天極紫微宮
概要
- 表記ゆれ:天国紫微宮(てんごくしびきゅう)、紫微宮、紫微の宮、紫微の宮居
- 別名:日の若宮(ひのわかみや)[1]、日の稚宮(ひのわかみや)、天の若宮(あまのわかみや)、天津御空の若宮(あまつみそらのわかみや)、天の御柱の宮(あめのみはしらのみや)、西の宮(にしのみや)、西の宮居、筑紫の宮居(つくしのみや)[3] [4]、天津高宮(あまつたかみや)[5] [6]
- 初出:第2巻第38章「歓天喜地」#(天極紫微宮)、第4巻第45章「あゝ大変」#(日の若宮)、天祥地瑞における初出は第73巻第3章「天之高火男の神」#
- 紫微宮を「エルサレムの宮」と呼ぶ場合もある。[7]
- 神典(古事記)にては「日の若宮」は「艮」の方位。[8]
- 天国ではなく「最奥霊国」という記述もある。[9]
- 紫微天界においては、中央の紫天界にある。[10]
主なエピソード
天極紫微宮が舞台となるのは第48巻第12~13章だけである。
第2巻
高白山の清照彦の前に女神が現れ──自分は天極紫微宮が来た天使だ。しばらく隠忍して時を待て。死んだ両親(荒熊彦、荒熊姫)と妻(末世姫)に再会させる──と告げた。〔第2巻第38章「歓天喜地」#〕
第48巻
天国巡覧をする治国別、竜公の二人は、言霊別命の案内で第一天国を進み、荘厳を極めた宮殿に着いた。日の大神が鎮まる都率天の天国紫微宮である。「エルサレムの宮」(大神の御教えを伝える聖場の意)とも呼ぶ。金色に輝き、巨大な石垣で造り固められ、数百キューピットの城壁を巡らしてある。石垣というのは、虚偽と罪悪との襲来を防ぐための神真(しんしん)そのもの。度(キューピット)というのは性相(せいそう)そのもの。
言霊別命は「最奥天国の中心点、大神の御舎に案内しましょう」と先に立って門をくぐった。西王母(伊邪那美尊の分身)が現れ、庭園を案内する。三千株の桃畑があり、前園の一千株の桃は三千年に一度花が咲き、この実を食する者は最高天国の天人に列せられる。中園の一千株の桃は六千年に一度花が咲き、この実を食する者は不老不死となる。後園の一千株の桃は九千年に一度花が咲き、この実を食する者は天地日月と共に生命を等しくするという神果である。桃の密意については容易に発表できない。〔ここまで、第48巻第12章「西王母」#〕
二人は宮殿の奥深く進んだが、そこは前殿・前宮とも呼び、最奥の御殿ではない。最奥の御殿は大至聖所とも日の若宮とも呼び、大神の居間である。その居間にはいかなる徳の高いエンゼルでも中に入ることは出来ない。
盛大な酒宴が開かれ、二人は西王母から葡萄酒の盃を頂き、また前園に実っていた桃を食した。竜公は「玉依別」という神名を賜う。
そこへ紫姫とお玉が現れた。それぞれ玉照彦、玉照姫を抱いており、西王母の両側に座る。西王母が目配せすると、玉照彦を治国別に、玉照姫を玉依別(竜公)に抱かせた。しばらくして天女が二人現れ、玉照彦と玉照姫を抱えると、奥の大神の御殿に静かに進んで行った。前殿において玉照彦、玉照姫を治国別、玉依別に抱かせたことは深い意味があるが、二人はどういう意味か解し得なかった。
二人は言霊別命の後に従い、前殿を出て、表門を出た。〔ここまで、第48巻第13章「月照山」#〕 (この後、聖陽山、そして霊国の月照山へ進む)
第73巻
紫微天界にて、天之高火男の神、天之高地火の神の二神は、タカの言霊より天界の諸神を生り出で給い、荘厳無比なる紫微宮を造って主神の神霊を祀った。〔第73巻第3章「天之高火男の神」#〕
速言男の神は紫微宮圏の万神を指揮し修理固成し、天極紫微宮を造った。造化三神(天之峯火夫の神、宇迦須美の神、天津日鉾の神)と左守の神(大津瑞穂の神、天津瑞穂の神)、右守の神(高鉾の神、神鉾の神)の七柱を祭祀する。〔第73巻第5章「言幸比古の神」#〕
西の宮と東の宮
紫微宮の一般的意味
広辞苑によると紫微宮は「紫微垣(しびえん)」とか単に「紫微」とも呼ばれ「古代中国の天文学で、北斗星の北にあり、天帝の居所とされた星座。小熊座を主とする星座群を指す。転じて、天子・天位にたとえる」。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 第48巻第12章「西王母」#:「これは日の大神の永久に鎮まります都率天の天国紫微宮であつて、神道家の所謂日の若宮である」
- ↑ 日の大神と言っても、伊邪那岐命や天照大神のような下級神ではなく、天国におけるス神の顕現(天人にはス神は太陽となって見える)であるところの日の大神である。
- ↑ 第76巻第1章「高宮参拝」#:西の宮(紫微宮)において、朝香比女の神の歌「西の宮居筑紫の宮居は主の神の 光明も一入つよかりにける」「いざさらば筑紫の宮居を後にして ともに帰らむ東の宮居へ」
- ↑ 第76巻序文#に「高地秀の宮居に仕へませる八柱の御樋代比女神等が、はろばろと紫微の宮居なる天津高宮に打ち揃ひて参向し、強雄なる二柱の男神を主の神に請ひて派遣を得、再び筑紫の宮居に帰りまし、報告祭を行ひ給ひけるが」とあるが、報告祭を行ったのは高地秀の宮(東の宮)である〔第76巻第2章「魔の渓流」#〕。「筑紫の宮居」は「高地秀の宮居」の誤字だと思われる。
- ↑ 第76巻序文#:「高地秀の宮居に仕へませる八柱の御樋代比女神等が、はろばろと紫微の宮居なる天津高宮に打ち揃ひて参向し」
- ↑ 使用回数は、天極紫微宮15回、紫微宮16回、天国紫微宮2回、紫微の宮7回、紫微の宮居16回、日の若宮16回、日の稚宮5回、天の若宮3回、天津御空の若宮2回、天の御柱の宮1回、筑紫の宮居13回、天津高宮61回
- ↑ 第48巻第12章「西王母」#
- ↑ 入蒙記第2章「神示の経綸」#:「艮といへば東北を意味し神典にては日の若宮の方位であり、万物発生の根源であつて太陽の昇り玉ふ方位であります」
- ↑ 第73巻第9章「香具の木の実」#:「紫微天界、最奥霊国紫微の宮居に鎮まり居ます主の大神、天之峯火夫の神は」
- ↑ 第73巻第7章「太祓」#:「紫天界は紫微宮界の中央に位し」、第11章「紫微の宮司」#:「紫天界の西の宮居」
- ↑ 第73巻第11章「紫微の宮司」#:「天の道立の神は茲に主の神の大神言をもちて、紫天界の西の宮居の神司となり」
関連項目
- 紫微宮圏層(紫微宮圏、紫微宮界、紫微宮天界)