観物三昧経
観物三昧経(かんぶつさんまいきょう)は、霊界物語第45巻第14章「三昧経」#で蠑螈別が読経している経典。
原文と読み下し文
該当の原文を引用する。漢文で書かれている。(返り点は省略)
若有諸男子 年皆十五六 盛壮多力勢
数満恒河沙 持以供給女 不満須臾意
ChatGPTによる読み下し文は次のようになる。
その色、紅白にして、上下二三の華あい連なれり。
諸の女、これを見已(おわ)りて、またあい語りて言う、
「かくのごとき神人、蓮華の相あり。此の人いかなるや。心に染著(ぜんじゃく)あるか。」と。
この言(こと)を作(な)して已(おわ)りて、噎(むせ)びて言うこと能(あた)はず。
この時、蓮の中に、たちまち身根ありて童子の形のごとくなる。
諸の女これを見已(おわ)りて、いよいよ喜悦を勝(た)へずして、此の相を現ず。
ときに羅睺羅(らごら)母、彼の身根の華々相つぎて、天の劫貝(ぎょうばい)の如きを見る。
一々の華の上に、すなはち無数の大身菩薩あり。
手に白華を執り、身根を囲繞(いにょう)して、現じ已(おわ)りて還(また)没す。
その時、また婬女(いんにょ)等ありて、みな言う、
「瞿曇(くどん)は根無き人なり」と。
仏、この語を聞きて、馬王の相のごとく漸々として現ず。
初めて出づるの時、なお八歳の童子の身根のごとし。
漸々に長大して、少年の形のごとくなる。
諸の女これを見已(おわ)りて、みなことごとく歓喜す。
ときに漸(ようや)く長大して、蓮華の幢(はた)のごとし。
一々の層の間に百億の蓮華あり。
一々の蓮華に百億の宝色あり。
一々の色の中に百億の化仏あり。
一々の化仏に百億の菩薩・無量の大衆ありて、もって侍者となす。
ときに諸の化仏、異口同音にして、諸の女人の悪欲を毀(そし)り、偈(げ)を説いて言う。
若し諸の男子ありて、年みな十五六、
盛壮にして多力の勢、
その数恒河沙に満てりといえども、
これを持ちて女に供給すとも、
須臾の意(こころ)をも満たすことあたわず。
その時、諸の女人、この語を聞き已(おわ)りて、
心に慚愧懊悩(ざんきおうのう)を懐き、地に躃(たお)れ、手を挙げて頭を拍ち、
「ああ、悪欲や」と嗚呼(おめ)き、
おのおの女身を厭い、みな菩提心を発す。
【補足】
仏典
観物三昧経は実在する仏教経典で、正しくは「観仏三昧海経(かんぶつざんまいかいきょう)」と呼ぶ。