松彦 (治国別の弟)
この項目では、治国別の弟で、松姫の元・夫である松彦について説明しています。その他の松彦については「松彦 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
松彦(まつひこ)は、霊界物語に登場する人物。最初はバラモン軍の兵士として登場するが、後に三五教の宣伝使となる。治国別の弟。松姫の元・夫。第43巻以降に登場するが、最初は「マツ公」「松公」と呼ばれている。
概要
- 初出:第43巻第13章「軍談」#に「マツ公」という名で初登場する。第43巻第17章「反歌」#以降は「松公」と表記され、第44巻第9章「怪光」#以降は「松彦」と呼ばれている。(「松公」という人物は他にもいる→「松公 (曖昧さ回避)」)
- 主に第43~46巻、第48巻、第53~55巻に登場する。
- マツ公と同僚のタツ公は、バラモン教の片彦将軍の秘書役[1]。
- 生まれはアーメニヤ[2]。
- 治国別(半ダース宣伝使の一員の亀彦)は松彦の兄である。
- 兄の亀彦がウラル教の宣伝使として竜宮島に渡った後、バラモン教がアーメニヤの神都を襲い、ウラル彦・ウラル姫一族は常世の国へ逃げ、人々の家は焼き滅ぼされた。松彦は父母兄弟に生き別れ、また死に別れ、漂流するうちにバラモン教の片彦将軍に見い出された。敵であるが、兄・亀彦の所在を探るため、心ならずもバラモン教に入った。[3]
- 元・妻の松姫、娘のお千代との関係は「松姫#松姫・松彦・お千代」を見よ。
主なエピソード
第43~46巻
マツ公とタツ公は三五教の玉国別一行との戦い[4]で馬から転落し足を負傷した。逃げ遅れた二人は祠の森で、三五教の純公(玉国別の弟子)・五三公(治国別の弟子)と出会った。四人は話しているうちに打ち解け合う。マツ公が治国別(旧名・亀彦)の生き別れた弟だと判明した。出かけていた治国別と玉国別が戻って来た。しかし治国別は弟だと聞いても喜びもせず、逆に「迷惑だ、バラモン教の手先となるような弟を持った覚えはない」と否定する。マツ公は「これより私の真心を御覧に入れ、その上で兄弟の名乗りをお願いします」と応えた。〔第43巻第13章「軍談」#~第15章「温愛」#〕
マツ公とタツ公は、バラモン教に捕まった伊太公(玉国別の弟子)を奪い返すため、祠の森を出て清春山に向かった。二人は岩窟の牢獄に囚われていた伊太彦を救出して、祠の森へ戻る。〔第43巻第16章「鰌鍋」#~第18章「石室」#〕(第17章「反歌」#から「松公」に表記が変わる)
祠の森に伊太彦を連れて帰った松公を、治国別はようやく弟と認め、竜公(松公の妻の弟)を義理の弟だと認めた。〔第44巻第2章「月の影」#〕
その後、松公は兄・治国別の弟子となりその一行に加わって行動する。(第44巻第9章「怪光」#から松公から「松彦」に変わる。ただし竜公は「竜公」のままである)
野中の森で寝ている最中、治国別と竜公が姿を消してしまった(バラモン軍の陣営がある浮木の森へこっそり向かった)〔第44巻第16章「怯風」#〕。残った6人(松彦、万公、五三公と、バラモン教のアク・タク・テク)のうち松彦が宣伝使格となり、一行を導いて、浮木の森へ向かった。 〔第44巻第17章「罵狸鬼」#〕
その途中、河鹿川の下流に架かる一本橋で、お寅とその娘・お菊の親子に出会う。二人に案内されて、ウラナイ教の小北山を訪れる。するとそこで松彦は、10年前に別れた妻・松姫と、娘・お千代に再会する(→「松姫#松姫・松彦・お千代」)。3人で協力し、小北山を三五教に立て直す。〔第44巻第18章「一本橋」#~第46巻第23章「黄金華」#〕(第45巻・第46巻は小北山が舞台)
第48巻
松彦一行6人(松彦、万公、五三公と、バラモン教のアク・タク・テク)は小北山を旅立ち、浮木の森へ向かった[5]。治国別・竜公(この二人は第47巻・第48巻で浮木の森のバラモン軍に落とし穴に落とされ気絶して天国巡覧し第48巻第15章「金玉の辻」#で現界に戻る)と合流し、ランチ将軍・片彦将軍・ガリヤ・ケース(この四人は第48巻第6章「狂転」#で物見櫓から川に落ち気絶して中有界を彷徨っていた)を救出する。〔第48巻第16章「途上の変」#~第17章「甦生」#〕、
第53~55巻
治国別一行4人(治国別、松彦、竜公、万公)はビクの国の救援に行く。三五教の教理や儀式を教え、神殿や教殿を建設し、その後、エルサレムへ向かった[6] [7]。〔第53巻第22章「天祐」#~第53巻第23章「純潔」#〕(第53巻・第54巻はビクの国が、第55巻はビクの国に隣接するフサの国玉木村のテームス家が舞台となる)
脚注
- ↑ 第43巻第13章「軍談」#:「此二人は片彦将軍の秘書役ともいふべき、マツ、タツの両人であつた」、「バラモン教のマツ公、タツ公は流石に片彦将軍の秘書を勤むる丈あつて」
- ↑ 第43巻第14章「忍び涙」#:マツ公のセリフ「ウン、俺の生れはな、実はアーメニヤだ」
- ↑ 第44巻第2章「月の影」#:松公のセリフ「兄上様がアーメニヤの神都より宣伝使となつて竜宮の一つ島へ渡られた後~広い天下を当所もなく漂流する内バラモン教の片彦に見出され、心ならずも兄様の所在を探るを唯一の目的として今日まで日を送つて参りました」
- ↑ 第43巻第12章「双遇」#の後半
- ↑ 第45巻第20章「蛙行列」#の章末:「松彦、万公、五三公、アク、タク、テクの一行は、小北山を後に眺めて浮木の森を指して足を早めた」
- ↑ 第53巻第23章「純潔」#:「これより治国別初め、万公、松彦、竜彦は、刹帝利の懇情により、三五の教理や儀式を城内の重役その他に教導し、神殿や教殿を新に創立し、夏の中頃一同は鬼春別以下の跡を追かけエルサレムを指して進み行く」
- ↑ 第55巻第18章「音頭」#:「是より治国別、道晴別、松彦、竜彦の四人は、テームス一家に暇を告げ、一先づエルサレムを指して足を速めて出でて行く」