21,339
回編集
差分
Jump to navigation
Jump to search
ハルの湖
,'''ハルの湖''(はるのうみ)は、[[霊界物語]]に登場する湖。[[月の国]]にある。
== 概要 ==
* 表記ゆれ:ハルの湖(はるのみずうみ)、ハルの海(はるのうみ) <ref>使用回数は、ハルの湖(うみ)21回、ハルの湖(みずうみ)9回、ハルの海6回</ref>
* 初出:{{rm09|67|0002|総説}}、{{rm|67|2|思想の波}}
* ハルの湖は、[[オーラ山脈]]の東南麓の高原地帯に広がる東西200里、南北300里の大きな湖。大小無数の島が星のようにあり、その島にもパインの木が密生している。<ref>{{rm|67|2|思想の波}}</ref>
* ハルの湖の南に「[[スガの港]]」がある。<ref>[[波切丸]]はハルの湖を「南」または「西南」に進みスガの港に到着している。{{rm|67|3|}}:「水面を'''南に南に'''辷り行く」、{{rm|67|6|}}:「波切丸は万波洋々たる湖面を、'''西南'''を指して」</ref> <ref>{{rm|72|10|清の歌}}:[[アリス]]の歌「(スガの港から見て)'''北'''に清けきハルの湖」</ref>
== 主なエピソード ==
ハルの湖は[[第67巻]]の前半と[[第72巻]]の前半で舞台となる。
=== 第67巻 ===
==== 海賊の襲来 ====
[[梅公]]、[[ヨリコ姫]]、[[花香姫]]の一行3人は、師の[[照国別]]の一行に合流するために、[[ハルの湖]]で[[波切丸]]に乗った。
夜、一艘の船に乗った14~5人の海賊に襲撃される。頭目の[[コーズ]]は乗客に「持ち物一切を献上せよ」と怒鳴るが、そこへ一人の女([[ヨリコ姫]])が現れてコーズを始め海賊を海に投げ込んでしまった。
波切丸の船長の[[アリー]]は、遠くの島影に十数艘も海賊船が見えたので、航路を東に転じて岸辺に近づけた。しかし暗礁に乗り上げてしまった。
梅公は[[宣伝歌]]を歌う。すると颶風が吹いて、波切丸は暗礁から離れた。風はたちまち止んだ。再び波切丸は南へ向かって進み出した。〔{{rm|67|2|思想の波}}~{{rms|67|3|美人の腕}}〕
==== 笑いの座 ====
波切丸の乗客は「[[笑いの座]]」を始めた。この地方の風習で、参加者は黒い布で顔を包んで誰だか分からないようにして、王様の話題でも一般市民の話題でも何でも、おもしろおかしく話して笑いこけ、不平や鬱憤を吐露するというものである。
[[オーラ山]]の盗賊だった[[ヨリコ姫]]、[[シーゴー]]、[[玄真坊]]が話題に上がった。シーゴーはこの船に乗っていて、それをこっそり聞きながら、改心すると誓ったのに泥棒に未練があり心が揺れ動いていた。そこをヨリコ姫に見つかる。ヨリコ姫は梅公に導かれて宣伝の旅についていることを感謝し、そして天地に向かって三つの誓いを立てた。シーゴーはヨリコ姫の訓戒を聞いて、心を立て直す。梅公は「神仏無量寿経」を独唱した。〔{{rm|67|4|笑の座}}~{{rms|67|5|浪の皷}}〕
==== 浮島の陥没(アケハルの岩) ====
波切丸はハルの湖で一番高い岩山([[夜光の岩山]])の横を通り過ぎる。その頂上に直立している岩を「[[アケハルの岩]]」と呼ぶ。その岩が牛のような虎猫となって逃げて行き、そして岩山自体が沈んでしまった。→「[[アケハルの岩]]」、「[[浮島の怪猫]]」を見よ 〔{{rm|67|6|浮島の怪猫}}〕
==== 海賊の再襲来 ====
再び海賊が襲撃してきた。頭目の[[コーズ]]は実は[[シーゴー]]の部下だった。シーゴーが改心したと知り、バカにして、シーゴーがやめろと制止するのを無視する。[[梅公]]が[[天の数歌]]を唱えると、震えて逃げて行った。〔{{rm|67|7|武力鞘}}~{{rms|67|8|糸の縺れ}}前半〕
==== 船長アリーとダイヤ姫の数奇な関係 ====
船長の[[アリー]]も実は海賊で、[[ダリヤ姫]](スガの港の薬種問屋の[[アリス]]の娘)を誘拐して船内に監禁していた。アリーとダリヤの呪わしい因縁が明かされる。ダリヤ姫はアリーの異父妹だった。アリーの母[[アンナ]]をアリスが誘拐し、生ませた子がダリヤ姫だった。アリーの父[[アリスタン]]は妻を奪われた無念さでハルの湖に身を投げて自殺した。アリスはその恨みを晴らすためにダリヤ姫を殺すつもりで誘拐したのだった。
ダリヤ姫は死を覚悟するが、アリーは梅公の宣伝を聞いて改心する。
波切丸は[[スガの港]]に到着した。〔{{rm|67|8|糸の縺れ}}後半~{{rms|67|9|ダリヤの香}}〕
=== 第72巻 ===
[[入江村]]の[[浜屋旅館]]に泊まっていた[[千草の高姫]]と[[妖幻坊の杢助]]は、[[照国別]]一行が泊まりに来たことに気づき、慌てて旅館を逃げ出すと、舟を盗んでハルの湖を[[スガの港]]へ向けて漕いで行く。照国別一行([[照国別]]、[[照公]]、[[梅公別]])は翌日、船に乗ってスガの港へ向かった。〔{{rm|71|20|困客}}〕
千種の高姫と妖幻坊の杢助が乗った[[高砂丸]]
<ref>{{rm|71|20|困客}}には「一艘の舟を盗んで一生懸命にハルの湖の波を分けてスガの港へ向け漕いで行く」と書いてあり、小さな舟を盗んで二人で漕いで行ったような記述だが、{{rm|72|2|時化の湖}}では大勢の乗客が乗った高砂丸という船になっている。</ref>
では「[[高砂笑]]」([[笑いの座]])が行われ、[[コブライ]]と[[コオロ]]の二人が、高姫や妖幻坊の悪口を叩いていた。船底で縮こまりその話を聞いている高姫・妖幻坊の二人は、悔し涙をのみながら素知らぬ顔をしていた。突然暴風が吹き高砂丸は転覆してしまう。〔{{rm|72|2|時化の湖}}〕
照国別一行4人([[照国別]]、[[照公]]、[[梅公別]]、[[玄真坊]])は[[常磐丸]]に乗りハルの湖を[[スガの港]]へ向かっていた。突然暴風が吹き出す。彼方に高砂丸が遭難しているのを見つけ、照国別は常磐丸をそちらに向かわす。〔{{rm|72|3|厳の欵乃}}〕
高砂丸から水中に飛び込んだ千種の高姫と妖幻坊の杢助は、老木が茂る離れ島([[太魔の島]])に漂着した。そこで逢い引きしていたカップル([[フクエ]]、[[岸子]])を、高姫は「[[銀杏姫]]」と名乗って騙して藪の中に引き込み、大量の蟻の餌にしてしまう。そして彼らが乗ってきた小船を奪って島から逃げ出す。〔{{rm|72|4|銀杏姫}}〕
[[照国別]]一行が乗った[[常磐丸]]は、沈没した[[高砂丸]]の乗客を救った。[[梅公別]]は「他にも救うべき人あり」と言って、浜辺の町で常磐丸を降り、小舟を借りて[[太魔の島]]へ向かう。常磐丸はスガの港へ向かった。〔{{rm|72|5|蛸船}}〕
高姫・妖幻坊が乗った小舟と、梅公別が乗った小舟がすれ違った。二人は梅公別の後を追って太魔の島に引き返す。梅公別はカップル([[フクエ]]、[[岸子]])が高姫に騙されて藪の中で蟻に苦しめられていることを透視して知っており、すでに鎮魂をかけて蟻を退けておいた。高姫は梅公別を騙して藪の中に入れ、舟に乗って島を去る。梅公別は騙されたフリをして藪の中に入り、カップルを救い出し、スガの港へ向かった。〔{{rm|72|6|夜鷹姫}}〕
[[照国別]]一行が乗った[[常磐丸]]は[[スガの港]]に着いた。この港は鰹(かつお)の漁が盛んで、一行も網引きに加わった。照国別は「神の道の宣伝は一対一が[[相応の理]]に適う」ことを[[照公]]に説く。〔{{rm|72|7|鰹の網引}}〕
== 脚注 ==
<references/>
== 関連項目 ==
* [[ハルの国]]:[[高砂島]]の巴留の国。
* [[ハルの港]]:ハルの国と、ハルの湖の2ヶ所にある。
[[Category:霊界物語の湖沼|はるのうみ]]
== 概要 ==
* 表記ゆれ:ハルの湖(はるのみずうみ)、ハルの海(はるのうみ) <ref>使用回数は、ハルの湖(うみ)21回、ハルの湖(みずうみ)9回、ハルの海6回</ref>
* 初出:{{rm09|67|0002|総説}}、{{rm|67|2|思想の波}}
* ハルの湖は、[[オーラ山脈]]の東南麓の高原地帯に広がる東西200里、南北300里の大きな湖。大小無数の島が星のようにあり、その島にもパインの木が密生している。<ref>{{rm|67|2|思想の波}}</ref>
* ハルの湖の南に「[[スガの港]]」がある。<ref>[[波切丸]]はハルの湖を「南」または「西南」に進みスガの港に到着している。{{rm|67|3|}}:「水面を'''南に南に'''辷り行く」、{{rm|67|6|}}:「波切丸は万波洋々たる湖面を、'''西南'''を指して」</ref> <ref>{{rm|72|10|清の歌}}:[[アリス]]の歌「(スガの港から見て)'''北'''に清けきハルの湖」</ref>
== 主なエピソード ==
ハルの湖は[[第67巻]]の前半と[[第72巻]]の前半で舞台となる。
=== 第67巻 ===
==== 海賊の襲来 ====
[[梅公]]、[[ヨリコ姫]]、[[花香姫]]の一行3人は、師の[[照国別]]の一行に合流するために、[[ハルの湖]]で[[波切丸]]に乗った。
夜、一艘の船に乗った14~5人の海賊に襲撃される。頭目の[[コーズ]]は乗客に「持ち物一切を献上せよ」と怒鳴るが、そこへ一人の女([[ヨリコ姫]])が現れてコーズを始め海賊を海に投げ込んでしまった。
波切丸の船長の[[アリー]]は、遠くの島影に十数艘も海賊船が見えたので、航路を東に転じて岸辺に近づけた。しかし暗礁に乗り上げてしまった。
梅公は[[宣伝歌]]を歌う。すると颶風が吹いて、波切丸は暗礁から離れた。風はたちまち止んだ。再び波切丸は南へ向かって進み出した。〔{{rm|67|2|思想の波}}~{{rms|67|3|美人の腕}}〕
==== 笑いの座 ====
波切丸の乗客は「[[笑いの座]]」を始めた。この地方の風習で、参加者は黒い布で顔を包んで誰だか分からないようにして、王様の話題でも一般市民の話題でも何でも、おもしろおかしく話して笑いこけ、不平や鬱憤を吐露するというものである。
[[オーラ山]]の盗賊だった[[ヨリコ姫]]、[[シーゴー]]、[[玄真坊]]が話題に上がった。シーゴーはこの船に乗っていて、それをこっそり聞きながら、改心すると誓ったのに泥棒に未練があり心が揺れ動いていた。そこをヨリコ姫に見つかる。ヨリコ姫は梅公に導かれて宣伝の旅についていることを感謝し、そして天地に向かって三つの誓いを立てた。シーゴーはヨリコ姫の訓戒を聞いて、心を立て直す。梅公は「神仏無量寿経」を独唱した。〔{{rm|67|4|笑の座}}~{{rms|67|5|浪の皷}}〕
==== 浮島の陥没(アケハルの岩) ====
波切丸はハルの湖で一番高い岩山([[夜光の岩山]])の横を通り過ぎる。その頂上に直立している岩を「[[アケハルの岩]]」と呼ぶ。その岩が牛のような虎猫となって逃げて行き、そして岩山自体が沈んでしまった。→「[[アケハルの岩]]」、「[[浮島の怪猫]]」を見よ 〔{{rm|67|6|浮島の怪猫}}〕
==== 海賊の再襲来 ====
再び海賊が襲撃してきた。頭目の[[コーズ]]は実は[[シーゴー]]の部下だった。シーゴーが改心したと知り、バカにして、シーゴーがやめろと制止するのを無視する。[[梅公]]が[[天の数歌]]を唱えると、震えて逃げて行った。〔{{rm|67|7|武力鞘}}~{{rms|67|8|糸の縺れ}}前半〕
==== 船長アリーとダイヤ姫の数奇な関係 ====
船長の[[アリー]]も実は海賊で、[[ダリヤ姫]](スガの港の薬種問屋の[[アリス]]の娘)を誘拐して船内に監禁していた。アリーとダリヤの呪わしい因縁が明かされる。ダリヤ姫はアリーの異父妹だった。アリーの母[[アンナ]]をアリスが誘拐し、生ませた子がダリヤ姫だった。アリーの父[[アリスタン]]は妻を奪われた無念さでハルの湖に身を投げて自殺した。アリスはその恨みを晴らすためにダリヤ姫を殺すつもりで誘拐したのだった。
ダリヤ姫は死を覚悟するが、アリーは梅公の宣伝を聞いて改心する。
波切丸は[[スガの港]]に到着した。〔{{rm|67|8|糸の縺れ}}後半~{{rms|67|9|ダリヤの香}}〕
=== 第72巻 ===
[[入江村]]の[[浜屋旅館]]に泊まっていた[[千草の高姫]]と[[妖幻坊の杢助]]は、[[照国別]]一行が泊まりに来たことに気づき、慌てて旅館を逃げ出すと、舟を盗んでハルの湖を[[スガの港]]へ向けて漕いで行く。照国別一行([[照国別]]、[[照公]]、[[梅公別]])は翌日、船に乗ってスガの港へ向かった。〔{{rm|71|20|困客}}〕
千種の高姫と妖幻坊の杢助が乗った[[高砂丸]]
<ref>{{rm|71|20|困客}}には「一艘の舟を盗んで一生懸命にハルの湖の波を分けてスガの港へ向け漕いで行く」と書いてあり、小さな舟を盗んで二人で漕いで行ったような記述だが、{{rm|72|2|時化の湖}}では大勢の乗客が乗った高砂丸という船になっている。</ref>
では「[[高砂笑]]」([[笑いの座]])が行われ、[[コブライ]]と[[コオロ]]の二人が、高姫や妖幻坊の悪口を叩いていた。船底で縮こまりその話を聞いている高姫・妖幻坊の二人は、悔し涙をのみながら素知らぬ顔をしていた。突然暴風が吹き高砂丸は転覆してしまう。〔{{rm|72|2|時化の湖}}〕
照国別一行4人([[照国別]]、[[照公]]、[[梅公別]]、[[玄真坊]])は[[常磐丸]]に乗りハルの湖を[[スガの港]]へ向かっていた。突然暴風が吹き出す。彼方に高砂丸が遭難しているのを見つけ、照国別は常磐丸をそちらに向かわす。〔{{rm|72|3|厳の欵乃}}〕
高砂丸から水中に飛び込んだ千種の高姫と妖幻坊の杢助は、老木が茂る離れ島([[太魔の島]])に漂着した。そこで逢い引きしていたカップル([[フクエ]]、[[岸子]])を、高姫は「[[銀杏姫]]」と名乗って騙して藪の中に引き込み、大量の蟻の餌にしてしまう。そして彼らが乗ってきた小船を奪って島から逃げ出す。〔{{rm|72|4|銀杏姫}}〕
[[照国別]]一行が乗った[[常磐丸]]は、沈没した[[高砂丸]]の乗客を救った。[[梅公別]]は「他にも救うべき人あり」と言って、浜辺の町で常磐丸を降り、小舟を借りて[[太魔の島]]へ向かう。常磐丸はスガの港へ向かった。〔{{rm|72|5|蛸船}}〕
高姫・妖幻坊が乗った小舟と、梅公別が乗った小舟がすれ違った。二人は梅公別の後を追って太魔の島に引き返す。梅公別はカップル([[フクエ]]、[[岸子]])が高姫に騙されて藪の中で蟻に苦しめられていることを透視して知っており、すでに鎮魂をかけて蟻を退けておいた。高姫は梅公別を騙して藪の中に入れ、舟に乗って島を去る。梅公別は騙されたフリをして藪の中に入り、カップルを救い出し、スガの港へ向かった。〔{{rm|72|6|夜鷹姫}}〕
[[照国別]]一行が乗った[[常磐丸]]は[[スガの港]]に着いた。この港は鰹(かつお)の漁が盛んで、一行も網引きに加わった。照国別は「神の道の宣伝は一対一が[[相応の理]]に適う」ことを[[照公]]に説く。〔{{rm|72|7|鰹の網引}}〕
== 脚注 ==
<references/>
== 関連項目 ==
* [[ハルの国]]:[[高砂島]]の巴留の国。
* [[ハルの港]]:ハルの国と、ハルの湖の2ヶ所にある。
[[Category:霊界物語の湖沼|はるのうみ]]