ヨルダン河 (神界)
この項目では、神界のヨルダン河について説明しています。その他の用法については「ヨルダン河」をご覧ください。
ヨルダン河(よるだんがわ)は、霊界物語に登場する河で、神界の大河。別名「イスラエルの河」「五十鈴川(いすずがわ)」[1]。「ヨルダン川」とも書く場合もある。
目次
概要(大洪水以前)
- 聖地エルサレムの大神の宮殿(エルサレムの宮)は蓮華台上に建っており、その麓にはヨルダン河が布をさらしたように長く流れている。[1]
- ヨルダン河には非常に大きな反橋「黄金の大橋(こがねのおおはし)」が架かっている。全部黄金造りで、住吉神社の反橋のように勾配が急で長い大きな橋である[1]。この橋は善悪正邪の真相が一目で分かる橋で、地の高天原(聖地エルサレム)に行くにはこの橋を渡らねばならない[2]。
- 今日のヨルダン河は河幅はあまり広くなく流れも清くなく濁っているが、神界のヨルダン河は水が清く流れも緩やかで、河幅は揚子江のように広い。[3]
概要(大洪水以後)
- 大洪水(第6巻)によってヨルダン河は埋まってしまい、小さい細い川となり、汚い水が流れるようになった。[4]
- 大洪水以前のヨルダン河は、メソポタミヤの西南を流れ、今日の地理学上からはユウフラテス河(ユーフラテス川)に当たる。新約聖書のヨルダン河(現在のヨルダン川)とは別である。ヨルダン河が注ぐ死海も現在の死海ではなく、今日の地理学上のペルシャ湾に当たる。[5]
- 河水はシオン山から流れている。[6]
- 黄金の大橋があったところは、川を渡る舟の渡し場になっている。[7]
主なエピソード(大洪水以前)
狸の土舟
稚桜姫命は三女・常世姫の希望で、ヨルダン河に黄金の船を浮かべて船遊びを開いた。しかし常世姫の隠謀で、言霊別命の乗る船だけ土製の船に金箔を塗った土船で、たちまち船は沈没してしまう。このとき斎代姫は河に飛び込み言霊別命を救助した。すると常世姫は「斎代姫は夫の斎代彦には目もくれず言霊別命を救ったのは、怪しい」と不倫関係でもあるかのように稚姫君命に誣告した。〔第2巻第11章「狸の土舟」#〕
水星の霊石
田依彦と中裂彦は稚桜姫命のために、ヨルダン河の上流に広い石庭を造った。すると稚桜姫命は身体に大痙攣を発し、激烈な腹痛に悩まされた。言霊別命が神示を請うと「ヨルダン河の上流に、水星の精から出た烏帽子形の霊石があり、それを掘り出して汚れた地上に置き、その上に数多の岩石を積み重ねたため、水星の精は苦しみ、それを知らせるために稚桜姫命を病にしたのである。すみやかに岩石を取り除き、その霊石を洗い清め、宮を造って鎮祭すれば、病は回復するであろう」とのことだった。そのようにすると稚桜姫命の病はたちまち治った。
ヨルダン河の上流にこの霊石があったため、水はゆるやかに流れていたが、この霊石を掘り出してから、土砂によって河は濁水となってしまった。中裂彦は心が狂ってヨルダン河に身を投じ、その霊は悪蛇と変じて死海に入り、邪鬼となった。
水星の霊石を祭った「水の宮」は言霊別命が斎主として日夜奉仕した。稚桜姫命はその後健康が勝ず時々病床に伏すことがあったが、常世姫は「言霊別命が水星の霊石を使って稚桜姫命を苦しめている」とウソの告発をしたため、稚桜姫命は大いに怒り、水星の宮を壊して霊石を砕けと言霊別命に迫った。言霊別命はやむを得ず霊石を地に投げつけると、霊石から旋風が起こり、風は高殿に立っていた稚桜姫命に当たり、稚桜姫命は地上に吹き飛ばされ、腰骨を折り、歩行が不自由となってしまった。
言霊別命は神威を恐れ、麗しい石造りの宮を造り、霊石を鎮祭した。〔以上、第2巻第14章「水星の精」#〕
主なエピソード(大洪水以後)
聖地に近づく玉国別一行
玉を捧持して聖地エルサレムに向かう玉国別、真純彦、初稚姫の三人は、ヨルダン川の北岸を下りながら、西へ進んで行く。玉国別は後ろを振り向いて初稚姫の顔を見ると、その容貌は崇高さを増している。玉国別はハッと頭を下げ、「どうかお先へおいで下さい」と言うと、初稚姫は「神様は順序ですから」と笑いながら先に立って進む。(初稚姫の方が霊格が上位だということ)
玉国別と真純彦が議論していると、初稚姫は「これからは聖域内になるから、宣伝歌以外は一切しゃべらないように」と戒める。また聖地は「結構なところの恐いところ」だから油断するなと注意を与える。
三人はヨルダン川の渡し場から舟に乗って西岸に渡ると、日の出別命ら数百人の神司・信徒に出迎えられた。〔以上、第65巻第25章「道歌」#〕
(この次の章で七福神の神劇が上演される)
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 第1巻第23章「黄金の大橋」#
- ↑ 第1巻第24章「神世開基と神息統合」#
- ↑ 第2巻第11章「狸の土舟」#
- ↑ 第7巻第49章「乗り直せ」#:「ヨルダン河というて大きな河があつたのが、その河も洪水の時に埋つて了ひ、今では小さい細い川となつて、汚い水が流れて居る」
- ↑ 第35巻第1章「言の架橋」#
- ↑ 第65巻第24章「危母玉」#:「足を早めて漸くエルサレムに程近き、サンカオの里に着いた。此処にはシオン山より流れ来る、ヨルダン河が轟々と水音を立てて流れてゐる」
- ↑ 第65巻第25章「道歌」#:「と謡ひ乍ら漸くにしてヨルダン川の渡し場に着いた。昔はここに黄金橋と云ふ黄金の橋のかかつてゐた処である」