イルナ城
イルナ城(いるなじょう)は、霊界物語に登場する城。イルナの国にある。
概要
- 表記ゆれ:イルナの城、入那城、入那の城[1]
- 初出:第41巻第2章「入那城」#:章題は「入那城」だが、本文内では「入那城」とは呼ばれておらず、「セーラン王の館」とか「王城」と呼ばれている。
- 第41巻・第42巻だけに登場する。
- 東・南・西に広い沼があり、北は原野に続いている。イルナの国で最も風景がよく要害のよい地点に築かれている。梵自在天を祀った神殿がある。[2]
主なエピソード
第41巻第2章「入那城」#
イルナの国のセーラン王は、従妹のヤスダラ姫を許嫁にしていたが、バラモン教の大黒主に取り入って勢力を増した右守カールチンによって無理矢理カールチンの娘サマリー姫と結婚させられ、ヤスダラ姫はテルマン国の毘舎に嫁にやられてしまった。セーラン王はイルナ城の居間でそのことについて思い悩んでいると、王妃サマリー姫は「許嫁を父に放逐させられ、気に入らない私を后にしたのだから不快なのは無理もない。愛のない夫婦は不幸だ。今日限り暇を頂く」と言って父・右守の家に帰ってしまった。
王と左守クーリンスは昨夜同じ夢を見ていた。北光彦神が現れて、バラモン教の鬼熊別の妻子(黄金姫、清照姫)が三五教の宣伝使となってイルナの国を通るから城に迎え入れればバラモン教の勢力に対抗できる、と告げたのだ。左守は黄金姫母娘を探すため王の居間を去る。次に右守の腹心ユーフテスが現れ、王がサマリー姫と喧嘩したことをなじり、王に謹慎を迫る。王はその横柄な態度に怒り、カールチン一族を追放すると怒鳴ると、ユーフテスはその剣幕に怖じ気づいて帰って行った。
第41巻第13章「夜の駒」#
イルナ城の奥の間で、セーラン王、黄金姫、清照姫、テームス、レーブ、カルの6人が話をしていた。黄金姫は「国治立尊は本当のこの世の御先祖様で、盤古神王や大自在天は人類の祖先から発生した邪霊が憑依した神で、非常な相違がある」と教える。王は祈願所の神号を見せる。そこには天一神王国治立尊、と正面に大きな字で書かれ、その真下に教主神素盞嗚尊と記し、その両側に盤古神王、常世神王と記してあったので黄金姫母娘は驚いた。王がバラモン教ではなく、三五教を信仰していたからである。そして鬼熊別(黄金姫の夫。バラモン教の副棟梁)からの手紙を見せると、そこには大黒主は間違っており三五教が正しいということが記されてあった。王はテームス、カル、レーブに送られ高照山の狼の岩窟に向かい、黄金姫、清照姫は城に残ることになった。
第41巻第18章「替へ玉」#
イルナ城の奥の間で、清照姫がヤスダラ姫に変装していた。そこへ足音が聞こえて来て、右守カールチンとその部下ユーフテス、マンモスがやって来た。ヤスダラ姫に扮した清照姫は右守を非難し、右守は怒って清照姫を捕縛せよと命ずるが、偽ヤスダラ姫は王の代行として右守を捕縛せよと命じるので、ユーフテスとマンモスは困ってしまう。
王の間にいる黄金姫は、王の声真似をしてしゃべり、大黒主にならって一夫多妻主義を取り、サマリー姫(右守の娘)を正妻とし、ヤスダラ姫を第二夫人とすると言い渡す。そして右守に、改心すれば位を譲って自分は退位するつもりだから、自分の病気が回復したら改めて登城するように、と告げる。右守はそれを聞いて喜び勇んで帰って行った。
第42巻
第42巻は第5章と、第13章から最後の第26章まで、イルナ城が舞台となる。
→エピソードの詳細は「第42巻」を見よ
脚注
関連項目
- イルナ - 「イルナ」または「入那」が付く霊界物語の地名。