大蛇彦
大蛇彦(おろちひこ、だいじゃひこ)は、霊界物語に登場する人物。3人いる。
(1) 第2巻第7章「天地の合せ鏡」#に登場する大蛇彦(だいじゃひこ)は魔軍の一味。この章に名前が1度出るだけ。
〈稚桜姫命の一行は、馬上はるかに海上を渡りて地の高天原に帰還したまへるとき、天の八衢に鬼熊の亡霊は化して鬼猛彦となり、大蛇彦とともに命の帰還を防止し、かつその神宝を奪取せむと待ちかまへてゐた。〉
(2) 第8巻第37章「珍山彦」#に登場する大蛇彦(おろちひこ)は、蚊々虎の改名候補として正鹿山津見が提案した名前。
淤縢山津見一行が大蛇峠を下る時に横たわっていた巨大な大蛇に蚊々虎が話しかけると、大蛇は涙を流して頭を下げ、一行を背中に乗せて峠を下った〔第8巻第36章「大蛇の背」#〕。一同は大蛇を使う蚊々虎に感服して名前をあげることにした。そこで正鹿山津見が〈大蛇を使つた神力に依つて大蛇彦と命名《なづけ》たら何うだらう〉と提案したが、蚊々虎はすぐに〈大蛇彦は御免だ〉と断り〈珍山彦と言つて貰ひたいね〉と自ら「珍山彦」と命名した。
(3) 第9巻に登場する大蛇彦(おろちひこ)は、木花姫命の分霊。
以下に(3)について解説する。
概要
主なエピソード
大蛇彦が登場するのは次の3回である。ただし人間の姿で現れるのは最初だけであり、後は誰かに憑依するという形で現れている。
①大蛇彦が最初に登場するのは、三笠丸の乗客としてである。松竹梅の三姉妹は父・桃上彦を探しにウヅの国へ行くため、聖地エルサレムから三笠丸に乗った。船の乗客の一人(丙)に「桃上彦は死んだ」と聞かされ〔第7章「地獄の沙汰」#〕落胆したが、三人の前に大蛇彦が現れて「自分はウヅの国の者だ。桃上彦は正鹿山津見という立派な神様になって生きている」と教える。そして三姉妹とその従者・照彦を、ウヅの国まで案内すると、その姿は煙になって消えてしまった。〔第8章「再生の思」#〕
②次に大蛇彦はアタル丸の船中で、熊公に憑依するという形で登場する。熊公の友人[3]の虎公は、三笠丸で「桃上彦は死んだ」と教えて照彦に情報料としてお金を払わせた人物(丙)だった。熊公に懸かった大蛇彦は虎公に説教する。虎公は罪に悔悟して涙に暮れ、煩悶の結果、海に身を投げてしまった。虎公を助けようと熊公も海に飛び込んだ。〔第19章「悔悟の涙」#〕
虎公と熊公は巨大な亀に救われる。熊公が再び神懸りとなり、熊公に「志芸山津見命」という名を与え、カルの国へ行って宣伝使となれと命じた。このとき熊公に懸かった神の名前は書かれていないが、やはり大蛇彦だと思われる。〔第21章「志芸山祇」#〕
③虎公と熊公はカルの国とヒルの国の国境に聳える高照山で禊をなすことになった[4]。二人は途中で知り合いの鹿公と出会い、高照山の岩窟に「八岐の大蛇」という神が現れ、沢山の人が参拝していると教えられる。二人が行くと岩窟の中から声が聞こえてきて説教する。この「八岐の大蛇」は、自分の正体は大蛇彦だと明かす。〔第24章「玉川の滝」#~第26章「巴の舞」#〕
関連項目
大蛇彦や木花姫命は邪霊ではなく、救済を担う正神である。木花姫命はトリックスター的な役割をしている。→「木花姫命」