真鶴山
概要
主なエピソード
第74巻第5章~第11章で舞台となる。
真鶴山は未だ地が稚く柔らかく、つきたての餅のように湯気がもうもうと立ち昇り、山の神の姿さえ未だ固まらず、茫然として夢か幻のような丘陵であった。真鶴山の周囲には底深い沼が広々と廻って、湯気が立ち昇っていた。太元顕津男の神の一行が生言霊を宣り上げて行くと、真鶴山は次第に膨れ上がり、固まって行く。四方八方に膨れ上がり、目も届かぬばかりとなる。真鶴山の膨張によって周囲の原野は水気が去り地が固まり、沼の水は西南方の一ヶ所に集まって、清く深い沼となった。〔第74巻第5章「言霊神橋」#~第7章「相聞の闇」#〕
真鶴山の山霊から生まれた生代比女の神が姿を現した[1]。生代比女の神はここでずっと太元顕津男の神を待っていた、ようやく時が来たと歌うが、八十比女神ではないので御子生み(神生み)の神業は出来ないと太元顕津男の神は断る。すると生代比女の神は太元顕津男の神を恨み、この沼の主となって御子生みの神業を妨害すると歌うと、たちまち悪竜となって玉野湖を目指して駆けて行く。〔第74巻第6章「真鶴山霊」#~第7章「相聞の闇」#〕
太元顕津男の神は生代比女の神の執着心を払い清めるため言霊を宣るが、しかしその恋着の心は容易におさまらず、燃え立つ炎は黒煙となって真鶴山の国土を包み、暴風豪雨の惨状となった。神々の昼夜の祈願に主の神が応え、どんなに美しい神であっても八十比女神(御樋代神)以外とは御子生みの神業を行ってはならない、と命じる。黒雲は晴れ渡り、一行はるぎの目的地(玉野湖)に向かった。〔第74巻第10章「心の手綱」#~第11章「万代の誓」#〕
生代比女の神は真鶴山を捨て、蛇身となって玉野湖の湖底深く潜み、太元顕津男の神が現れるのを待った。〔第74巻第14章「真心の曇らひ」#〕 →この後の物語は「玉野湖」「玉野丘」「生代比女の神」「第74巻」「第75巻」等を参照