守宮別
概要
- 初出:第64巻上第19章「祭誤」#
- 第64巻上・下だけに登場する。
- ユラリ教の教主・虎島寅子に、最も信任を受けている。[1]
- 軍の士官。外国語をよく使う男。[1]
- お寅(虎島寅子)と共に日の出島を隈なく巡教し、軍艦布教まで行った。お寅と腹を合わせて、変性女子のウヅンバラチャンダーを社会の廃物となして、自分らが取って代わろうと苦心した。守宮別は四方八方に反対運動を行い、ついには「六六六の獣」を使ってウヅンバラチャンダーの肉体の自由を奪った。その後、小北山に拝殿を建てたが、ウヅンバラチャンダーが帰って来たので、守宮別は海外に逃げ出した。[2]
- 守宮別はお寅の愛人である。
- 実在の人物としては、海軍中佐の飯森正芳に相応する。 →「飯森正芳」
主なエピソード
海外に逃げていた守宮別は、小北山に帰って来た。お寅に「上海で見たロンドンタイムスの記事によると『エルサレムにキリストの再臨が近づいた、日の出島から救世主が現れる…と騒いでいる、その救世主とはウヅンバラチャンダーである』」と教える。するとお寅は「あんな者が救世主になったら大変だ、これから日の出神の生宮(つまり自分)が救世主として現れましょう」と言って、お花、守宮別、曲彦を伴いエルサレムへ旅立った。〔第64巻上第19章「祭誤」#〕
御霊城(お寅たちのエルサレムにおけるアジト)で守宮別は、お花に結婚しようと言い出す。実はお花が持っている1万両のお金が目当てだった。そこへお寅が帰って来た。お寅は愛人の守宮別をお花に盗られ、悋気を起こして半狂乱になり気絶してしまう。そのすきに守宮別とお花は御霊城から逃げ出した。〔第64巻下第5章「横恋慕」#〕
僧院ホテルで、守宮別・お花・ヤク(御霊城の受付)の3人は、新ウラナイ教の発会式を開いた。お花は教主となる。守宮別はお花のお金3千円を持って、新宗教独立の運動をして来ると言ってホテルを出た。〔第64巻下第12章「開狂式」#〕
守宮別は駅前で3千円が入った財布を落としてしまう。しかしそれに気づかずに、駅前の青楼(女郎屋)に入り、有明家の綾子と二晩過ごす。三日目に僧院ホテルに帰るが、綾子が現れ、お花・守宮別・綾子・ヤク(綾子の父親)の4人で取っ組み合いの大喧嘩となる。お花は負傷して入院する。〔第64巻下第13章「漆別」#~第15章「騒淫ホテル」#〕
お寅と守宮別、トンク、テク、ツーロは、自動車に乗り、エルサレム市内で大宣伝を開始した。そこへ夜叉のような勢いでお花が走って来た。守宮別はお花を追うため飛び下りる。お寅がハンドルを握るが、瀬戸物屋の店先に衝突してしまう。お寅たち4人は病院に運ばれた。〔第64巻下第20章「猫鞍干」#〕
この騒動により、お寅・お花・守宮別に対して、警察署から、エルサレムからの退去命令が出された。〔第64巻下第21章「不意の官命」#〕
脚注
- ↑ 1.0 1.1 第64巻上第19章「祭誤」#:「そして寅子の最も信任してゐるのは守宮別と云ふ海軍の士官上りの外国語をよく囀る男であつた」
- ↑ 第64巻上第19章「祭誤」#:「寅子は日の出神の生宮と自称し乍ら此守宮別と共に宅を外にして曲霊軍の襷を掛け、日の出島の東西南北を隈なく巡教し、軍艦布教までやつてヤンチヤ婆アさまの名を売つた、したたか者である。守宮別は日の出神と腹を合せ如何にしても変性女子のウヅンバラチヤンダーを社会の廃物となし、自分等がとつて代らむと苦心の結果、守宮別は四方八方に反対運動を開始し、終には六六六の獣を使つてウヅンバラチヤンダーの肉体の自由まで奪つた剛の者である」「目の上の瘤として居た人物を、うまく圧倒した上は、もはや天下に恐るべきものなしと、菖蒲のお花を筆頭に守宮別、曲彦、木戸口、お松等の連中と謀り小北山に拝殿を建て(略)九分九厘と云ふ所へウヅンバラチヤンダーが帰つて来たので、肝をつぶしホウボウの態にて再び小北山へ逃げ帰り守宮別は海外に逃げ出し」