美山彦・国照姫 (棒振彦・高虎姫)
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この項目では、邪神である美山彦について説明しています。正神である美山彦については「言霊別命」をご覧ください。
この項目では、邪神である国照姫について説明しています。その他の国照姫については「国照姫 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
美山彦(みやまひこ)と国照姫(くにてるひめ)は、霊界物語に登場する人物。正神である美山彦とその妻・国照姫の名を、邪神である棒振彦・高虎姫が騙った。
本項では、邪神である偽の美山彦と偽の国照姫(本名は棒振彦・高虎姫)について解説する。
→正神である真の美山彦と真の国照姫(それぞれ「言霊別」「言霊姫」に改名した[1])については「言霊別命」「言霊姫」を見よ
目次
概要
- 初出:第1巻第50章「死海の出現」#(棒振彦・高虎姫)、第2巻第2章「邪神の再来」#(美山彦・国照姫)
- 棒振彦・高虎姫の前身は邪神の竹熊・木常姫である。死海で死んだ後、棒振彦・高虎姫として再生した。 →「竹熊」「木常姫」を見よ
- 霊界物語において「美山彦」「国照姫」と呼ばれている人物は、ほとんどが偽の美山彦・偽の国照姫である。(ただし「国照姫」という名の人物は4人いる→「国照姫 (曖昧さ回避)」を見よ)
- 真の美山彦(つまり言霊別命)は「美山彦命」と呼ばれ、偽の美山彦は「命」が付かず単に「美山彦」と呼ばれている。
- 真の美山彦が「美山彦命」と呼ばれている場面は、第2巻第3章と第5章だけであり、それ以外は改名後の「言霊別」と呼ばれている。
- 真の美山彦は大八洲彦命の参謀であり、最も信頼されている神人である。美山彦の声望は世界に知られていたが、その風貌は知られていなかった。それを知った棒振彦は、名を美山彦と偽り、高虎姫は名を国照姫(真の美山彦の妻)と偽った。[2]
- 二人は常世姫の部下である[3]
- 野心を持って竜宮城に長く仕え、地の高天原の事情によく通じている。[4]
- 鬼城山にアジト(砦[5]、隠れ家[6])がある。
関連人物
主なエピソード
美山彦と国照姫はたいてい行動を共にしており、両者のエピソードはほぼ同じである。
- 大八洲彦命との戦いに敗れて死んだ竹熊と木常姫の霊は、再び化して棒振彦と高虎姫となった。〔第1巻第50章「死海の出現」#〕
- 棒振彦・高虎姫は八王大神常世彦を謀主とし、国祖を地上から退去させ、盤古大神塩長彦の神政に覆そうという念は、竹熊・木常姫時代よりも一層度を増した。それぞれ名を美山彦・国照姫と変じて、大八洲彦命の部下の神軍を欺こうとした。
- 美山彦の妻・玉能姫は、夫を改心させようと焦心し、紅海に身投げして帰幽した。国照姫の部下・小杉姫が後妻となるが、美山彦・国照姫の悪計に忿怒していることを国照姫に知られ、追放される。〔以上、第2巻第2章「邪神の再来」#〕
- 美山彦は竜宮城に偽の情報を流し、竜宮城やロッキー山を奪おうとした。真の美山彦がロッキー山に立てた石像が火を噴いて魔軍を追いやった。〔第2巻第3章「美山彦命の出現」#〕
- 美山彦は偽の情報を流して芙蓉山の大足彦を万寿山に呼びよせたが、大足彦に邪神であることを見破られ退散した。〔第2巻第4章「真澄の神鏡」#〕
- 美山彦は長白山の言霊別命(真の美山彦)を攻め悩ました。死海の黒玉を爆発させ、山の周囲に邪気を発生させた。この邪気は病魔神と変じ世界に広がりペストの病菌となった。〔第2巻第5章「黒死病の由来」#〕
- 国照姫は常世姫を動かして、竜宮城の言霊別命・言霊姫を排除し、自分がその地位に立とうと謀った。〔第2巻第11章「狸の土舟」#〕
- 美山彦は鬼城山にアジトがあった。地の高天原では美山彦を帰順させるため使者として口子姫を、次に須賀彦を遣わしたが何れも復命しなかった。次に言霊別命(真の美山彦)を派遣した。美山彦は言霊別命を毒殺しようとするが失敗。言霊別命は逃げた。言霊別命の部下・村幸彦は、美山彦の部下に捕まり拷問を受けるが、神助によって助かった。美山彦・国照姫はその神徳に感じ、改心して鬼城山を明け渡し、地の高天原で奉仕することになった。〔第3巻第9章「弁者と弁者」#~第12章「信仰の力」#〕
- 竜宮城の美山彦・国照姫は、常世彦・常世姫に内通し、竜宮城を内部から破壊するために暗躍する。〔第3巻第40章「国の広宮」#~〕
- 常世会議に八王大神常世彦側の一員として参加する。〔第4巻第1~6章に名前が出る〕
- 美山彦・国照姫は、国祖に側近の追放と国祖自身の隠退を迫る勧告使となる。国祖は、側近の追放をやむなく了解した。だが二人は国祖に自分自身の隠退を勧告することが出来なかったため、美山彦に蟄居を厳命された。〔第4巻第43章「勧告使」#~第4巻第44章「虎の威」#〕
- 美山彦は鬼城山に山寨(さんさい)[13](アジトのこと)を構えていた。宣伝使の足真彦は鬼城山に現れ、囚われていた春日姫とその侍女・春姫、宣伝使・月照彦を救い出す。美山彦は彼ら4人に言向け和され、帰順する。〔第6巻第3章「頓智奇珍」#~第6章「暗雲消散」#〕(この時、国照姫は、ウラル彦に招かれてウラル山にいた[14])
- 美山彦は一旦は善道に立ち返ったが、再び悪化してウラル彦の部下となる。美山彦・国照姫は、アーメニヤの神都にウラル彦・ウラル姫と称して都を死守した(真のウラル彦・ウラル姫は黄泉島(または常世の国)に渡り、アーメニヤを2人に託した)[15] [16] [17]。
脚注
- ↑ 第2巻第5章「黒死病の由来」#:「茲に美山彦命は諸神司の正邪去就の判別に迷はされむことを慮り、稚桜姫命の神命を奉じて言霊別命と改名し(略)また国照姫も言霊姫と改名されることになつた」
- ↑ 第2巻第3章「美山彦命の出現」#
- ↑ 第2巻第17章「佐賀姫の義死」#:「一方よりは常世姫の部下美山彦、国照姫の魔軍より攻撃され」、第2巻第40章「山上の神示」#:「このとき常世姫の部下たる美山彦、国照姫は杵築姫を部将とし」
- ↑ 第4巻第6章「怪また怪」#:「竜宮城に野心を包蔵して永く仕へゐたる美山彦、国照姫は、地の高天原の事情によく通じゐたるを幸ひ」
- ↑ 第6巻第2章「瀑布の涙」#:「名も恐ろしき鬼城山、曲の棲処と聞えたる、棒振彦や高虎の、醜男醜女の砦を造り」
- ↑ 第6巻第3章「頓智奇珍」#:「ここは鬼城山の美山彦が隠れ家にして」
- ↑ 第6巻第4章「立春到達」#:「妾は美山彦の妻なる国照姫が」
- ↑ 第3巻第10章「無分別」#:「美山彦の一女に小桜姫といふ絶世の美しき若き女性あり」
- ↑ 第3巻第11章「裸体の道中」#:「須賀彦をつかはし、神命を伝へしめたまへども、これまた、小桜姫の容色に迷ひて命に背き、美山彦の養子となりて」
- ↑ 第6巻第3章「頓智奇珍」#:「美山彦の部下なる鬼熊彦なりき」
- ↑ 第8巻第13章「修羅場」#:蚊々虎のセリフ「清熊の変名清彦と云ふ奴」「鬼城山の棒振彦の参謀清熊どうぢや、往生したか」
- ↑ 第15巻第3章「十六花」#:愛子姫らのセリフ「ヤア汝こそは悪逆無道の鬼雲彦、前生に於ては竜宮城に仕へ、神国別の部下とならむとして、花森彦命に妨げられ、是非なく鬼城山の棒振彦が砦に参加し、神罰を蒙つて帰幽したる悪魔の再来、復び鬼雲彦と現はれて、この顕恩郷に城砦を構へ」
- ↑ 第6巻第4章「立春到達」#:「吾が山寨に入り来れるは」、「この山寨に俘虜となりしは」
- ↑ 第6巻第4章「立春到達」#:春日姫のセリフ「妾は美山彦の妻なる国照姫が、ウラル彦に招かれて、ウラル山に出発せしより」
- ↑ 第12巻第27章「航空船」#:「美山彦、国照姫をしてアーメニヤを死守せしめ、自ら黄泉島に渡りて第二の作戦計画を廻らしつつありける」「美山彦も一旦月照彦命、足真彦命の為めに言向け和され善道に立返りしが、再び邪神に憑依され、忽ち心魂くらみ国照姫の言を容れて、又もやウラル彦の部下となり、悪逆無道の行為を専らとするに至りたるなり」「茲にアーメニヤの神都には、表面美山彦はウラル彦命と称し、国照姫はウラル姫命と称して虚勢を張り、数多の魔神を集めてこの都を死守し、黄泉島と相待つて回天の事業を起さむと企て居たりき」
- ↑ 第13巻第2章「波斯の海」#:「ウラルの彦やウラル姫 コーカス山に現はれて(略)今は僅に美山彦 国照姫の曲神を 守護の神となぞらへ 常世の国に打渡り 随従の神を海原の 浪に漂ふ一つ島 宝の島に出立たせ 山の尾上や川の瀬を」
- ↑ 第13巻第4章「夢の幕」#:「アーメニヤの神都は殆ど零敗に帰し。今は僅に美山彦、国照姫の曲津見が弧塁を死守するのみ」
似た名前の人物
- 美山別:2人いる。
関連項目
- 不動岩:真の美山彦(言霊別)がロッキー山に造った石神像。