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顕恩郷
,→エピソード (1)
[[常治彦]]([[常世彦]]の息子)、[[塩治姫]]([[塩長彦]]の娘)、[[玉春姫]]([[常世彦]]の娘)の三人は、[[大きな亀]]の背に跨がり、エデン河を下り、顕恩郷に上陸した。住民たちは[[ウロー]]ウローと叫んで歓迎した。顕恩郷には昔から、角の生えた神が降臨して天変地妖を防ぎ万年の寿命を守るという伝説が伝わっていた。常治彦の頭に角が生えているのを見て、誠の神と信じた。神輿に常治彦を乗せ、東北の山に運び、円柱を立てたような超円形の棒岩の上に神輿もろとも安置された。〔{{rm|5|5|盲亀の浮木}}〕
塩治姫は実は[[春日姫]]で、玉春姫は実は[[八島姫]]だった。二人は[[南天王]]の宮殿に仕えた。南天王のはからいで、春日姫と[[鷹住別]]、そして八島姫と[[玉純彦]]の二組は結婚式を挙げる。そのとき八島姫の父・[[大島別]]もその場にいた。親子夫婦が対面し、神恩を感謝した。そのことにより、今まで川北郷と呼んでいたのを、顕恩郷と改名した。玉純彦・八島姫・大島別は夜ひそかに南高山に帰ったが、白狐のもその場にいた。親子夫婦が対面し、神恩を感謝した。そのことにより、今まで「'''川北郷'''」と呼んでいたのを、顕恩郷と改名した。玉純彦・八島姫・大島別は夜ひそかに南高山に帰ったが、白狐の[[旭]]が八島姫に変じて南天王の側に仕えた。南天王は大王の位をわが子・鷹住別に譲り、自分は何処ともなく神界経綸の神業に出てしまった。棒岩の上に安置された常治彦は、愛する塩治姫(実は春日姫)が鷹住別と夫婦となって睦まじそうにしているのを見て、悔しがり、神輿の中を前後左右に暴れ回った。すると神輿もろとも谷間に転落してしまった。〔{{rm|5|6|南天王}}~{{rms|5|7|三拍子}}〕
谷間に落ちた常治彦の角は根本から抜けてしまう。鷹住別・春日姫を石を投げつけようとするが、石地蔵のように体が硬直してしまった。このとき頭に二本の角が生えた神が天から降りて来た。彼は[[鬼武彦]]の化身であった。鬼武彦は常治彦の体を掴んでエデン河に投げ飛ばす。常治彦は南岸に這い上り、山々の谷間を目がけて走って行った。鬼武彦は棒岩の上に安坐して石像と化す。住民はこの石像を神と崇拝した。これより顕恩郷は大洪水のときまで安全地帯であった。〔{{rm|5|8|顕恩郷}}〕