七乙女
七乙女(ななおとめ)とは、
(1) 霊界物語第79巻に登場する。紫微天界の葭原の国土の竜の島根(別名・竜宮島)に住む竜神族の女神で、国津神の艶男に求愛した七人の乙女のこと。みな、王の神殿(大竜殿)に仕える侍女神。
(2) 出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』の28歳頃の懐古歌「宝座の月#」と「七乙女#」に登場する。高熊山修業中に現れた。
本項では(1)について解説する。
概要
主なエピソード
艶男の寝殿(すがど)の庭で「剣の池」に向かって七乙女が合掌して何か祈っている。艶男が「何を祈っているのか」と尋ねると7人はそれぞれ、艶男への恋心を告げた。〔第79巻第11章「瀑下の乙女」#〕
艶男は「桂の森」を逍遙し、七乙女の恋の告白に悩んでいた。そこへ、七乙女の中でも最も「射向ふ神」の燕子花が現れた。燕子花は猛烈な恋を告白して艶やかに迫る。艶男は燕子花の思いの強さに押されて、燕子花の思いを受け入れてしまった。それ以降、燕子花は公然と艶男の寝殿で寝起きして、艶男に仕えることとなった。艶男は七日七夜、言霊を宣ると、不思議なことに燕子花の竜身は人身と化した。〔第79巻第12章「樹下の夢」#〕
→詳細は「燕子花」
艶男と燕子花は秘かに竜の島根を脱け出し、艶男の故郷の水上山に帰ってしまった。それが発覚した竜の島根では大騒ぎになる。白萩・白菊・女郎花の3人は後を追って水上山へ向かった。元の竜体に還元した竜神は容易に人面を保つことは出来ないため、3人は大井川の対岸の藤ケ丘の谷間に忍び住むこととなった。〔第79巻第14章「再生の歓び」#、第17章「還元竜神」#〕
竜の島根に残された撫子・桜木・藤袴の3人は、他の姫神たちと、歎きのあまり日夜、慟哭しながら述懐を歌った。すると海津見姫の神が現れ、言霊を宣れば人の姿に変わることを教えた。これより竜神たちは日夜、天の数歌を宣り上げ続けた。すると一年後に人身に生まれ変わり「生命の島」と称えられることとなった。〔第79巻第18章「言霊の幸」#〕
水上山で艶男と燕子花は夫婦となり睦まじく暮らしていた。燕子花は男児(竜彦)を産んだ。艶男がそっと産屋を覗くと燕子花は竜体となって赤子を抱いて眠っていた。その姿を見た艶男は驚いてアッと叫んでその場から逃げ出した。燕子花は目を覚まし、夫にこの姿を見られてしまったことを恥じ、大井ケ淵を目がけて飛び込んでしまった。〔第79巻第19章「大井の淵」#~第20章「産の悩み」#〕
艶男は燕子花の後を追い大井川で自殺しようとしたが四天王に諭され思いとどまった。ある日、艶男は大井ケ淵で舟遊びをしていると、白萩・白菊・女郎花の3人の悲しげな声が聞こえて来た。3人が艶男を恨む歌声である。すると水中から人面竜身の燕子花が現れた。荒浪となり、舟は沈んで艶男は水中に沈んでしまう。稲妻がひらめき暴風が吹き豪雨となり、水上山は阿鼻叫喚の巷と化した。大井ケ淵では四柱の竜神(燕子花・白萩・白菊・女郎花)が艶男を奪おうと死闘を繰り広げ、水かさが増して水上山は大洪水となる。そこへ空から御霊代神の朝霧比女の神が四人の侍神を従えて降臨した。朝霧比女の神は天の数歌を歌うと天変地異は収まった。〔第79巻第21章「汀の歎き」#~第23章「二名の島」#〕
→詳細は「第79巻」