蛙の口
蛙の口(かわずのくち)は、霊界物語の章題。3章ある。
いずれも「蛙は口から呑まるる」とか「蛙は口ゆえ蛇に呑まるる」という諺に関係しているようである。その意味は〈口をきいたばかりに身を滅ぼすの意〉〔広辞苑〕、〈蛙は鳴くために、居場所がわかって、蛇にのまれる意から、余計なことを言って、わざわいを招くことのたとえ〉〔精選版 日本国語大辞典 [1]〕
黒姫の部下である浅公・幾公・梅公らが酒宴の席で、自分たちが綾彦・お民を欺いた策略を得意げにしゃべり、それを当の二人に聞かれてしまう。つまり彼らは、自分たちの「口」から出た言葉によって、せっかく成功した策略を危うくしてしまった。
徳公が酒に酔って、秘密(殺したはずのお愛・虎公・兼公の三人[2]は実は死んでおらず、これはすべて、大蛇の三公が仕組んだ芝居であり、徳公が旅人を装ってお愛を救い出し、彼女を三公の思い通りにする計略だということ)を、高公に漏らしてしまう。
本文に、右守サクレンスが女中頭シノブを〈うまく釣り込んで蛙の腸を暴露させむと試みた〉と書かれてある。つまりシノブが蛙である。
シノブはサクレンスにうまく釣られてしまい、自分の策略(左守ガンヂーの息子アリナを王位に就けて、自分がその王妃となること)と、行方不明のスダルマン太子の居所を、サクレンスに教えてしまう。