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八人乙女
,'''八人乙女'''(やたりおとめ)は、[[霊界物語]]に登場する人物。[[神素盞嗚大神]]の八人の娘のことである。それぞれ侍女がいる。
# 【長女】愛子姫(あいこひめ) 【侍女】浅子姫(あさこひめ)
# 【二女】幾代姫(いくよひめ) 【侍女】岩子姫(いわこひめ)
# 【三女】五十子姫(いそこひめ)【侍女】今子姫(いまこひめ)
# 【四女】梅子姫(うめこひめ) 【侍女】宇豆姫(うずひめ)
# 【五女】英子姫(ひでこひめ) 【侍女】悦子姫(よしこひめ)
# 【六女】菊子姫(きくこひめ) 【侍女】岸子姫(きしこひめ)
# 【七女】君子姫(きみこひめ) 【侍女】清子姫(きよこひめ)
# 【八女】末子姫(すえこひめ) 【侍女】捨子姫(すてこひめ)
== 概要 ==
* この16人が初めて登場するのは{{rm|15|3|十六花}}である。ただしここでは単に「八人姉妹(はちにんきょうだい)」と称されているだけで<ref>{{rm|15|3|十六花}}:愛子姫のセリフ「八人姉妹にて侯」</ref>、「八人乙女(やたりおとめ)」という単語が初めて使われるのは{{rm|22|9|清泉}}である<ref>{{rm|22|9|清泉}}:「神素盞嗚の大神が 生の御子と現れませる 八人乙女の其中に 秀でて貴き英子姫」</ref>。
* 最初は16人のグループとして登場するが、その後は八人乙女各人とその侍女の二人一組のチームで活動する。後に侍女たちも独立し一人ずつ活動するようになる。
* 八人乙女とその侍女の名前は、基本的に五十音順になっている。ただし英子姫(ひでこひめ)とその侍女・悦子姫(よしこひめ)だけが異なるが、それぞれ「えいこひめ」「えつこひめ」と読んだ場合には五十音順になる。岩子姫(いわこひめ)は旧仮名遣いでは「いはこひめ」なので今子姫(いまこひめ)より前になる。
* 八人乙女の年齢は詳しく記されていないが、おそらくみな二十歳前後だと思われる。長女・愛子姫に関しては{{rm|34|3|障文句}}で「未だ三十にも足らぬ愛子姫」と紹介されている<ref>{{rm|34|3|障文句}}:[[芳公]]のセリフ「コレ高山彦さま(略)六十の尻を作つて、'''未だ三十にも足らぬ愛子姫'''とやらを女房に持つとは」(注・愛子姫は高国別と結婚したのだが、高山彦(黒姫の夫)と結婚したのだと芳公は勘違いしている)</ref>。第15巻から数年経ったであろう第34巻で長女の愛子姫が30歳未満なのだから、第15巻の時点では8人とも二十歳前後であろう。
* 八人乙女は8人ともみな同じような年齢だが、それは神素盞嗚大神の実子ではなく養子だからである。捨て子を拾って自分の子にした。肉体的には養子だが、精霊を分与しているので、肉体以上に近く親しい御子になっている。<ref>{{rm|41|1|入那の野辺}}:カルのセリフ「八人同じやうな年配の女の子があつたぢやないか」、レーブのセリフ「八人乙女の出来たのは肉体の御子ではない。霊魂の美はしき乙女を八人も方々から拾ひ集めて、その乙女の霊魂に対し自ら厳の御息を吹きかけて我子と為したまうたのだ」、レーブのセリフ「八人乙女とも皆捨児を拾つて自分の子に遊ばしたのだから、両親は尊様には御分りになつて居ても、八人乙女の方では矢張真の父上と思つて居られるやうだ。肝腎要の御精霊を分与されて居るのだから、仮令肉体の児でなくとも肉体以上の近い親しい御児になるのだ」</ref>
* 16人の登場回数にはかなりばらつきがあり、一番多いのは悦子姫、二番目は末子姫、三番目は英子姫である。→「[[#名前の使用回数]]」参照
=== 各人の特徴 ===
* 愛子姫は、背が高い。<ref>{{rm|15|3|十六花}}:「眼涼しく、背の高き愛子姫」</ref>
* 愛子姫の夫・[[高国別]]は、第2~3巻に登場する同名の高国別([[ペテロの都]]の[[道貴彦]]の弟であり、新高山の八頭神)の「後身」<ref>{{rm|15|13|神女出現}}:「地教山に現はれて、一度は尊の登山を塞ぎ奉りし鬼掴は、昔ペテロの都に在りて、道貴彦の弟と生れたる高国別の'''後身'''」</ref>である。年齢は第35巻の時点では35歳<ref>{{rm|35|24|歓喜の涙}}:玉治別のセリフ「本年'''三十五才'''の屈強盛りの活津彦根神様が高国別と御名乗り遊ばし、表向は高山彦と呼ばれて御座るのですから」</ref>。神名は「[[活津彦根神]]」(天照大神の五男神のうちの第四男)。第15巻ではバラモン教の鬼掴だと称して素尊の前に現れた<ref>{{rm|15|13|神女出現}}:「」</ref>ため「鬼掴」と呼ばれる場合もある。
* 梅子姫は自ら「[[木の花姫]]の生宮」だと語っている。<ref>{{rm|25|15|改心の実}}:梅子姫の[[黄竜姫]]に対するセリフ「妾は神素盞嗚大神の生みの子と生れ、木の花姫の生宮として今日迄、貴方のお傍に身を下し、神業を輔佐して参りました」</ref>
* 英子姫は「持病の癪(しゃく)」があり「病身の体」である。天の橋立に上陸し、5人の怪しい男(バラモン軍の[[鬼虎]]・[[石熊]]・[[熊鷹]]ら)が近づいた時に、病気で倒れてしまう。しかしその後は特に病気が関係するエピソードは見当たらない。
== 主なエピソード(共通) ==
[[メソポタミヤ]]の[[顕恩郷]]は[[バラモン教]]が支配し人々を苦しめていた。八人乙女の8人は父神(素尊)の命でバラモン教を言向け和すため顕恩郷に潜入し侍者となった。大棟梁・[[鬼雲彦]]夫妻に仕え、時期を待った。8人の侍女はもともとバラモン教の信徒であるが、八人乙女に感化されて三五教を信ずるようになっていた。[[太玉命]]と[[半ダース宣伝使]]がバラモン教を帰順させるため顕恩郷を訪れたのを機に、八人乙女と侍女たちも正体を現し、懐剣を手に鬼雲彦夫妻を取り囲み改心を迫る。しかし鬼雲彦夫妻は二匹の大蛇と化して空に逃げて行った。その後、八人乙女と侍女8組16人は宣伝使となって旅立った。ただし愛子姫と浅子姫は太玉命の従者として顕恩郷に残った<ref>{{rm|15|3|十六花}}:女神([[妙音菩薩]])のセリフ「われは妙音菩薩なり(略)太玉命は本城に留まり、愛子姫浅子姫は太玉命の身辺を保護し、其他の宣伝使と女人は[[エデン河]]を渡りて、[[イヅ河]]に向へ」(注・エデン河を渡る時に濁流に流された太玉命の従者ら5人がイヅ河に流れついているので助けに行けという意味)</ref>。〔{{rm|15|3|十六花}}~{{rms|15|4|神の栄光}}〕
そのうち5組10人は、バラモン軍の[[片彦]]・[[釘彦]]将軍の部隊に捕まり、朽ち果てた小舟に乗せられ、海に流されてしまう。
<ref name="rm1601_fune">{{rm|16|1|天橋立}}:悦子姫の英子姫に対するセリフ「メソポタミヤの顕恩郷を立出でましてより、情無き魔神の為に、'''朽ち果てたる舟に乗せられ'''、押流された時の事を思へば」、「君子姫様始め、四人の姫様は、どふやも計り難しうなられましたでせう」(他の4組が捕まったことを知っているということは、5組同時に捕まった?)</ref>
<ref name="rm2403_fune">{{rm|24|3|波濤の夢}}:今子姫の小糸姫に対するセリフ(ただしこれは小糸姫の夢の中)「とうとう天の太玉命の宣伝使が御入来になり、鬼雲彦初め、御両親は何処へか身を匿され、顕恩郷は今や三五教の霊場となつて居ります。そして妾は五十子姫様、梅子姫様と宣伝の途中、'''片彦、釘彦等部下の為に促へられ、此船に乗せて流されました'''途中で御座います」</ref>
<ref name="rm2503_fune">{{rm|25|3|鶍の恋}}:宇豆姫の歌「五十子の姫や梅子姫 今子の姫と諸共に 波斯の国原彼方此方と 教を伝ふ折柄に '''バラモン教の宣伝使 片彦釘彦其外の 枉の司に捕へられ 棚無小舟に乗せられて''' 荒波猛る海原に 押流されし恐ろしさ」</ref>
<ref name="rm3001_fune">{{rm|30|1|主従二人}}:地の文「八人乙女は各自に 八洲の国に蟠まる 八岐の大蛇の醜魂を 言向け和し天の下 百の災払はむと 各侍女を伴ひて 波斯の国をば振出しに 宣伝せむと進む折 '''バラモン教の残党に''' 取押へられ別々に '''棚無し舟に乗せられて''' 海原遠く流されぬ 八人乙女の末の子と 生れましたる末子姫 尊き生命を捨小舟 波に浮びて捨子姫 主人の君を慰めつ 甲斐々々しくも艪をとりて 大西洋の中央に 散在したる大島や 小島の間をくぐりつつ 波のまにまにテルの国 ハラの港に上陸し」</ref>
<ref name="rm3601_fune">{{rm|36|1|二教対立}}:地の文「神素盞嗚大神の八人乙女の第七の娘、君子姫は侍女の清子姫と共にバラモン教の本山メソポタミヤの顕恩城を後にして、フサの国にて三五教の宣伝に従事せむとする折しも、'''バラモン教の釘彦の一派'''に捉へられ、姉妹五人は何れも'''半破れし舟に乗せられて'''波のまにまに放逐されたのである。君子姫は侍女と共に激浪怒濤を渡り、漸くにしてシロの島のドンドラ岬に漂着し」</ref>
八人乙女と侍女たちがバラモン教に捕まり海に流されたことは、素尊の経綸でもあった。末子姫は次のように語っている。「大変な恐ろしい目に、幾度ともなく出会ひましたが、神さまのおかげで漸く高砂島まで送られ、こんな嬉しい事はありませぬなア。これも全くバラモン教の手を使つて、妾両人を神様の深き御経綸の下に、お遣はし遊ばしたのでせう」〔{{rm|30|1|主従二人}}〕。また捨子姫は次のように語っている。「素盞嗚尊様は八岐の大蛇を退治の為、世界中を御廻り遊ばす御神務、就いてはお一人にては此広い世界、お手が廻らないから、自分のいたいけな御娘子を、世界へお遣はし遊ばす御経綸を惟神的に御始めなさつて居られるのですから(略)。斯様な所へ吾々がお伴をして参つたのも、神様の御引合せ(略)」〔{{rm|30|2|乾の滝}}〕。
=== 漂着地 ===
彼女たちはそれぞれ漂着した地で[[三五教]]を広めて行く。漂着した地と、そこで活躍する主な巻は次の通りである。
* 【三女】五十子姫 【侍女】今子姫……[[竜宮島]]……[[第24巻|第24]]~25巻
* 【四女】梅子姫 【侍女】宇豆姫……[[竜宮島]]……[[第24巻|第24]]~25巻
* 【五女】英子姫 【侍女】悦子姫……[[自転倒島]]……[[第16巻|第16]]~19巻
* 【七女】君子姫 【侍女】清子姫……[[シロの島]]……[[第36巻]]
* 【八女】末子姫 【侍女】捨子姫……[[高砂島]]……[[第30巻]]
=== 結婚相手 ===
16人のうち、結婚したことが記されているのは次の9人である。
# 【長女】愛子姫 ── (夫)[[高国別]](鬼掴、活津彦根神)
# 【二女】幾代姫 ── (夫)[[照国別]](半ダース宣伝使の梅彦)
# 【三女】五十子姫 ── (夫)[[玉国別]](半ダース宣伝使の音彦)
# 【四女の侍女】宇豆姫 ── (夫)[[スマートボール]]
# 【六女】菊子姫 ── (夫)[[治国別]](半ダース宣伝使の亀彦)
# 【七女】君子姫 ── (夫)[[サガレン王]](シロの国の王、大国彦の孫の国別彦)
# 【七女の侍女】清子姫 ── (夫)[[エームス]](シロの国の右守)
# 【八女】末子姫 ── (夫)[[国依別]](ウヅの国司、宗彦)
# 【八女の侍女】捨子姫 ── (夫)[[松若彦]](ウヅの国の大老)
=== 大黒主調伏相談会 ===
16人のうち、[[第39巻]]の[[大黒主調伏相談会]]の参加者として名前が記されている者は、次の8人である。〔{{rm|39|1|大黒主}}〕
* 【長女の侍女】浅子姫
* 【二女】幾代姫 【二女の侍女】岩子姫
* 【三女】五十子姫 【三女の侍女】今子姫
* 【四女】梅子姫
* 【五女の侍女】悦子姫
* 【六女】菊子姫
幾代姫は夫・[[照国別]]が言霊隊員として出陣することになり、自分も連れて行って欲しいと歌を詠んでいるが、却下された。
梅子姫はコーカス山からの参加者として名前が記されている。
=== 【長女】愛子姫/浅子姫 ===
==== 第15巻・チベットの地底の巌窟にて ====
愛子姫と浅子姫は[[太玉命]]の従者として[[顕恩郷]]に残ったが、太玉命の不在中に、バラモン教の[[鬼雲彦]]らが再び来襲し、2人は顕恩郷から逃げ出す。
その後バラバラになり、愛子姫は妹の幾代姫(二女)・菊子姫(六女)と共に[[チベット]]に向かった。チベットに父神(素尊)がいると聞いたからである。
また浅子姫も、愛子姫らがチベットに逃れたと聞いて、岩子姫・岸子姫と共にチベットに向かった。<ref>{{rm|15|16|水上の影}}:浅子姫のセリフの中で語られている。「妾は愛子姫様と共に、顕恩城を守護しまつる折しも、天照大神様、天の岩戸に隠れ給ひしより、太玉命は急遽、天教山に登らせ給ひ、その不在中、愛子姫様と妾は城内を守る折しも(略)鬼雲彦は又もや現はれ来りて、暗に紛れて暴威を逞しうし、妾主従は生命も危き所、闇に紛れて城内を逃れ出で(略)日の出神にめぐり会ひ、愛子姫様、菊子姫様、幾代姫様は、神素盞嗚尊の御後を慕ひ、西蔵に難を遁れさせ給ひしと聞くより、妾は岸子姫、岩子姫と共に(以下省略)」</ref>
[[高国別]]は素尊の従者としてチベットにやって来た。地底の巌窟で愛子姫と出会う。素尊の命で、幾代姫は梅彦と、菊子姫は亀彦と結婚していた。高国別は愛子姫と結婚する。〔以上、{{rm|15|14|奇の岩窟}}~{{rms|15|15|山の神}}〕
==== 第15巻・イソ館にて ====
[[斎苑の館]]を[[言依別命]]一行が訪れると、素尊は不在で[[八島主]]が留守を守っており、愛子姫、梅彦・幾代姫夫婦、亀彦・菊子姫夫婦が滞在していた。するとそこへバラモン軍が襲来する。(浅子姫・岩子姫・岸子姫の名は見えない<ref>{{rm|15|22|和と戦}}に「菊子姫は二人の侍女を伴ひ」と書いてあるが、浅子姫・岩子姫・岸子姫の名は書いてない。</ref>)〔{{rm|15|22|和と戦}}〕
==== 第35巻・火の国の都にて ====
[[高国別]]は[[火の国]]の守護職となり「高山彦」と名乗っていた。[[黒姫]]は逃げた夫・[[高山彦]]を探して[[筑紫島]]にやって来たが、火の国の「高山彦」が自分の夫だと思い、火の国館へ行く。愛子姫は館を訪れた黒姫を出迎えた。〔{{rm|35|22|当違}}~{{rms|35|24|歓喜の涙}}〕
=== 【二女】幾代姫/岩子姫 ===
登場場面は少なく、あまり活躍しない。
==== 第15巻・チベットの地底の巌窟にて ====
愛子姫らと共に、幾代姫・岩子姫もいる。〔{{rm|15|15|山の神}}~{{rms|15|17|窟の酒宴}}〕
==== 第15巻・イソ館にて ====
(「愛子姫」の項に記した)
=== 【三女】五十子姫/今子姫 ===
五十子姫が音彦と結婚したことは、[[第17巻]]の[[加米彦]]のセリフの中で語られている。バラモン軍に捕まる前にすでに結婚している。<ref>{{rm|17|15|敵味方}}:加米彦のセリフ「(音彦は)今頃は五十子姫の夢でも見て居るのだらう。可愛い女房をバラモン教の奴に攫はれ、今に行衛不明」、「何程五十子姫の事を思つて心配したつて、竜宮の一つ島に漂着して居る女房に遇へるでもなし」、「梅子姫さまと侍女の今子姫、宇豆姫の四人連れで、今竜宮島でバラモン教と激戦の最中だ」</ref>
==== 第24巻・竜宮島にて ====
五十子姫・今子姫の主従は、すぐ下の妹の梅子姫・宇豆姫の主従と共にバラモン軍に捕まり、小舟で流されてしまう。
漂流していると、[[ニュージーランド]]の近く<ref>{{rm|24|4|一島の女王}}:船頭([[チャンキー]])のセリフ「然し大方'''ニユージランド'''の近辺だと思ひます」</ref>で、岩山にへばりついている[[小糸姫]](16歳)を発見し、救助する。[[シロの島]]に夫・[[友彦]]と住んでいた小糸姫は、友彦に愛想を尽かして船に乗って逃げ出し、遭難したのだった。小糸姫は[[竜宮島]]の女王になろうという野望を持っていた。五十子姫たちは、小糸姫に三五教を教え込み、竜宮島の女王にして、精神的王国をつくろうと考えた。
一行5人は竜宮島に上陸する。この島の大棟梁[[ブランジー]]([[高山彦]])と[[クロンバー]]([[黒姫]])に遭遇し、小糸姫が張ったりを噛まして、二人や住民たちを従わせた。5人は三五教を全島に広め、住民たちに挙げられて、小糸姫は女王となり、[[黄竜姫]]と改名した。
五十子姫と今子姫は竜宮島を去り、[[自転倒島]]へ向かう<ref>{{rm|24|4|一島の女王}}:「茲に'''五十子姫は今子姫を従へ'''、梅子姫、宇豆姫を小糸姫が左右に侍せしめ、'''自転倒島さして神素盞嗚大神の御跡を慕ひ進み渡る事となりぬ'''」</ref>。
梅子姫と宇豆姫は竜宮島に残り、女王の相談役として統治を助けた。〔以上、{{rm|24|3|波濤の夢}}~{{rms|24|4|一島の女王}}〕
==== 第43~44、49巻・祠の森にて ====
五十子姫の夫・[[玉国別]](音彦から改名)は言霊隊に選ばれ、弟子3人を連れて[[ハルナの都]]へ向かった。その途中、[[河鹿峠]]の[[懐谷]]で、大きな猿に両目を掻きむしられ失明する。祈願すると左目だけは見えるようになった。〔{{rm|43|1|烈風}}~{{rms|43|4|玉眼開}}〕
[[イソ館]]で五十子姫は、夫の遭難を霊眼で目撃した。神勅を伺うと、玉国別を救いに行けと神勅が下る。直ちに今子姫を伴いイソ館を発った。[[祠の森]]で[[玉国別]]一行に出会う。〔{{rm|43|15|温愛}}〕
[[治国別]]一行もいた。バラモン軍がイソ館を攻撃するため進もうとしていたのを、二人は河鹿峠で食い止めていたのだ。バラモン軍はイソ館攻撃をあきらめ、[[聖地エルサレム]]の[[黄金山]]へ進軍しようとしていた。五十子姫が神勅を伺うと「治国別は黄金山へ進みバラモン軍を食い止めよ。玉国別は祠の森に三五教の神殿を建てよ」と神示が下りた。〔{{rm|44|1|笑の恵}}~第2章、第5~6章〕
祠の森の神殿が完成すると、玉国別の目は全快し、右目も見えるようになった。五十子姫・今子姫はイソ館に帰る。〔{{rm|49|5|復命}}〕
=== 【四女】梅子姫/宇豆姫 ===
==== 第24巻・竜宮島にて ====
(五十子姫の項に記した)
==== 第25巻・竜宮島にて(宇豆姫) ====
ブランジー(高山彦)とクロンバー(黒姫)が高姫と共に自転倒島に帰った後は、女王の黄竜姫の下に、[[清公]]が左守となり、[[鶴公]]が右守となって竜宮島を治めていた。また、梅子姫と宇豆姫が相談役のように女王に仕えていた。
左守の清公は宇豆姫を妻にしようとたくらむ。また右守の鶴公も宇豆姫に想いを寄せていた。宇豆姫は鶴公が好きだった。
地恩城内は清公派と鶴公派に二分し政争が繰り広げられる。
宇豆姫は苦しみ、断崖絶壁から谷川に飛び降りた。それを鶴公派の[[スマートボール]]が救助した。
命がけで宇豆姫を助けたスマートボールの、城内の信頼が高まり、黄竜姫はスマートボールを左守に任じ、宇豆姫はスマートボールと結婚することになった。〔以上、{{rm|25|1|水禽の音}}~{{rms|25|4|望の縁}}〕
[[ジャンナの郷]]を治めていた[[友彦]]・[[テールス姫]]夫婦が梅子姫らと共に[[麻邇宝珠]]の玉を持って自転倒島へ去った後は、スマートボールと宇豆姫がジャンナの郷を治めることになった。〔{{rm|25|16|真如の玉}}〕
==== 第25巻・竜宮島にて(梅子姫) ====
梅子姫は、初稚姫らと共に、[[諏訪の湖]]の[[玉依姫命]]から五つの[[麻邇宝珠]]の玉を受け取り、金色の八咫烏に乗って[[自転倒島]]へ飛び去った。〔{{rm|25|16|真如の玉}}〕
==== 第27巻・錦の宮にて ====
麻邇宝珠のすり替えが発覚した〔{{rm|27|5|玉調べ}}〕。その後の人事異動で、梅子姫は[[コーカス山]]に転勤になる〔{{rm|27|7|猫の恋}}〕。
=== 【五女】英子姫/悦子姫 ===
==== 第16巻・秋山館にて ====
英子姫と悦子姫はメソポタミヤの顕恩郷を出てからバラモン軍に捕まり、朽ちた舟の乗せられて海に流された<ref>{{rm|16|1|天橋立}}:悦子姫のセリフ「英子姫様、メソポタミヤの顕恩郷を立出でましてより、情無き魔神の為に、朽ち果てたる舟に乗せられ、押流された時の事を思へば、夢の様で御座いますなア」</ref>。漂流した末に自転倒島の[[天の橋立]]の[[竜灯松]]の根元に漂着した。
鬼雲彦は顕恩郷を追われてから、海を渡り、[[大江山]]に拠点を構えた。2人はその鬼雲彦の部下・[[鬼彦]]の一隊5人に発見されるが、5人に[[霊縛]]をかけて逃げた。
[[由良の港]]の手前で[[亀彦]]と遭遇する。3人で由良の司・[[秋山彦]]の館を訪れた。すると館の奥の間に[[素尊]]と[[国武彦]]がいて酒宴を開いていた。
そこへ門番が駆けて来て、バラモン軍の[[鬼彦]]が大勢の部下を引き連れて襲来したと報告する。秋山彦が捕まったという。
しかし素尊も国武彦も気楽そうに笑い飛ばして、酒宴を続けようとする。
亀彦は、秋山彦を見殺しにする気か、と怒り、武器を持って表に戦いに出ようとする。が、英子姫が紐を亀彦の首にひっかけて引っ張ったので、亀彦はひっくり返った。
バラモン軍の声はいつしか消えてしまった。捕まったはずの[[秋山彦]]が悠然として奥の間に入って来た。
鬼彦たちは素尊や秋山彦ら7人を捕虜にして大江山へ帰って行くが、これは実は鬼武彦の作戦だった。鬼武彦の部下の白狐が変化して、身代りになったのだった。〔以上、第16巻第1~5章〕
英子姫・悦子姫・亀彦の3人は、大江山のバラモン教の城に乗り込む。鬼彦たちは改心したが、鬼雲彦夫婦は[[天の岩船]]に乗って逃げ去った。〔第16巻第10章〕
==== 第16巻・剣尖山の麓にて ====
[[ウラナイ教]]の[[高姫]]が、[[冠島]]に秘してあった[[如意宝珠]]を盗んで呑み込んでしまった騒動〔第16巻第11~14章〕の後、英子姫・悦子姫・亀彦の3人は秋山館を発ち、[[綾の聖地]]へ向かった。その途中、[[剣尖山]]の麓の宮川の川辺([[産釜]]・[[産盥]]の側)で、[[青彦]](高姫の部下)が人々を集めてウラナイ教の宣教をやっているのを目撃する。
悦子姫は森陰に隠れ、神の声のふりをして、参拝者たちに、ウラナイ教を見切って三五教に入れと告げた。青彦は怒って、正体を現させてやると、(辺りが暗いので)火を焚く。するとその火の光に驚いた雀蜂の大群が、青彦を取り巻き、全身を突き刺した。
英子姫と亀彦は、青彦のために祈願する。青彦は自分のために祈ってくれる二人の姿を見て改心し、三五教の宣伝使となる。
悦子姫に本物の神(天照皇大神)が懸かり、ここに宮殿を造り我が御霊を祀れ、と命じた。
青彦がリーダーとなって宮殿を造営し、百日後に完成した。(これが伊勢神宮の始まりであり、今の[[元伊勢皇大神社]]である)
鎮祭式が済んだ後、英子姫に神(天照大神の和魂)が懸かり、悦子姫に対して、[[豊国姫命]]が降った[[真名井ケ岳]]へ向かえと使命を与える。また英子姫・亀彦に対しては、[[綾の聖地]]へ向かえと命じた。〔以上、第16巻15章~第18章〕
==== 第16~17巻・丹波村にて ====
悦子姫は従者を連れて[[真名井ケ岳]]に向かった(従者は[[鬼彦]]・[[鬼虎]]・[[青彦]]・[[加米彦]]・[[岩公]]・[[櫟公]]、途中から[[音彦]]・[[勘公]]が加わり計8人)。天の橋立の[[文珠堂]]に泊まった夜、悦子姫は[[日の出神]]の神霊を身に浴びた。悦子姫は従者を残して一人で先に進んで行った。〔第16巻第19~20章〕
残った一行は翌日の夜、[[丹波村]]の[[平助]]の家に泊まらせてもらおうと頼んだ。しかし平助は拒否する。一年前、二人の旅人を泊まらせたが、そいつが悪党で、お金を奪い、孫娘の[[お節]]を誘拐して行った事件があったからだ。そこへ悦子姫がお節を連れて戻って来た。どこからかお節を救出して来たのだ。悦子姫は再び一人で旅立ってしまった。平助は残った一行を泊まらせようとするが、その中に[[鬼彦]]・[[鬼虎]]がいるのを見つけた。実はこの二人がお節を誘拐した張本人だったのだ。 →詳細は「[[丹波村の平助親子]]」を見よ(ただし悦子姫はあまり登場しない)
悦子姫・音彦・青彦・加米彦の4人は、真名井ケ岳の豊国姫の降臨地に到着した。悦子姫に豊国姫が神懸り、[[鬼ケ城山]]に進めと神示を下した。〔{{rm|17|6|瑞の宝座}}〕
==== 第17巻・三嶽山と鬼ケ城山にて ====
悦子姫一行は[[鬼ケ城山]]に向かった。途中、[[三嶽山]]でバラモン教に捕まっていた[[紫姫]]と従者の[[鹿公]]・[[馬公]]の3人を救出する。〔{{rm|17|12|花と花}}~{{rms|17|13|紫姫}}〕
鬼ケ城山にはバラモン教の副棟梁・[[鬼熊別]]が砦を構えていた。悦子姫一行は鬼ケ城山で言霊戦を開始し、勝利する。しかし鬼熊別夫婦は天の岩船に乗って逃げ去った。〔{{rm|17|14|空谷の足音}}~{{rms|17|17|有終の美}}〕
==== 第18巻・世継王山の麓にて(玉照姫の誕生) ====
悦子姫・音彦・加米彦・夏彦の4人は、綾の聖地へ向かう途中、英子姫・亀彦と遭遇した。[[弥仙山]]を下りて来た英子姫は、悦子姫に、経綸を行っておいたので弥仙山に登るよう勧める。悦子姫一行は弥仙山に向かうと、[[於与岐の里]]の[[豊助]]に出会った。豊助の家に行くと、娘の[[お玉]]が身重だった。処女懐胎で妊娠18ヶ月だという。産気づいたので悦子姫が赤ちゃんを取り上げる。悦子姫はその女の子に「[[玉照姫]]」と名を付けた。〔{{rm|18|1|春野の旅}}~{{rms|18|2|厳の花}}〕
悦子姫は神示に従い、[[世継王山]]の麓に館を建てた。鬼ケ城山で別れた[[紫姫]]・[[青彦]]らが館を訪れた。悦子姫は紫姫に一つの使命を授けると、音彦を伴い[[竹生島]]へ旅立った。〔{{rm|18|3|神命}}~{{rms|18|4|四尾山}}〕
紫姫・若彦(青彦から改名)は[[ウラナイ教]]の[[高姫]]・[[黒姫]]を騙して、玉照姫を悦子姫の館に連れて帰る。 →詳細は「[[悦子姫の館]]」「[[玉照姫]]」「[[第18巻]]」を見よ
==== 第27巻・錦の宮にて ====
[[錦の宮]]の教主・[[言依別命]]が蒸発したため、英子姫が臨時に教主に任じられた。〔{{rm|27|7|猫の恋}}〕
=== 【六女】菊子姫/岸子姫 ===
==== 第15巻・チベットの地底の巌窟にて ====
(「愛子姫」の項に記した)
この時すでに菊子姫は亀彦と夫婦になっている。<ref>{{rm|15|15|山の神}}:「私は三五教の宣伝使たりし'''亀彦'''で御座います。これなる女は'''菊子姫'''と申し、神素盞嗚の大神の第六の御娘、今は大神の御心により千代も変らぬ'''宿の妻'''」</ref>
==== 第15巻・イソ館にて ====
(「愛子姫」の項に記した)
==== 似た名前の人物 ====
* [[中村菊子]]:中村竹造の妻。
* [[お菊]]:お寅の娘。「菊子の姫」と呼ばれている箇所が1回だけある。({{rm|44|20|脱線歌}}の五三公の歌「菊子の姫の耳の痛さよ」)
* [[岸子]]:第72巻に登場する。フクエの恋人。
=== 【七女】君子姫/清子姫 ===
==== 第36巻・シロの島にて ====
君子姫と清子姫は[[顕恩郷]]を出た後、[[フサの国]]でバラモン軍に捕まり、舟で流され、[[シロの島]]の[[ドンドラ岬]]に漂着した。上陸して、昔、[[友彦]]と[[小糸姫]]が隠れ住んだ[[松浦の里]]を目指して進む。〔第36巻第1章〕
二人は、岩窟の中に隠れ住んでいた[[サガレン王]]と出会った。サガレン王は[[ウラル教]]の妖僧・[[竜雲]]の陰謀によって城を追われ、ここに隠れ住んでいた。君子姫・清子姫は王に協力して、竜雲を言向け和す。サガレン王は王座に復帰し、君子姫は王と結婚して王妃となった。清子姫は右守の[[エームス]]と結婚した。 →詳細は「[[第36巻]]」「[[シロの島]]」を見よ
==== 同じ名前の人物 ====
* [[清子姫 (曖昧さ回避)]]:菊子姫の侍女の清子姫を含めて4人いる。
==== 似た名前の人物 ====
* [[黒田清子]]:
* [[谷前清子]]:霊界物語の筆録者の一人。
=== 【八女】末子姫/捨子姫 ===
==== 第30巻・高砂島にて ====
末子姫・捨子姫は[[フサの国]]でバラモン教の残党に捕まり棚無し舟に乗せられて海に流された。大西洋を漂流し、[[高砂島]]の[[テルの国]][[ハラの港]]に漂着した。<ref>{{rm|30|1|主従二人}}:「波斯の国をば振出しに 宣伝せむと進む折 バラモン教の残党に 取押へられ別々に 棚無し舟に乗せられて 海原遠く流されぬ(略)'''大西洋'''の中央に 散在したる大島や 小島の間をくぐりつつ 波のまにまにテルの国 ハラの港に上陸し」</ref>
[[ウヅの国]]はかつて[[正鹿山津見]]が国司として治めていた。末子姫・捨子姫の二人は[[三五教]]の様子を探るため、国司の館があるウヅの都へ向かう。[[テル山峠]]で、バラモン教の5人の男と出会う。[[高照山]]の拠点を構えるバラモン教の教主・[[石熊]]に命じられ、二人を捕まえに来たのだ。二人は幽霊に化けて驚かすと5人のうち3人は逃げた。残った2人([[カール]]、[[ネロ]])はウヅの都の三五教の教主・[[松若彦]]の命令でバラモン教の内情を探るため潜入調査をしていたのだった<ref>{{rm|30|2|乾の滝}}:[[カール]]のセリフ「此頃高照山にバラモン教の一派石熊なる者現はれ、珍の都へいろいろと間者を入り込ませ、転覆の計画をめぐらして居りますれば、吾々は教主松若彦様の内命を奉じ、バラモン教の様子を探るべく、バラモンの信者となつて、今日迄暮れて来ました」</ref>。
[[カール]]の案内で、末子姫・捨子姫はウヅの都に向かい、[[テル山峠]]を登って行く。途中にある「[[乾の滝]]」で、二人は禊をしようと立ち寄った。するとそこにはバラモン教の[[石熊]]が禊をするため来ており、直立不動で滝の上を見つめている。巨大な大蛇に魅入られて動けなくなっているのだ。大蛇は大口を開けて石熊を呑み込もうとしていたが、末子姫が宣伝歌を歌うと大蛇は言向け和され、姿を滝の中に隠してしまった。命を助けられた石熊は涙を流して感謝し、三五教に帰順した。〔ここまで、{{rm|30|1|主従二人}}~{{rms|30|2|乾の滝}}〕
末子姫・捨子姫・[[カール]]・[[石熊]]の4人はウヅの都に向かうためテル山峠を降る。途中に「[[巽の池]]」があり、そこには大蛇がいるという。一行はその大蛇を言向け和すため池に立ち寄る。始めに石熊が宣伝歌を歌うが大蛇に対して全く効果が無い。末子姫は宣り直しを命じ、再び石熊は歌った。一回目よりは善言美詞的であるが、しかし今度も効果が無かった。次に捨子姫が宣伝歌を歌う。効果はたちまち現れ、それまで降っていた大粒の雨は止み、黒雲は晴れ、太陽が輝き始めた。最後に末子姫が宣伝歌を歌うと、白竜が姿を現し、感謝の涙を流して、女神の姿と化して空高く消えて行った。〔{{rm|30|3|清めの滝}}~{{rms|3|11|裸体の道中}}〕
末子姫一行は再びウヅの都に向かった。都に近づくと、[[松若彦]]が自ら末子姫を出迎えにやって来た。松若彦は父・[[国彦]]の代からウヅの都の神館を守り、素尊の娘が降臨するのを待ち続けていたのだった。[[正鹿山津見]]が[[黄泉比良坂の戦い]]に出陣する際に、部下の国彦に「素尊の姫御子がこの国に降臨するまでこの神館を守れ」と命じたのだった。国彦の帰幽後、息子の松若彦が後を継いで神館を守っていた。末子姫はウヅの国の女王兼教主となる任務を、父・神素盞嗚大神から聞いて知っていた。末子姫は数多の国人に歓喜の声で迎えられ館([[高砂城]])に入城した。〔{{rm|30|12|マラソン競争}}~{{rms|30|13|都入}}〕
==== 第32巻・ウヅの都にて ====
[[アマゾン]]の怪獣[[モールバンド]]・[[エルバンド]]を言向け和した18人の宣伝使([[言依別命]]、[[国依別]]、[[高姫]]ら)がウヅの都に凱旋した。末子姫は[[国依別]]と結婚することになる。だが高姫が、国依別は素尊の婿養子にはふさわしくないと猛反対する。高姫は捨子姫や言依別命らに諭されて、我を折って結婚に渋々同意した。末子姫と国依別は無事に結婚式を挙げ、その一年後に、捨子姫と[[松若彦]]が結婚することになった。〔{{rm|32|24|冷氷}}、{{rm|33|1|高論濁拙}}~{{rms|33|11|波静}}〕
==== 第69巻・ウヅの都にて ====
末子姫と国依別が結婚してから33年が経った<ref>{{rm|69|1|大評定}}:「三十三年の星霜を 経にける今日の都路は」</ref>。国依別がウヅの国司となり、国は泰平に治まっていたが、[[常世の国]]から[[ウラル教]]が入って来て、社会は乱れて行った。国依別は[[球の玉]]の神徳によって世の中の動きを達観し、政治は大老の[[松若彦]]に任せ、時が至るまでは政治に関与しないようにしていた。息子の[[国照別]]は貴族生活を嫌い、平民生活を送るため、世子(跡継ぎ)にも関わらず城を抜け出して姿をくらましてしまった。国照別は[[ヒルの国]]の世子・[[国愛別]]と出会う。国愛別もやはりこっそり国を抜け出して民情視察のためウヅの都に来ていたのだった。二人は互いに民衆のために力を尽くそうと活動を開始する。 →詳細は「[[第69巻]]」を見よ
== 名前の使用回数 ==
霊界物語で、16人の名前が出る回数は次の通りである。一位は悦子姫、二位は末子姫、三位は英子姫になる。<ref>名前が出る回数の多さと、ドラマ上の登場回数の多さは必ずしも一致しない。たとえばスサノオは名前が出る回数は多いが(約1000回)登場するのはほんの数回であり、セリフもまた少ない。</ref>
* 愛子姫 97回<ref>愛子姫83回、愛子の姫14回(第34巻第13章、第35巻第8章、同第16章に登場する「愛子姫」計4回は虎公の妻のお愛のことなので省いて集計した)</ref>
* 浅子姫 20回<ref>浅子姫20回、浅子の姫0回</ref>
* 幾代姫 29回<ref>幾代姫28回、幾代の姫1回</ref>
* 岩子姫 12回<ref>岩子姫12回、岩子の姫0回</ref>
* 五十子姫 146回<ref>五十子姫127回、五十子の姫19回</ref>
* 今子姫 54回<ref>今子姫46回、今子の姫8回</ref>
* 梅子姫 159回<ref>梅子姫126回、梅子の姫33回</ref>
* 宇豆姫 137回<ref>宇豆姫136回、宇豆の姫1回</ref>
* 英子姫 200回<ref>英子姫188回、英子の姫12回</ref>
* 悦子姫 379回<ref>悦子姫357回、悦子の姫21回</ref>
* 菊子姫 33回<ref>菊子姫29回、菊子の姫3回({{rm|44|20|脱線歌}}の「菊子の姫」はお寅の娘のお菊のことなので除外)</ref>
* 岸子姫 9回<ref>岸子姫9回、岸子の姫0回</ref>
* 君子姫 30回<ref>君子姫25回、君子の姫5回</ref>
* 清子姫 20回<ref>清子姫17回、清子の姫3回(清子姫は4人いるが、第15巻・第36巻に登場する清子姫のみ集計した)</ref>
* 末子姫 266回<ref>末子姫191回、末子の姫75回</ref>
* 捨子姫 112回<ref>捨子姫87回、捨子の姫25回</ref>
== その他 ==
* 八人乙女と侍女たちの漂着地での物語が一番最初に描かれるのは、[[第16巻]]の英子姫・悦子姫の[[自転倒島]]における物語である。{{rm|16|1|天橋立}}の冒頭の歌に、5組10人の漂着地を暗示する次の一節がある。「五人の姫御子は(略)大海原に捨小船 波のまにまに漂ひつ 海路も遠き'''竜宮の''' 魔神の猛ぶ'''一つ島''' '''自転倒島'''や'''錫蘭の島''' '''常世の国'''や'''智利の国''' 波のまにまに流されて」。これを口述した時点ですでに、他の4組が竜宮島、シロの島、テルの国(高砂島)へ漂着したことは決まっていたことになる。ただし常世国に漂着した物語は書かれていない。
* 英子姫は[[第16巻]]の'''初版'''の序文では「日出子姫」と表記されている。単なる誤字か?
== 脚注 ==
<references/>
== 関連項目 ==
* [[松竹梅の三姉妹]]
* [[月雪花の三姉妹]]
{{デフォルトソート:やたりおとめ}}
[[Category:霊界物語の人物 (組)]]
# 【長女】愛子姫(あいこひめ) 【侍女】浅子姫(あさこひめ)
# 【二女】幾代姫(いくよひめ) 【侍女】岩子姫(いわこひめ)
# 【三女】五十子姫(いそこひめ)【侍女】今子姫(いまこひめ)
# 【四女】梅子姫(うめこひめ) 【侍女】宇豆姫(うずひめ)
# 【五女】英子姫(ひでこひめ) 【侍女】悦子姫(よしこひめ)
# 【六女】菊子姫(きくこひめ) 【侍女】岸子姫(きしこひめ)
# 【七女】君子姫(きみこひめ) 【侍女】清子姫(きよこひめ)
# 【八女】末子姫(すえこひめ) 【侍女】捨子姫(すてこひめ)
== 概要 ==
* この16人が初めて登場するのは{{rm|15|3|十六花}}である。ただしここでは単に「八人姉妹(はちにんきょうだい)」と称されているだけで<ref>{{rm|15|3|十六花}}:愛子姫のセリフ「八人姉妹にて侯」</ref>、「八人乙女(やたりおとめ)」という単語が初めて使われるのは{{rm|22|9|清泉}}である<ref>{{rm|22|9|清泉}}:「神素盞嗚の大神が 生の御子と現れませる 八人乙女の其中に 秀でて貴き英子姫」</ref>。
* 最初は16人のグループとして登場するが、その後は八人乙女各人とその侍女の二人一組のチームで活動する。後に侍女たちも独立し一人ずつ活動するようになる。
* 八人乙女とその侍女の名前は、基本的に五十音順になっている。ただし英子姫(ひでこひめ)とその侍女・悦子姫(よしこひめ)だけが異なるが、それぞれ「えいこひめ」「えつこひめ」と読んだ場合には五十音順になる。岩子姫(いわこひめ)は旧仮名遣いでは「いはこひめ」なので今子姫(いまこひめ)より前になる。
* 八人乙女の年齢は詳しく記されていないが、おそらくみな二十歳前後だと思われる。長女・愛子姫に関しては{{rm|34|3|障文句}}で「未だ三十にも足らぬ愛子姫」と紹介されている<ref>{{rm|34|3|障文句}}:[[芳公]]のセリフ「コレ高山彦さま(略)六十の尻を作つて、'''未だ三十にも足らぬ愛子姫'''とやらを女房に持つとは」(注・愛子姫は高国別と結婚したのだが、高山彦(黒姫の夫)と結婚したのだと芳公は勘違いしている)</ref>。第15巻から数年経ったであろう第34巻で長女の愛子姫が30歳未満なのだから、第15巻の時点では8人とも二十歳前後であろう。
* 八人乙女は8人ともみな同じような年齢だが、それは神素盞嗚大神の実子ではなく養子だからである。捨て子を拾って自分の子にした。肉体的には養子だが、精霊を分与しているので、肉体以上に近く親しい御子になっている。<ref>{{rm|41|1|入那の野辺}}:カルのセリフ「八人同じやうな年配の女の子があつたぢやないか」、レーブのセリフ「八人乙女の出来たのは肉体の御子ではない。霊魂の美はしき乙女を八人も方々から拾ひ集めて、その乙女の霊魂に対し自ら厳の御息を吹きかけて我子と為したまうたのだ」、レーブのセリフ「八人乙女とも皆捨児を拾つて自分の子に遊ばしたのだから、両親は尊様には御分りになつて居ても、八人乙女の方では矢張真の父上と思つて居られるやうだ。肝腎要の御精霊を分与されて居るのだから、仮令肉体の児でなくとも肉体以上の近い親しい御児になるのだ」</ref>
* 16人の登場回数にはかなりばらつきがあり、一番多いのは悦子姫、二番目は末子姫、三番目は英子姫である。→「[[#名前の使用回数]]」参照
=== 各人の特徴 ===
* 愛子姫は、背が高い。<ref>{{rm|15|3|十六花}}:「眼涼しく、背の高き愛子姫」</ref>
* 愛子姫の夫・[[高国別]]は、第2~3巻に登場する同名の高国別([[ペテロの都]]の[[道貴彦]]の弟であり、新高山の八頭神)の「後身」<ref>{{rm|15|13|神女出現}}:「地教山に現はれて、一度は尊の登山を塞ぎ奉りし鬼掴は、昔ペテロの都に在りて、道貴彦の弟と生れたる高国別の'''後身'''」</ref>である。年齢は第35巻の時点では35歳<ref>{{rm|35|24|歓喜の涙}}:玉治別のセリフ「本年'''三十五才'''の屈強盛りの活津彦根神様が高国別と御名乗り遊ばし、表向は高山彦と呼ばれて御座るのですから」</ref>。神名は「[[活津彦根神]]」(天照大神の五男神のうちの第四男)。第15巻ではバラモン教の鬼掴だと称して素尊の前に現れた<ref>{{rm|15|13|神女出現}}:「」</ref>ため「鬼掴」と呼ばれる場合もある。
* 梅子姫は自ら「[[木の花姫]]の生宮」だと語っている。<ref>{{rm|25|15|改心の実}}:梅子姫の[[黄竜姫]]に対するセリフ「妾は神素盞嗚大神の生みの子と生れ、木の花姫の生宮として今日迄、貴方のお傍に身を下し、神業を輔佐して参りました」</ref>
* 英子姫は「持病の癪(しゃく)」があり「病身の体」である。天の橋立に上陸し、5人の怪しい男(バラモン軍の[[鬼虎]]・[[石熊]]・[[熊鷹]]ら)が近づいた時に、病気で倒れてしまう。しかしその後は特に病気が関係するエピソードは見当たらない。
== 主なエピソード(共通) ==
[[メソポタミヤ]]の[[顕恩郷]]は[[バラモン教]]が支配し人々を苦しめていた。八人乙女の8人は父神(素尊)の命でバラモン教を言向け和すため顕恩郷に潜入し侍者となった。大棟梁・[[鬼雲彦]]夫妻に仕え、時期を待った。8人の侍女はもともとバラモン教の信徒であるが、八人乙女に感化されて三五教を信ずるようになっていた。[[太玉命]]と[[半ダース宣伝使]]がバラモン教を帰順させるため顕恩郷を訪れたのを機に、八人乙女と侍女たちも正体を現し、懐剣を手に鬼雲彦夫妻を取り囲み改心を迫る。しかし鬼雲彦夫妻は二匹の大蛇と化して空に逃げて行った。その後、八人乙女と侍女8組16人は宣伝使となって旅立った。ただし愛子姫と浅子姫は太玉命の従者として顕恩郷に残った<ref>{{rm|15|3|十六花}}:女神([[妙音菩薩]])のセリフ「われは妙音菩薩なり(略)太玉命は本城に留まり、愛子姫浅子姫は太玉命の身辺を保護し、其他の宣伝使と女人は[[エデン河]]を渡りて、[[イヅ河]]に向へ」(注・エデン河を渡る時に濁流に流された太玉命の従者ら5人がイヅ河に流れついているので助けに行けという意味)</ref>。〔{{rm|15|3|十六花}}~{{rms|15|4|神の栄光}}〕
そのうち5組10人は、バラモン軍の[[片彦]]・[[釘彦]]将軍の部隊に捕まり、朽ち果てた小舟に乗せられ、海に流されてしまう。
<ref name="rm1601_fune">{{rm|16|1|天橋立}}:悦子姫の英子姫に対するセリフ「メソポタミヤの顕恩郷を立出でましてより、情無き魔神の為に、'''朽ち果てたる舟に乗せられ'''、押流された時の事を思へば」、「君子姫様始め、四人の姫様は、どふやも計り難しうなられましたでせう」(他の4組が捕まったことを知っているということは、5組同時に捕まった?)</ref>
<ref name="rm2403_fune">{{rm|24|3|波濤の夢}}:今子姫の小糸姫に対するセリフ(ただしこれは小糸姫の夢の中)「とうとう天の太玉命の宣伝使が御入来になり、鬼雲彦初め、御両親は何処へか身を匿され、顕恩郷は今や三五教の霊場となつて居ります。そして妾は五十子姫様、梅子姫様と宣伝の途中、'''片彦、釘彦等部下の為に促へられ、此船に乗せて流されました'''途中で御座います」</ref>
<ref name="rm2503_fune">{{rm|25|3|鶍の恋}}:宇豆姫の歌「五十子の姫や梅子姫 今子の姫と諸共に 波斯の国原彼方此方と 教を伝ふ折柄に '''バラモン教の宣伝使 片彦釘彦其外の 枉の司に捕へられ 棚無小舟に乗せられて''' 荒波猛る海原に 押流されし恐ろしさ」</ref>
<ref name="rm3001_fune">{{rm|30|1|主従二人}}:地の文「八人乙女は各自に 八洲の国に蟠まる 八岐の大蛇の醜魂を 言向け和し天の下 百の災払はむと 各侍女を伴ひて 波斯の国をば振出しに 宣伝せむと進む折 '''バラモン教の残党に''' 取押へられ別々に '''棚無し舟に乗せられて''' 海原遠く流されぬ 八人乙女の末の子と 生れましたる末子姫 尊き生命を捨小舟 波に浮びて捨子姫 主人の君を慰めつ 甲斐々々しくも艪をとりて 大西洋の中央に 散在したる大島や 小島の間をくぐりつつ 波のまにまにテルの国 ハラの港に上陸し」</ref>
<ref name="rm3601_fune">{{rm|36|1|二教対立}}:地の文「神素盞嗚大神の八人乙女の第七の娘、君子姫は侍女の清子姫と共にバラモン教の本山メソポタミヤの顕恩城を後にして、フサの国にて三五教の宣伝に従事せむとする折しも、'''バラモン教の釘彦の一派'''に捉へられ、姉妹五人は何れも'''半破れし舟に乗せられて'''波のまにまに放逐されたのである。君子姫は侍女と共に激浪怒濤を渡り、漸くにしてシロの島のドンドラ岬に漂着し」</ref>
八人乙女と侍女たちがバラモン教に捕まり海に流されたことは、素尊の経綸でもあった。末子姫は次のように語っている。「大変な恐ろしい目に、幾度ともなく出会ひましたが、神さまのおかげで漸く高砂島まで送られ、こんな嬉しい事はありませぬなア。これも全くバラモン教の手を使つて、妾両人を神様の深き御経綸の下に、お遣はし遊ばしたのでせう」〔{{rm|30|1|主従二人}}〕。また捨子姫は次のように語っている。「素盞嗚尊様は八岐の大蛇を退治の為、世界中を御廻り遊ばす御神務、就いてはお一人にては此広い世界、お手が廻らないから、自分のいたいけな御娘子を、世界へお遣はし遊ばす御経綸を惟神的に御始めなさつて居られるのですから(略)。斯様な所へ吾々がお伴をして参つたのも、神様の御引合せ(略)」〔{{rm|30|2|乾の滝}}〕。
=== 漂着地 ===
彼女たちはそれぞれ漂着した地で[[三五教]]を広めて行く。漂着した地と、そこで活躍する主な巻は次の通りである。
* 【三女】五十子姫 【侍女】今子姫……[[竜宮島]]……[[第24巻|第24]]~25巻
* 【四女】梅子姫 【侍女】宇豆姫……[[竜宮島]]……[[第24巻|第24]]~25巻
* 【五女】英子姫 【侍女】悦子姫……[[自転倒島]]……[[第16巻|第16]]~19巻
* 【七女】君子姫 【侍女】清子姫……[[シロの島]]……[[第36巻]]
* 【八女】末子姫 【侍女】捨子姫……[[高砂島]]……[[第30巻]]
=== 結婚相手 ===
16人のうち、結婚したことが記されているのは次の9人である。
# 【長女】愛子姫 ── (夫)[[高国別]](鬼掴、活津彦根神)
# 【二女】幾代姫 ── (夫)[[照国別]](半ダース宣伝使の梅彦)
# 【三女】五十子姫 ── (夫)[[玉国別]](半ダース宣伝使の音彦)
# 【四女の侍女】宇豆姫 ── (夫)[[スマートボール]]
# 【六女】菊子姫 ── (夫)[[治国別]](半ダース宣伝使の亀彦)
# 【七女】君子姫 ── (夫)[[サガレン王]](シロの国の王、大国彦の孫の国別彦)
# 【七女の侍女】清子姫 ── (夫)[[エームス]](シロの国の右守)
# 【八女】末子姫 ── (夫)[[国依別]](ウヅの国司、宗彦)
# 【八女の侍女】捨子姫 ── (夫)[[松若彦]](ウヅの国の大老)
=== 大黒主調伏相談会 ===
16人のうち、[[第39巻]]の[[大黒主調伏相談会]]の参加者として名前が記されている者は、次の8人である。〔{{rm|39|1|大黒主}}〕
* 【長女の侍女】浅子姫
* 【二女】幾代姫 【二女の侍女】岩子姫
* 【三女】五十子姫 【三女の侍女】今子姫
* 【四女】梅子姫
* 【五女の侍女】悦子姫
* 【六女】菊子姫
幾代姫は夫・[[照国別]]が言霊隊員として出陣することになり、自分も連れて行って欲しいと歌を詠んでいるが、却下された。
梅子姫はコーカス山からの参加者として名前が記されている。
=== 【長女】愛子姫/浅子姫 ===
==== 第15巻・チベットの地底の巌窟にて ====
愛子姫と浅子姫は[[太玉命]]の従者として[[顕恩郷]]に残ったが、太玉命の不在中に、バラモン教の[[鬼雲彦]]らが再び来襲し、2人は顕恩郷から逃げ出す。
その後バラバラになり、愛子姫は妹の幾代姫(二女)・菊子姫(六女)と共に[[チベット]]に向かった。チベットに父神(素尊)がいると聞いたからである。
また浅子姫も、愛子姫らがチベットに逃れたと聞いて、岩子姫・岸子姫と共にチベットに向かった。<ref>{{rm|15|16|水上の影}}:浅子姫のセリフの中で語られている。「妾は愛子姫様と共に、顕恩城を守護しまつる折しも、天照大神様、天の岩戸に隠れ給ひしより、太玉命は急遽、天教山に登らせ給ひ、その不在中、愛子姫様と妾は城内を守る折しも(略)鬼雲彦は又もや現はれ来りて、暗に紛れて暴威を逞しうし、妾主従は生命も危き所、闇に紛れて城内を逃れ出で(略)日の出神にめぐり会ひ、愛子姫様、菊子姫様、幾代姫様は、神素盞嗚尊の御後を慕ひ、西蔵に難を遁れさせ給ひしと聞くより、妾は岸子姫、岩子姫と共に(以下省略)」</ref>
[[高国別]]は素尊の従者としてチベットにやって来た。地底の巌窟で愛子姫と出会う。素尊の命で、幾代姫は梅彦と、菊子姫は亀彦と結婚していた。高国別は愛子姫と結婚する。〔以上、{{rm|15|14|奇の岩窟}}~{{rms|15|15|山の神}}〕
==== 第15巻・イソ館にて ====
[[斎苑の館]]を[[言依別命]]一行が訪れると、素尊は不在で[[八島主]]が留守を守っており、愛子姫、梅彦・幾代姫夫婦、亀彦・菊子姫夫婦が滞在していた。するとそこへバラモン軍が襲来する。(浅子姫・岩子姫・岸子姫の名は見えない<ref>{{rm|15|22|和と戦}}に「菊子姫は二人の侍女を伴ひ」と書いてあるが、浅子姫・岩子姫・岸子姫の名は書いてない。</ref>)〔{{rm|15|22|和と戦}}〕
==== 第35巻・火の国の都にて ====
[[高国別]]は[[火の国]]の守護職となり「高山彦」と名乗っていた。[[黒姫]]は逃げた夫・[[高山彦]]を探して[[筑紫島]]にやって来たが、火の国の「高山彦」が自分の夫だと思い、火の国館へ行く。愛子姫は館を訪れた黒姫を出迎えた。〔{{rm|35|22|当違}}~{{rms|35|24|歓喜の涙}}〕
=== 【二女】幾代姫/岩子姫 ===
登場場面は少なく、あまり活躍しない。
==== 第15巻・チベットの地底の巌窟にて ====
愛子姫らと共に、幾代姫・岩子姫もいる。〔{{rm|15|15|山の神}}~{{rms|15|17|窟の酒宴}}〕
==== 第15巻・イソ館にて ====
(「愛子姫」の項に記した)
=== 【三女】五十子姫/今子姫 ===
五十子姫が音彦と結婚したことは、[[第17巻]]の[[加米彦]]のセリフの中で語られている。バラモン軍に捕まる前にすでに結婚している。<ref>{{rm|17|15|敵味方}}:加米彦のセリフ「(音彦は)今頃は五十子姫の夢でも見て居るのだらう。可愛い女房をバラモン教の奴に攫はれ、今に行衛不明」、「何程五十子姫の事を思つて心配したつて、竜宮の一つ島に漂着して居る女房に遇へるでもなし」、「梅子姫さまと侍女の今子姫、宇豆姫の四人連れで、今竜宮島でバラモン教と激戦の最中だ」</ref>
==== 第24巻・竜宮島にて ====
五十子姫・今子姫の主従は、すぐ下の妹の梅子姫・宇豆姫の主従と共にバラモン軍に捕まり、小舟で流されてしまう。
漂流していると、[[ニュージーランド]]の近く<ref>{{rm|24|4|一島の女王}}:船頭([[チャンキー]])のセリフ「然し大方'''ニユージランド'''の近辺だと思ひます」</ref>で、岩山にへばりついている[[小糸姫]](16歳)を発見し、救助する。[[シロの島]]に夫・[[友彦]]と住んでいた小糸姫は、友彦に愛想を尽かして船に乗って逃げ出し、遭難したのだった。小糸姫は[[竜宮島]]の女王になろうという野望を持っていた。五十子姫たちは、小糸姫に三五教を教え込み、竜宮島の女王にして、精神的王国をつくろうと考えた。
一行5人は竜宮島に上陸する。この島の大棟梁[[ブランジー]]([[高山彦]])と[[クロンバー]]([[黒姫]])に遭遇し、小糸姫が張ったりを噛まして、二人や住民たちを従わせた。5人は三五教を全島に広め、住民たちに挙げられて、小糸姫は女王となり、[[黄竜姫]]と改名した。
五十子姫と今子姫は竜宮島を去り、[[自転倒島]]へ向かう<ref>{{rm|24|4|一島の女王}}:「茲に'''五十子姫は今子姫を従へ'''、梅子姫、宇豆姫を小糸姫が左右に侍せしめ、'''自転倒島さして神素盞嗚大神の御跡を慕ひ進み渡る事となりぬ'''」</ref>。
梅子姫と宇豆姫は竜宮島に残り、女王の相談役として統治を助けた。〔以上、{{rm|24|3|波濤の夢}}~{{rms|24|4|一島の女王}}〕
==== 第43~44、49巻・祠の森にて ====
五十子姫の夫・[[玉国別]](音彦から改名)は言霊隊に選ばれ、弟子3人を連れて[[ハルナの都]]へ向かった。その途中、[[河鹿峠]]の[[懐谷]]で、大きな猿に両目を掻きむしられ失明する。祈願すると左目だけは見えるようになった。〔{{rm|43|1|烈風}}~{{rms|43|4|玉眼開}}〕
[[イソ館]]で五十子姫は、夫の遭難を霊眼で目撃した。神勅を伺うと、玉国別を救いに行けと神勅が下る。直ちに今子姫を伴いイソ館を発った。[[祠の森]]で[[玉国別]]一行に出会う。〔{{rm|43|15|温愛}}〕
[[治国別]]一行もいた。バラモン軍がイソ館を攻撃するため進もうとしていたのを、二人は河鹿峠で食い止めていたのだ。バラモン軍はイソ館攻撃をあきらめ、[[聖地エルサレム]]の[[黄金山]]へ進軍しようとしていた。五十子姫が神勅を伺うと「治国別は黄金山へ進みバラモン軍を食い止めよ。玉国別は祠の森に三五教の神殿を建てよ」と神示が下りた。〔{{rm|44|1|笑の恵}}~第2章、第5~6章〕
祠の森の神殿が完成すると、玉国別の目は全快し、右目も見えるようになった。五十子姫・今子姫はイソ館に帰る。〔{{rm|49|5|復命}}〕
=== 【四女】梅子姫/宇豆姫 ===
==== 第24巻・竜宮島にて ====
(五十子姫の項に記した)
==== 第25巻・竜宮島にて(宇豆姫) ====
ブランジー(高山彦)とクロンバー(黒姫)が高姫と共に自転倒島に帰った後は、女王の黄竜姫の下に、[[清公]]が左守となり、[[鶴公]]が右守となって竜宮島を治めていた。また、梅子姫と宇豆姫が相談役のように女王に仕えていた。
左守の清公は宇豆姫を妻にしようとたくらむ。また右守の鶴公も宇豆姫に想いを寄せていた。宇豆姫は鶴公が好きだった。
地恩城内は清公派と鶴公派に二分し政争が繰り広げられる。
宇豆姫は苦しみ、断崖絶壁から谷川に飛び降りた。それを鶴公派の[[スマートボール]]が救助した。
命がけで宇豆姫を助けたスマートボールの、城内の信頼が高まり、黄竜姫はスマートボールを左守に任じ、宇豆姫はスマートボールと結婚することになった。〔以上、{{rm|25|1|水禽の音}}~{{rms|25|4|望の縁}}〕
[[ジャンナの郷]]を治めていた[[友彦]]・[[テールス姫]]夫婦が梅子姫らと共に[[麻邇宝珠]]の玉を持って自転倒島へ去った後は、スマートボールと宇豆姫がジャンナの郷を治めることになった。〔{{rm|25|16|真如の玉}}〕
==== 第25巻・竜宮島にて(梅子姫) ====
梅子姫は、初稚姫らと共に、[[諏訪の湖]]の[[玉依姫命]]から五つの[[麻邇宝珠]]の玉を受け取り、金色の八咫烏に乗って[[自転倒島]]へ飛び去った。〔{{rm|25|16|真如の玉}}〕
==== 第27巻・錦の宮にて ====
麻邇宝珠のすり替えが発覚した〔{{rm|27|5|玉調べ}}〕。その後の人事異動で、梅子姫は[[コーカス山]]に転勤になる〔{{rm|27|7|猫の恋}}〕。
=== 【五女】英子姫/悦子姫 ===
==== 第16巻・秋山館にて ====
英子姫と悦子姫はメソポタミヤの顕恩郷を出てからバラモン軍に捕まり、朽ちた舟の乗せられて海に流された<ref>{{rm|16|1|天橋立}}:悦子姫のセリフ「英子姫様、メソポタミヤの顕恩郷を立出でましてより、情無き魔神の為に、朽ち果てたる舟に乗せられ、押流された時の事を思へば、夢の様で御座いますなア」</ref>。漂流した末に自転倒島の[[天の橋立]]の[[竜灯松]]の根元に漂着した。
鬼雲彦は顕恩郷を追われてから、海を渡り、[[大江山]]に拠点を構えた。2人はその鬼雲彦の部下・[[鬼彦]]の一隊5人に発見されるが、5人に[[霊縛]]をかけて逃げた。
[[由良の港]]の手前で[[亀彦]]と遭遇する。3人で由良の司・[[秋山彦]]の館を訪れた。すると館の奥の間に[[素尊]]と[[国武彦]]がいて酒宴を開いていた。
そこへ門番が駆けて来て、バラモン軍の[[鬼彦]]が大勢の部下を引き連れて襲来したと報告する。秋山彦が捕まったという。
しかし素尊も国武彦も気楽そうに笑い飛ばして、酒宴を続けようとする。
亀彦は、秋山彦を見殺しにする気か、と怒り、武器を持って表に戦いに出ようとする。が、英子姫が紐を亀彦の首にひっかけて引っ張ったので、亀彦はひっくり返った。
バラモン軍の声はいつしか消えてしまった。捕まったはずの[[秋山彦]]が悠然として奥の間に入って来た。
鬼彦たちは素尊や秋山彦ら7人を捕虜にして大江山へ帰って行くが、これは実は鬼武彦の作戦だった。鬼武彦の部下の白狐が変化して、身代りになったのだった。〔以上、第16巻第1~5章〕
英子姫・悦子姫・亀彦の3人は、大江山のバラモン教の城に乗り込む。鬼彦たちは改心したが、鬼雲彦夫婦は[[天の岩船]]に乗って逃げ去った。〔第16巻第10章〕
==== 第16巻・剣尖山の麓にて ====
[[ウラナイ教]]の[[高姫]]が、[[冠島]]に秘してあった[[如意宝珠]]を盗んで呑み込んでしまった騒動〔第16巻第11~14章〕の後、英子姫・悦子姫・亀彦の3人は秋山館を発ち、[[綾の聖地]]へ向かった。その途中、[[剣尖山]]の麓の宮川の川辺([[産釜]]・[[産盥]]の側)で、[[青彦]](高姫の部下)が人々を集めてウラナイ教の宣教をやっているのを目撃する。
悦子姫は森陰に隠れ、神の声のふりをして、参拝者たちに、ウラナイ教を見切って三五教に入れと告げた。青彦は怒って、正体を現させてやると、(辺りが暗いので)火を焚く。するとその火の光に驚いた雀蜂の大群が、青彦を取り巻き、全身を突き刺した。
英子姫と亀彦は、青彦のために祈願する。青彦は自分のために祈ってくれる二人の姿を見て改心し、三五教の宣伝使となる。
悦子姫に本物の神(天照皇大神)が懸かり、ここに宮殿を造り我が御霊を祀れ、と命じた。
青彦がリーダーとなって宮殿を造営し、百日後に完成した。(これが伊勢神宮の始まりであり、今の[[元伊勢皇大神社]]である)
鎮祭式が済んだ後、英子姫に神(天照大神の和魂)が懸かり、悦子姫に対して、[[豊国姫命]]が降った[[真名井ケ岳]]へ向かえと使命を与える。また英子姫・亀彦に対しては、[[綾の聖地]]へ向かえと命じた。〔以上、第16巻15章~第18章〕
==== 第16~17巻・丹波村にて ====
悦子姫は従者を連れて[[真名井ケ岳]]に向かった(従者は[[鬼彦]]・[[鬼虎]]・[[青彦]]・[[加米彦]]・[[岩公]]・[[櫟公]]、途中から[[音彦]]・[[勘公]]が加わり計8人)。天の橋立の[[文珠堂]]に泊まった夜、悦子姫は[[日の出神]]の神霊を身に浴びた。悦子姫は従者を残して一人で先に進んで行った。〔第16巻第19~20章〕
残った一行は翌日の夜、[[丹波村]]の[[平助]]の家に泊まらせてもらおうと頼んだ。しかし平助は拒否する。一年前、二人の旅人を泊まらせたが、そいつが悪党で、お金を奪い、孫娘の[[お節]]を誘拐して行った事件があったからだ。そこへ悦子姫がお節を連れて戻って来た。どこからかお節を救出して来たのだ。悦子姫は再び一人で旅立ってしまった。平助は残った一行を泊まらせようとするが、その中に[[鬼彦]]・[[鬼虎]]がいるのを見つけた。実はこの二人がお節を誘拐した張本人だったのだ。 →詳細は「[[丹波村の平助親子]]」を見よ(ただし悦子姫はあまり登場しない)
悦子姫・音彦・青彦・加米彦の4人は、真名井ケ岳の豊国姫の降臨地に到着した。悦子姫に豊国姫が神懸り、[[鬼ケ城山]]に進めと神示を下した。〔{{rm|17|6|瑞の宝座}}〕
==== 第17巻・三嶽山と鬼ケ城山にて ====
悦子姫一行は[[鬼ケ城山]]に向かった。途中、[[三嶽山]]でバラモン教に捕まっていた[[紫姫]]と従者の[[鹿公]]・[[馬公]]の3人を救出する。〔{{rm|17|12|花と花}}~{{rms|17|13|紫姫}}〕
鬼ケ城山にはバラモン教の副棟梁・[[鬼熊別]]が砦を構えていた。悦子姫一行は鬼ケ城山で言霊戦を開始し、勝利する。しかし鬼熊別夫婦は天の岩船に乗って逃げ去った。〔{{rm|17|14|空谷の足音}}~{{rms|17|17|有終の美}}〕
==== 第18巻・世継王山の麓にて(玉照姫の誕生) ====
悦子姫・音彦・加米彦・夏彦の4人は、綾の聖地へ向かう途中、英子姫・亀彦と遭遇した。[[弥仙山]]を下りて来た英子姫は、悦子姫に、経綸を行っておいたので弥仙山に登るよう勧める。悦子姫一行は弥仙山に向かうと、[[於与岐の里]]の[[豊助]]に出会った。豊助の家に行くと、娘の[[お玉]]が身重だった。処女懐胎で妊娠18ヶ月だという。産気づいたので悦子姫が赤ちゃんを取り上げる。悦子姫はその女の子に「[[玉照姫]]」と名を付けた。〔{{rm|18|1|春野の旅}}~{{rms|18|2|厳の花}}〕
悦子姫は神示に従い、[[世継王山]]の麓に館を建てた。鬼ケ城山で別れた[[紫姫]]・[[青彦]]らが館を訪れた。悦子姫は紫姫に一つの使命を授けると、音彦を伴い[[竹生島]]へ旅立った。〔{{rm|18|3|神命}}~{{rms|18|4|四尾山}}〕
紫姫・若彦(青彦から改名)は[[ウラナイ教]]の[[高姫]]・[[黒姫]]を騙して、玉照姫を悦子姫の館に連れて帰る。 →詳細は「[[悦子姫の館]]」「[[玉照姫]]」「[[第18巻]]」を見よ
==== 第27巻・錦の宮にて ====
[[錦の宮]]の教主・[[言依別命]]が蒸発したため、英子姫が臨時に教主に任じられた。〔{{rm|27|7|猫の恋}}〕
=== 【六女】菊子姫/岸子姫 ===
==== 第15巻・チベットの地底の巌窟にて ====
(「愛子姫」の項に記した)
この時すでに菊子姫は亀彦と夫婦になっている。<ref>{{rm|15|15|山の神}}:「私は三五教の宣伝使たりし'''亀彦'''で御座います。これなる女は'''菊子姫'''と申し、神素盞嗚の大神の第六の御娘、今は大神の御心により千代も変らぬ'''宿の妻'''」</ref>
==== 第15巻・イソ館にて ====
(「愛子姫」の項に記した)
==== 似た名前の人物 ====
* [[中村菊子]]:中村竹造の妻。
* [[お菊]]:お寅の娘。「菊子の姫」と呼ばれている箇所が1回だけある。({{rm|44|20|脱線歌}}の五三公の歌「菊子の姫の耳の痛さよ」)
* [[岸子]]:第72巻に登場する。フクエの恋人。
=== 【七女】君子姫/清子姫 ===
==== 第36巻・シロの島にて ====
君子姫と清子姫は[[顕恩郷]]を出た後、[[フサの国]]でバラモン軍に捕まり、舟で流され、[[シロの島]]の[[ドンドラ岬]]に漂着した。上陸して、昔、[[友彦]]と[[小糸姫]]が隠れ住んだ[[松浦の里]]を目指して進む。〔第36巻第1章〕
二人は、岩窟の中に隠れ住んでいた[[サガレン王]]と出会った。サガレン王は[[ウラル教]]の妖僧・[[竜雲]]の陰謀によって城を追われ、ここに隠れ住んでいた。君子姫・清子姫は王に協力して、竜雲を言向け和す。サガレン王は王座に復帰し、君子姫は王と結婚して王妃となった。清子姫は右守の[[エームス]]と結婚した。 →詳細は「[[第36巻]]」「[[シロの島]]」を見よ
==== 同じ名前の人物 ====
* [[清子姫 (曖昧さ回避)]]:菊子姫の侍女の清子姫を含めて4人いる。
==== 似た名前の人物 ====
* [[黒田清子]]:
* [[谷前清子]]:霊界物語の筆録者の一人。
=== 【八女】末子姫/捨子姫 ===
==== 第30巻・高砂島にて ====
末子姫・捨子姫は[[フサの国]]でバラモン教の残党に捕まり棚無し舟に乗せられて海に流された。大西洋を漂流し、[[高砂島]]の[[テルの国]][[ハラの港]]に漂着した。<ref>{{rm|30|1|主従二人}}:「波斯の国をば振出しに 宣伝せむと進む折 バラモン教の残党に 取押へられ別々に 棚無し舟に乗せられて 海原遠く流されぬ(略)'''大西洋'''の中央に 散在したる大島や 小島の間をくぐりつつ 波のまにまにテルの国 ハラの港に上陸し」</ref>
[[ウヅの国]]はかつて[[正鹿山津見]]が国司として治めていた。末子姫・捨子姫の二人は[[三五教]]の様子を探るため、国司の館があるウヅの都へ向かう。[[テル山峠]]で、バラモン教の5人の男と出会う。[[高照山]]の拠点を構えるバラモン教の教主・[[石熊]]に命じられ、二人を捕まえに来たのだ。二人は幽霊に化けて驚かすと5人のうち3人は逃げた。残った2人([[カール]]、[[ネロ]])はウヅの都の三五教の教主・[[松若彦]]の命令でバラモン教の内情を探るため潜入調査をしていたのだった<ref>{{rm|30|2|乾の滝}}:[[カール]]のセリフ「此頃高照山にバラモン教の一派石熊なる者現はれ、珍の都へいろいろと間者を入り込ませ、転覆の計画をめぐらして居りますれば、吾々は教主松若彦様の内命を奉じ、バラモン教の様子を探るべく、バラモンの信者となつて、今日迄暮れて来ました」</ref>。
[[カール]]の案内で、末子姫・捨子姫はウヅの都に向かい、[[テル山峠]]を登って行く。途中にある「[[乾の滝]]」で、二人は禊をしようと立ち寄った。するとそこにはバラモン教の[[石熊]]が禊をするため来ており、直立不動で滝の上を見つめている。巨大な大蛇に魅入られて動けなくなっているのだ。大蛇は大口を開けて石熊を呑み込もうとしていたが、末子姫が宣伝歌を歌うと大蛇は言向け和され、姿を滝の中に隠してしまった。命を助けられた石熊は涙を流して感謝し、三五教に帰順した。〔ここまで、{{rm|30|1|主従二人}}~{{rms|30|2|乾の滝}}〕
末子姫・捨子姫・[[カール]]・[[石熊]]の4人はウヅの都に向かうためテル山峠を降る。途中に「[[巽の池]]」があり、そこには大蛇がいるという。一行はその大蛇を言向け和すため池に立ち寄る。始めに石熊が宣伝歌を歌うが大蛇に対して全く効果が無い。末子姫は宣り直しを命じ、再び石熊は歌った。一回目よりは善言美詞的であるが、しかし今度も効果が無かった。次に捨子姫が宣伝歌を歌う。効果はたちまち現れ、それまで降っていた大粒の雨は止み、黒雲は晴れ、太陽が輝き始めた。最後に末子姫が宣伝歌を歌うと、白竜が姿を現し、感謝の涙を流して、女神の姿と化して空高く消えて行った。〔{{rm|30|3|清めの滝}}~{{rms|3|11|裸体の道中}}〕
末子姫一行は再びウヅの都に向かった。都に近づくと、[[松若彦]]が自ら末子姫を出迎えにやって来た。松若彦は父・[[国彦]]の代からウヅの都の神館を守り、素尊の娘が降臨するのを待ち続けていたのだった。[[正鹿山津見]]が[[黄泉比良坂の戦い]]に出陣する際に、部下の国彦に「素尊の姫御子がこの国に降臨するまでこの神館を守れ」と命じたのだった。国彦の帰幽後、息子の松若彦が後を継いで神館を守っていた。末子姫はウヅの国の女王兼教主となる任務を、父・神素盞嗚大神から聞いて知っていた。末子姫は数多の国人に歓喜の声で迎えられ館([[高砂城]])に入城した。〔{{rm|30|12|マラソン競争}}~{{rms|30|13|都入}}〕
==== 第32巻・ウヅの都にて ====
[[アマゾン]]の怪獣[[モールバンド]]・[[エルバンド]]を言向け和した18人の宣伝使([[言依別命]]、[[国依別]]、[[高姫]]ら)がウヅの都に凱旋した。末子姫は[[国依別]]と結婚することになる。だが高姫が、国依別は素尊の婿養子にはふさわしくないと猛反対する。高姫は捨子姫や言依別命らに諭されて、我を折って結婚に渋々同意した。末子姫と国依別は無事に結婚式を挙げ、その一年後に、捨子姫と[[松若彦]]が結婚することになった。〔{{rm|32|24|冷氷}}、{{rm|33|1|高論濁拙}}~{{rms|33|11|波静}}〕
==== 第69巻・ウヅの都にて ====
末子姫と国依別が結婚してから33年が経った<ref>{{rm|69|1|大評定}}:「三十三年の星霜を 経にける今日の都路は」</ref>。国依別がウヅの国司となり、国は泰平に治まっていたが、[[常世の国]]から[[ウラル教]]が入って来て、社会は乱れて行った。国依別は[[球の玉]]の神徳によって世の中の動きを達観し、政治は大老の[[松若彦]]に任せ、時が至るまでは政治に関与しないようにしていた。息子の[[国照別]]は貴族生活を嫌い、平民生活を送るため、世子(跡継ぎ)にも関わらず城を抜け出して姿をくらましてしまった。国照別は[[ヒルの国]]の世子・[[国愛別]]と出会う。国愛別もやはりこっそり国を抜け出して民情視察のためウヅの都に来ていたのだった。二人は互いに民衆のために力を尽くそうと活動を開始する。 →詳細は「[[第69巻]]」を見よ
== 名前の使用回数 ==
霊界物語で、16人の名前が出る回数は次の通りである。一位は悦子姫、二位は末子姫、三位は英子姫になる。<ref>名前が出る回数の多さと、ドラマ上の登場回数の多さは必ずしも一致しない。たとえばスサノオは名前が出る回数は多いが(約1000回)登場するのはほんの数回であり、セリフもまた少ない。</ref>
* 愛子姫 97回<ref>愛子姫83回、愛子の姫14回(第34巻第13章、第35巻第8章、同第16章に登場する「愛子姫」計4回は虎公の妻のお愛のことなので省いて集計した)</ref>
* 浅子姫 20回<ref>浅子姫20回、浅子の姫0回</ref>
* 幾代姫 29回<ref>幾代姫28回、幾代の姫1回</ref>
* 岩子姫 12回<ref>岩子姫12回、岩子の姫0回</ref>
* 五十子姫 146回<ref>五十子姫127回、五十子の姫19回</ref>
* 今子姫 54回<ref>今子姫46回、今子の姫8回</ref>
* 梅子姫 159回<ref>梅子姫126回、梅子の姫33回</ref>
* 宇豆姫 137回<ref>宇豆姫136回、宇豆の姫1回</ref>
* 英子姫 200回<ref>英子姫188回、英子の姫12回</ref>
* 悦子姫 379回<ref>悦子姫357回、悦子の姫21回</ref>
* 菊子姫 33回<ref>菊子姫29回、菊子の姫3回({{rm|44|20|脱線歌}}の「菊子の姫」はお寅の娘のお菊のことなので除外)</ref>
* 岸子姫 9回<ref>岸子姫9回、岸子の姫0回</ref>
* 君子姫 30回<ref>君子姫25回、君子の姫5回</ref>
* 清子姫 20回<ref>清子姫17回、清子の姫3回(清子姫は4人いるが、第15巻・第36巻に登場する清子姫のみ集計した)</ref>
* 末子姫 266回<ref>末子姫191回、末子の姫75回</ref>
* 捨子姫 112回<ref>捨子姫87回、捨子の姫25回</ref>
== その他 ==
* 八人乙女と侍女たちの漂着地での物語が一番最初に描かれるのは、[[第16巻]]の英子姫・悦子姫の[[自転倒島]]における物語である。{{rm|16|1|天橋立}}の冒頭の歌に、5組10人の漂着地を暗示する次の一節がある。「五人の姫御子は(略)大海原に捨小船 波のまにまに漂ひつ 海路も遠き'''竜宮の''' 魔神の猛ぶ'''一つ島''' '''自転倒島'''や'''錫蘭の島''' '''常世の国'''や'''智利の国''' 波のまにまに流されて」。これを口述した時点ですでに、他の4組が竜宮島、シロの島、テルの国(高砂島)へ漂着したことは決まっていたことになる。ただし常世国に漂着した物語は書かれていない。
* 英子姫は[[第16巻]]の'''初版'''の序文では「日出子姫」と表記されている。単なる誤字か?
== 脚注 ==
<references/>
== 関連項目 ==
* [[松竹梅の三姉妹]]
* [[月雪花の三姉妹]]
{{デフォルトソート:やたりおとめ}}
[[Category:霊界物語の人物 (組)]]