八島姫
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八島姫(やしまひめ)は、霊界物語に登場する人物。2人いる。
(1) 第1~2巻に登場する八島姫は、最初は魔軍の部将だったが、魔子彦の行動の汚さに愛想を尽かして善心に立ち返る。大八洲彦命に帰順し、シオン山の戦いでは稚桜姫命に選ばれてシオン山を守る八神将の一人となった。第1巻第26章「魔軍の敗戦」#と第2巻第1章「攻防両軍の配置」#だけに出る。
(2) 第3巻以降に登場する八島姫は、南高山の守神・大島別の娘。命の恩人の大道別(道彦)に恋慕する。常世会議に潜入して邪神の陰謀を破り、国祖隠退後に玉純彦と結婚する。
本項では(2)の、南高山の八島姫について解説する。
(どちらの八島姫も「島」は戦前の版でも「嶋」ではなく「島」が使われている)
目次
概要
関係の深い人物
主なエピソード
第3巻
- 八島姫の額に巴型の黒い斑点が現れた。この斑点が現れた者は荒河明神の生贄にならなくてはいけない。父・大島別は身代わりとして、額に巴型の斑点がある者を部下に探させた。南高山の谷間で倒れている男を部下が発見した。その男・大道別の額に巴型の斑点があった。大道別はモスコーの侍従長だったが、悪狐を切って退治した時にその血が口に入り、精神に異常を来たし、また耳や口が不自由な状態になってしまった。各地を放浪し、南高山の谷間に転落した時に出血して、精神も肉体も正常に回復していた。大道別は八島姫の身代わりとなり、逆に荒河明神(怪物)を退治した。この時、女神(国直姫命)が現れ──これより汝は道彦と名乗り、各地を巡って悪神の陰謀を探り、国祖国治立命に報告せよ──と命じた。〔第3巻第33章「巴形の斑点」#~第34章「旭日昇天」#〕
- 八島姫は命の恩人の道彦(大道別が改名)に恋慕し、道彦の妻になろうと思った。しかし道彦は再び痴呆・聾唖となり(なったフリ)南高山の城塞を出て行ってしまった。八島姫はその後を追い掛ける。呼んでも(耳が聞こえないフリをしているので)待ってくれない。八島姫は決心し──生きて恋に苦しむよりは、いっそ死んだ方がいい──と短刀で喉を突こうとする。その時、白狐が現れて(道彦を守っている白狐)短刀を打ち落とす。その時、二柱の天使(国直姫命の使神)が現れ、二人にそれぞれ使命を授けた。二人の使命はどちらも悪神の計画を探って国直姫命に報告せよというものだが、互いに相手の使命は知らされなかった。〔第3巻第35章「宝の埋換」#~第36章「唖者の叫び」#〕
- 二人は別々に長高山に入り、邪神の謀計を打ち破る。〔第3巻第36章「唖者の叫び」#~第37章「天女の舞曲」#〕
- 八島姫は常世の国のスペリオル湖を渡る船に乗った(船中に道彦も乗っていたが八島姫は気がつかなかった)。船中で、南高山の従臣・玉純彦が八島姫を見つける。城からいなくなった八島姫を探していたのだ。八島姫は「自分は旭姫という常世城の従臣だ」とウソをつくが、額の巴型の斑点で本人だと見破られた。しかし八島姫には使命があるため南高山に帰るわけには行かない。国治立命に祈願すると、白色の玉が天から落下して白煙がもうもうと立ち昇った。そのすきに八島姫は逃げてしまう。白煙が散った後には、白狐の旭が変化した偽の八島姫がいた。玉純彦はその偽の八島姫を連れて南高山に帰城する。真の八島姫は、常世城に入り、常世姫の侍女となって、邪神の一切の計画を探ることになった。〔第3巻第39章「乗合舟」#〕
- 春日姫(モスコーの八王神・道貫彦の長女)もまた使命を帯びて常世城に入ったが、春日姫と八島姫の二人は、どちらも八王大神常世彦の「寵神(ちょうしん)」であり、常世城に「嬌名たかき」「艶名並びなき」というほど出世している。[1]
第4巻
- 常世会議の二日目に、常世姫が二人、春日姫も二人、八島姫は三人も現れ、互いに自分が本物だと言い張って、七人は取っ組み合いのケンカとなり、会議は大混乱に陥る。〔第4巻第7章「涼風凄風」#~第10章「雲の天井」#〕 →詳細は「常世会議」を見よ
第5巻
- 顕恩郷に常治彦(常世彦の息子)、玉春姫(常世彦の娘)、塩治姫(塩長彦の娘)の三人が大きな亀(大道別の分霊・琴平別神)の背に乗って運ばれて来た。塩治姫と見えた者は、実は春日姫であり、玉春姫と見えた者は、実は八島姫であった。顕恩郷は南天王(大道別の分霊・日の出神)が治めており、春日姫・八島姫・南天王の三人は鼎談した。八島姫は恋慕する大道別(今は日の出神=南天王)に再会できたので嬉し涙を流した。南天王は芳彦をこの場に呼んだ。やって来たのは玉純彦(南高山の従者)だった。南天王は、玉純彦と八島姫は夫婦になれよと命じた。父の大島別もこの場に現れ、玉純彦と八島姫は結婚式を挙げた。今までこの郷を「川北郷(せんほくきょう)」と呼んでいたが、この出来事があってから、「顕恩郷」と名付けられた。三人は南高山に帰り、玉純彦は大島別の跡を継いだ。顕恩郷には白狐の旭が八島姫に変じて南天王のそば近くに仕えた。〔第5巻第5章「盲亀の浮木」#~第7章「三拍子」#〕
- 大洪水が近づいて来た。宣伝使の神澄彦は雪の中、南高山を訪れた。玉純彦・八島姫夫婦は、神澄彦の誠心に感じ、自らも宣伝使となって諸方を遍歴して神の福音を伝えることとなった。玉純彦は妻と別れ、神澄彦と共に旅立った。〔第5巻第42章「神玉両純」#~第43章「長恨歌」#〕