言霊姫
概要
- 表記ゆれ:「言霊姫命」「言霊姫神」と表記される場合もごくわずかあるが、ほとんどは「命」も「神」も付かない「言霊姫」である。[1]
- 初出:第2巻第5章「黒死病の由来」#
- 言霊姫の旧名は「国照姫」であり、夫・言霊別命の旧名は「美山彦命」である。邪神の棒振彦と高虎姫が、正神界を攪乱するため名を偽り、正神の美山彦と国照姫の名を騙ったため、美山彦と国照姫は仕方なく言霊別と言霊姫に改名した。[2]
- 言霊姫は稚桜姫命の第五女である。[3]
- 第二代天使長・高照姫命の配下の天使である。[4]
- 金勝要神の、荒魂である。[5]
- 大洪水後は、蝦夷の島の守り神に任ぜられ、常世国に鎮まった。[6] [7]
- 黄泉比良坂の戦いの後、他の神々と共に大直日神の神業を分掌した。[8]
主なエピソード
旧名の「国照姫」時代のエピソードは特にない。すべて「言霊姫」に改名した後のエピソードである。
第2巻
常世姫(言霊姫の姉。稚桜姫命の第三女)は野心が強く、竜宮城の寵神である言霊別命・言霊姫を排除して、代わりに自分がその地位に立とうとした。言霊別命を陥れるために奸計を仕掛け、言霊別命が不倫をしているかのような出来事をでっち上げる。その非行を信じた稚桜姫命は言霊別命を「蜂の室屋」に投獄してしまった。言霊別命の非行を信じない言霊姫は、黄金竜姫の霊魂に感じて、「蜂の領巾」を作って室屋に入れた。言霊別命はその領巾を使い、攻め来る悪蜂を払った。〔第2巻第11章「狸の土舟」#~第13章「蜂の室屋」#〕
第3巻
言霊別命が常世城に囚われてしまい、言霊姫はどうしたら救えるか悩んでいると、常世姫の部下の魔我彦・魔我姫が「竜宮城を明け渡し万寿山に転居すれば、常世彦に頼んで言霊別命を救ってあげる」と言う。言霊姫は迷ったが、ついに魔我彦・魔我姫の言に従うことにした。しかし国若姫・広国別らの神将はこれを諫止し、魔我彦・魔我姫を追い払った。〔第3巻第28章「苦心惨憺」#〕
初代天使長・大八洲彦命以下の四天使が聖地エルサレムから追放された後、国祖は高照姫命を天使長に、真澄姫・言霊姫・竜世姫を天使に任命した。八王大神常世彦が数多の天の磐船を率いて聖地エルサレムを攻撃して来た。言霊姫は「破軍の剣」を使って魔軍を滅ぼしてしまう[9]。国祖は高照姫命以下の四天使を聖地エルサレムから追放し、エデンの園に蟄居させた。〔第3巻第44章「可賀天下」#~第45章「猿猴と渋柿」#〕
第4巻
八王大神常世彦の要求により、国祖はやむを得ず、大八洲彦命ら四柱をを月界に追放し、高照姫命・真澄姫・言霊姫・竜世姫の四柱を地月の世界に追放した。高照姫命ら四柱は地月の精霊に感じて大地の守護神として現れ、四魂合同して金勝要神となった。〔第4巻第44章「虎の威」#〕
第5巻
ヒマラヤ山の頂上に、天道別命・月照彦神ら宣伝使一行が到着した時、高照姫命を始め言霊姫ら妻神たちは、無言で夫神を出迎えた。〔第5巻第27章「唖の対面」#〕
脚注
- ↑ 使用回数は全52回中、「言霊姫」47回、「言霊姫命」4回、「言霊姫神」1回。
- ↑ 第2巻第5章「黒死病の由来」#
- ↑ 第2巻第20章「疑問の艶書」#:「言霊別命の妻神言霊姫は稚桜姫命の第五女であり、常世姫は第三女である」
- ↑ 第3巻第44章「可賀天下」#:「大八洲彦命以下天使の聖地退去ののちは、国治立命の奏請により、天上より高照姫命を降したまひて、これを地の高天原の宰相神に任じ、天使長の聖職に就かしめ、真澄姫、言霊姫、竜世姫をして天使の聖職につかしめたまひぬ」
- ↑ 第3巻第45章「猿猴と渋柿」#:「因に、高照姫命は金勝要の神の和魂であり、 真澄姫命は幸魂であり、 言霊姫命は荒魂であり、 竜世姫命は奇魂である。」
- ↑ 第6巻第25章「金勝要大神」#:「つぎに言霊姫神をして、蝦夷の島の守り神たらしめ給ひぬ。これ現代の北米なり。而て我が北海道は、その大陸の胞衣にぞありける」
- ↑ 第10巻第9章「尻藍」#:「金勝要大神の御分霊言霊姫命の鎮まり給ふ常世国」、第10巻第11章「狐火」#:蚊々虎のセリフ「サアサア、これから言霊姫の鎮まり給ふ常世国」
- ↑ 第10巻第26章「貴の御児」#:「国直姫をして大直日神に任じ、高照姫、真澄姫、純世姫、竜世姫、言霊姫をして其の神業を分掌せしめ給ふ」
- ↑ 第3巻第43章「配所の月」#でも大八洲彦命が「破軍の剣」を使って常世彦の魔軍を滅ぼすが、常世姫はそれと同じ過ちを繰り返してしまった。