差分

Jump to navigation Jump to search

一霊四魂

8,280 バイト追加, 2020年2月16日 (日) 23:08
関連項目
{{kakikake}}
 
'''一霊四魂'''(いちれいしこん)とは、
(1) [[霊魂]]のこと。[[直霊]]([[一霊]])と、[[荒魂]]・[[和魂]]・[[奇魂幸魂]]・[[幸魂奇魂]]([[四魂]])から成る。
(2) [[霊界物語]][[第6巻第5篇]]の篇題。
本ページでは(1)について解説する。
----
一霊四魂とは人間の霊魂の構造である。一霊とは'''直霊'''(なおひ、ちょくれい)であり、四魂とは'''荒魂'''(あらみたま)・'''和魂'''(にぎみたま)・'''幸魂'''(さちみたま)・'''奇魂'''(くしみたま)である。
 
〔本ページの解説は特記ある場合を除き、[[霊界物語]]{{rm|10|29|言霊解三}}による〕
 
== 直霊 ==
直霊は「なおひ」または「ちょくれい」と呼ぶ。「[[直日]](なおひ)」と書く場合もある。
一霊四魂は人間の霊魂の構造を現す言葉である。直霊は四魂の中にもそれぞれ含有されている。 直霊は過失を未萌に消滅させる能力がある。直霊は平時には現れず、事に当たって発動する。 神典(古事記)ではこれを「神直日(かむなおひ)」「大直日(おおなおひ)」と呼ぶ。神直日とは、天帝(主神)の直霊のことで、大直日とは八百万の神々や人間の霊魂に具有する直霊のことである。 == 四魂 ==四魂は次の四つである。 * '''荒魂'''(あらみたま)* '''和魂'''(にぎみたま)* '''幸魂'''(さちみたま)* '''奇魂'''(くしみたま) 一文字で記す場合は、荒(こう)・和(わ)・幸(こう)・奇(き)と読む。 荒魂と和魂は「経魂(けいこん)」であり、「[[厳の御魂]](いづのみたま)」と呼ぶ。幸魂と奇魂は「緯魂(いこん)」であり、「[[瑞の御魂]](みづのみたま)」と呼ぶ。厳瑞合一したものを「[[伊都能売の御魂]](いづのめのみたま)」と呼ぶ。 === 四魂の列記の順序 ===四魂を列記する場合、その順序は定まっておらず、次のようにまちまちである。本ページでは「荒魂、和魂、幸魂、奇魂」の順に記す。 * 荒魂、和魂、幸魂、奇魂 【例】{{rm|10|29|言霊解三}}、{{rm|6|26|体五霊五}}* 荒魂、和魂、奇魂、幸魂 【例】{{rm09|13|0003|総説}}、{{rm09|17|9901|霊の礎(三)}}、{{rm|52|1|真と偽}}* 荒魂、奇魂、幸魂、和魂 【例】{{rm|50|10|据置貯金}}* 奇魂、荒魂、和魂、幸魂 【例】{{rm09|39|9901|附録 大祓祝詞解}}、『大本略義』「{{obc|B195301c45|理想の標準}}」* 和魂、幸魂、奇魂、荒魂 【例】{{rm|47|9|愛と信}} 幸魂と奇魂の二魂を呼ぶ時は「奇幸(きこう)」と呼ぶ場合が多い。 「義」や「正欲」などの列記の順序はまた別にある。各項目を見よ。== 一霊四魂の機能 == 一霊四魂には「体」「用」「五情の戒律」「義」「正欲」という機能がある。 次項以降に順次説明して行くが、まとめると次の表のようになる。 {| class="wikitable"! \! 直霊! 荒魂! 和魂! 幸魂! 奇魂|-! 体| | 勇| 親| 愛| 智|-! 用| | 進果奮勉克| 平修斎治交| 益造生化育| 巧感察覚悟|-! 五情の戒律| 省みる| 恥じる| 悔いる| 畏る| 覚る|-|-! 戒律を失うと| 曲霊| 争魂| 悪魂| 逆魂| 狂魂|-! 義|| 断(果毅敢為)| 制(政令法度、正理公同)| 割(忘身殉難)| 裁(弥縫補綴)|-! 正欲|| 位 高く| 富 大きく| 寿 長く| 名 美しく|} [[ファイル:一霊四魂.png|border|500px]]<br clear=all>
== 体と用 ==
* 奇魂…'''智'''(ち)…'''巧感察覚悟'''(こう かん さつ かく ご)
体の四つを続けて呼ぶ時の順序は「勇親愛智」である。「智愛勇親」も少しある体の四つを列記する時の順序は「勇親愛智」が多い。「智愛勇親」<ref>{{rm|57|1|大山}}:「智愛勇親の四魂を活用させ」</ref>や「勇智愛親」<ref>『[[道之大本]]』「{{obc|B117100c02|第二章}}」:「勇智愛親この四魂の魂は、天帝の全き霊魂である」</ref>も少しある。
== 五情の戒律 ==
「曲霊」の読み方は「まがひ」「まがつひ」「まがたま」「きょくれい」などがある。霊界物語において一番多い読み方は「まがひ」である。
 
== 義 ==
「義」とは「'''裁制断割'''(さいせいだんかつ)」の四つであり、四魂に配すると次のようになる。
* 奇魂…智…裁(さい)…弥縫補綴(びぼうほてつ)
四つを一度に呼ぶ時の順序は必ず「裁制断割」であり、「断制割裁」とは呼ばれない。四つを列記する時の順序は必ず「裁制断割」であり、「断制割裁」とは呼ばれない。
裁は「弥縫補綴(びぼうほてつ)」の意を兼ね、制は「政令法度(せいれいほうど)」の意を兼ね、断は「果毅敢為(かきかんい)」の意を兼ね、割は「忘身殉難(ぼうしんじゅんなん)」の意を兼ねる。また、政令法度は「正理公同(せいりこうどう)」でもある。
{{rm|10|29|言霊解三}}では「正欲」という言葉は使われていない。単に「欲」と呼んでいる。
四つの正欲を一度に呼ぶ時の順序は必ず「名位寿富」である。ただし「富」が「福」や「宝」に置き換えられたり、「寿」が「命」に置き換えられる場合もある。四つの正欲を列記する時の順序は必ず「名位寿富」である。ただし「富」が「福」や「宝」に置き換えられたり、「寿」が「命」に置き換えられる場合もある。
【用例】
〔以上、{{rm|6|26|体五霊五}}より〕
<br clear=all>
 
== 思想の源流 ==
王仁三郎の一霊四魂に関する思想は、[[本田親徳]]・著『{{obc|M192919190901c02|[[真道問答]]}}』に記された思想とほぼ同じであり、それをもう少し体系化したものだと言える。
 
「荒魂」等の用語は神道界に昔から伝わる言葉を流用している場合が多いが、理論・概念は本田親徳・王仁三郎独自のものである。当時の神道界における認識は、たとえば『神道大辞典』(全三巻、平凡社、昭和12~15年発行)に記された「和魂」「荒魂」「幸魂」の解説は次のようなものであり、体系化されているわけではない。
* 「ニギミタマ 和魂  (略)神霊の作用を二大別して和魂及び荒魂となす。和魂とはこれが平和・仁慈の徳を、荒魂とは勇猛・進取の作用をいへるもの。前者は静止的若しくは調節的で、常の状態にあるを指し、後者は常の状態より脱出したる活動的もしくは荒びすさむ状態を意味する。我等人間日常の行動にも平静と活動との二方面がある。而して古代人はその作用を起さしむる各別の原動力が対立的に存するものと信じた。平素事のない場合には一神格中に統一されて別箇の行動を見せないが、時と場合とに応じて分離し、単独に一箇の神格者として働くものとせられた。例へば神功皇后三韓征伐の時に、神々の荒魂は皇軍の先鋒となって王師を導き、和魂は皇后の御身に服(したが)うて皇船の鎮となった。かく両者を別箇に考へた結果、これを祭祀するに当つても和魂のみを祀るあり、荒魂のみに留るり、和魂に荒魂をつけて祀つたこともある。荒魂のみを祀つた例は、奈良時代の末、天平宝字八年一言主神(ひとことぬしのかみ)を土佐から迎へて大和に祀つたのは荒魂である。そして土佐には都佐坐(とさにます)神として和魂が祭られてある。住吉神にしても長門にあるのは荒魂神で、摂津のは和魂神である。和魂に荒魂をつけて祀った例は、大己貴神の和魂を大物主命の御名のもとに大神神社に祀り、その荒魂を附近の狭井神社として祀った。尚この種に属するものに幸魂・奇魂等がある。」〔『神道大辞典』p74〕* 「アラミタマ 荒魂・荒御魂  和魂の対称。(略)荒魂は外面に現はれた荒荒しい、戦闘的な、積極的な方面の作用をいふ。(略)」〔『神道大辞典』p68〕* 「サキミタマ 幸魂  その身を守りて幸くあらしむる神魂の義。荒魂の対称たる和魂の徳用として現はれたるもので、奇魂と共に二名一魂なりといふ。(略)」〔『神道大辞典』p101〕* (「奇魂」は「御魂」と同じ) == 脚注 その他 ==* 「[[感謝祈願詞]]」では[[天の数歌]]の「一」に「一霊四魂」の字を当てて「ひと」と読ませている。「一霊四魂(ひと)、八力(ふた)、三元(み)、世(よ)、出(いつ)、燃(むゆ)、地成(なな)、弥(や)、凝(ここの)、足(たり)、諸(もも)、血(ち)、夜出(よろづ)の大元霊(もとつみたま)」<ref>{{rm|60|16|祈言}}</ref>* [[信真]]は四魂の本体となり、[[愛善]]は四魂の用となっている。<ref>{{rm|47|9|愛と信}}:「信の真は四魂の本体となり愛の善は四魂の用となつて居る。さうして直霊は瑞の御霊の大神の御神格の御内流即ち直流入された神力である」</ref>* 出口王仁三郎の曾孫の[[出口光]]が、一霊四魂に着想を得た実践的な心理学として「個性認識学」(四魂の窓)を提唱している。<ref>[https://4soul.jp/ 個性認識学]<references/ref>
== 関連文献 ==
一霊四魂を解説した文献には次のものがある。
* 霊界物語{{rm|10|29|言霊解三}}
* 霊界物語{{rm|6|26|体五霊五}}* [[本田親徳]]・著「{{obc|M192919190901c02|[[真道問答]]}}」(『[[神霊界]]』大正8年(1919年)9月1日号(道の大原号)p7~17に収録)* 『{{obc|B1171|[[道之大本]]}}』第2章、第12章、第15章* 『[[大本の道]]』「([[愛善の道]])』「{{obc|B130200c04|第四章 一霊四魂と五情}}」、「{{obc|B130200c05|第五章 義と正欲}}」* 霊界物語{{rm09|13|0003|総説}}* 霊界物語{{rm|47|9|愛と信}}* 『[[霊の礎]]』(霊界物語{{rm09|17|9901|巻末「霊の礎(三)」}})
== 脚注 ==
<references/>
== 関連項目 ==
* [[霊力体]]
* [[霊魂]]
* [[本守護神]]
* [[正守護神]]
* [[副守護神]]
* [[基本宣伝歌]]:歌詞に「直日に見直し聞き直し」云々と出る。
* [[出口直日]]
* [[直霊軍]]
{{デフォルトソート:いちれいしこん}}[[Category:霊魂|いちれいしこん]][[Category:霊界物語の篇題|いちれいしこん]]

案内メニュー