枯尾花
「枯尾花」とは、枯れたススキの穂のことである。ただし章題は、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ということわざの省略形としての「枯尾花」だと思われる。大騒ぎしたわりには大したことがなかったという意味。
ウラナイ教の黒姫と高山彦の結婚式が開かれ、黒姫と高山彦が祝いの歌を歌う。次に黒姫の部下の夏彦が歌うが、その中で次のような愚痴が歌われている。──ウラナイ教に入って十年になるが、教祖の高姫や副教祖の黒姫は、女(異性)に興味を持つなといつも厳しく信者に警告していた。しかし今日はその黒姫と高山彦の結婚式。黒姫が口癖のように、教えに裏と表があると言っていたが、あまりにも馬鹿らしくなった。暇をもらって恋の道を進もう──。
つまりウラナイ教に失望したということを「枯尾花」と表現しているのではないかと思われる。