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2022年5月11日 (水) 16:14時点における最新版
天使長(てんしちょう)とは、霊界物語の第1~4巻で、地の高天原において宰相の役割を担う役職または人物のこと。
天使長を務めた者は次の7人いる。(霊界物語に「第×代」と記されているのではなく、本項で便宜的に付けたものである)
目次
天使長の職務
第3巻第1章「神々の任命」#で、天地の律法を天上地上に宣伝するための「十六天使」が任命され、大八洲彦命はその「天使の長」に任命された[1]。これが「天使長」のルーツだと思われるが、二代目以降の天使長たちは、この十六天使の天使長というわけではない。
「天使長兼宰相」[2]とか「地の高天原の宰相神」[3]というようなことが記されており、十六天使の天使長が、後に宰相を兼ねるようになったのではないかと思われる。
天使長以前
初代天使長の大八洲彦命より前に、国祖の下で政治を担い宰相的役割を務めていた神がいる。次の2人の女神である。[4]
稚姫君命と大八洲彦命は竜宮城のツートップ的に扱われ、「天使稚姫君命、同大八洲彦命」[5]と並列的に呼ばれているが、名前を書き連ねる場合は、稚姫君命の方が必ず先である。このことから稚姫君命の方が大八洲彦命より上位であることが分かる。
第2巻第46章「天則違反」#で、稚姫君命は天則違反(不倫)に問われ失脚し、幽界に追放処分となった。[6]
第2巻第48章「律法の審議」#で、天上から降りて来た国直姫命が、稚姫君命の後任となり、竜宮城で地の高天原を治めることになった。[7]
天使
天使長の部下として何人かの天使がいる場合がある(各天使長の項を参照)。仮に天使を閣僚とするなら、その閣僚の長つまり総理大臣が天使長である。
竜宮城の主神との関係
竜宮城のトップは稚姫君命、国直姫命、常世姫の3人が歴任したが、役職の肩書きは特になく、「主神」[8]や「主宰」[9]という普通名詞で呼ばれている。
天使長より竜宮城の主神の方が上位にある。たとえば、桃上彦が天使長を辞職する時に、竜宮城の「主宰」である常世姫が辞表を受け取っている。[10]
ただし、稚姫君命と国直姫命は実質的に宰相的な活動をしていたが、常世姫は宰相的な活動はしておらず、天使長が宰相を兼ねている。従って常世姫の時代には、竜宮城の主神は形式的に天使長の上位にいるだけで、指揮命令は執っていないようである。
初代天使長・大八洲彦命
大八洲彦命を天使長とし、配下の天使に言霊別命、大足彦命、神国別命の3人がいる。[11] [12]
「破軍の剣」を使用した責任を国祖に問われ、第3巻第43章「配所の月」#で更迭される。[14]
第二代天使長・高照姫命
高照姫命は天上から降りて来た神である。第3巻第44章「可賀天下」#で天使長に就任する。[15]
初代の大八洲彦命と同様に、「破軍の剣」を使ってしまい、その責任を国祖に問われ、第3巻第45章「猿猴と渋柿」#で更迭される。[18]
第三代天使長・沢田彦命
第3巻第45章「猿猴と渋柿」#で沢田彦命が天使長に就任する。妻の沢田姫命が「輔佐神司(ほさしん)」に、真心彦が「天使」に、その妻・事足姫がその輔佐に任じられた。[19]
「難をさけ安きにつき、利己の目的を達することのみに熱中せる無責任にして、かつ無慈悲なる神人なれば、犠牲的精神に欠けゐたる」〔第3巻第49章「袖手傍観」#〕
第3巻第49章「袖手傍観」#で、地の高天原が混乱状態となるが傍観する。それを妻に諫められると立腹し、天上に復ってしまい、離職する。[20]
第四代天使長・広宗彦
いつ天使長に就任したのか、はっきりとは書いてない。第4巻第2章「聖地の会議」#で、すでに天使長であることが記されている。[21]
桃上彦が、天使長の「副」となって神政を補佐した。しかし自分が天使長になろうと野心を持ち、常世姫と策略を立てる。[22]
広宗彦は常世会議混乱の罪を国祖に追求され、その責任を取り、第4巻第32章「免れぬ道」#で辞職する。[23]
第五代天使長・桃上彦
第4巻第32章「免れぬ道」#で、広宗彦から職を譲られている。[24]
第4巻第33章「至仁至愛」#で、天使長の就任披露宴が開かれ、第34章「紫陽花」#で国祖から天使長に任命されている。[25] [26]
配下の天使には、竜山別、八十猛彦、百猛彦、鷹住別の4人が任命されている。[26]
律法を破壊し放縦不軌の行動を取った責任を国祖に追及され、第4巻第35章「頭上の冷水」#・第36章「天地開明」#で辞職する。[27] [28]
(大洪水後は正鹿山津見と改名し、ウヅの国の守護職となった。 →「正鹿山津見」)
第六代天使長・常世彦
第4巻第37章「時節到来」#で、会議によって天使長に選ばれ、国祖によって任命されている。[29]
第七代天使長・常世彦二世
第4巻第39章「常世の暗」#で、父の帰幽後に、天使長に選ばれた。[31]
第4巻第41章「悪盛勝天」#で、父の名を襲名し、常世彦と名乗った(ここでは仮に常世彦二世と呼ぶ)。第5巻第17章「勢力二分」#で「ウラル彦」に改名する)
常世彦は父が称していた「八王大神」の称号を自分に与えるよう国祖に要求する。第4巻第42章「無道の極」#で、国祖は涙を呑んで「八王大神」の称号を与えた。常世彦は「天使長」の名称を廃して「八王大神」と呼ぶよう諸神人に宣言している。[32]
この常世彦二世が国祖を隠退に追い込んだ。
その他
関連項目
脚注
- ↑ 第3巻第1章「神々の任命」#:「大八洲彦命は天使の長となり、十六天使を指揮さるることとなりにけり」
- ↑ 第1巻第22章「国祖御隠退の御因縁」#:「大八洲彦命を天使長兼宰相の地位に立たして」
- ↑ 第3巻第44章「可賀天下」#:「大八洲彦命以下天使の聖地退去ののちは、国治立命の奏請により、天上より高照姫命を降したまひて、これを地の高天原の宰相神に任じ、天使長の聖職に就かしめ、真澄姫、言霊姫、竜世姫をして天使の聖職につかしめたまひぬ」
- ↑ 稚姫君命から沢田彦命までの歴代宰相格は、第4巻第1章「常世会議」#の冒頭で次のように列記されている。「太古の神界経綸の神業は、最初稚桜姫命の天則違反によりて瓦解し、つぎに国直姫命の神政となり、これまた姫命の地上を見捨て天上へ帰還されしため、大八洲彦命の神政に移りける。いづれも国治立命の統轄のもとに、神政の経綸に奉仕したまひけり。つぎには天上より高照姫命、地の高天原にくだりて神政経綸の神業に奉仕し、またもや瓦解の運命におちいり、ついで沢田彦命天より降りて国治立命のもとに神政経綸の神業に奉仕し、大破壊を馴致して、またもや地上を捨て天上に還りたまひたるなり」
- ↑ 第1巻第37章「顕国の御玉」#:「国常立尊の厳命を奉じ、ここに天使稚姫君命、同大八洲彦命、金勝要神の三柱は」
- ↑ 第2巻第46章「天則違反」#:国祖のセリフ「夫婦の戒律を破りたる極重罪悪神なり。天地の規則に照し、天稚彦、稚桜姫命は、すみやかに幽界にいたり、幽庁の主宰者たるべし」
- ↑ 第2巻第48章「律法の審議」#:「そして国直姫命は、稚桜姫命の天職をおそひ、竜宮城にとどまり地の高天原を治めたまふこととなつた」
- ↑ 【例】第2巻第46章#:「しかし律法厳しき竜宮城の主神として天則を破りたまふごとき失態」
- ↑ 【例】第4巻第36章#:「その由をただちに竜宮城の主宰常世姫に伝へたり」
- ↑ 第4巻第36章「天地開明」#:「桃上彦命は(略)退職の決心をなし、その由をただちに竜宮城の主宰常世姫に伝へたり。常世姫はただ一言留任の勧告をも与へず(略)無言のまま命の辞表を受けとり、ただちに聖地ヱルサレムの大宮殿に参向し」
- ↑ 第3巻第43章「配所の月」#
- ↑ 第3巻第14章「霊系の抜擢」#:「大八洲彦命はただちに言霊別命、神国別命、大足彦を大広前に集め(略)ここに天使会議を開かれたりける」
- ↑ 第3巻第43章「配所の月」#:「この四神将は元来国大立之命、天神の命を奉じて大海原の国を知食すべく、その精霊魂を分ちて神界の守護に当らせたまひしものにして、 大八洲彦命は和魂であり 言霊別命は幸魂であり また、 大足彦命は荒魂であり 神国別命は奇魂である。」
- ↑ 国祖のセリフ「かれ天使長以下の職を解き、地の高天原を追放し」
- ↑ 「大八洲彦命以下天使の聖地退去ののちは、国治立命の奏請により、天上より高照姫命を降したまひて、これを地の高天原の宰相神に任じ、天使長の聖職に就かしめ、真澄姫、言霊姫、竜世姫をして天使の聖職につかしめたまひぬ」
- ↑ 第3巻第44章「可賀天下」#:「大八洲彦命以下天使の聖地退去ののちは、国治立命の奏請により、天上より高照姫命を降したまひて、これを地の高天原の宰相神に任じ、天使長の聖職に就かしめ、真澄姫、言霊姫、竜世姫をして天使の聖職につかしめたまひぬ。ここに女神司四柱相並びて神務と神政に奉仕することとなり、神々の心気を新にすることを得たりけり」
- ↑ 第3巻第45章「猿猴と渋柿」#:「因に、高照姫命は金勝要の神の和魂であり、 真澄姫命は幸魂であり、 言霊姫命は荒魂であり、 竜世姫命は奇魂である。」
- ↑ 「つひに涙をのンで四人の聖職を免じ、かつ四人に対し、改心のためとてエデンの園に籠居を厳命したまひける」
- ↑ 「ここに国治立命は沢田彦命を天使長に任じ、妻沢田姫命を輔佐神司となし、真心彦を天使に任じ、妻の事足姫をして神務を輔佐せしめたまひける」
- ↑ 「無責任にも三人の娘を引連れ、妻を地上にのこして空に乗り、ふたたび天上に還りける」
- ↑ 第4巻第2章「聖地の会議」#:「国治立命の天使長広宗彦以下の御出席を懇請す」
- ↑ 第4巻第32章「免れぬ道」#:「桃上彦は天使長広宗彦命の副となりて、神政を補佐し居たりしなるが、つひには兄二柱の愛を忘れ、みづから代つて天使長の聖職に就かむと企て居たるなり。このとき常世姫の来城せるを奇貨とし、たがひに心を合せて兄二柱を排除せむと考へたりける」
- ↑ 第4巻第32章「免れぬ道」#:「ここに広宗彦命は国祖の御心情を拝察し、責を負ひて天使長の聖職を辞し、弟の桃上彦に譲りける」
- ↑ 第4巻第32章「免れぬ道」#:「ここに広宗彦命は国祖の御心情を拝察し、責を負ひて天使長の聖職を辞し、弟の桃上彦に譲りける」
- ↑ 第4巻第33章「至仁至愛」#:「聖地ヱルサレムの大宮殿には、天使長桃上彦新任の披露と、広宗彦命、行成彦以下の神司らの退職の披露を兼ねたる大宴会が開かれたるが」
- ↑ 26.0 26.1 第4巻第34章「紫陽花」#:「国治立命は儼然として正座に直り、言葉をあらためて桃上彦を天使長に任じ、竜山別、八十猛彦、百猛彦、鷹住別を聖地の天使の職に命じ、常世姫は竜宮城の主管者となし」
- ↑ 第4巻第35章「頭上の冷水」#:国祖のセリフ「事ここにいたりし原因は汝が律法を破壊し、放縦不軌の行動を執りし報いなれば、一時も早く天に向つて罪を謝し、ただちに職を退き至誠を表白せよ」
- ↑ 第4巻第36章「天地開明」#:「桃上彦命は(略)退職の決心をなし、その由をただちに竜宮城の主宰常世姫に伝へたり。常世姫は(略)命の辞表を受けとり、ただちに聖地ヱルサレムの大宮殿に参向し、桃上彦命の責任を自覚し、骸骨を乞ふ旨を恭しく進言したりける」
- ↑ 第4巻第37章「時節到来」#:「諸神人は異口同音に常世彦を選定したり」、「国祖は、ただ一言、 『常世彦をもつて天使長に任ず』 と仰せられたり」
- ↑ 第4巻第39章「常世の暗」#:「と遺言して眠るがごとく帰幽したりける」
- ↑ 第4巻第39章「常世の暗」#:「ここにヱルサレム城の大広間に会したり。常世彦命の長子高月彦を天使長に選定し、国祖大神の認許を奏請せむとするや」
- ↑ 第4巻第42章「無道の極」#:「国祖は常世彦の勢、到底制すべからずとし、涙を嚥ンで彼らの言を採用し、ここに八王大神の称号を与へ給ひける」、常世彦のセリフ「今より天使長の名称を廃し、八王大神と呼ばれたし」