青雲山
青雲山(せいうんざん)は、
(1) 霊界物語に登場する山。国祖国治立命が太白星の十二個の玉を国魂として配置[1]した「十二の山」の一つ。
(2) 霊界物語第3巻第6篇の篇題。
本項では(1)について解説する。
概要
- 初出:第2巻第47章「天使の降臨」#
- 青雲山は揚子江の上流、西蔵(チベット)と天竺[2]の国境にある。[3]
- 青雲山は月氏国[2]にある。[4]
- 青雲山の山つづきに白雪山という小高い山があり、その麓に白雪郷という村がある。[5]
- 黄金(こがね)の玉を鎮祭した宮殿を「黄金の宮」(こがねのみや)と呼ぶ。宮司は玉守彦、妻は玉守姫。[6]
- 青雲山から四恩河が流れている。[7]
- 大洪水後の修理固成で伊邪那岐命は、吾妻彦を青雲山の国魂に、吾妻姫を輔佐に任じた。[8]
- 大洪水後はウラル彦の手に落ちた。[9]
- 『新月の光』によると、青雲山は日本だと帝釈山に相応する。[10]
主なエピソード
- 竜宮城の戦いに敗れた常世姫は天下を席巻せむとしてロッキー山、ウラル山、バイカル湖、死海に向かって伝令を下す。すると青雲山は頻りに火焔を吐き出し、金毛九尾の悪狐となり、その口よりは数多の悪狐を吐き、各自四方に散乱した。〔第2巻第47章「天使の降臨」#〕
- 常磐城といふ魔軍の城がある。その王は八頭八尾の悪竜の一派にしてコンロン王といふ。青雲山より現はれたる金毛九尾の悪狐は、コンロン王の前に現はれ、たちまち婉麗ならびなき女性と化し、コンロン王に愛されつひにその妃となり、名をコンロン姫とつけられた。〔第2巻第47章「天使の降臨」#〕
兎と鮭(第3巻)
青雲山には国魂として黄金の玉を祭るため、荘厳無比な宮殿を建設していた。この宮殿を「黄金の宮」と呼ぶ。宮殿が完成するまで、玉守彦に宝玉を保護させた。
黄金の玉は十二個の国魂のうち最も大切な玉で、八王大神常世彦はなんとかしてこの玉を手に入れようとあれやこれや画策していた。
玉守彦は玉を守るため偽玉を造り、本物の玉は宝珠山の山奥の楠の大木の根元に埋めて隠す。
妻の玉守姫も連れて行ったが、智慧が浅く口が軽く嫉妬深い玉守姫から秘密が漏れるのを防ぐため、川に兎が棲み、木に鮭が生っている、という演出をして玉守姫に見せる。
黄金の宮が完成して黄金の玉を鎮祭することになったが、玉守彦は偽玉を祭った。
玉守姫は夫・玉守彦が侍女を深く信任していることに嫉妬して自暴自棄となる。そして八王神・神澄彦に──本物の玉は宝珠山に埋めてあり後で夫はそれを掘り出して自分が青雲山の八王神になる陰謀を企んでいる──と訴え出る。
しかし川に兎、木に鮭が…と玉守姫が話したため、玉守姫は発狂していると思われて相手にされなかった。
八王大神常世彦は部下に命じて黄金の宮から玉を強奪させる。
国魂を奪われ悩み沈む八王神・神澄彦に、玉守彦は真実を告白し、本物の玉は宝珠山に隠してあり無事だと告げる。
あらためて遷座祭を挙行し、玉守彦は注意周到な行動を激賞され重用されることになった。〔第3巻第19章「楠の根元」#~第20章「晴天白日」#〕
(この青雲山の兎と鮭のエピソードは第27巻第1章#で国依別が引照している)
オノコロ島に運ばれた黄金の玉(第6巻)
天道別命は野立彦命の内命を奉じて青雲山を訪れた。八王神の神澄彦夫妻と、八頭神の吾妻彦夫妻は、青雲山を発ち、天道別命と共に宣伝の旅に出た。〔このエピソードは第5巻第17章#、第41章#〕
大洪水の後── 〔第6巻第37章以降のエピソード〕
三五教の宣伝使・高彦天使(青雲別)は青雲山を訪れた。山麓では数多の人々がウラル教の宣伝歌を歌いながら道路工事をしていた。
青雲山の八王神・神澄彦は大洪水の前に宣伝使となって聖地エルサレムへ行ってしまい、それ以後は八頭神の吾妻彦の一人舞台となっていた。アーメニヤにウラル教が開かれてからは、吾妻彦はウラル教に帰順してしまい、黄金の国魂をアーメニヤに遷座しようとしていた。
高彦天使はその玉をエルサレムの黄金山に遷座させ、神伊邪那岐命の御神政御守護の御魂とするために、青雲山を訪れたのである。
吾妻別は三五教に帰順し、黄金の玉は黄金山に遷座された。〔第6巻第37章#~第38章#、第41章#〕
この黄金の玉はウラル彦に奪われることを防ぐため、秘かにオノコロ島の桶伏山に運ばれた。〔第41章#〕
現実の青雲山
霊界物語には、揚子江の上流でチベットとインドの国境にある[3]と書いてあるが、実際にどの山なのかは不明。
脚注
- ↑ 第3巻第2章「八王神の守護」#
- ↑ 2.0 2.1 天竺も月氏国もインドのこと。
- ↑ 3.0 3.1 第2巻第47章#
- ↑ 第7巻第9章#
- ↑ 第7巻第9章#
- ↑ 第3巻第19章#~第20章#
- ↑ 第6巻第39章「石仏の入水」#
- ↑ 第6巻第27章「神生み」#
- ↑ 第6巻第37章「雲掴み」#:雲掴のセリフ「昔は吾妻彦命、八頭神として当山を中心に神政を布き給うたが、世界の大洪水の後は、ウラル彦神、盤古神王の管轄のもとに置かれ、吾妻彦命はその配下として当山を守護し「飲めよ騒げよ一寸先は闇夜、闇の後には月が出る」と唄つてこの世の人民を気楽に暮さして下さるのだ」
- ↑ 新月の光0234「霊界物語の地名」