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* 別名:'''種'''(たね)<ref>{{rm|23|8|縺れ髪}}:木山姫のセリフ「妾は若気のいたづらから一人の男を拵へ腹が膨れ、遂には親の許さぬ子を設け、'''種'''と云ふ男に産子を渡し其儘姿を隠し、今の夫に娶られたもので御座います」、(付記)「常楠('''種''')──お久……駒彦(馬)失児、三才、天狗」</ref> | * 別名:'''種'''(たね)<ref>{{rm|23|8|縺れ髪}}:木山姫のセリフ「妾は若気のいたづらから一人の男を拵へ腹が膨れ、遂には親の許さぬ子を設け、'''種'''と云ふ男に産子を渡し其儘姿を隠し、今の夫に娶られたもので御座います」、(付記)「常楠('''種''')──お久……駒彦(馬)失児、三才、天狗」</ref> | ||
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2020年7月13日 (月) 14:26時点における最新版
常楠(つねくす)は、霊界物語に登場する人物。木山の里(日高の庄とも呼ぶ)の住人。後に琉球に渡り、守護神となる[1]。
概要
- 別名:種(たね)[2]
- 初出:第23巻第5章「親子奇遇」#
- 第23巻・第27巻・第28巻に登場する。
- 第28巻では「常楠仙人」と呼ばれている。
- 常楠は国彦・国姫(国比古・国比女とも書く)の曾孫(三代目の子孫)[3]である。国彦は真心彦(第三代天使長・沢田彦命の時代の天使)の従臣であった。真心彦が自害して帰幽した後は、その行動一変して、真心彦の後を継いだ広宗彦(真心彦の長男)の命令に従わず、利己的に振る舞い、神界を混乱させた[4]。このことが因縁となり、息子の清彦・照彦が、清子姫・照子姫(広宗彦の玄孫=四代目の子孫)と結婚することになる。 →詳細は「清彦・照彦#結婚の因縁」を見よ
- 国彦・国姫には真道知彦、大森雪成彦、梅ケ香彦という三人の息子がいる[5]。常楠はこの三人のうち誰の子孫なのかは不明。
- 常楠の父母は玉彦・玉姫である。オノコロ島で常楠を産んだ後、どこかに姿を隠した。[6]
関係の深い人物
- お久:常楠の妻。
- 木山彦:木山の里の酋長。
- 木山姫(お竜):木山彦の妻。
- 秋彦(鹿公):木山彦とお久の子。6歳の時に失踪。
- 駒彦(馬公、馬楠):常楠とお久の子。3歳の時に天狗にさらわれる。
- 清彦(虻公):常楠と木山姫(お竜)の子。1歳の時に森に捨てられる。
- 照彦(蜂公):木山彦とお久の子。1歳の時に森に捨てられる。
- お軽:常楠・お久夫婦の娘。虻公・蜂公が自分たちの妹だと知らずに殺してしまう。
主なエピソード
第23巻
木山の里に住む常楠・お久夫婦は娘のお軽と三人で暮らしていたが、ある夜、バラモン教の宣伝使二人を泊めたところ、夫婦を柱に縛り、お軽を殺し、金を奪って帰って行った。その2~3日後[7]、木山の里を秋彦と駒彦が訪れた。駒彦の生い立ちを聞くと、幼少時に天狗にさらわれて行方不明となった息子の馬楠[8]だと判明した。〔第23巻第5章「親子奇遇」#〕
駒彦・秋彦は竜神の宮の柿を食べてしまった[9]ため、竜神に人身御供に出されることになるが、白狐が身代わりとなった。常楠・お久・駒彦・秋彦の四人はここを立ち去り、熊野方面へ旅立った。〔第23巻第6章「神異」#〕
来栖の森で常楠が病で倒れたため、栗栖の宮に入り介抱した。そこへ泥棒の虻公・蜂公(第27巻で清彦・照彦に改名)が現れる。この二人は常楠の家でお軽を殺し金を奪った泥棒だった。常楠に諭され、二人は改心する。虻公の生い立ちを聞くと、常楠が若い頃に下女(お竜=木山姫)に産ませ、森に捨てた子だと判明した。また蜂公は、お久が結婚前にある男(木山彦)との間に産み、森に捨てた子だと判明した。生き別れた親子の再会に一同涙する。〔第23巻第7章「知らぬが仏」#〕
一同は熊野の滝へ行くと、木山彦・木山姫夫婦が参詣に来ていた。秋彦は木山彦が結婚前にある女(お久)との間に生まれ、行方不明になった子だと判明する。木花姫命が現れて、四人の子供の出自を明らかにする。木花姫命は──四人ともみな天則違反によって生まれた子なので、神界の罪によって今日まで親子生き別れになっていたが、汝らの信仰の力によって罪を赦され親子の対面をなすことを得たのだ──と教えて姿を消した。一同は若彦の館へ向かった。〔第23巻第8章「縺れ髪」#〕
第27巻
若彦と常楠は、熊野の滝で禊の最中、木花姫命が現れて、琉球に行って竜神を言向け和し珠を受け取れと命じられた。[10]
球の島に上陸し、槻の洞穴(槻の大木に開いた洞穴)を住居とする。後から来た言依別命・国依別と共に、ハーリス山の山奥へ行き、竜神(大竜別・大竜姫)を言向け和し、琉の玉・球の玉を受け取った。
言依別命・国依別は琉球の玉の精霊を自分の身魂に移し、形骸を若彦に渡して生田の森の玉能姫の館へ持ち帰れと命じる[11]。常楠には琉球の神となり王となれと命じ、清彦・照彦には常楠と共に島を守護せよと命じて[12]、高砂島へ旅立った。常楠はハーリス山の山深く入り、生神となり、俗界から姿を隠してしまった。「今に到る迄不老不死の仙術を体得し、琉球島の守護神となつてゐる」[13]。
〔以上、第27巻第9章「女神託宣」#~第16章「琉球の神」#〕
第28巻
向陽山に永住する常楠仙人は、台湾島からやって来た日楯・月鉾・ユリコ姫の三人に、いろいろな試練を与え、最後に、台湾島を救済するための神器(玉と鏡[14] [15])を与える。〔第28巻第14章「二男三女」#〕
脚注
- ↑ 第27巻第16章「琉球の神」#:言依別命のセリフ「常楠翁は此琉球島の土人の神となり、王となつて永遠に此処に鎮まり神業に尽して貰ひたい」、第28巻第14章「二男三女」#:「われは当山を中心として琉、球の夫婦島を守護致す常楠仙人であるぞ」
- ↑ 第23巻第8章「縺れ髪」#:木山姫のセリフ「妾は若気のいたづらから一人の男を拵へ腹が膨れ、遂には親の許さぬ子を設け、種と云ふ男に産子を渡し其儘姿を隠し、今の夫に娶られたもので御座います」、(付記)「常楠(種)──お久……駒彦(馬)失児、三才、天狗」
- ↑ 第27巻第17章「沼の女神」#:「汝が父の常楠は 国彦、国姫が三代目の曾孫」
- ↑ 第3巻第48章「常夜の闇」#:「真心彦の帰幽されし後は、その従者たる国比古の行動一変し、広宗彦の命を奉ぜず、利己的に何事も振舞ひ、いたづらに権力をふるひ、事足姫を軽蔑し、自由行動をとりて神人を籠絡し、つひに神界の混乱を来たさしめたるも、国比古の行為の不正なるに基因するもの多大なりけり」
- ↑ 第3巻第48章「常夜の闇」#:「この国比古と国比女夫婦のあひだに真道知彦、大森雪成彦、梅ケ香彦の三柱の男子生れたり。この三人は、両親に似合ぬきはめて厳正にして、智仁勇兼備至誠の神人なりける」、第5巻第48章「弥勒塔」#:「ここに真心彦命の従神なりし国彦、国姫より生れ出でたる真道知彦、青森彦、梅ケ香彦は」
- ↑ 第27巻第18章「神格化」#:「吾が父母の玉彦や 玉姫二人は自転倒の 島に姿を隠しつつ 我れを生して何処ともなく 清き姿を隠し給ひぬ」
- ↑ 第23巻第5章「親子奇遇」#:お久のセリフ「一人の妹娘は泥棒に二三日前生命を奪られ」、「せめて二三日前にお前が帰つて呉れたなら、妹のお軽もあんな目に会うのではなかつたぢやらうに」
- ↑ 第23巻第5章「親子奇遇」#:「私の名は馬楠と書いてあつたさうで、主人は馬公馬公と仰有つたのだと聞いて居ります」
- ↑ 第5章の最初の方
- ↑ 第27巻第10章「太平柿」#:「三五教の若彦が 常楠爺さまと諸共に 熊野の滝に参詣で 御禊祓の最中に(略)木花姫の忽然と 滝の畔に現れまして 言葉静かに宣らすやう 汝は是により常楠と 旅装を整へ船に乗り 熊野の浦を立ち出でて 浪間に浮ぶ宝島 琉と球との瑞宝の いや永久に納まれる 聖地に到りてハーリスの 山に棲まへる荒神を 言向け和し竜神の 腮の珠を受け取りて 三五教の神司 玉照彦や玉照姫の 貴の御前に奉れ 高天原の聖地より 言依別を始めとし 国依別の宣伝使 後より来り給ふべし 汝はそれに先だちて 此神島に到着し ハーリス山の深谷に 棲む竜神を言霊の 神の息吹に言向けよ」
- ↑ 第27巻第16章「琉球の神」#:言依別命のセリフ「是から国依別と両人が玉の精霊を我が身魂に移し、形骸丈は……若彦さま、御苦労だが二つとも貴方が守護して、再度山の麓なる玉能姫の館へ持帰り、夫婦揃うて此玉を保管をし乍ら、神界の御用をして下さい」
- ↑ 第27巻第16章「琉球の神」#:「常楠翁は此琉球島の土人の神となり、王となつて永遠に此処に鎮まり神業に尽して貰ひたい。……清彦、照彦は常楠と共に本島を守護致し、余力あれば台湾島へも渡つて三五教を広め、国魂神となつて土民を永遠に守つて下さい」
- ↑ 第27巻第16章「琉球の神」#の章末。
- ↑ 第28巻第14章「二男三女」#:「そこに二つの玉と三つの鏡が置いてある」「日楯は日の色に因みたる赤玉を取り、月鉾は白き玉を拾ひ、ユリコ姫、八千代姫、照代姫は光り輝く大中小三個の鏡を各一面づつ拾ひ上げ」
- ↑ 照彦王から与えられた密書には「摂受の剣と折伏の剣」と書いてある。第28巻第14章「二男三女」#:「向陽山には常楠仙人永住して汝等一同に摂受の剣と折伏の剣を与へ玉ふべし」