霊界物語第37巻の諸本相違点

出典: 出口王仁三郎と霊界物語の大百科事典『オニペディア(Onipedia)』
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霊界物語第37巻の諸本相違点について記す。

霊界物語諸本相違点とは、霊界物語刊本の諸本(初版校定版愛善世界社版など)の本文の相違点のことである。

  • 諸本すべてをチェックしたわけではない。飯塚弘明霊界物語ネットのデータ作成の過程において気がついた相違点をピックアップしたものである。霊界物語ネットは愛善世界社版を底本にしており、主に愛善世界社版八幡書店版との相違点をピックアップしてある。全ての相違点ではなく、あくまでも気がついた点だけである。
  • 八幡書店版の本文は校定版とほぼ同じである。また、王仁DBのデータは霊界物語ネットと同じである。
  • 各諸本を次のように略す。 初…戦前の初版 再…戦前の再版(第二版のこと) 三…戦前の三版(四版以降も同様に略す) 御…聖師御校正本 普…普及版 校…校定版 修…修補版 八…八幡書店版(八幡版) 愛…愛善世界社版(愛世版) R…霊界物語ネット
  • 最も基準にすべき原典は御校正本であり、それと他の諸本を比較すべきである。また、八幡版の底本は校定版である。しかし霊界物語ネットのデータ作成の段階では御校正本や校定版が入手できなかったため、やむを得ず、八幡版や愛世版を基準にして、御校正本や校定版を比較しているかのような書き方をしている場合もある。
  • 天祥地瑞は最初から校正された状態で発刊されているため、御校正本というものは存在しない。戦前発行された初版と、戦後発行された版(再版以降)との比較になる。
  • ストーリー上の矛盾や、意味の変更を伴うような重大な相違点については 【重大】 という表示を付けた。

霊界物語における中村竹造と大槻鹿造の名前が混乱している。「竹造」「竹蔵」、「鹿造」「鹿蔵」が混在している。

両者の名前は、霊界物語には第37巻と第38巻にしか登場しない。

調べてみた結果は次の通りである。

【中村竹造】

まず初版だが、筆録者によって違いがあるわけではなく、北村隆光・松村真澄の両名とも、「竹造」「竹蔵」を両方とも使用している。どちらを使ってもいいような感じである。

校定版は「竹造」に統一している。

愛世版は御校正本(下での調査は初版を使った)の通りにしたようで、「竹造」「竹蔵」両方が使われている。

王仁三郎が何かを意図して使い分けているとも思えないので、霊界物語ネットでは校定版のように「竹造」に統一する。(2020/5/15までは、第37巻は「竹造」に統一されていたが、第38巻は「竹蔵」に統一されていたため「竹造」に修正した)

  • 第37巻
    • 第21章 筆録者:北村隆光
      • 初:p315,p325(2ヶ所),p326(2ヶ所),p327 全て竹造
      • 校:p263,p271(3ヶ所),p272(2ヶ所) 全て竹造
      • 愛:p253,p260(2ヶ所),p261(2ヶ所),p262 全て竹造
    • 第24章 筆録者:北村隆光
      • 初:p365,p367 全て竹造
      • 校:p303,p304 全て竹造
      • 愛:p291,p292 全て竹造
    • 第25章 筆録者:松村真澄
      • 初:p385 竹蔵
      • 校:p318 竹造
      • 愛:p307 竹蔵
  • 第38巻
    • 第7章 筆録者:松村真澄
      • 初:p80竹造、p93竹蔵 (1つの章の中で異なる)
      • 校:p69竹造、p79竹造
      • 愛:p69竹造、p79竹蔵 (1つの章の中で異なる)
    • 第8章 未調査
    • 第10章 未調査
    • 第11章 未調査
    • 第12章 未調査
    • 第14章 筆録者:北村隆光
      • 初:p175,p176 全て竹造
      • 校:p149,p150 全て竹造
      • 愛:p146,p147 全て竹造
    • 第17章 未調査
    • 第21章 未調査
    • 第22章 未調査
    • 第26章 筆録者:北村隆光
      • 初:p328,p330,p331 全て竹蔵
      • 校:p278,279,280 全て竹造
      • 愛:p271,273,274 全て竹蔵
    • 第27章 筆録者:松村真澄
      • 初:p333(2ヶ所),p335,p339 全て竹造
      • 校:p282(2ヶ所),p283,p287 全て竹造
      • 愛:p275(2ヶ所),p276,p279 全て竹造
    • 第28章 未調査

【大槻鹿造】

「大槻鹿造」は第38巻にしか登場しない。

基本的に全て「鹿造」が使われているが、校定版の第21章・第22章だけ何故か「鹿蔵」になっている。

霊界物語ネットでは「鹿造」に統一した。

  • 第38巻
    • 第5章 筆録者:北村隆光
      • 初:p59(2ヶ所) 全て鹿造
      • 校:p52(2ヶ所) 全て鹿造
      • 愛:p52(2ヶ所) 全て鹿造
    • 第21章 筆録者:松村真澄
      • 初:8ヶ所 全て鹿造
      • 校:8ヶ所 全て鹿蔵
      • 愛:8ヶ所 全て鹿造
    • 第22章 筆録者:松村真澄
      • 初:p376鹿造
      • 校:p235鹿蔵
      • 初:p231鹿造

中村竹造と大槻鹿造の名前の混乱は霊界物語だけではなく、それ以外の王仁三郎文献でも両方が使われている。たとえば大本神諭では「竹造」「鹿造」、大本七十年史では「竹蔵」、開祖伝は「竹造」「鹿造」、聖師伝は「竹蔵」、幼ながたりは「竹蔵」「鹿造」、大地の母は「竹造」「鹿蔵」である。

出口竹造(出口直の長男)についても、文献によって「竹造」「竹蔵」の両方が使われている(霊界物語には登場しない)。

四方平蔵については全ての文献が「平蔵」であり、「平造」は使われていない。


p31 瑞月王仁が、突然神界より神務に
p3 瑞月が突然神界より神務に
愛世版と同じ
p40下 その、亀岡の余部といふところに
p28 、亀岡の余部と云ふ処に
愛世版と同じ
p36(第2章) 猪口才な奴と彼等が社会から睨まれて居たから、
p34 「猪口才な奴」と、彼らから睨まれてゐたから、
p42上 校定版と同じ
p33 初版と同じ
初版と同じ(猪口才は生意気の意。「彼等が社会」の「が」は所有・所属を表す「が」だと考えれば文法的におかしな文章ではない。つまり、「猪口才な奴と、彼等の社会から睨まれていた」ということ。しかし解りづらいので、校定版では文章を直したか?)
p42下 大阪から田舎下の舞の師匠に、
p34 大阪から田舎下の舞の師匠に、
愛世版と同じ
p44下 裏口から長吉を伴れて這入つて来たので、自分は
p39 裏口から長吉を伴れて這入つて来たのである。自分は
愛世版と同じ
p54下 本守護神が知つてゐるのか、ただし神様の罰なのか
p66 本守護神が知つて居るのか、但は神様の罰なのか
愛世版と同じ
p56下 喜楽すなはち今の瑞月王仁を、
p71 喜楽即ち今の瑞月を、
愛世版と同じ
p83上 神さまに教へてもらことはないから知りませぬ』
p140 神さまに教へて貰ふた事はないから知りませぬ』
愛世版と同じ
p181(第11章) ウーンとフンのばし了へばよいのに、 (「て」が無い)
p152 ウーンとフンのばしてしまへばよいのに、
p85上 校定版と同じ
p145 初版と同じ
校定版と同じ
p246(第16章) 忽ち帰神(きしん)状態になつて了ひ、
p206 たちまち神懸(しんけん)状態になつてしまひ、
p105下 校定版と同じ
p198 【重大】初版と同じ(帰神状態になったのは小末である。第48巻第1章聖言#に帰神・神懸・神憑の違いが説明してあるが、小末が帰神ではおかしいと校定版の編者が判断して、神懸に修正したのか?)
初版と同じ
p302(第20章) 小松林命の御神憑(しんぺう)といふことが明かになり(略)高等神憑(かむがかり)と断定を下された
p250 小松林命の御神懸(しんけん)といふことが明らかになり(略)高等神懸(かむがかり)と断定を下された
p241 初版と同じ
【重大】初版と同じ(前述の理由で、やはり校定版の編者が、小松林命が王仁三郎に懸かったことが神憑ではおかしいと判断して神懸に修正した?)(2022/10/13までは校定版と同じ「神懸」)
p121下 かくのごとく審神者の結果、
p241 斯の如く審神の結果、
愛世版と同じ
p266(第18章) 舌を巻いてゐた多田琴が、
p223 舌を巻いてゐた多田琴が、
p111下 校定版と同じ
p213 初版と同じ
校定版と同じ(多田琴が舌を巻いていたのでは文章がおかしくなるため)
p365(第24章) 福島寅之助の神懸(かむがか)りは随分乱暴なもので
p303 神憑(かむがか)り
p292 初版と同じ
初版と同じ(福島寅之助に懸かるのは邪霊なので校定版の編者が「神憑り」に修正したか?)
p372 それから大枝、王子、篠村と疾走しつつ
p308 それから大枝、王子、篠村と疾走しつつ
p297 初版と同じ
初版と同じ
p374(第25章) 福島氏の神懸(かむがか)りの次第まで
p310 神憑(かむがか)り
p299 初版と同じ「神懸」
初版と同じ(福島寅之助に懸かるのは邪霊なので校定版の編者が「神憑り」に修正したか?)(2022/10/13までは校定版と同じ「神憑」)