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本ページでは本項では(1)について解説する。
一霊四魂は人間の霊魂の構造を現す言葉である。== 一霊四魂の機能 == 一霊四魂には「体」「用」「五情の戒律」「義」「正欲」という機能がある。 次項以降に順次説明して行くが、まとめると次の表のようになる。 {| class="wikitable"! \! 直霊! 荒魂! 和魂! 幸魂! 奇魂|-! 体| | 勇| 親| 愛| 智|-! 用| | 進果奮勉克| 平修斎治交| 益造生化育| 巧感察覚悟|-! 五情の戒律| 省みる| 恥じる| 悔いる| 畏る| 覚る|-|-! 戒律を失うと| 曲霊| 争魂| 悪魂| 逆魂| 狂魂|-! 義|| 断(果毅敢為)| 制(政令法度、正理公同)| 割(忘身殉難)| 裁(弥縫補綴)|-! 正欲|| 位 高く| 富 大きく| 寿 長く| 名 美しく|} [[ファイル:一霊四魂.png|border|500px]]<br clear=all>
体の四つを列記する時の順序は「勇親愛智」である。「智愛勇親」も少しある体の四つを列記する時の順序は「勇親愛智」が多い。「智愛勇親」<ref>{{rm|57|1|大山}}:「智愛勇親の四魂を活用させ」</ref>。や「勇智愛親」<ref>『[[道之大本]]』「{{obc|B117100c02|第二章}}」:「勇智愛親この四魂の魂は、天帝の全き霊魂である」</ref>も少しある。
一霊四魂
,→天火結水地
'''一霊四魂'''(いちれいしこん)とは、
(1) [[霊魂]]のこと。[[直霊]]([[一霊]])と、[[荒魂]]・[[和魂]]・[[奇魂幸魂]]・[[幸魂奇魂]]([[四魂]])から成る。
(2) [[霊界物語]][[第6巻第5篇]]の篇題。
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一霊四魂とは人間の霊魂の構造である。一霊とは'''直霊'''(なおひ、ちょくれい)であり、四魂とは'''荒魂'''(あらみたま)・'''和魂'''(にぎみたま)・'''幸魂'''(さちみたま)・'''奇魂'''(くしみたま)である。
〔本項の解説は特記ある場合を除き、[[霊界物語]]{{rm|10|29|言霊解三}}による〕
== 直霊 ==
直霊は「なおひ」または「ちょくれい」と呼ぶ。「[[直日]](なおひ)」と書く場合もある。
直霊は四魂の中にもそれぞれ含有されている。
直霊は過失を未萌に消滅させる能力がある。直霊は平時には現れず、事に当たって発動する。
神典(古事記)ではこれを「神直日(かむなおひ)」「大直日(おおなおひ)」と呼ぶ。神直日とは、天帝(主神)の直霊のことで、大直日とは八百万の神々や人間の霊魂に具有する直霊のことである。
== 四魂 ==
四魂は次の四つである。
* '''荒魂'''(あらみたま)
* '''和魂'''(にぎみたま)
* '''幸魂'''(さちみたま)
* '''奇魂'''(くしみたま)
一文字で記す場合は、荒(こう)・和(わ)・幸(こう)・奇(き)と読む。
荒魂と和魂は「経魂(けいこん)」であり、「[[厳の御魂]](いづのみたま)」と呼ぶ。幸魂と奇魂は「緯魂(いこん)」であり、「[[瑞の御魂]](みづのみたま)」と呼ぶ。厳瑞合一したものを「[[伊都能売の御魂]](いづのめのみたま)」と呼ぶ。
=== 四魂の列記の順序 ===
四魂を列記する場合、その順序は定まっておらず、次のようにまちまちである。本項では「荒魂、和魂、幸魂、奇魂」の順に記す。
* 荒魂、和魂、幸魂、奇魂 【例】{{rm|10|29|言霊解三}}、{{rm|6|26|体五霊五}}
* 荒魂、和魂、奇魂、幸魂 【例】{{rm09|13|0003|総説}}、{{rm09|17|9901|霊の礎(三)}}、{{rm|52|1|真と偽}}
* 荒魂、奇魂、幸魂、和魂 【例】{{rm|50|10|据置貯金}}
* 奇魂、荒魂、和魂、幸魂 【例】{{rm09|39|9901|附録 大祓祝詞解}}、『大本略義』「{{obc|B195301c45|理想の標準}}」
* 和魂、幸魂、奇魂、荒魂 【例】{{rm|47|9|愛と信}}
幸魂と奇魂の二魂を呼ぶ時は「奇幸(きこう)」と呼ぶ場合が多い。
「義」や「正欲」などの列記の順序はまた別にある。各項目を見よ。
=== 神素盞嗚大神と金勝要神の四魂 ===
{{rm|3|43|配所の月}}及び{{rm|3|45|猿猴と渋柿}}によると、[[国大立命]]([[神素盞嗚大神]]の別名)と[[金勝要神]]の四魂は次の通りである。
'''四魂/[[神素盞嗚大神]]/[[金勝要神]]'''
* 荒魂/[[大足彦命]]/[[言霊姫命]]
* 和魂/[[大八洲彦命]]/[[高照姫命]]
* 幸魂/[[言霊別命]]/[[真澄姫命]]
* 奇魂/[[神国別命]]/[[竜世姫命]]
== 体と用 ==
* 奇魂…'''智'''(ち)…'''巧感察覚悟'''(こう かん さつ かく ご)
== 五情の戒律 ==
〔以上、{{rm|6|26|体五霊五}}より〕
<br clear=all>
== 脚注 天火結水地 == 一霊四魂と[[天火結水地]]の対応関係は次のようになる。(下記『[[大本略義]]』『[[皇典釈義]]』による)(一霊四魂に対応する言霊は2種の教示がある。下の「[[#天火結水地と言霊との対応1]]」「[[#天火結水地と言霊との対応2]]」参照) {| class="wikitable tdCenter"! 一霊四魂 !! 天火結水地 !! 言霊1 !! 言霊2 !! 色 !! 霊体|-! 奇魂| 天 || ア列 || イ || 青 || 霊の霊|-! 荒魂| 火 || イ列 || エ || 赤 || 霊の体|-! 直霊| 結 || ウ列 || ウ || 紫 |||-! 和魂| 水 || エ列 || オ || 白 || 体の霊|-! 幸魂| 地 || オ列 || ア || 黄 || 体の体|} {{inyou| 霊魂の働きは、之を四分類し得る。即ち奇魂、荒魂、和魂、幸魂の四魂である。宇内の経綸は、体から云えば天、火、水、地の四大配置に係るが、用から云えば、奇魂、荒魂、和魂、幸魂の活用に外ならぬ。霊の霊というべきは奇魂の働きで、天に配し、霊の体というべきは荒魂の働きで、火に配し、体の霊と云うべきは和魂の働きで、水に配し、体の体というべきは幸魂の働きで、地に配する。四大と四魂とは、結局、宇宙内部の経綸を、物質と精神との二方面から観察したものに外ならない。| 『[[大本略義]]』「{{obc|B195301c45|理想の標準}}」…大正5年(1916年)9月に出口王仁三郎が口述したもの。}} {{inyou|奇魂は天地に澎湃として、心霊の大作用を営み統ふによりて、天(あめ)の語を以て之を代表し奉り、荒魂は温熱となりて宇宙に充実するが故に、火の語を以て之を代表し奉り、和魂は柔流して世を組織するが故に、水の語を以て之を代表し奉り、幸魂は固結冷塊して世を組織するが故に、地(つち)の語を以て之を代表し奉る也。即ち宇内の経営経綸の御有様は、之を物質的に謂へば天(あめ)、地(つち)、火、水の四大の活動造営にして、之を精神的に謂へば奇魂、荒魂、和魂、幸魂、四魂の御神業たるに外ならざる也。| 『神霊界』大正7年(1918年)8月15日号掲載、『[[皇典釈義]]』「第六節 四大と四魂」p10-11 …大正7年(1918年)8月に出口王仁三郎が著したもの。 }} 天火結水地と色の対応は霊界物語の随所に書いてある。【例】{{rm|26|16|三五玉}}:「天火水地と結びたる 青赤白黄紫の 玉の功績を述べつれば」<ref>他にも書いてある。{{rm|18|5|赤鳥居}};「天火水地と結びたる 青赤白黄をこき交ぜて」、{{rm|26|1|麻邇の玉}}:「天火水地と結びたる 青赤白黄紫の 五つの玉を諏訪湖の」、{{rm|32|17|悔悟の歌}}:高姫の歌「竜宮島より現はれし 玉依姫の御宝 天火水地と結びたる 青赤白黄紫の 麻邇の宝珠の点検に」。ただし一致しない記述もある。{{rm|29|14|カーリン丸}}:常彦のセリフ「成程、天火水地結と青赤紫白黄、順序能く縦筋がはいつて居りますな」(「天火水地結」と書いてあるため「青赤紫白黄」と一致しない)。</ref> === 天火結水地と言霊との対応1 ===天火結水地と言霊各列との対応は天祥地瑞に次のように書いてある。(上の「言霊1」参照) {{inyou| アカサタナハマヤラワは、天位にして、天に座し、貴身の位置なり。 オコソトノホモヨロヲは、地の座にして、田身の位置なり。 ウクスツヌフムユルウは、結びの座にして、隠身の位置なり。 エケセテネヘメエレヱは、水の座にして、小身の位置なり。 イキシチニヒミイリヰは、火の座にして、大身の位置なり。 故に貴身は君、田身は民、隠身は神、小身は小臣、大身は大臣の意と知るべし。 アカサタナハマヤラワをア列といふ、其他は準じて知るべし。故に、 ア列は森羅万象の天位に居り、 オ列は森羅万象の地位に居り、 ウ列は森羅万象の結びに居り、 エ列は森羅万象の水位に居り、 イ列は森羅万象の火位に居るなり。| {{rm|75|8|結の言霊}} }} === 天火結水地と言霊との対応2 ===[[ファイル:真素美の鏡(大日本言霊).jpg|thumb|[[大石凝真素美]]『[[大日本言霊]]』に掲載されている真素美の鏡。]] 『[[大本略義]]』では、四魂と言霊の対応が次のようになっている。これは「[[真素美の鏡]]」に基づく教示のようである。「真素美の鏡」によれば、天之座(キギヂ)15声はイから発生した言霊であり、火之座(テレネ)はエから、結之座(フスズ)はウから、水之座(モボポ)はオから、地之座(アワヤ)はアから発生した言霊である。この天火結水地と四魂を対応させると、天祥地瑞の教示とは異なる対応となる。(上の「言霊2」参照) {{inyou|幸魂の御始祖は国常立神也。和魂の御始祖は豊雲野神也。荒魂の御始祖は角杙(つぬくひ)神、活杙(いくぐひ)神也<ref>「角杙」「活杙」の「杙」は底本では「材」だが誤字だと思われるので「杙」に直した。</ref>。奇魂の御始祖は意富斗能地(おほとのぢ)神、大斗乃弁(おほとのべ)神也。宇比地邇(うひぢに)神、須比智邇(すひぢに)神は、統治の位にましまして、一霊を代表し玉ふ也。又魂称を奉つて活魂(いくみたま)と申す也。この四魂は、霊系高産巣日神、体系神産巣日神が、相互の御交通に縁(よ)りて出でませし也。即ち「霊の霊」「幽の幽」「霊の体」「幽の顕」「体の霊」「顕の幽」「体の体」「顕の顕」の意義也。活魂は即ち霊、体、一体の神位たる也。 この四魂を言霊によりて説けば 口を一杯<ref>「杯」…底本では「抔」</ref>に、開(あ)きて、咽の奥底より呼気を吹き出すべし、この時、必ず「あー」と鳴り出づべし、「あ」声は如何に鳴らすとも常立(とこたち)にして変化(かはり)なし、故に「あ」声を称して国常立神、国底立神と申す也(略)「あ」声を出しながら、漸次口を窄めて、唇の当に相会はむとする時に、自然に鳴り出づるは「おー」なり、気息口内に淀みて口当に組うと為す時に、出づる声なるが故に豊雲野神と申す也(略)「お」声を出しながら口を全く塞ぎ切る時、自然に鳴り出づるは「ウー」なり、故にウ声を宇比地邇神と申し(略)又「ウ」声を強く呼んで其極に達せしむれば、自然と「すー」と鳴るべし、故に「す」声を「ウ」声の妹神須比智邇神と申す也(略)又「ウ」声を呼びながら、舌以て、下顎を、突きて、杙の如く喰ひ入らしむれば(略)自然に「ゑー」と鳴るべし「ゑ」声を強く呼んで其極に至れば、舌自から転じて上顎に、杙の如く喰ひ入り「れー」と鳴るべし。故に「ゑ」声を称して妹活杙神と申し「れ」声を称して妹活杙神と申す也、又「ゑ」声を呼びつつ、全く口中の気息を転回し、圧し尽す時は、自然に「いー」と鳴るべし、い声を強く呼んで其極に至らしむれば、自然に「ぎー」と鳴るべし。これ声の大なる止りの父、大なる止りの母なるが故に「い」声を称へて、大戸邇(おほとのぢ)神と申し、「ぎ」声を称へて大戸辺(おほとのべ)神と申す也。かくして「あ」「お」「ウ」「ゑ」「い」の五声『大母音也』成就する也<ref>ウ-ス、エ-レ、イ-ギの対応など、「[[真素美の鏡]]」に基づく教示のようである。</ref> | 『[[大本略義]]』「第五節 四魂」}} == 思想の源流 ==王仁三郎の一霊四魂に関する思想は、[[本田親徳]]・著『{{obc|M192919190901c02|[[真道問答]]}}』に記された思想とほぼ同じであり、それをもう少し体系化したものだと言える。 「荒魂」等の用語は神道界に昔から伝わる言葉を流用している場合が多いが、理論・概念は本田親徳・王仁三郎独自のものである。当時の神道界における認識は、たとえば『神道大辞典』(全三巻、平凡社、昭和12~15年発行)に記された「和魂」「荒魂」「幸魂」の解説は次のようなものであり、体系化されているわけではない。 * 「ニギミタマ 和魂 (略)神霊の作用を二大別して和魂及び荒魂となす。和魂とはこれが平和・仁慈の徳を、荒魂とは勇猛・進取の作用をいへるもの。前者は静止的若しくは調節的で、常の状態にあるを指し、後者は常の状態より脱出したる活動的もしくは荒びすさむ状態を意味する。我等人間日常の行動にも平静と活動との二方面がある。而して古代人はその作用を起さしむる各別の原動力が対立的に存するものと信じた。平素事のない場合には一神格中に統一されて別箇の行動を見せないが、時と場合とに応じて分離し、単独に一箇の神格者として働くものとせられた。例へば神功皇后三韓征伐の時に、神々の荒魂は皇軍の先鋒となって王師を導き、和魂は皇后の御身に服(したが)うて皇船の鎮となった。かく両者を別箇に考へた結果、これを祭祀するに当つても和魂のみを祀るあり、荒魂のみに留るり、和魂に荒魂をつけて祀つたこともある。荒魂のみを祀つた例は、奈良時代の末、天平宝字八年一言主神(ひとことぬしのかみ)を土佐から迎へて大和に祀つたのは荒魂である。そして土佐には都佐坐(とさにます)神として和魂が祭られてある。住吉神にしても長門にあるのは荒魂神で、摂津のは和魂神である。和魂に荒魂をつけて祀った例は、大己貴神の和魂を大物主命の御名のもとに大神神社に祀り、その荒魂を附近の狭井神社として祀った。尚この種に属するものに幸魂・奇魂等がある。」〔『神道大辞典』p74〕* 「アラミタマ 荒魂・荒御魂 和魂の対称。(略)荒魂は外面に現はれた荒荒しい、戦闘的な、積極的な方面の作用をいふ。(略)」〔『神道大辞典』p68〕* 「サキミタマ 幸魂 その身を守りて幸くあらしむる神魂の義。荒魂の対称たる和魂の徳用として現はれたるもので、奇魂と共に二名一魂なりといふ。(略)」〔『神道大辞典』p101〕* (「奇魂」は「御魂」と同じ) == その他 ==* 「[[感謝祈願詞]]」では[[天の数歌]]の「一」に「一霊四魂」の字を当てて「ひと」と読ませている。「一霊四魂(ひと)、八力(ふた)、三元(み)、世(よ)、出(いつ)、燃(むゆ)、地成(なな)、弥(や)、凝(ここの)、足(たり)、諸(もも)、血(ち)、夜出(よろづ)の大元霊(もとつみたま)」<ref>{{rm|60|16|祈言}}</ref>* [[信真]]は四魂の本体となり、[[愛善]]は四魂の用となっている。<ref>{{rm|47|9|愛と信}}:「信の真は四魂の本体となり愛の善は四魂の用となつて居る。さうして直霊は瑞の御霊の大神の御神格の御内流即ち直流入された神力である」</ref>* 出口王仁三郎の曾孫の[[出口光]]が、一霊四魂に着想を得た実践的な心理学として「個性認識学」(四魂の窓)を提唱している。<ref>[https://4soul.jp/ 個性認識学]<references/ref>
== 関連文献 ==
一霊四魂を解説した文献には次のものがある。
* 霊界物語{{rm|10|29|言霊解三}}
* 霊界物語{{rm|6|26|体五霊五}}* [[本田親徳]]・著「{{obc|M192919190901c02|[[真道問答]]}}」(『[[神霊界]]』大正8年(1919年)9月1日号(道の大原号)p7~17に収録)* 『{{obc|B1171|[[道之大本]]}}』第2章、第12章、第15章* 『[[大本の道]]』「([[愛善の道]])』「{{obc|B130200c04|第四章 一霊四魂と五情}}」、「{{obc|B130200c05|第五章 義と正欲}}」* 霊界物語{{rm09|13|0003|総説}}* 霊界物語{{rm|47|9|愛と信}}* 『[[霊の礎]]』(霊界物語{{rm09|17|9901|巻末「霊の礎(三)」}})
== 脚注 ==
<references/>
== 関連項目 ==
* [[霊力体]]
* [[霊魂]]
* [[本守護神]]
* [[正守護神]]
* [[副守護神]]
* [[基本宣伝歌]]:歌詞に「直日に見直し聞き直し」云々と出る。
* [[出口直日]]
* [[直霊軍]]
{{デフォルトソート:いちれいしこん}}[[Category:霊魂|いちれいしこん]][[Category:霊界物語の篇題|いちれいしこん]]