「黒姫」の版間の差分

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# [[#三五教時代]]
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# [[#筑紫潟]]
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=== 青年時代 ===
黒姫の若い頃(20歳少し前くらい<ref>第24巻の時点で54~5歳であり(前出)、第33巻で35年前の出来事だと記されているので、19~20歳頃ということになる。</ref>)の出来事が{{rm|33|20|昔語}}で回想されている。それによると──
黒姫は[[フサの国]]の「[[柏井の里]]」の司をしている[[烏羽玉彦]]と[[烏羽玉姫]]夫婦の長女として生まれた。(「烏羽玉」は「黒」にかかる枕詞)
今から〈三十五年〉前、〈アバズレ娘〉の黒姫は〈夏の末〉のある日の夕暮れ、[[柏井川]]にかかる橋の袂を一人とぼとぼ歩いていた。すると向こうから酒に酔った〈二八《にはち》〉(「二八」とは28歳か? あるいは2x8=16歳か?)の男が鼻歌を歌いながらやって来た。双方ともに一目惚れして、そのまま〈四辺の木蔭に忍び入り〉抱き合った。人の足音が聞こえて来たため、その男(後に[[高山彦 (黒姫の夫)|高山彦]]だと判明する)はどこかに去ってしまった。名前を聞く間もなかった。
この時、黒姫は妊娠する。父母が厳しいため家を脱け出した。生まれた赤子は男の子で「富士咲」(後の[[玉治別]])と名付けた。しかし黒姫は赤子を四辻に捨ててしまった。(→「高山彦 (黒姫の夫)|」も黒姫との出会いについて歌っている)([[高姫]]もやはり赤子を捨てている)
その後、黒姫は四方を彷徨っていると、父([[烏羽玉彦]])と巡り会い、実家に帰った。そこで10年間過ごすが、捨てた子供が苦になって仕方がない。[[メソポタミヤ]]の[[顕恩郷]]で[[鬼雲彦]]が[[バラモン教]]を開いたと聞いて、黒姫は神の教えを学ぶため、家を出て顕恩郷に行った。しかし一目惚れした男や、赤子への執着心が晴れずに苦しんでいた。やがて黒姫は[[ウラナイ教]]に身を寄せて、副教主として活動するようになった。
{{rm|16|19|文珠如来}}で黒姫はウラナイ教に〈入信してからまだ十年にはならぬ〉と言っているので、入信したのは40代半ば以降(40代後半)だと思われる。


== 脚注 ==
== 脚注 ==