一霊四魂
この項目はまだ書きかけです。内容が不十分だったり不明瞭だったりします。
一霊四魂(いちれいしこん)とは、
(1) 霊魂のこと。直霊(一霊)と、荒魂・和魂・奇魂・幸魂(四魂)から成る。
本ページでは(1)について解説する。
一霊四魂は人間の霊魂の構造を現す言葉である。
五情
五情(ごじょう)とは、一霊四魂に備わった次の五つの戒律である。「五情の戒律」「神明の戒律」とも呼ばれる。
- 直霊…省(かえり)みる
- 荒魂…恥(は)じる
- 和魂…悔(く)いる
- 幸魂…畏(おそ)る
- 奇魂…覚(さと)る
送り仮名を付けず漢字一字で表す場合は「省(しょう)恥(ち)悔(かい)畏(い)覚(かく)」と読む。[1]
「省みる」「恥じる」「悔いる」の送り仮名は現代の用法であり、当時の印刷物に記された送り仮名は「省(かへりみ)る」「恥(はぢ)る」「悔(くい)る」が多い。
「畏」は「畏(おそ)れる」ではなく「畏(おそ)る」と表現される場合がほとんどである。
「畏」は、「恐」の文字が使われることはない。また「覚」は、「悟」の文字が使われることはない。
五情の戒律は、霊界物語で国祖が制定された天地の律法の内面的五戒律と同じ内容である。
- 「反省(かへりみ)よ。恥(は)ぢよ。悔改(くいあらた)めよ。天地を畏(おそ)れよ。正しく覚(さと)れよ」〔第2巻第45章「天地の律法」#〕
- 「省(かへり)みる 恥(はづ)る 悔(く)ゆる 畏(おそ)る 覚(さと)る」〔第3巻第1章「神々の任命」#〕
「恥じる」「悔いる」「畏る」「覚る」の中にもそれぞれ「省みる」がある。[2]
「感謝祈願詞」では、「四魂五情」と書いて「たまとこころ」と読ませている。〔第60巻第16章「祈言」/a096#〕
動物は五情のうち、「覚る」「畏る」の二情しか働かない。[3]
主神から賦与された戒律を無視して、人の智慮によって作った不完全な戒律を守ろうとするのは愚の骨頂であるという意味のことを王仁三郎は述べている。[4]
正欲
正欲は名位寿富(めいいじゅふう)の四つあり、義を併立する。
名は美を欲し、位は高を欲し、寿は長を欲し、富は大を欲す[5]。
義…四魂…正欲
- 断…荒魂…位、高
- 制…和魂…富、大
- 割…幸魂…寿、長
- 裁…奇魂…名、美
吾人の身に最も貴きものは、名と位と寿と富とであるが、これを与奪する大権利を有するものは、大霊魂である。故にこの四欲なるものは神賦の正欲である。
しかるに俗学者輩、みなこの真理を悟らず、自暴自棄し、まさに貴きを外に求めんとして居るが、何ぞそれ、身に貴きものは、この四欲の外に求めて得べけんやである。
名を後世にまで輝かすは、人生の目的の第一の要素である。しかしてその名は、必ず美を欲すべきである。位地を保つは、人生万業の上において最も必要なる要素である。しかしてその位置は、高きを欲すべきである。寿は人生の柱石であって、万業を為すに最も必要なる基本である。しかして寿は、最も長きを欲すべきである。富は人格を保つ上において第一の要具である。万業の資本である。しかして富は最も大を欲すべきである。
第10巻第29章「言霊解三」#では「正欲」という言葉は使われていない。単に「欲」と呼んでいる。
四つの正欲を一度に呼ぶ時の順序は必ず「名位寿富」である。ただし「富」が「福」や「宝」に置き換えられたり、「寿」が「命」に置き換えられる場合もある。
【用例】
- 「モウ斯うして神界へ来た以上は、名位寿福の必要もなければ互に争ふ余地もない」[6]
- 「人間の欲望は名位寿宝と云ふて最も貴いものは名を万世に残すことだ。その次は位といつて人格の向上を主とする欲望だ。」[7]
- 「名も位も命も富も皇神は人の所業によりてたまはむ」[8]
脚注
- ↑ 第10巻第29章「言霊解三」#
- ↑ 『道之大本』「第一四章#」:「六、恥づるの中にも省るあり、悔ゆるの中にも省るあり、畏るの中にも省るあり、覚るの中にも省るあり」
- ↑ 月鏡「人間と動物」#:「動物には五情の中、覚る、畏るの二情しかはたらかぬ。省る、恥る、悔ゆるの三情は全然働かぬのである。だから破廉耻な事を平気で行ふのである。人の心を覚つて用を便じたり、叱られると恐いといふ事は知つて逃げたりするが其外の情は働かぬ。人にして若し破廉耻心が無いならば動物と選ぶ所が無いではないか」
- ↑ 第10巻第29章「言霊解三」#:「人は天帝の御子なり、神子たるもの、真の父たり母たる上帝より賦与せられたる至明至聖なる戒律を度外視し、人の智慮に依つて作為したる不完全なる戒律を楯と頼み、以て心を清め徳を行ひ、向上し発展し、立命せむとするは愚の骨頂にして、恰も木に縁つて魚を求めむとするが如し」
- ↑ 第10巻第29章「言霊解三」#
- ↑ 第40巻第12章「心の反映」#(カルのセリフ)
- ↑ 第71巻第10章「荒添」#(玄真坊のセリフ)
- ↑ 『出口王仁三郎全集 第七巻』所収の道歌#