天極紫微宮
概要
主なエピソード
天極紫微宮が舞台となるのは第48巻第12~13章だけである。
第2巻
第48巻
天国巡覧をする治国別、竜公の二人は、言霊別命の案内で第一天国を進み、荘厳を極めた宮殿に着いた。日の大神が鎮まる都率天の天国紫微宮である。「エルサレムの宮」(大神の御教えを伝える聖場の意)とも呼ぶ。金色に輝き、巨大な石垣で造り固められ、数百キューピットの城壁を巡らしてある。石垣というのは、虚偽と罪悪との襲来を防ぐための神真(しんしん)そのもの。度(キューピット)というのは性相(せいそう)そのもの。
言霊別命は「最奥天国の中心点、大神の御舎に案内しましょう」と先に立って門をくぐった。西王母(伊邪那美尊の分身)が現れ、庭園を案内する。三千株の桃畑があり、前園の一千株の桃は三千年に一度花が咲き、この実を食する者は最高天国の天人に列せられる。中園の一千株の桃は六千年に一度花が咲き、この実を食する者は不老不死となる。後園の一千株の桃は九千年に一度花が咲き、この実を食する者は天地日月と共に生命を等しくするという神果である。桃の密意については容易に発表できない。〔ここまで、第48巻第12章「西王母」#〕
二人は宮殿の奥深く進んだが、そこは前殿・前宮とも呼び、最奥の御殿ではない。最奥の御殿は大至聖所とも日の若宮とも呼び、大神の居間である。その居間にはいかなる徳の高いエンゼルでも中に入ることは出来ない。
盛大な酒宴が開かれ、二人は西王母から葡萄酒の盃を頂き、また前園に実っていた桃を食した。竜公は「玉依別」という神名を賜う。
そこへ紫姫とお玉が現れた。それぞれ玉照彦、玉照姫を抱いており、西王母の両側に座る。西王母が目配せすると、玉照彦を治国別に、玉照姫を玉依別(竜公)に抱かせた。しばらくして天女が二人現れ、玉照彦と玉照姫を抱えると、奥の大神の御殿に静かに進んで行った。前殿において玉照彦、玉照姫を治国別、玉依別に抱かせたことは深い意味があるが、二人はどういう意味か解し得なかった。
二人は言霊別命の後に従い、前殿を出て、表門を出た。〔ここまで、第48巻第13章「月照山」#〕 (この後、聖陽山、そして霊国の月照山へ進む)
第73巻
紫微天界にて、速言男の神は紫微宮圏の万神を指揮し修理固成し、天極紫微宮を造った。造化三神(天之峯火夫の神、宇迦須美の神、天津日鉾の神)と左守の神(大津瑞穂の神、天津瑞穂の神)、右守の神(高鉾の神、神鉾の神)の七柱を祭祀する。〔第73巻第5章「言幸比古の神」#〕
紫微宮の一般的意味
広辞苑によると紫微宮は「紫微垣(しびえん)」とか単に「紫微」とも呼ばれ「古代中国の天文学で、北斗星の北にあり、天帝の居所とされた星座。小熊座を主とする星座群を指す。転じて、天子・天位にたとえる」。
脚注
関連項目
- 紫微宮圏層(紫微宮圏、紫微宮界、紫微宮天界)