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2023年10月27日 (金) 17:49時点における版
八王八頭(やつおうやつがしら)とは、霊界物語に登場する神の役職名。「八王神(やつおうじん)」と「八頭神(やつがしらがみ)」のこと。
国祖が太白星の玉を祭った12の山の八王・八頭の一覧は「十二の山」を見よ。
概要
八王神は「国魂の神」であり、国の「主権者」であり、現代の国王のような役割である。八頭神は「宰相の神」であり、政治を司っていた。ただし国と言っても、この当時の国は国境によって区画された国家ではなく、国魂を中心としたものだった。[1] [2] [3] [4] [5]
第3巻第2章「八王神の守護」#で、国祖が太白星の十二個の玉を祭った世界十二ヶ所に八王八頭を任命している(→「十二の山」参照)。これが八王八頭を任命した始まりである。この「十二の玉の守護神」が八頭神である[6]。十二柱の八王神を「十二神将」と呼ぶ[7]。
しかし八王八頭はこの十二の山だけではなく、他の地域にも存在する。【例】「南高山を主管する八王の大島別」[8](南高山は十二の山ではない)
国祖神政時代は、各地の八王神は、天使長が統轄していたが、国祖隠退後は八王大神が統轄することとなった(後述)。[9]
八王大神との関係
常世彦が称する「八王大神」という称号は、自分で勝手に称しているだけであり、国祖が定めた八王神の上位に来るというような意味は持っていない。[11]
常世彦が八王八頭の上位に就いたのは、第4巻第37章「時節到来」#で第6代天使長に就任してからのことである。[12]
常世彦 (二世)が第7代天使長に就任すると、「天使長」の職名を廃して「八王大神」にするよう国祖に要求。第4巻第42章「無道の極」#で国祖は涙を呑んでそれを許可している。[13]
国祖隠退後は、盤古大神─八王大神 という世界支配体制の下に、各地の八王八頭が配される形になる。[14]
八王連盟
第3巻後半から第4巻にかけて、常世彦は八王八頭の連合団体の結成を画策する。
第3巻第42章「常世会議」#で十二の山の八王八頭のうち万寿山と天山を除く10の山の八王八頭が、八王大神の配下になる。これは「八王連盟(八王聨盟)」と呼ばれている[15]。
しかし第3巻第44章「可賀天下」#で、八王大神に背いて天使長・高照姫命の配下に戻った。[15]
第4巻第1章「常世会議」#では「常世会議」の開催前に、再び八王八頭連合(八王八頭聯合)が作られている。(常世会議には十二の山のうち万寿山を除く11の山が参加している。しかし参加した天山の斎代彦は八王大神を批判する演説を行っているので、実質10ヶ所である)
八王廃止
国祖隠退後、常世彦がウラル彦と改称したとき、八王八頭の名称が廃止された。理由は「八頭八尾の大蛇の名と言霊上間違ひやすきを慮つたから」である。しかし従来の呼称に慣れていたため、神人らは依然として八王八頭と呼んでいた。[16]
第5巻以降は「八王八頭」とか「八王神」「八頭神」という言葉はあまり出ない。
ヤッコス
第11巻の大気津姫退治の物語において、八王が「ヤッコス」と呼ばれている。従来の国王としての八王ではなく、巨大な富を持つ富豪が八王(ヤッコス)である。[17]
コーカス山に大気津姫の部下のヤッコスたちが豪華な建物を建て、「顕国の宮」という宮殿を造った。酒宴に耽っているところを三五教の宣伝使たちが現れ、逃げて行った。神素盞嗚大神がこの顕国の宮に入る。[18]
脚注
- ↑ 第1巻第18章「霊界の情勢」#:「天から命ぜられて各国の国魂となつたのは八王であり、八頭は宰相の位置の役である」
- ↑ 第1巻第21章「大地の修理固成」#:「大国常立尊が天地を修理固成したまうてより、ほとんど十万年の期間は、別に今日のやうに区劃された国家はなかつた。ただ地方地方を限つて、八王といふ国魂の神が配置され、八頭といふ宰相の神が八王神の下にそれぞれ配置されてゐた」
- ↑ 第3巻第8章「従神司の殊勲」#:「言代別に命の名を与へて言代別命と称せしめロツキー山の主権者となし、八王神の列に加へられける」他。八王神に対して「主権者」という表現が使われている。
- ↑ 第3巻第2章「八王神の守護」#に「国治立命は十二の玉を鎮め、八頭の国魂を任命し、つぎに八王の神を配置したまひぬ」とあり、あたかも八頭神が「国魂」のようなことも書いてある。
- ↑ 玉鏡「天津神と国津神」#:「八王八頭は皆、山に居を占めて居られたのである」
- ↑ 第3巻第2章「八王神の守護」#:「この十二の玉の守護神を称して、八頭の神といふ」
- ↑ 第3巻第2章「八王神の守護」#:「の十二神将を配置して王となし、各主権を握らしめたまひぬ。これを八王の神といふ」
- ↑ 第4巻第9章#
- ↑ 第6巻総説#:「国治立命御神政の時代は、天使長と云ふ聖職があつて、国祖の神慮を奉じ、各地の国魂たる八王神を統轄せしめつつあつた」
- ↑ 第6巻総説#:「太古の御神政は神祭を第一とし、次に神政を行ひ、国々に国魂神があり、国魂神は、その国々の神王、又は八王などと云つて八尋殿を建てられ、殿内の至聖処に祭壇を設け、造化三神を鎮祭し、神王および八王は、同殿同床にて神明に奉仕された」
- ↑ 第4巻第12章「横紙破り」#で天山の八王・斎代彦が「大宇宙にはただ独一の真神なる大国治立命ゐますのみ。しかるに常世彦はみづから称して、王の王たらむとし、八王大神と称す、真正の神ならぬ身として八王大神とは僣上至極、天地容れざるの大逆罪なり」と常世彦を批判している。
- ↑ 第4巻第37章「時節到来」#:「ここにいよいよ常世彦は天使長となり、地上神界の総統者として八王八頭の上位に就くこととなり」
- ↑ 第4巻第42章「無道の極」#:「国祖は常世彦の勢、到底制すべからずとし、涙を嚥ンで彼らの言を採用し、ここに八王大神の称号を与へ給ひける」
- ↑ 第1巻第18章「霊界の情勢」#:「支那に生まれたまうた盤古大神は、葦原中津国に来たりたまひて国祖の後を襲ひたまふた上、八王大神といふ直属の番頭神を御使ひになつて、地の世界の諸国を統轄せしめられた。一方いはゆる外国には、国々の国魂の神および番頭神として、国々に八王八頭といふ神を配置された。丁度それは日本の国に盤古大神があり、その下に八王大神がおかれてあつたやうなものである。日本本土における八王大神は、諸外国の八王八頭を統轄し、その上を盤古大神が総纜したまひましたが、八王八頭は決して悪神ではない。天から命ぜられて各国の国魂となつたのは八王であり、八頭は宰相の位置の役である。こういふ風なのが、今日、国常立尊御復権までの神界の有様である」
- ↑ 15.0 15.1 第3巻第44章「可賀天下」#:「一たん常世彦の威力に圧せられ、八王聯盟に加はりゐたる諸天使は、八頭神を引連れ八王大神に背きてふたたび高照姫命の幕下となり」
- ↑ 第5巻第17章「勢力二分」#
- ↑ 第11巻第18章「琵琶の湖」#:虎公のセリフ「八王といふのは、世界中の贅沢な奴が沢山な金を持ちやがつて、ウラル姫とか常世姫とか云ふ偉い贅沢な神が、大けな尻を振りやがつて大尻姫などと言つてる。その家来が皆家を持つて家を建てて方々から移転して来るのだ、それをヤツコスと云ふのだ。昔は十二も八王とか、八王とか云つた偉い神さんが、天山にも、青雲山にも、鬼城山にも、蛸間山にも、その外にも沢山あつたさうぢやが、今度の八王はそんな気の利いた八王ぢやない、利己主義の、人泣かせの、財産家連中の楽隠居をするのを、是れを称して即ち八王といふ」。
- ↑ 第11巻第23章「保食神」#~第24章「顕国宮」#