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真の行成彦は依然として自席に座っており、道彦は常世彦の館の正門を守っていた。(消えた道彦と行成彦は、白狐が化けた偽者)〔以上、第5章〕真の行成彦は依然として自席に座っており、道彦は常世彦の館の正門を守っていた。(消えた道彦と行成彦は、白狐が化けた偽者)〔以上、{{rms|4|5|議場の混乱}}〕
一同はふと気がつくと、そこは常世城の大広間ではなく、星空の下、泥田の中で泥まみれになって座っていた。〔以上、第10章〕一同はふと気がつくと、そこは常世城の大広間ではなく、星空の下、泥田の中で泥まみれになって座っていた。〔以上、{{rms|4|10|雲の天井}}〕
常世彦以下一同は、失敗を招いたことを悔悟した。何事も国祖の認許を得なくては成就しないことを悟り、三日目からは、天地の大神に対して祝詞を奏上し、供物を献じ、神界の許しを得てから会議を始めることにした。〔第11章〕常世彦以下一同は、失敗を招いたことを悔悟した。何事も国祖の認許を得なくては成就しないことを悟り、三日目からは、天地の大神に対して祝詞を奏上し、供物を献じ、神界の許しを得てから会議を始めることにした。〔{{rms|4|11|敬神の自覚}}〕
一同はふと気がつくと、今まで玉純彦と思っていたのは誤りで、骨格たくましい荒神が太い鉄棒を引っ提げて壇上に突っ立ち、両眼を見開いて、常世彦を見つめていた。その荒神は次第に煙のように消えてしまった。こうして三日目も有耶無耶のうちに終わった。〔以上、第14章〕一同はふと気がつくと、今まで玉純彦と思っていたのは誤りで、骨格たくましい荒神が太い鉄棒を引っ提げて壇上に突っ立ち、両眼を見開いて、常世彦を見つめていた。その荒神は次第に煙のように消えてしまった。こうして三日目も有耶無耶のうちに終わった。〔以上、{{rms|4|14|大怪物}}〕
すると突然、常世彦の顔色は蒼白となり、アッと叫んで壇上に倒れてしまった。〔以上、第20章〕すると突然、常世彦の顔色は蒼白となり、アッと叫んで壇上に倒れてしまった。〔以上、{{rms|4|20|長者の態度}}〕
常世姫は(自分たちの思惑に反する可決がされたため)変節し、武装撤廃は必要がないと訴えた。〔以上、第26章〕常世姫は(自分たちの思惑に反する可決がされたため)変節し、武装撤廃は必要がないと訴えた。〔以上、{{rms|4|26|庚申の眷属}}〕
真の常世彦は(道彦に騙されていたことに気づき)悔しがり、どこともなく姿を隠した。常世姫の姿も消え失せた。〔以上、第27章〕真の常世彦は(道彦に騙されていたことに気づき)悔しがり、どこともなく姿を隠した。常世姫の姿も消え失せた。〔以上、{{rms|4|27|阿鼻叫喚}}〕
それを聞いていた常世彦は、今回の騒動の責任は国祖にあることを知った。(それをネタに国祖に隠退を迫ることになる)〔以上、第32章〕それを聞いていた常世彦は、今回の騒動の責任は国祖にあることを知った。(それをネタに国祖に隠退を迫ることになる)〔以上、{{rms|4|32|免れぬ道}}〕
常世会議
,→主なエピソード
〔第1~3章〕
常世彦は常世会議を開催するため、世界[[十二の山]]の八王八頭を常世城に召集した。[[万寿山]]([[八王神]]・[[磐樟彦]]、[[八頭神]]・[[瑞穂別]])だけは出席を拒んでいるため、常世彦は使者([[蠑螈別]])を派遣して、平和のための会議に出席しないのであれば平和の破壊者とみなして討伐する、と脅迫する。万寿山では会議を開いた。[[瑞穂姫]]に[[国治立命]]が懸かり、今回の会議は常世彦一派の陰謀であるから出席するな、と神示が下った。〔第1章〕が懸かり、今回の会議は常世彦一派の陰謀であるから出席するな、と神示が下った。〔{{rms|4|1|常世会議}}〕
常世彦は、[[聖地エルサレム]]([[地の高天原]])にも使者([[竜山別]])を派遣し、[[天使長]]・[[広宗彦]]の出席を要請する。広宗彦のもとに霊鷹([[大道別]]の密使・[[鷹依別]]の変化)が飛んで来て密書を渡した。そこには大道別から、今回の会議は常世彦の陰謀であるから、[[行成彦]](広宗彦の弟)を代理として派遣せよ、自分たちは白狐の神変不可思議な力で邪神の陰謀を覆すつもりだ、との意味が書いてあった。広宗彦は行成彦に[[猿田姫]]・[[出雲姫]]ら従者をつけて常世の国へ派遣した。〔第2・3章〕ら従者をつけて常世の国へ派遣した。〔{{rms|4|2|聖地の会議}}~{{rms|4|3|使臣の派遣}}〕
=== 初日 ===
11柱の[[八王神]]たちは寝耳に水で驚くが、[[蛸間山]]の[[八頭神]]・[[国玉別]]はその説に賛成する。
大広間の外には数万の猛虎・獅子・狼などが唸り吠え立て、空には[[天の磐船]]が幾百千も飛び回り轟音を立て、一大示威運動が展開されていた。常世彦の指揮によるものである<ref>示威運動により、八王神たちに心理的圧力をかけているのだと思われる。</ref>。〔以上、第4章〕。〔以上、{{rms|4|4|乱暴な提案}}〕
聖地の代表者・[[行成彦]]は登壇し、武備撤廃は賛成するが、八王の地位は大神が定めたものであり、大神の神慮を伺わずに廃止することは反逆行為であるとして反対する。
それを聞いた常世彦は憤り、行成彦を罵倒して退場を命じる。常世彦は行成彦を壇上から蹴り落とそうとするが、常世彦の従者・[[道彦]]([[大道別]])が突然常世彦の腕を固く掴む。大鷹彦と美山彦が道彦を蹴り落とすが、道彦と思ったのは行成彦だった。道彦も行成彦も姿が消えてしまう。
[[竜宮城]]に仕えていた(邪神の)[[美山彦]]と[[国照姫]]は登壇して、聖地の窮状、内情を暴露して嘲笑した。それを聞いて聖地の(正神の)[[猿田姫]]と[[出雲姫]]は壇上に上り、国照姫を引きずり落とす。二人は捕まえられるが、猿田姫・出雲姫と見えたのは間違いで、それは常世城の[[春日姫]]と[[八島姫]]だった。
[[青雲山]]の八頭神・[[吾妻彦]]は登壇して、常世城の神司の悪逆無道を訴える。
[[魔我彦]]が吾妻彦に長刀で斬りつけようとするが、吾妻彦の姿が消えてしまう。春日姫・八島姫の姿も消えてしまった。真の吾妻彦は自席で居眠りをしていた。(消えた吾妻彦・春日姫・八島姫は白狐が化けた偽者)〔以上、第6章〕が吾妻彦に長刀で斬りつけようとするが、吾妻彦の姿が消えてしまう。春日姫・八島姫の姿も消えてしまった。真の吾妻彦は自席で居眠りをしていた。(消えた吾妻彦・春日姫・八島姫は白狐が化けた偽者)〔以上、{{rms|4|6|怪また怪}}〕
=== 二日目 ===
〔第7~10章〕
常世城に仕える[[春日姫]]が、八王大神常世彦夫妻を褒め讃え、八王を廃止して常世彦の配下に付くことを訴える。〔第7章〕が、八王大神常世彦夫妻を褒め讃え、八王を廃止して常世彦の配下に付くことを訴える。〔{{rms|4|7|涼風凄風}}〕
それを聞いて春日姫の父・[[道貫彦]]([[モスコー]]の八王神)が登壇し、その意見に賛意を表する。
するとどこからか、常世彦の奸策に陥るな、悪魔は善の仮面をかぶって世を惑わすぞ、という大声が聞こえてきた。
次に、やはり常世城に仕える[[八島姫]]が登壇して常世彦夫婦を讃美する。〔以上、第8章〕が登壇して常世彦夫婦を讃美する。〔以上、{{rms|4|8|不意の邂逅}}〕
それを聞いて八島姫の父・[[大島別]]([[南高山]]の八王)が登壇し、本物の八島姫は南高山にいる、この八島姫は偽者だ、と言って長刀で八島姫を斬りつける。八島姫は体をかわした。
[[玉純彦]](大島別の部下)が壇上に登り、本物の八島姫なら、額に巴形の斑紋があり、左肩には大の字形の紋があるはずだ、見えてみろ、と詰め寄る。八島姫は額と肩を見せると、その紋があったので、玉純彦と大島別の八島姫に対する疑いは晴れた。しかし今度は南高山にいる八島姫に対して、偽者ではという疑問が生じた。〔以上、第9章〕(大島別の部下)が壇上に登り、本物の八島姫なら、額に巴形の斑紋があり、左肩には大の字形の紋があるはずだ、見えてみろ、と詰め寄る。八島姫は額と肩を見せると、その紋があったので、玉純彦と大島別の八島姫に対する疑いは晴れた。しかし今度は南高山にいる八島姫に対して、偽者ではという疑問が生じた。〔以上、{{rms|4|9|大の字の斑紋}}〕
そこへ、南高山から八島姫が来場したという報せが入った。八島姫が現れ、もともと居た八島姫と合わせ、八島姫が二人になる。
そこに中空から、嘲笑う声が声が聞こえて来た。
=== 三日目 ===
〔第11~14章〕
常世彦は再び、神界の平和確立のため、八王の撤廃と武装の除去を提案する。次に[[大鷹別]]([[大国彦]]の重臣)が登壇し常世彦の提案を称賛した。その後、天山の八王神・斎代彦が壇上に登り、常世彦を批判する演説を行った。〔第12章〕の重臣)が登壇し常世彦の提案を称賛した。その後、天山の八王神・斎代彦が壇上に登り、常世彦を批判する演説を行った。〔{{rms|4|12|横紙破り}}〕
斎代彦に反駁するため、[[八十枉彦]](常世彦の部下)、[[蚊取別]](大国彦の部下)、[[広依別]](常世彦の部下)が次々に登壇するが、みなおかしな癖のために恥をかいて降壇するはめになる。〔第13章〕(常世彦の部下)が次々に登壇するが、みなおかしな癖のために恥をかいて降壇するはめになる。〔{{rms|4|13|再転再落}}〕
[[玉純彦]](南高山の八王・大島別の従臣)が登壇して、面白く踊りながら即興歌を歌う。その中で、この常世会議は常世彦夫妻の野心によるもので、怪奇な出来事ばかり起きて来たことを嘲笑った。
=== 四日目 ===
〔第15~21章〕
まず聖地の[[出雲姫]]が、常世彦夫妻を非難する歌を歌う。〔第15章〕が、常世彦夫妻を非難する歌を歌う。〔{{rms|4|15|出雲舞}}〕
それに対する返答歌を[[常世姫]]が歌い、常世彦の提案に賛成することを訴えた。〔第16章〕が歌い、常世彦の提案に賛成することを訴えた。〔{{rms|4|16|善言美辞}}〕
モスコーの従臣・[[森鷹彦]]が登壇し、常世彦を非難し、この会議から脱退し、聖地エルサレムにおいて神慮に叶える会議を開催するべきだと主張する。〔第17章〕が登壇し、常世彦を非難し、この会議から脱退し、聖地エルサレムにおいて神慮に叶える会議を開催するべきだと主張する。〔{{rms|4|17|殺風景}}〕
この森鷹彦は実は偽者で、[[鬼武彦]](白狐の神)の変化だった。鬼武彦は国祖の命を奉じて、この会議を根底から改めさせるために活動しているのである。〔第18章〕(白狐の神)の変化だった。鬼武彦は国祖の命を奉じて、この会議を根底から改めさせるために活動しているのである。〔{{rms|4|18|隠忍自重}}〕
聖地の[[猿田姫]](出雲姫の姉)は登壇し、優美なる歌をもって言論に代えた。その中で、平和を思う気持ちは清いが、それは国祖の許可を得て、聖地エルサレムで開くのが、物事の順序であることを諭した。〔第19章〕(出雲姫の姉)は登壇し、優美なる歌をもって言論に代えた。その中で、平和を思う気持ちは清いが、それは国祖の許可を得て、聖地エルサレムで開くのが、物事の順序であることを諭した。〔{{rms|4|19|猿女の舞}}〕
常世彦は登壇して、言葉巧みに八王の自発的退隠を促す。
突然発病した常世彦は、介抱され、退場する。(常世彦が急病になったのは、鬼武彦によるもの<ref>{{rm|4|22|窮策の替玉}}:「しかして八王大神の壇上にて病気突発したるは、大江山の鬼武彦が、国祖の神命によつて、邪神の陰謀を根本的に破壊せむとしたる結果なり」</ref>)
[[大鷹別]]が登壇して、このように紛糾する会議を聖地で開いたら、かえって大神の神慮を悩ますことになる、と常世の国で会議を開くことを正当化した。
[[斎代彦]]が登壇し、常世彦が急病になったので今日は解散し、明日あらためて開会することを提案する。賛成多数で四日目はこれで幕を閉じた。〔以上、第21章〕が登壇し、常世彦が急病になったので今日は解散し、明日あらためて開会することを提案する。賛成多数で四日目はこれで幕を閉じた。〔以上、{{rms|4|21|敵本主義}}〕
=== 停会中 ===
〔第22~24章〕
常世姫は主な神人を常世彦の枕頭に集めて協議を凝らした。謀議の結果、常世彦と容貌・骨格・身長・態度が全く似ている[[道彦]]に、常世彦の服を着せて、常世彦の身代わりにする策を立てる。〔第22章〕に、常世彦の服を着せて、常世彦の身代わりにする策を立てる。〔{{rms|4|22|窮策の替玉}}〕
モスコーの[[道貫彦]]は、常世彦(道彦が化けた偽者)に面会に行く。すると彼が元・モスコーの宰相で道貫彦に仕えていた大道別(道彦の本名)であることに気づいた。道彦は道貫彦に一切の秘密を打ち明けた。〔第23章〕は、常世彦(道彦が化けた偽者)に面会に行く。すると彼が元・モスコーの宰相で道貫彦に仕えていた大道別(道彦の本名)であることに気づいた。道彦は道貫彦に一切の秘密を打ち明けた。〔{{rms|4|23|思ひ奇や その一}}〕
南高山の[[大島別]]は[[玉純彦]]を従え、常世彦(偽者)に面会に行った。道彦は一切の秘密を打ち明け、今後の会議における計画を打ち合わせた。〔第24章〕を従え、常世彦(偽者)に面会に行った。道彦は一切の秘密を打ち明け、今後の会議における計画を打ち合わせた。〔{{rms|4|24|思ひ奇や その二}}〕
=== 五日目 ===
聖地の行成彦が登壇し、初日は常世彦に反対する演説を行っていたのに、今回は態度を豹変させ、常世彦を讃美した。それは常世彦が道彦が化けた偽者であることを知っていたからである。
次に[[長白山]]の八王神・[[有国彦]]が登壇し、広宗彦は精神に異常を来した、今回の会議は怪に始まり怪に終わる、これは国祖の聖慮に背いているからである、吾々は今日限りこの会議から脱退する、と宣言して降壇しようとする。〔以上、第25章〕が登壇し、広宗彦は精神に異常を来した、今回の会議は怪に始まり怪に終わる、これは国祖の聖慮に背いているからである、吾々は今日限りこの会議から脱退する、と宣言して降壇しようとする。〔以上、{{rms|4|25|燕返し}}〕
それを[[ヒマラヤ山]]の八王神・[[高山彦]]が制止して登壇した。高山彦は、八王撤廃案を撤回して、八王が一致団結してその中から主宰者を選出し、国祖のもとに服従しようではないか、と提案する。この案に諸神司は賛成し、可決された。
この間、常世彦(道彦が化けた偽者)は高座の中央に黙って座っていた。
行成彦は再び登壇し、武装撤廃の断行を提案すると、6割が賛成して可決された。
その時、偽の常世彦は立ち上がり、そこに現れた常世彦は偽者で道彦という発狂者である、発狂者の言に耳を傾けず武装撤廃を断行せよ、と言い放った。
神代における武装撤廃とは、神人らの肉体に附着する天授の武装を一部または全部除去することである。それぞれ、角や爪牙、羽翼、針毛、毒嚢などを除去した。常世彦が提議したこの武装撤廃は、神界にために最も尊重すべき大事業であった<ref>{{rm|4|28|武器制限}}:「太古の竜は厳めしき太刀肌を備へ、かつ鋭利なる利刃のごとき角を、幾本ともなく頭に戴き、敵にたいしてその暴威を揮ふとともに、一方にはこれを護身の要器となし、互ひに争闘を続けゐたりしなり。ゆゑに今回の常世会議に於て八王大神の提議したる、神人各自の武器の廃止は、神界のためにはもつとも尊重すべき大事業なりける」</ref>。〔第28章〕。〔{{rms|4|28|武器制限}}〕
=== 後日談 ===
[[鬼武彦]]が国祖に、常世会議を破壊したのは国祖の命なのに、行成彦らの退職はどういう理由なのかと尋ねる。
== 脚注 ==