故郷の二十八年
(故郷の弐拾八年から転送)
故郷の二十八年(こきょうのにじゅうはちねん)は、出口王仁三郎の子供時代の自叙伝。生い立ちから小学校時代に起きたタダアイ事件までが回顧されている。

神霊界
『神霊界』大正10年(1921年)2月1日号にて「故郷乃弐拾八年」の題名で発表された。35頁から47頁まで13頁に亘って掲載されている。著者名は「瑞月」、執筆日は「大正九年十二月廿六日」と記されている。
題名通り、故郷の穴太に住んでいた28年間、つまり明治4年に生まれてから、明治32年に綾部に移住するまでの半生を綴った自伝になる予定だったようである。最後の頁には「つづく」と記されており、次号以降に続きを掲載することが予告されている。しかし実際には第一次大本事件の影響もあったのか、続きが掲載されることはなかった。
あるいは、同じ号の59~75頁には高熊山修業を回顧した「回顧録」が掲載されているので、それが「故郷乃弐拾八年」の一部だったとも考えられる。
出口王仁三郎全集
昭和10年(1935年)に発刊された『出口王仁三郎全集 第八巻 わが半生の記』の冒頭に「故郷の弐拾八年」という題で収録された。
『神霊界』掲載分だけでなく、タダアイ事件の後は回顧歌集『故山の夢』や『霧の海』からの抜粋によって26~7歳頃の出来事まで補われている。
出口王仁三郎著作集
昭和48年(1973年)に発刊された『出口王仁三郎著作集 第五巻 人間王仁三郎』の冒頭に「故郷の二十八年」という題で収録された。
「不幸の半生」「生い立ちの記」「故山の夢」「若き日の思い出」という4つのパートに分かれており、『神霊界』掲載分は「生い立ちの記」だけで、他のパートは他の文献から抜き出されている。