櫟ケ原
櫟ケ原(くぬぎがはら)は、霊界物語に登場する野原。ウヅの国にある。
概要
- 表記ゆれ:櫟が原 [1]
- 初出:第29巻第2章「懸橋御殿」#(櫟が原)
- 第29巻だけに出る。
- 櫟ケ原は萱草(かやくさ)が生い茂る[2]大原野で、「萱野ケ原」とも呼ばれている。
- 横断してアリナ山から東のアルの港まで行くのに370~380里もあり、どんなに急いでも徒歩で1ヶ月はかかる。[3]。
主なエピソード
櫟ケ原の白楊樹の下で、鷹依姫と高姫が改心して玉への執着心を捨て去り、アマゾンの神業に向かう。
鷹依姫
鷹依姫一行4人(鷹依姫、竜国別、テーリスタン、カーリンス)はテルの国の鏡の池から黄金の玉(ただし偽物)を持って逃げ出した後、ウヅの国の櫟ケ原に辿り着いた。白楊樹の下で休憩していると、寝てしまう。夜、風が吹いて白楊樹の枝が煽られて4人の体に触れた。テーリスタンは夢うつつでその枝を抱えると、風が止んで木が直立し、テーリスタンは白楊樹の枝にぶら下がってしまう。テーリスタンは地面に落下するが、テーリスタンが持っていた玉の袋は枝に引っ掛かったまま落ちて来ない。
カーリンスと竜国別が木に登って取って来ようとするが、幹に手をかけた途端にアッと叫んで倒れてしまう。仕方なく自然に玉が落ちて来るまで待つことにする。すると、頭の禿げた蛸入道のような化け物が現れ、猿世彦の副守護神だと名乗る(実は木花姫命)。そして──お前たちが探している黄金の玉はすでに発見されて言依別命が神界の命によってあるところに納めている[4]。もう玉への執着心を断ち切って善心に立ち返れ。これよりアマゾンの玉の森へ向かえ──と命じた。
鷹依姫一行は玉に対する執着心を除去し、櫟ケ原を東へ行き、海岸に出て北へ進んで行った。
高姫
高姫は鏡の池の懸橋御殿から逃げ出した後、櫟ケ原の白楊樹に辿り着いた。すると日の出姫(実は木花姫命の化身[5])という女神が現れ──玉への執着心を捨て去らないと神界の御用には立たない──と告げる。高姫は玉に対する執着心を放棄すると誓った。すると白楊樹の枝から、玉が入った錦の袋が落ちて来て、高姫は中の黄金の玉を見るが、未練は起きなかった。日の出姫は──玉を懸橋御殿に返し、アマゾンに行って鷹依姫一行に会い、神業に参加せよ──と命ずる。
次の日、後を追って来た従者の常彦、春彦と、懸橋御殿の玉、竜の4人が白楊樹に辿り着いた。高姫は玉、竜に黄金の玉を渡し、そして常彦、春彦を伴ってアマゾンに向かった。
脚注
- ↑ 使用回数は、櫟ケ原14回、櫟が原4回
- ↑ 第29巻第3章「白楊樹」#:「萱生茂る大野原」
- ↑ 第29巻第13章「愛流川」#:「高姫は常彦、春彦と共にアルゼンチンの大原野、櫟ケ原を東へ東へと進み行く。アルの港迄は殆ど三百七八十里もある。何程あせつても一ケ月の日数を費やさねば、アルの港へは行かれない」
- ↑ この黄金の玉は、懸橋御殿に御神体として祀られたらしい。第69巻第15章「四天王」#:「竜国別が中途で神様に取上げられた黄金の玉が御神体となつて、此お社に祀つてあるといふ事だから」
- ↑ 第29巻第16章「波の響」#:「高姫さまもどうしてか 櫟ケ原の真中で 天教山に現れませる 木の花姫の御化身 日の出姫の訓戒に 心の底から改心し」