「一途の川」の版間の差分
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'''一途の川'''(いちずのかわ)は、[[霊界物語]]に登場する川。[[中有界]] | '''一途の川'''(いちずのかわ)は、[[霊界物語]]に登場する川。[[中有界]]にあり、往来する人の衣服を脱がす「[[二人婆]]」がいる。類似の川として「[[三途の川]]」がある。 | ||
== 概要 == | == 概要 == | ||
* 旧仮名遣い:いちづのかは | * 旧仮名遣い:いちづのかは | ||
* | * 表記ゆれ:一途川(いちずがわ)、一途の河<ref>使用回数は一途の川35回、一途川3回、一途の河1回、一途河0回</ref> | ||
* 初出:{{rm09|14|0003|凡例}}、{{rms|14|14|一途川}} | * 初出:{{rm09|14|0003|凡例}}、{{rms|14|14|一途川}} | ||
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一途の川は2回、舞台として登場する。[[弥次彦]]、[[与太彦]]、[[勝彦]]の3人は2回とも一途の川を訪れている。 | 一途の川は2回、舞台として登場する。[[弥次彦]]、[[与太彦]]、[[勝彦]]の3人は2回とも一途の川を訪れている。 | ||
=== (1) === | === (1) 第14巻 === | ||
[[弥次彦]]、[[与太彦]]、[[勝彦]]、[[六公]]の一行4人は、[[小鹿峠]]の[[二十五番峠]]でまたもや暴風に吹き飛ばされて、谷間に落ちてしまう。〔{{rm|14|13|山上幽斎}}〕 | [[弥次彦]]、[[与太彦]]、[[勝彦]]、[[六公]]の一行4人は、[[小鹿峠]]の[[二十五番峠]]でまたもや暴風に吹き飛ばされて、谷間に落ちてしまう。〔{{rm|14|13|山上幽斎}}〕 | ||
(一同は気絶して中有界を彷徨い歩く)[[小鹿峠]]の48の坂を越え、広野原を歩いて行くと、水の勢いの激しい谷川に辿り着いた。一同は以前に[[三途の川]]に行った<ref>{{rm|14|1|三途川}}</ref> | (一同は気絶して中有界を彷徨い歩く)[[小鹿峠]]の48の坂を越え、広野原を歩いて行くと、水の勢いの激しい谷川に辿り着いた。一同は以前に[[三途の川]]に行った<ref>{{rm|14|1|三途川}}</ref>ことを思い出し、再び三途の川に来たのではないかといぶかしる。松の根元に小さい家があり、三途の川の鬼婆の家だと思って入ってみると、中にいた「中婆(ちゅうばば)」<ref>中婆とは40歳代くらいの中年の女の意味のようである。{{rm|15|5|五天狗}}:国彦のセリフ「併し乍ら中婆の四十女に限るぞ。皺くちや婆は真平御免だ」</ref>は、ここは一途の川で、行き来の人の身魂の皮を脱がして洗濯をする所だと言う。そして自分は[[木常姫]]([[常世姫]]の家来)の生まれ変わりで、三途の川の[[脱衣婆]]の妹だと言う。そしてもう一人、病気で寝ている婆(一途の川の脱衣婆)は、[[常世姫]]のお台さんだという。一同は婆と押し問答した挙げ句、二人の婆は手に出刃を持って突いてかかろうとする。4人は婆と格闘するが、勝彦が腰骨をグサリと突かれた。途端に目を覚ませば、4人は二十五番峠の谷底にいた。〔{{rm|14|14|一途川}}〕 | ||
=== (2) === | === (2) 第15巻 === | ||
[[バラモン教]]の[[鬼雲彦]]が支配する[[顕恩郷]]へ言向け和しに向かう[[太玉命]]一行は船に乗り[[エデンの河]]を渡る。途中で[[百舌彦]]が敵の矢に打たれ河に落ち、それを見た[[田加彦]]は河に飛び込む。そして船は岩石に衝突し太玉命、[[安彦]](弥次彦が改名)、[[国彦]](与太彦が改名)、[[道彦]](勝彦が改名)の4人はエデンの河に投げ出されてしまう。(太玉命だけは向こう岸に渡り着く) 〔{{rm|15|2|途上の変}}〕 | [[バラモン教]]の[[鬼雲彦]]が支配する[[顕恩郷]]へ言向け和しに向かう[[太玉命]]一行は船に乗り[[エデンの河]]を渡る。途中で[[百舌彦]]が敵の矢に打たれ河に落ち、それを見た[[田加彦]]は河に飛び込む。そして船は岩石に衝突し太玉命、[[安彦]](弥次彦が改名)、[[国彦]](与太彦が改名)、[[道彦]](勝彦が改名)の4人はエデンの河に投げ出されてしまう。(太玉命だけは向こう岸に渡り着く) 〔{{rm|15|2|途上の変}}〕 | ||
[[安彦]]、[[国彦]]、[[道彦]]、[[百舌彦]]、[[田加彦]]の5人は[[中有界]]の一途の川の河辺にやって来た。[[二人婆]] | [[安彦]]、[[国彦]]、[[道彦]]、[[百舌彦]]、[[田加彦]]の5人は[[中有界]]の一途の川の河辺にやって来た。[[二人婆]]の小屋へ行くと、中婆が出て来て、「今貴様たちの身体に電気をかけてやる」と言って柱の装置の取っ手を押すと、5人は間隔を置いて、グルグルと舞いながら空を昇って行く。上空で風に流され、雷が鳴り響くと5人は手をつないだまま落下した。フト気が付くと[[北野山]]の谷川で横たわっていた。〔{{rm|15|5|五天狗}}〕 | ||
(この後5人は、[[北山村]]の[[ウラナイ教]]本部を訪れる) | (この後5人は、[[北山村]]の[[ウラナイ教]]本部を訪れる) | ||
== 一途の川と三途の川の違い == | == 一途の川と三途の川の違い == | ||
一途の川も[[三途の川]] | 一途の川も[[三途の川]]もどちらも死者が渡る川である。 | ||
死者、即ち肉体を脱ぎ捨て霊界に復活した霊魂は、[[天界]](神界)・[[地獄界]](幽界)・[[現界]]の何れかの世界へ進むが、それが決定されるのが、この川である。神幽現の三つの道(途)があるので、「三途の川」と呼ぶ。流れの激しい上津瀬を渡るのは現界へ行く霊魂であり、流れの弱い下津瀬を渡るのは地獄界へ行く霊魂であり、中津瀬を渡るのは天界へ行く霊魂である。それぞれ霊魂の因縁に従って渡って行く。 | 死者、即ち肉体を脱ぎ捨て霊界に復活した霊魂は、[[天界]](神界)・[[地獄界]](幽界)・[[現界]]の何れかの世界へ進むが、それが決定されるのが、この川である。神幽現の三つの道(途)があるので、「三途の川」と呼ぶ。流れの激しい上津瀬を渡るのは現界へ行く霊魂であり、流れの弱い下津瀬を渡るのは地獄界へ行く霊魂であり、中津瀬を渡るのは天界へ行く霊魂である。それぞれ霊魂の因縁に従って渡って行く。 | ||
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<ref>{{rm09|14|9901|跋文}}:「抑も一途の因縁は 現世に一旦生れ来て 至善至真の神仏の 教を守り道を行き 神の御子たる天職を 尽し了はせし神魂 大聖美人の天国へ 進みて登る八洲の川 清めし御魂も今一度 浄めて進み渉り行く 善一途の生命川 渡る人こそ稀らしき 一旦現世へ生れ来て 体主霊従の悪業を 山と積みたる邪霊の 裁断も受けず一筋に 渉りて根底の暗界へ 堕ち行く亡者の濁水に 溺れ苦しみ渡り行く 善と悪との一途川」</ref> | <ref>{{rm09|14|9901|跋文}}:「抑も一途の因縁は 現世に一旦生れ来て 至善至真の神仏の 教を守り道を行き 神の御子たる天職を 尽し了はせし神魂 大聖美人の天国へ 進みて登る八洲の川 清めし御魂も今一度 浄めて進み渉り行く 善一途の生命川 渡る人こそ稀らしき 一旦現世へ生れ来て 体主霊従の悪業を 山と積みたる邪霊の 裁断も受けず一筋に 渉りて根底の暗界へ 堕ち行く亡者の濁水に 溺れ苦しみ渡り行く 善と悪との一途川」</ref> | ||
<ref>{{rm|40|11|三途館}}:婆のセリフ「一途の川といふのは、善一途を立てたものか、悪一途を立てた者の通る川だ」</ref>。 | <ref>{{rm|40|11|三途館}}:婆のセリフ「一途の川といふのは、善一途を立てたものか、悪一途を立てた者の通る川だ」</ref>。 | ||
== 脚注 == | == 脚注 == | ||
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* {{rm09|14|9901|跋文}}:[[三途の川]]や一途の川の真相について述べられている。 | * {{rm09|14|9901|跋文}}:[[三途の川]]や一途の川の真相について述べられている。 | ||
[[Category:霊界物語の河川 | {{デフォルトソート:いちすのかわ}} | ||
[[Category:霊界]] | |||
[[Category:霊界物語の河川]] |