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(ページの作成:「'''珍山彦'''(うずやまひこ、旧仮名遣い:うづやまひこ)は、 (1) 霊界物語に登場する人物。旧名「'''蚊々虎'''(かがとら…」) |
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* もともとは「常照彦」という名である。第8巻で3回、自分の出自の断片を話しているが、[[常世姫]]の「内証の子」とも、[[盤古神王]]([[ウラル彦]])の「遺児」とも言っている。<ref>{{rm|8|16|霊縛}}:「元を糺せば尊き神の御血筋、稚桜姫の神の御子の常世姫が内証の子と生れた'''常照彦'''」、{{rm|8|20|張子の虎}}:「勿体なくも黄金山から御出張遊ばした天下の宣伝使、'''常照彦'''とは我輩の事だ」、{{rm|8|28|玉詩異}}:「吾こそは、元を糺せば盤古神王の遺児、'''常照彦'''なり。今は蚊々虎と名を偽つて」</ref> | * もともとは「常照彦」という名である。第8巻で3回、自分の出自の断片を話しているが、[[常世姫]]の「内証の子」とも、[[盤古神王]]([[ウラル彦]])の「遺児」とも言っている。<ref>{{rm|8|16|霊縛}}:「元を糺せば尊き神の御血筋、稚桜姫の神の御子の常世姫が内証の子と生れた'''常照彦'''」、{{rm|8|20|張子の虎}}:「勿体なくも黄金山から御出張遊ばした天下の宣伝使、'''常照彦'''とは我輩の事だ」、{{rm|8|28|玉詩異}}:「吾こそは、元を糺せば盤古神王の遺児、'''常照彦'''なり。今は蚊々虎と名を偽つて」</ref> | ||
* 外見の特徴は、顔が黒い、腰が弓のように「く」の字に曲がっている。<ref>{{rm|8|13|修羅場}}:「末席より眼光烱々として人を射る黒い顔、しかも弓の様に腰の曲つた男、酒に酔つ払つて捻鉢巻をしながら、渋紙の如き腕を捲りて高座に現はれ、清彦に向ひ大口を開けて」、{{rm|8|15|ブラジル峠}}:(淤縢山津見のセリフ)「貴様の腰は何だい、くの字に曲つて了つとるぢやないか」、同:「お前の顔の黒くなつたのも」、他多数</ref> | * 外見の特徴は、顔が黒い、腰が弓のように「く」の字に曲がっている。<ref>{{rm|8|13|修羅場}}:「末席より眼光烱々として人を射る黒い顔、しかも弓の様に腰の曲つた男、酒に酔つ払つて捻鉢巻をしながら、渋紙の如き腕を捲りて高座に現はれ、清彦に向ひ大口を開けて」、{{rm|8|15|ブラジル峠}}:(淤縢山津見のセリフ)「貴様の腰は何だい、くの字に曲つて了つとるぢやないか」、同:「お前の顔の黒くなつたのも」、他多数</ref> |
2020年6月15日 (月) 13:19時点における版
珍山彦(うずやまひこ、旧仮名遣い:うづやまひこ)は、
(1) 霊界物語に登場する人物。旧名「蚊々虎(かがとら)」。別名「常照彦(とこてるひこ)」。主に第8~10巻に登場する。
(2) 霊界物語第8巻第37章の章題。
本項では(1)の人物としての珍山彦について解説する。
概要
- 初出:第4巻第1章「常世会議」#:常世会議に大自在天大国彦の一員として出席した。ただし「蚊々虎」の名が出るだけで、特にエピソードは無い。
- 第8巻第37章「珍山彦」#で「蚊々虎」から「珍山彦」に改名している。[1]
- もともとは「常照彦」という名である。第8巻で3回、自分の出自の断片を話しているが、常世姫の「内証の子」とも、盤古神王(ウラル彦)の「遺児」とも言っている。[2]
- 外見の特徴は、顔が黒い、腰が弓のように「く」の字に曲がっている。[3]
- 実は木花姫命の化身である[4] [5] [6] [7]。ただし常世会議に出席していた時から木花姫命の化身だったのかどうかは分からない。
- 目の国(現在のメキシコ)には、今でも珍山彦の血縁が伝わっている。[8]
主なエピソード
蚊々虎はヒルの国で出会った三五教の宣伝使・淤縢山津見(旧名・醜国別。大洪水前は大自在天の宰相で、蚊々虎の上司だった)に同道して、ハルの国、ウヅの国、そして常世の国へ向かう。
途中で色々な人が遭遇し、淤縢山津見一行に加わる。第8巻では清彦、荒熊、五月姫、闇山津見、駒山彦、正鹿山津見、第9巻では松竹梅の三姉妹、照彦、虎公・熊公、第10巻では固虎。
その集団の中で蚊々虎は狂言回しとして重要な役割を演じている。新たに一行に加わった面々は一人前の宣伝使として独立して行く。特に松竹梅の宣伝使に対しては、珍山彦(蚊々虎)は指導者として導いている。
第8巻
- 第8巻第13章「修羅場」#~第14章:ヒルの都で蚊々虎は、"仮日の出神"として三五教を宣伝している清彦(旧名・清熊)の過去の悪行(大洪水前は美山彦の部下だった)を暴露し、口汚く罵る。それを聞いた人々はその話の真偽に迷い、互いに論争して暴動となる。そこへ日の出神、淤縢山津見(旧名・醜国別)、正鹿山津見(旧名・桃上彦)が現れた。日の出神の宣伝歌で暴動は収まった。日の出神は清彦に紅葉彦命という名を与え、ヒルの国の守護職に任じた。
- 第8巻第15章「ブラジル峠」#~第16章:蚊々虎は大洪水前の上司であった淤縢山津見の従者となり、二人でハルの国へ向かう。途中で淤縢山津見にいろいろな訓戒を受けるが、何かにつけ反抗的な態度を取る。
- 第8巻第17章「敵味方」#~第19章:淤縢山津見一行2人は、ブラジル峠を下る途中、ハルの国の関守・荒熊に止められる。ハルの国は鷹取別(大国彦の部下)が治めており、他国の者を入れることは出来ないという。蚊々虎は荒熊に対して喧嘩腰だが、淤縢山津見によって荒熊たち関守は改心した。荒熊(旧名・高彦。大洪水前は醜国別=今の淤縢山津見の部下だった)とその仲間の関守4人も淤縢山津見一行に加わり、峠を下りて行く。
- 第8巻第20章「張子の虎」#~第21章:ハルの国の原野(滝の村)で、蚊々虎は喧嘩虎と喧嘩する。高彦(荒熊)によって村人たちは改心し、三五教の信者になった。
- 第8巻第22章「五月姫」#~第23章:滝の村で一行の前に五月姫が現れた。ハルの国の東半分を治める酋長・闇山津見の娘である。五月姫の案内で一行3人(淤縢山津見、蚊々虎、高彦)は闇山津見の館へ向かう。途中で蚊々虎と高彦は、美女の五月姫をめぐって秋波を送る。
- 第8巻第24章「盲目審神」#:闇山津見の館で、蚊々虎が神懸る。淤縢山津見は、ロッキー山に現れたイザナミを本物だと信じていたが、蚊々虎に憑った神霊は、ロッキー山のイザナミは大国姫が化けたニセモノだと告げる。(この章の末尾の「附言」に、その真相が記されている)
- 第8巻第25章「火の車」#~第26章:闇山津見の館に、駒山彦(大洪水前は常世姫の部下だった)が現れる。蚊々虎と駒山彦は旧知の仲で、一緒に高白山を攻めた時に駒山彦は爆弾で死んだはず、と蚊々虎は驚くが、駒山彦は今日までの経緯を語り、淤縢山津見一行に加えてくれるよう頼んだ。
- 第8巻第27章「沙漠」#~第29章:淤縢山津見、蚊々虎、駒山彦、高彦、五月姫の一行5人でハルの都へ向かって旅立つ。一行が都に着くと、鷹取別らは幾千もの天の磐船・鳥船に乗り、北の空に逃げて行った。淤縢山津見は高彦をハルの国の(西部の)守護に任じ、原山津見という名を与えた。
- 第8巻第30章「珍山峠」#~第32章:一行4人(淤縢山津見、蚊々虎、駒山彦、五月姫)はウヅの国を目指して旅立った。珍山峠の上流の温泉で、正鹿山津見(旧名・桃上彦)と遭遇する。一行5人となり、ウヅの国へ向かう。
- 第8巻第33章「天上眉毛」#~第34章:夜、蚊々虎は寝ている一同の顔に落書きをして、一同を困らす。
- 第8巻第35章「一二三世」#:大蛇峠の山頂で蚊々虎は「親子は一世、夫婦は二世、主従は三世」について、駒山彦とおかしな問答を繰り広げるが、ところどころに的を得た話もする。
- 第8巻第36章「大蛇の背」#:大蛇峠を下ると、巨大な大蛇が横たわっていた。蚊々虎は大蛇に話をすると、大蛇は蚊々虎の正体(木花姫命)が分かったらしく、和された。一行4人は大蛇の背中に乗って峠を下る。
- 第8巻第37章「珍山彦」#:大蛇を使う蚊々虎の神力に一同は感心する。淤縢山津見が、蚊々虎という名を変えることを提案すると、正鹿山津見は、大蛇を使ったから「大蛇彦」という名を提案する。しかし蚊々虎は拒否し、自ら「珍山彦」に決め、改名した。一行は正鹿山津見の館に到着した。
- 第8巻第38章「華燭の典」#:蚊々虎は、正鹿山津見と五月姫の結婚を提案する。直ちに二人の結婚式を挙げることになる。(そこへ松竹梅の三姉妹が現れる)
(第39~43章は言霊解)
第9巻
(第1~8章は松竹梅の三姉妹が聖地エルサレムからウヅの国に至る旅の物語)
- 第9巻第9章「鴛鴦の衾」#~第11章:正鹿山津見は五月姫と結婚式を挙げ、三人の娘(松竹梅)と再会する。
- 第9巻第12章「鹿島立」#~第13章:淤縢山津見、珍山彦、駒山彦、松竹梅、照彦(松竹梅の従者)の7人は、常世の国へ向かって旅立つ。
- 第9巻第14章「闇の谷底」#:テルの国の近くの森林で、淤縢山津見、駒山彦、照彦の3人はどこかに姿を消してしまう。珍山彦と松竹梅の4人で常世の国に向かって宣伝の旅を続けることになる。珍山彦が三姉妹に、宣伝使としての実地教育を行うことになる。
(第15~17章は駒山彦のエピソード)
- 第9巻第18章「初陣」#~第21章:珍山彦一行4人は、テルの国のハラの港でアタル丸に乗ってヒルの国のアタルの港へ向かう。船上で虎公と熊公と出会う。虎公は、以前に(第7章で)松竹梅からお金を騙し取った男だった。珍山彦は松代姫に、宣伝使としての初陣として、虎公を改心させるよう命じた。松代姫の宣伝歌に感じて虎公は泣き伏した。珍山彦が熊公に霊をかけると、熊公に「大蛇彦」が懸かり、虎公に改心するよう諭す。虎公は悶絶し、海に身投げした。熊公はそれを救うため続いて海に飛び込んだ。アタル丸がアタルの港に着くと、虎公・熊公がいた。2人は巨大な亀(琴平別神)に救われたのだった。虎公は、亀の背の上で、熊公に憑った神から志芸山津見という名を与えられ、カルの国で宣伝使になれと命じられた。
- 第9巻第22章「晩夏の風」#:珍山彦はアタルの港に上陸し宣伝歌を歌うと、不思議なことに曲がっていた腰は真っ直ぐになり、容貌や声が若々しくなった。珍山彦と松竹梅の一行4人は、虎公・熊公と別れて、北へ向かった。
(第23~26章は虎公・熊公のエピソードで、第27~37章は間の国のエピソード。いずれも珍山彦は登場しない)
第8章、第19章、第25~26章に、木花姫命の化身である大蛇彦が登場するが、珍山彦との関係は不明。
第10巻
- 第10巻第9章「尻藍」#~第10章:目の国の川田の町で、珍山彦は三五教の宣伝中、数百人に取り囲まれた。この国はウラル教である。そこへ淤縢山津見・松竹梅の一行が現れた。5人の宣伝歌によって、この国の人々は三五教に改心した。この国には珍山彦の血縁が今に伝わっている[8]。
- 第10巻第11章「狐火」#:一行5人(淤縢山津見、珍山彦、松竹梅)はカリガネ半島に上陸した。三五教の宣伝使を捕まえるためにやって来た固虎(大国彦の部下)の軍が現れる。しかし蚊々虎の活躍によって固虎は改心する。固虎は後に固山津見という名をもらう。
- 第10巻第12章「山上瞰下」#:固虎を加えた一行6人は、シラ山山脈を越える。珍山彦は淤縢山津見に、今でもロッキー山のイザナミは本物だと信じているかと問う。真偽を迷っている淤縢山津見・固虎に「神の経綸は裏もあり表もある、見直し聞き直し宣り直しが大切だ」「怖さ、恐ろしさ、生命が惜しさの改心は本当の改心ではない、怪心だ」などと教訓を与える。一行は分散してロッキー山に向かった。(淤縢山津見と珍山彦の関係は、最初の第9巻では淤縢山津見が上位であったが、ここではもう珍山彦の方が上位になっていることが、言葉遣いなどから判る)
- 第10巻第13章「蟹の将軍」#~第14章:淤縢山津見と固虎はロッキー山に着くと、魔軍が次々と黄泉島に向かって出陣しようとしていた。黄泉比良坂の戦いに勝つためには、松竹梅の三人の「桃の実」が必要である。そこへ珍山彦と松竹梅がやって来た。淤縢山津見は一時も早く松竹梅を桃の実の御用に立てねばならぬと焦るが、珍山彦は、その三人は去年のうちに黄泉島に渡っていると言う。ここに居る松竹梅は化け物だと教えると、三人の姿は消えてしまった。珍山彦も、「限りなき魔神が城の内外に充満しており、最後に魔軍は黄泉比良坂に攻め寄せる」と教えると姿を消してしまった。(これ以降、珍山彦は登場しない。ただし名前だけは時々出る)
(第17章に登場する蚊々虎は、照彦が変身した偽の蚊々虎である)
脚注
- ↑ 霊界物語全巻中における使用回数は、蚊々虎290回、珍山彦92回、常照彦3回
- ↑ 第8巻第16章「霊縛」#:「元を糺せば尊き神の御血筋、稚桜姫の神の御子の常世姫が内証の子と生れた常照彦」、第8巻第20章「張子の虎」#:「勿体なくも黄金山から御出張遊ばした天下の宣伝使、常照彦とは我輩の事だ」、第8巻第28章「玉詩異」#:「吾こそは、元を糺せば盤古神王の遺児、常照彦なり。今は蚊々虎と名を偽つて」
- ↑ 第8巻第13章「修羅場」#:「末席より眼光烱々として人を射る黒い顔、しかも弓の様に腰の曲つた男、酒に酔つ払つて捻鉢巻をしながら、渋紙の如き腕を捲りて高座に現はれ、清彦に向ひ大口を開けて」、第8巻第15章「ブラジル峠」#:(淤縢山津見のセリフ)「貴様の腰は何だい、くの字に曲つて了つとるぢやないか」、同:「お前の顔の黒くなつたのも」、他多数
- ↑ 第8巻凡例#:「蚊々虎(後に珍山彦)といふ木花姫命の化身が面白可笑しく、誠の道を説き諭す実況が」
- ↑ 第30巻第4章「懐旧の歌」#:石熊のセリフ「松竹梅の宣伝使が始めて宣伝の初陣に此処を、蚊々虎と云ふ天教山の木の花姫の神様の化神に導かれて」
- ↑ 第31巻第14章「樹下の宿」#:「其昔淤縢山津見司が、木の花咲耶姫の化身なる蚊々虎と通過したる」
- ↑ 第41巻第14章「慈訓」#:竹野姫のセリフ「木花姫命様の化身なる珍山彦の神に導かれ」
- ↑ 8.0 8.1 第10巻第10章「注目国」#:「この国は今に珍山彦の血縁伝はり居るといふ」
関連項目
- 常暗彦(とこやみひこ):ウラル彦の落胤。