玉能姫
玉能姫(たまのひめ)は、霊界物語の登場人物。2人いる。
- 棒振彦(偽の美山彦)の妻の玉能姫。 →「玉能姫 (棒振彦の妻)」を見よ
- お節(丹波村の平助の孫娘)が改名した玉能姫。
本項ではお節が改名した玉能姫について解説する。 →「丹波村の平助親子」も見よ
概要
- 初出:第16巻第20章「思はぬ歓」#(お節)、第19巻第12章「言照姫」#(玉能姫)[1]
- お節のフルネームは「節子姫(せつこひめ)」。第17巻第1章「黄金の衣」#に2回出るだけで、それ以外は「お節」と呼ばれている。
- お節は丹波村の平助・お楢の孫娘。両親はすでに帰幽(顔も覚えていないくらい幼少時に死に別れた[2])。祖父母により育てられた。[3]
- 20歳前後の優しい女性。[4]
- 青彦(若彦、国玉別)と結婚する。お節が青彦に恋したことは第17巻第10~11章に出ているが、いつ結婚したのかは明確ではない。第18巻第5章で二人は再会し[5]、第19巻第10章ではすでに結婚したことになっている[6]。
- 玉能姫は「国直姫命の御霊の裔」である。[7]
- 玉能姫の霊魂は天理教祖(中山みき)として顕れた。[8]
主なエピソード
- バラモン教に誘拐され岩窟に監禁される。〔第16~17巻〕
- 高城山の松姫を改心させ、その功で「玉能姫」という神名を与えられる。〔第19巻〕
- 鷹鳥山の神業。〔第22巻〕
- 紫の玉の御用。神島に埋める。〔第22巻〕
- 竜宮島で麻邇宝珠の御用。〔第24~25巻〕
- 生田の森の神館に仕え、夫と共に玉留島に球の玉を祀る。〔第27巻、第33巻〕
お節時代
- 第16巻第20章「思はぬ歓」#で初登場する。しかし実はここで登場するお節は、大江山の鬼武彦の眷属である白狐の化身であることが、第17巻第4章「羽化登仙」#で明かされる。
- お節は、大江山の鬼雲彦の四天王である鬼彦と鬼虎に誘拐され、真名井ケ岳の山奥の岩窟に閉じこめられてしまう。それから一年後、鬼武彦の神策により、閉じこめた張本人である鬼彦・鬼虎によって救出された。〔第16巻第20章#~第17巻第4章#〕
- お節は病で寝込み、青彦の名を呼ぶ。黒姫がお節の病を治すためウラナイ教の宣伝歌を謡うが病はますますひどくなる。お節は幽界で青彦に出会い、救われて、再び現界に戻ってくる。〔第17巻第10章#~第11章#〕
- お節は黒姫の部下(滝公、板公)に捕まるが、紫姫・若彦(青彦が改名)らに救われる。〔第18巻第5章「赤鳥居」#〕
- 高城山のウラナイ教の松姫の館で、お節は松姫に仕える。お節は松姫を改心に導いた。その功で、エンゼルの言照姫命(神素盞嗚大神の使い)から「玉能姫」という神名を与えられる。〔第19巻第10章「馬鹿正直」#~第12章「言照姫」#〕
玉能姫時代
- 第22巻第9章「清泉」#~第10章「美と醜」#で「玉能姫」という3人の容貌がそっくりな女が登場するが[9]、これは白狐の旭、月日、高倉が化けていた化け物であった[10]。消え去った後、再び3人の「玉能姫」が現れるが[11]、彼女たちは名を上枝姫、中枝姫、下枝姫と言い、幻覚で、消えてしまう[12]。
- 本物の玉能姫は、鷹鳥山の神業に参加する。〔第22巻第12章「銀公着瀑」#~第15章「情の鞭」#〕
- その後、生田の森の杢助館へ行く。初稚姫と共に霊夢に感じ再度山に登り、言依別命から如意宝珠の玉(初稚姫)と紫の玉(玉能姫)を神島に埋蔵する御用を申しつけられた。二人は神島に渡り、二つの玉を埋蔵する。〔第22巻第16章「千万無量」#~第20章「三の魂」#〕
- 高姫が玉を探しに家島へ向かう。玉能姫はその後を追う。〔第23巻第9章「高姫騒」#~第13章「捨小舟」#〕
- 高姫は玉を探しに南洋諸島、竜宮島へ向かう。玉能姫と初稚姫はその後を追う。竜宮島で五個の麻邇宝珠の御用に従事する。麻邇宝珠を錦の宮に運ぶ。〔第24~26巻〕
- しばらく錦の宮にいた後、生田の森の館に帰る[13]。夫の若彦が琉球から持ち帰った琉球の玉を保管する[14] [15]。〔第27巻〕
- 琉の玉は生田の森で高姫が祀ることになり、国玉別(若彦)と玉能姫は球の玉を玉留島に祀る。〔第33巻第25章「琉の玉」#~第26章「若の浦」#〕
脚注
- ↑ 第19巻第12章「言照姫」#:エンゼル(言照姫命)のセリフ「此上はお節に対し、玉能姫と云ふ神名を賜ふ。竜若は今より竜国別、馬公は駒彦、鹿公には秋彦、熊彦には千代彦、虎彦には春彦と神名を賜ふ。汝等玉能姫を師と仰ぎ協心戮力神界のために全力を尽せ」
- ↑ 第17巻第3章「生死不明」#:お節の歌「如何なる宿世の罪業か 廻りて茲に父母の お顔も知らず慈悲深き 爺やと婆やに助けられ」
- ↑ 第16巻第21章「御礼参詣」#:平助のセリフ「若夫婦には先立たれ、たつた一人の孫を娘として育て上げ」
- ↑ 第19巻第11章「変態動物」#:「三十路を越えた一人の女(注・松姫のこと)と、二十前後の優しい女、桐の丸火鉢を中にひそひそと何か囁き話を始めて居る。 お節『松姫様」
- ↑ 第18巻第5章「赤鳥居」#:「お節『ア、貴方が青彦さま、お懐しう御座います。能うマア無事で居て下さいました』と嬉しさに前後を忘れ、青彦の手に獅噛み付く様に身体をもだえ泣き叫ぶ。」
- ↑ 第19巻第10章「馬鹿正直」#:熊彦のセリフ「青彦の裏返り者の女房お節が」
- ↑ 第33巻第17章「感謝の涙」#:「稚姫君命の御霊の裔なる初稚姫は金剛不壊の如意宝珠を永遠に守護し、国直姫命の御霊の裔なる玉能姫は紫の玉の守護に当り」
- ↑ 第24巻の初版(大正12年5月10日発行)の最後の章(第16章「慈愛の涙」、P382)に次の一文がある。「因(ちなみ)に云ふ。初稚姫(はつわかひめ)の霊魂(みたま)は三十万年の後に大本教祖出口直子と顕はれ、玉能姫の霊魂は天理教祖と顕はれ玉ふ」。しかし第三版(昭和8年7月30日発行)では(P334)、「因に云ふ。初稚姫の霊魂は三十万年の後に大本教祖出口直子と顕はれ給ふ神誓である」になっており、玉能姫の部分は削除されている。第二版か第三版で削除されたようである。
- ↑ 第22巻第9章「清泉」#:「急坂を太き竹製の手桶を両手に提げ、背恰好、容貌、寸分違はぬ三人の女、ニコニコしながら二人の前に現はれ来り」
- ↑ 第22巻第9章「清泉」#:「三人の女は、『旭さま……月日さま……ヤア高倉さま……さア帰りませう』と互に白狐と還元し、魔谷ケ岳の蜈蚣姫が館を指して進み行く」
- ↑ 第22巻第9章「清泉」#:「此時以前の女神又もやパツと此場に現はれた」
- ↑ 第22巻第10章「美と醜」#「と云ふかと見れば姿は煙となつて消えて仕舞つた」
- ↑ 第27巻第7章「猫の恋」#:「玉能姫は生田の森の館に帰りて駒彦と共に神業に従事する事となつた」
- ↑ 第27巻第16章「琉球の神」#:言依別命のセリフ「若彦さま、御苦労だが二つとも貴方が守護して、再度山の麓なる玉能姫の館へ持帰り、夫婦揃うて此玉を保管をし乍ら、神界の御用をして下さい」
- ↑ 第33巻第18章「神風清」#:「紫色の宝玉の御用に仕へたる玉能姫は生田の森の神館に於て、若彦(後に国玉別と名を賜ふ)と夫婦相並びて、生田の森の神館に仕ふることとなつた」