「高山彦 (黒姫の夫)」の版間の差分
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この項目では、黒姫の夫である高山彦について説明しています。その他の高山彦については「高山彦 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
高山彦(たかやまひこ)は、霊界物語に登場する人物。黒姫の夫。
概要
- 表記ゆれ:高山さま(黒姫などが高山彦を呼ぶときに「高山さま」と呼ぶ場合がある)
- 初出:第17巻第6章「瑞の宝座」#
- 主に第17巻から第35巻までに登場する。
- 福禄寿(または寿老人)のように頭が長い。[1]
- 黒姫の夫であるが、「ハズバンド」(英語 husband 夫の意)と表現されることも多い。[2]
- 黒姫の3人目の夫か? 「三世の夫」という記述がある。第17巻第7章「枯尾花」#:「(黒姫は)天狗の鼻の高山彦を 三世の夫と定めてゆ」
- 年齢は黒姫と同年輩である。第24巻(竜宮島が舞台)には「夫婦何れも五十の坂を四つ五つ越えたる年輩」[3]と記されている。
- フサの国に生まれた。妻子を捨てて、ウラナイ教の本部がある北山村へ行く(なぜ妻子を捨てたのか、なぜ北山村に行ったのかは不明)。そこで高姫にうまく説き諭され、ウラナイ教の信者となる。[4]
- 第64巻で黒姫的人物は「菖蒲のお花」という名前で登場するが、高山彦的人物は同じ「高山彦」という名で登場する(ただしお花の夫とは書いていない)[5]。
主なエピソード
第17巻
フサの国から天の鳥船に乗り[7]自転倒島へ飛び、魔窟ケ原の岩窟の隠れ家に居る黒姫のもとへ行き、結婚式を挙げた[8]。(この日は1月26日[9])〔以上、第17巻第7章「枯尾花」#〕
黒姫と高山彦は、豊国姫命の降臨地である真名井ケ原に、軍勢を率いて攻め寄せた。加米彦・青彦の神力に苦しみ、二人は逃げ去った。(この日は1月28日[9])〔第17巻第6章「瑞の宝座」#〕(時間的に、第6章のエピソードは第7~8章のエピソードの後になる)
第18~19巻
黒姫は青彦・紫姫を信頼し、於与岐の豊彦の家に行って玉照姫を連れ帰るよう命じる〔第18巻第16章「返り討」#〕。しかし二人は三五教に寝返ってしまった〔第17章「玉照姫」#〕。
高山彦と黒姫は、玉照姫を奪うため、世継王山の悦子姫の館へ向かった〔第19巻第2章「鶍の嘴」#〕。
二人は魔窟ケ原の岩窟を出て、綾の聖地を指して進む。白瀬川の畔までやって来たが、河水が氾濫して、川を渡ることが出来ない。黒姫は大蛇の姿となり、激流を渡って対岸に着いた。高山彦はその様子に恐れて震えていると、蛇体は川の上をこちらに戻って来た。高山彦の身体を包んで川の対岸へ運ぶと、蛇体は元の黒姫に変じた。二人は悦子姫の館へ行くが、紫姫が天の数歌を唱えると、二人は逃げてしまった。〔第19巻第3章「千騎一騎」#〕
第24巻
黄金の玉を紛失した黒姫は、高姫に命じられ玉探しに出かける。黒姫と高山彦は竜宮島に玉があると聞き、竜宮島に渡って玉を探す。高山彦は一つ島の大棟梁と称し、名をブランジーと名乗り、黒姫はクロンバーと名乗った。(二人は二年間[10]ほど玉を探した)
小糸姫たちの上陸後は、黄竜姫(小糸姫が改名した)を女王として仰ぎ、二人はその宰相役として仕えた。〔以上、第24巻第4章「一洲の女王」#〕
高姫一行が竜宮島に上陸し、二人は久しぶりに高姫と再会する。〔第24巻第10章「土人の歓迎」#、第24巻第12章「暴風一過」#〕
竜宮島には玉は無いとあきらめ、高姫・黒姫・高山彦の3人は自転倒島に帰った[11]。〔第24巻第12章「暴風一過」#〕
第26巻
高姫・黒姫・高山彦の3人は自転倒島に帰国した後、生田の森の杢助館で国依別から、竹生島の社殿の下に玉を隠してあると教えられた(これは国依別の偽の神懸かりによるもので、嘘だった)。3人それぞれ竹生島に渡り、社殿の下を掘り進めるが、国依別に騙されたことを覚り、互いに相手に八つ当たりをする。〔第26巻第13章「三つ巴」#~第15章「諭詩の歌」#〕 →「竹生島#主なエピソード」
第27巻、第33~35巻
錦の宮に納められた麻邇宝珠5個のうち、4個が石コロとすり替えられていることが判明する[12](これは素尊の神慮による仕組)。玉照姫は高姫に、4個の玉を探して持ち帰ったら汝を教主に任じ、高山彦と黒姫を左守・右守に任ずる、と告げる。高姫は喜ぶが、高山彦は欲に呆けた高姫と黒姫に愛想を尽かし、黒姫を離縁して家を出て行ってしまう。〔第27巻第6章「玉乱」#~第7章「猫の恋」#〕
黒姫は、高山彦が竜宮島か筑紫島へ逃げ去ったと聞いて[13]、後を追う。筑紫島へ渡り、高山彦を探す。火の国に高山彦がいると聞いて火の国まで行くが、それは人違いだった(高国別が高山彦と別名を名乗っていた)[14] [15]。〔第34巻・第35巻〕
実は高山彦は、綾の聖地の伊勢屋の奥座敷に下女の「虎」と隠れて遊んでいた。[16] [17] [18]
黒姫は若い時にたまたま出会った男と一夜を共にし男の子を産んだ。その男とはその夜限りだったが、実はそれが高山彦だったことが判明する。(そうとは知らずに高山彦と黒姫は結婚していた)[19] →詳細は「黒姫」を見よ
脚注
- ↑ 第18巻第9章「朝の一驚」#:梅公の歌「福禄寿の様なハズバンド 高山彦の目の前で 手柄話を諄々と 並べ立つれば黒姫も」、第17巻第7章「枯尾花」#:夏彦の歌「長い頭の寿老人さま 高山彦を婿に持ち」、第45巻第6章「唖忿」#:五三公のセリフ「そして黒姫には高山彦といふ頭の長いハズバンドがあつたと云ふ事です」
- ↑ 【例】第19巻第3章#:黒姫のセリフ「それでこそ妾の立派なハズバンドだ」
- ↑ 第24巻第4章「一洲の女王」#
- ↑ 第17巻第7章「枯尾花」#:高山彦の歌「フサの都に生れ出で(以下省略)」
- ↑ 第64巻で「高山彦」の名は次の1回だけ出る。第64巻上第19章「祭誤」#:「あとには曲彦、虎島寅子、菖蒲のお花、虎島久之助、高山彦等が首を鳩めて協議を凝して居る」
- ↑ 第17巻第7章「枯尾花」#:高山彦の歌「持て囃されて高姫の 鋭き眼鏡に叶うたか 抜擢されて黒姫が 夫となれとの御託宣」、第17巻第6章「瑞の宝座」#:加米彦のセリフ「承はれば高姫の肝煎りにて、フサの国より高山彦と云ふ勇将(略)黒姫と結婚の式を挙げ」
- ↑ 第17巻第7章「枯尾花」#:黒姫のセリフ「由良の湊までは、フサの国から、天の鳥船に乗つてお越しなのだから、轟々と音が聞えたら、それが高山彦さまの一行だ」
- ↑ 第17巻第7章「枯尾花」#:「黒姫、高山彦の結婚式は無事に終結した」
- ↑ 9.0 9.1 第17巻第7章「枯尾花」#:「明くれば正月二十七日(注・結婚式の翌日)、黒姫は、高山彦其他の面々を一間に招き、比沼の真名井の豊国姫が出現場なる、瑞の宝座を占領せむことを提議し、満場一致可決の結果、猫も杓子も脛腰の立つ者全部を引連れ、高山彦は駒に跨り、真名井ケ原指して驀地に進撃し、茲に正月二十八日の大攻撃を開始し」
- ↑ 第24巻第4章「一洲の女王」#:クロンバー(黒姫)のセリフ「大切なる玉の紛失せし為め其所在を探ねむと、竜宮の乙姫様の生宮として今年で殆ど満二年、残る隈なく探せども今に所在は分らず」
- ↑ 第24巻第12章「暴風一過」#:「高山彦も終に顕要の地位を棄てて高姫、黒姫と共に「タカ」の港に現はれ、一隻の船に身を委せ、浪のまにまに玉能姫一行の後を追はむと漕ぎ出したり」、第24巻第13章「治安内教」#:「天狗の鼻の高姫は 高山彦や黒姫と 諜し合せて玉能姫 初稚姫や玉治の 別命は海原を 遠く渡りて自転倒の 島に帰りしものとなし 俄に船を操りつ 東を指して出でて行く」
- ↑ 第27巻第5章「玉調べ」#
- ↑ 第27巻第7章「猫の恋」#の章末:「黒姫は高山彦が竜宮島又は筑紫の島に逃げ去りしと聞き、一方は玉の詮議を兼ねて夫の行衛を捜査すべく聖地を後に、三人の供者を従へ出発する事となつた」
- ↑ 第33巻第20章「昔語」#:「黄金の玉の行方をば 尋ね彷徨ひ高山彦の 夫の後を尋ねつつ 火の国都に来て見れば 高国別の神司 高山彦と名乗らせて 住まはせ玉ひし尊さよ」
- ↑ 第35巻第24章「歓喜の涙」#:玉治別のセリフ「本年三十五才の屈強盛りの活津彦根神様が高国別と御名乗り遊ばし、表向は高山彦と呼ばれて御座るのですから、あなたの御主人とは全く同名異人ですよ」
- ↑ 第33巻第20章「昔語」#:高姫のセリフ「肝腎の目的物たる高山彦さまは、灯台下は真暗がり、足許の伊勢屋の奥座敷にかくれて居られましたのも御存じなく」、黒姫のセリフ「よい年をして居つて伊勢屋の下女と何とか彼とか」
- ↑ 第34巻第2章「孫甦」#:孫公が神懸かりして歌った歌「命に替へた高山彦さまは 伊勢屋の娘の虎さまと 意茶つき廻つて酒を呑み 意気揚々と今頃は 石の肴を前に据ゑ 固い約束岩の判 石に証文書き並べ いよいよ真の夫婦ぞと 朝から晩迄楽んで 意茶つき暮す面白さ」
- ↑ 第35巻第24章「歓喜の涙」#:玉治別のセリフ「実は高山彦さまが、筑紫の島へ渡ると捨台詞を使つて、あなたにお別れになりました。私もさうだと思つて居つた所、豈計らむや、高山彦さまは伊勢屋の奥座敷にかくれて暫く御座つたさうですが、黒姫さまがいよいよ自転倒島を立たれた時分から、ヌツと顔を出し、毎日日日錦の宮へ御出勤になつて居られますよ」
- ↑ 第33巻第21章「峯の雲」#:「玉治別よ黒姫よ 高山彦は汝が父ぞ 汝が昔の夫ぞや」