伊佐子の島
概要
国
国民(イドムの国)
国民(サールの国)
地理(イドムの国)
地理(サールの国)
主なエピソード
第81巻は、大栄山脈を挟み北にあるサールの国が、南にあるイドムの国を侵略する物語である。しかし愛国の志士が建ち上がりイドムの国は回復する。またサールの国でも愛国の志士によって政治改革が行われる。
(1) イドムの国で
伊佐子の島は万里の海の島々の中でも最も古く成り出でた島で、イドム、サールの両国は互いに相手の国を占領しようと数十年に亘って戦争を続けていた。
イドムの国の真珠湖に棲む人魚の涙は真珠の玉となり、内服すると身体が光を放ち美人の子が生まれるので、イドムの国人は人魚を捕まえて涙を採ることを業としていた。そのためイドムの人々は美男美女ばかりであった。サールの国のエールス王は、自国の醜い種族を改良するため、真珠湖を占領しようと大栄山脈を越えてイドムの国へ進軍する。
イドムの国のアヅミ王は城から敗走して月光山に立て籠もり、イドムの国の再興を図る。過去を顧みて、山頂に神殿を建てて主の大神を奉斎した。
一方、イドム城を占領したサールの国のエールス王は、神を畏れず驕り昂ぶり歓楽に耽った。〔ここまで第81巻第1章「イドム戦」#~第6章「月見の宴」#〕
エールス王の妃サックス姫は、左守チクターと恋仲になっており、エールス王を崖から落として殺した後、女王として君臨した。
真珠湖の人魚を捕まえるため、女王サックス姫と左守チクターらが舟に乗って行くと、人魚たちは反撃して、サックス姫たちを亡ぼす。以後、人魚を捕まえようとする者はいなくなり、人魚の群は繁栄した。
王を失ったためサールの軍師エーマンが後を継ごうとするが、イドムの国中から愛国の志士たちが決起し、群集がイドム城に攻め寄せる。エーマンは死に、イドムの国人は国土を取り返した。イドムの右守ターマンは月光山にアヅミ王を迎えに向かう。ここまで〔第81巻第7章「月音し」#~第10章「復古運動」#〕
(2) サールの国で
サールの国では木田山城でエームス太子が王の留守を守っていた。エームス太子はイドムの国から捕虜として送られてきたチンリウ姫(アヅミ王の娘)に一目惚れをし、結婚する。チンリウ姫の乳母アララギは自分の娘センリウを、チンリウ姫とすり替え、本物のチンリウ姫を島流しにしてしまった。〔第81巻第11章「五月闇」#~第15章「厚顔無恥」#〕
(3) イドムの国で
チンリウ姫は大きな亀(琴平別神)に救われ祖国イドムの「真砂の浜」に上陸した。
木田山城の侍臣の朝月は、チンリウ姫が偽者(実はセンリウ)だと気付いたため島流しの刑となる。やはり大きな亀に救われてイドムの国の「真砂の浜」に着いた。チンリウ姫の臣下として仕え、しばらく森の中で時を待つこととなる。〔ここまで第81巻第16章「亀神の救ひ」#~第再生再会章#〕
(4) サールの国で
サールの国ではアララギが実権を握って暴政をふるっていた。偽のチンリウ姫(アララギの娘センリウ)はイモリの精セームスと恋に落ちる。セームスはエームス王を殺して自分がエームス王になりすます。
愛国団体の隊長・夕月が率いる暴徒が木田山城に攻め込んで来た。偽のエームス王と偽のチンリウ姫は池に飛び込み、アララギは夕月の矢で死ぬ。イドムから帰国した左守ナーリスを中心に、木田山城に主の神を祀り、正しい政治を行わせ給えと祈願を行った。〔ここまで第81巻第18章「蠑螈の精」#~第81巻第20章「悔悟の花」#〕
(話はここで終わっているが、もし話が続くのであれば、サールの国は滅んで、伊佐子の島はイヅミの国のアヅミ王が全土を統治することになると思われる[1])