊と談話を始め、それを文字に書き出した。「すべて精霊と人間との談話は危険至極なれば神界にては之を許し玉はぬ事になつてゐる。併し乍ら此高姫は一種の神経病者であつて、時々精霊が耳元に囁き、或は口をかつて下らぬ神勅を伝ふる厄介者である」
- 第54巻第21章「鼻向」#:竜彦に木花姫命が神懸かり、治国別に一刻も早く西に向かって旅立てと命じる。
- 第58巻第22章「獣婚」#:バーチルの妻・サーベル姫に猩々姫が神懸かり、もともとアヅモス山の天王の森を守護していたが、バーチルの父バークスによって夫が殺された…という過去を玉国別らに明かす。
- 第63巻第16章「諒解」#:初稚姫は神懸かりして[28]、玉国別一行に教示する。
- 第64巻上第1章「橄欖山」#:スバッフォードがマグダラのマリヤを審神すると、「大黒主神」を称する邪神が憑依していた。
- 入蒙記第26章「天の安河」#:「日出雄は神懸りとなり身体より霊光を放射し、左の意の神言が其口を破つて出た」
関連項目
脚注
- ↑ 旧仮名遣いでは「かむがかり」
- ↑ 第48巻第1章「聖言」#:「而して人間の精霊が直接大元神即ち主の神(又は大神といふ)に向つて神格の内流を受け、大神と和合する状態を帰神といふのである。帰神とは、我精霊の本源なる大神の御神格に帰一和合するの謂である。故に帰神は大神の直接内流を受くるに依つて、予言者として最も必要なる霊界真相の伝達者である」
- ↑ 第48巻第1章「聖言」#:「次に大神の御神格に照らされ、知慧証覚を得、霊国に在つてエンゼルの地位に進んだ天人が、人間の精霊に降り来り、神界の消息を人間界に伝達するのを神懸といふ。又之を神格の間接内流とも云ふ。之も亦予言者を求めて其精霊を充たし、神界の消息を或程度まで人間界に伝達するものである」
- ↑ 第48巻第1章「聖言」#:「外部より人間の肉体に侵入し、罪悪と虚偽を行ふ所の邪霊がある。之を悪霊又は副守護神といふ。此情態を称して神憑といふ」「すべての偽予言者、贋救世主などは、此副守の囁きを人間の精霊自ら深く信じ、且憑霊自身も貴き神と信じ、其説き教へる所も亦神の言葉と、自ら自らを信じてゐるものである。すべてかくの如き神憑は自愛と世間愛より来る凶霊であつて、世人を迷はし且つ大神の神格を毀損すること最も甚しきものである」
- ↑ 第3巻第24章「蛸間山の黒雲」#:「ことに八頭神には前の国魂神憑依して」……帰神・神懸・神憑という言葉は使われていない。
- ↑ 初版・愛世版では「神憑」だが、校定版では「神懸」。
- ↑ 第16巻第17章「谷の水」#
- ↑ 「英子姫は(略)忽ち神霊に感じ」と書いてあるだけで、帰神・神懸・神憑という言葉は使われていない。
- ↑ 三版・愛世版では「神憑り」だが、校定版では「神懸り」。
- ↑ ここでは「神憑り」だが、他の章でこの出来事を説明している箇所では「神懸り」になっている。第22巻第15章「情の鞭」#:「初稚姫様は神懸状態に御成り遊ばし」、第22巻第18章「布引の滝」#:「つい今の先教主様は俄に神懸りにお成り遊ばして」。
- ↑ 三版・御校正本・愛世版は「神懸り」、校定版は「神憑り」。
- ↑ 第29巻第9章「俄狂言」#
- ↑ 第29巻第19章「生霊の頼」#:「マールは身体震動し(略)ウンウンウンと唸り出す 獅子狼か野天狗か 金毛九尾か曲鬼か 但野狐野狸か 姿勢の悪い神憑り(略)」「マールの身魂に神懸り 鷹依姫の生霊 ここに現はれ願ぎまつる」
- ↑ 第31巻第9章「誤神託」#:秋山別のセリフ「エヽ此奴ア偽神懸りをやつてやがるのだな。感覚を蕩尽し、意念を断滅した神懸りがモリスの都合の好い事を吐すと云ふのが怪しい」
- ↑ 第31巻第25章「会合」#:言依別命の歌「神素盞嗚大神は はるばる浪路を打わたり イソの館を後にして 珍の御霊の宇都の国 現はれ来り宣たまはく 一日も早くアマゾンの 河に沿ひたる森林に 汝言依別神 二三の伴を引連れて 進めや進め早進め」
- ↑ 第32巻第15章「万歳楽」#:末子姫の歌「此世を洗ふ瑞御霊 父大神の御言もて 捨子の姫の口を借り 宣らせ給ひし太祝詞 畏みまつりて言依別の 神の命は神館 立出で給ひ」
- ↑ 第32巻第16章「回顧の歌」#:言依別命の歌「時しもあれや素盞嗚の 神の尊ははるばると これの館に出でまして 捨子の姫に神懸り アマゾン河の曲神を 言向け和し救へよと 宣らせ給ひし言の葉を」
- ↑ 第32巻第18章「竜国別」#:竜国別の歌「アマゾン河に迷ひたる 吾等一行助けよと 神素盞嗚大神の 清き尊き神懸り 其御教を畏みて 自ら言依別神 帽子ケ岳に登りまし」
- ↑ 第33巻第7章「心の色」#:石熊の歌「神素盞嗚大神の いと厳かな神懸(かむがかり) アマゾン河に向ひたる 鷹依姫や高姫の 司を救ひて逸早く 珍の都に帰れよと 宣らせ玉ひし神言に 言依別の大教主 吾等四人を従へて 帽子ケ岳に向ひまし」
- ↑ 第34巻第3章「障文句」#:「孫公は、委細構はず神懸(かむがかり)となつたまま謡ひ続ける」
- ↑ 「静子が神憑(かむがかり)になつたので」
- ↑ 斎藤元市のセリフ「大霜さまの神懸りを一つ願うて下さいな」
- ↑ 斎藤宇一のセリフ「オイ喜楽、貴様の神懸りはサツパリ駄目だ。今度は糞を掴ましやがつただないか(略)今日限り神懸りは止めようぢやないか」
- ↑ 初版・愛世版では「帰神(きしん)」だが、校定版では「神懸(しんけん)」になっている。「帰神」だと小末に主神が降臨したことになってしまうので、校定版の編纂者が「神懸」に直したのではないかと思われる。
- ↑ 第37巻第17章「狐の尾」#:「高島ふみ子サンは驚いて、上装束をぬぎ、狐の尾を細帯で括つたまま、取るのを忘れて」
- ↑ 初版・愛世版では「神憑(しんぺう)」「神憑(かむがかり)」だが、校定版では「神懸(しんけん)」「神懸(かむがかり)」になっている。「神憑」だと悪霊の憑依ということになってしまうので、編纂者が「神懸」に直したのではないかと思われる。
- ↑ 初版・愛世版では「神懸(かむがか)り」だが、校定版では「神憑(かむがか)り」になっている。福島寅之助には邪霊が懸かるが、「神懸」だと正神の神懸かりということになってしまうので、編纂者が「神憑」に直したのではないかと思われる。
- ↑ 第63巻第16章「諒解」#:玉国別のセリフ「初稚姫様の神懸してのお言葉によりまして、吾々も迷ひの夢が醒めました」