天地の律法
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天地の律法(てんちのりっぽう)とは、
(1) 国祖大神が定めた、神々や人間が守るべき規律。
本項では(1)について解説する。
概要
条項
天地の律法は次の、内面的な五ヶ条と、外面的な三ヶ条から成る。[1]
内面的
- 省みる
- 恥じる
- 悔いる
- 畏れる
- 覚る
外面的
- 夫婦の道を厳守し、一夫一婦たるべきこと。
- 神を敬い、長上を尊み、博(ひろ)く万物を愛すること。
- 互いに嫉(ねた)み、謗(そし)り、詐(いつわ)り、盗み、殺しなどの悪行を厳禁すること。
内面的五ヶ条は、霊魂中に含有される「五情の戒律」と同じである。
主なエピソード
- 国祖は、神界が混乱の極に達し、収拾不可能な状態にまでなったのは、諸神人に対して厳格な神律が制定されていないからだとして、天道別命と共に天地の律法を制定した。〔第2巻第45章「天地の律法」#〕
- 天地の律法に最初に違反したのは、竜宮城の主神・稚桜姫命とその夫・天稚彦である[2]。稚桜姫命は夫の不在中に臣下の玉照彦に心を奪われた(どの程度の関係になったのかは記されていない)。天稚彦は妻と玉照彦との関係に気づいて玉照彦を殴り殺した。稚桜姫命は外面的第1条に違反し(不倫)、天稚彦は同第3条に違反している(殺人)。それにより国祖は二人を竜宮城から追放して、「幽界にいたり、幽庁の主宰者たるべし」[3]と厳命を下した。〔第2巻第45章「天地の律法」#・第46章「天則違反」#〕
- 稚桜姫命・天稚彦が堕落したのは、花森彦が不倫をしたことがきっかけである(花森彦が唐子姫と不倫をして壇山に隠れ住んだ[4])。二人が幽界に追放されたのに、きっかけを作った本人がお咎め無しで結婚して暮らしているのはおかしいという意見が竜宮城の諸神将たちから出て、議論となる。国祖が天津神と詮議した結果、律法制定前の罪は不問にするという決定が下された。〔第2巻第48章「律法の審議」#〕
- 天の大神と国祖は、天地の律法を天上・地上にあまねく拡充するため、十六柱の神司を霊主体従(ひのもと)の天使として任命した。大八洲彦命が天使長となった。 →「十六天使」 〔第3巻第1章「神々の任命」#〕
- 常世彦は、国祖に対して、天地の律法を自ら破った、と指摘した。また、この律法は守ることが難しく、無理があると指摘した。[5] 第4巻第42章「無道の極」#
脚注
- ↑ 第2巻第45章「天地の律法」#と第3巻第1章「神々の任命」#による。多少文章が異なる。
- ↑ 第2巻第48章「律法の審議」#:「国治立命が、天道別命とともに天地の律法を制定され、その第一着手に、稚桜姫命は律法の犠牲となり、幽界に降りたまうた」
- ↑ 第46章「天則違反」#
- ↑ 第2巻第43章「濡衣」#
- ↑ 第4巻第42章「無道の極」#:常世彦のセリフ「われ今世界の諸神人を代表して、世界永遠の平和のために善言を奏上す。しかるに大神は吾言を請容れたまはず、不平の色を面に表はしたまふは、天下諸神人の至誠を無視し、かつ天地の律法を自ら破りて憤怒の顔色を表はしたまふに非ずや。大神のみづから制定されし律法に言はずや、「怒る勿れ」と。しかるに、大神は自ら律法を制り、また自らこれを破りたまふ。律法の守りがたきは、固より大神制定の律法に無理を存すればなり。国祖大神にして自ら守ること能はざるごとき不徹底なる律法は、天下を毒し神人を誤らしむること多し。貴神はこの罪によつて、すみやかに根の国、底の国に隠退さるる資格十分に備はれり。われは今天地の真理によつて貴神に言明す」。「怒るなかれ」という条文は天地の律法に記されていないが、おそらく外面的第3条に含まれるのだと思われる。