ヒルの都
概要
主なエピソード
第8巻
仮日の出神となった清彦はヒルの国で三五教を宣伝し、都の中央の高地に館を造った。その名声は四方に広がり国人が大勢集まった。ある日清彦が大広前で教理を説き始めると、末席にいた蚊々虎が清彦の過去の悪事を暴き立て、人々の間で論争が始まり、収拾がつかなくなってしまう。
そこへ日の出神が淤縢山津見(醜国別)と正鹿山津見(桃上彦)を連れて現れた。淤縢山津見は自分の過去の悪事を告白し、今は日の出神に救われて改心した、清彦もやはり悪人であったが改心して日の出神の代理となった…と話して人々の疑いと迷いを払拭した。
清彦はこれより紅葉彦命と名を賜り、ヒルの国の守護職(まもりのかみ)となった。〔以上、第8巻第13章「修羅場」#~第14章「秘露の邂逅」#〕
第31巻
(第30巻第14章「霊とパン」#以降には国依別がヒルの都の楓別命(紅葉彦命の子)の館へ行く道中(日暮シ河やアラシカ山が舞台となる)に遭遇した出来事が記されているため、「ヒルの都」という言葉が頻繁に出て来るが、実際にヒルの都に入るのは第31巻第2章「大地震」#の章末である。)
ヒルの都で大地震が発生し、大火災となる。国依別は楓別命の館へ入り、天の数歌を宣り上げ、ウの言霊を発射すると、たちまち大地の震動は止まった。楓別命と国依別は人々の救済に努めた。
紅井姫(楓別命の妹)は国依別に恋心を抱く。内事の司のモリスと秋山別は秘かに紅井姫に心を寄せており、国依別に嫉妬する。そこへエリナ(エスの娘)が館に現れ、紅井姫とエリナは互いに国依別をめぐって嫉妬する。国依別は女二人を弟子として伴い、館を発って日暮シ山の岩窟に囚われているエス、キジ、マチを救うために向かった。〔以上、第31巻第2章「大地震」#章末~第6章「女弟子」#〕
第69巻
ヒルの国の国司・楓別命の長子・国愛別が行方不明となった。国家の危機を立て直したいが、昔気質の両親や長老(秋山別、モリス)に新しい考えを受け入れてもらえない。そこでまずは世情の調査のために城を抜け出したのである(国愛別はウヅの国に行き愛州と名乗り第69巻第4章「国の光」#~第11章「気転使」#に登場する)。
妹の清香姫が世継ぎとなったが、しかし清香姫も二人の長老に愛想を尽かし、国の改革に身を投じるため城を出ることを決心し、侍女の春子姫と共に城を抜け出した。
清香姫と春子姫は高照山の山麓で、山賊(源九郎一党)に取り囲まれてしまう。そこへ国照別(ウヅの国の国司の長子)一行5人(国照別、駒治、市公、馬公、浅公)が現れ、山賊たちは逃げて行った。国照別は国愛別と、お互いの国の改良を行うという約束をして、ヒルの国にやって来たのだった。一行はヒルの都の町外れで農業をしながら生活しはじめた。それを知った秋山別とモリスは地位・名望を投げ捨てて一緒に農業に従事し、清香姫に城に帰るよう懇願した。
楓別命夫婦は退隠して政治を清香姫、国照別に譲った。二人は仁恵を行い、徳政を施した。国照別は選ばれて、ヒルの国の大王となった。〔以上、第69巻第17章「琴玉」#~第22章「有終」#前半〕
関東大震災
大正12年(1923年)9月1日の関東大震災の当日、王仁三郎は熊本県の山鹿(やまが)に滞在していたが、地震の報が入る以前に宇知麿に命じて、霊界物語第31巻第2章「大地震」#と第3章「救世神」#、つまりヒルの都の大地震の場面を拝読させていた。→詳細は「ミロク岩#関東大震災」を見よ
脚注
- ↑ 使用回数は「高砂島#国名の表記について」を見よ。