蛙船
「帰る」と「蛙」を掛けている。また「鳥船」をもじっている。
前章〔第13巻第13章「上天丸」#〕で天の鳥船に乗ったと思ったら、一行6人(半ダース宣伝使)は草原で雨風に曝されて眠っていた。つまり夢だったようだが、音彦・亀彦・駒彦の3人しかおらず、他の3人の姿は見当たらない。
音彦〈タカオ山脈の近くになると大変大きな蟇蛙《ひきがへる》が居ると云ふことだ。何だか足も草臥れたし、蛙が出居つたら飛行機の代りに、それにでも乗つてアーメニヤ方面指して、かへると云ふことにしようかな〉
そこへ牛のようなヒキガエルがノサリノサリと這って来た。
音彦〈好い乗物が出来た。鳥船《とりふね》から蛙船《かへるふね》に乗り替ると云ふ洒落だ。此船はモーかへる心配は要らない。初からかへるだから〉
音彦は大蛙の背中に乗ると、大蛙はノサリノサリと歩き出した。大きな古池がある。駒彦は大蛙に〈みづの上を船の代りになつて貰ひ度いのだ〉と頼んだ。