天の真名井

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天の真名井(あめのまない)は、霊界物語に登場する地名。「天の真奈井」(名と奈の違い)とも書かれる。大別して次の2つの意味で使われる。

(1) カスピ海日本海琵琶湖のこと。[1]

(2) 聖域の井戸の名称。


霊界物語での使用例

  • 「この清泉(シオンの滝の清泉)は命の指揮の下に竜宮城の真奈井に注ぎ入れられた。(略)天の真奈井の清泉はにはかに金色と変じ」[2] - 竜宮城の井戸(聖域の井戸)のこと。
  • 「二柱は茲に撞の御柱を廻り合ひ(略)撞の御柱の根に清き水を湛へたまひぬ。これを天の真奈井と云ひまた後世琵琶湖と云ふ」[3] - 琵琶湖のこと。
  • 「二柱の女神は遠く東に逃れて、天の真名井冠島沓島に隠れたまひし因縁深き嶋なりける」[4] - 日本海のこと。
  • 黄金山を立出でて 天の真名井を打渡り 波にさらはれ雨に濡れ 吹きくる風に梳り 山川幾つ打越えて 神の稜威もアルタイの 山より落つる宇智野川[5] - 黄金山(聖地エルサレム)からアルタイ山への道程にあるので、これはカスピ海のことだと思われる。
  • 「教を開く天教山の 神の聖地を後にして 日の出の御船に身を任せ 津軽海峡後にして 天の真名井の波を分け やうやう茲に印度の海」[6] - 日本海のこと。
  • 「吾は天照皇大神なるぞ(略)産釜、産盥と俗に称する天の真名井に御禊して」[7] - 産釜産盥(聖域の井戸)のこと。

一般的意味

天の真名井とはもともと記紀に出て来る言葉である。天照大神と須佐之男命が天の安河を中に挟んで誓約をした時、須佐之男命が「天の真名井に振り滌(すす)ぎて、さ噛(が)みに噛みて」[8]吹き棄てた気吹の狭霧に三女神が生まれた。

『神道大辞典』[9]の「アマノマナイ 天真名井」の項には次のように書いてある。「正しくは天之真淳名井(あまのまぬなゐ)で、真は美称的接頭語。淳は沼と同じく水の湛へられてある所、名は「ノ」で、結局単に井の事だと『古事記伝』に解説してゐる」。

脚注

  1. 新月の光0384「天の真名井」:「カスピ海、日本海、琵琶湖は大中小の天の真名井である」
  2. 第1巻第38章#
  3. 第6巻第24章#
  4. 第7巻第21章#
  5. 第11巻第1章#
  6. 第13巻第2章#
  7. 第16巻第16章#
  8. 倉野憲司・校注『古事記』(岩波文庫)p33(底本の漢字は旧字体)
  9. 『神道大辞典』平凡社、昭和15年刊(底本の漢字は旧字体)

関連項目