蜜議

章題「蜜議」という言葉は一般的ではない。おそらく「密議」に掛けているのだと思われる。

チルテルの屋敷内にある初稚姫の部屋で、カンナとヘール（どちらもチルテルの部下）が、初稚姫を口説き落とそうとして歌を歌う。3人、互いに歌で心を探り合った。

そういう意味での密議だが、恋愛心の甘い内容であるため、「蜜」議にしたのではないかと考えられる。

ただし、戦前の書物を探ると、「密議」を「蜜議」と表記している場合がたびたびある。つまり昔は「密議」を「蜜議」と書いたり、「密談」を「蜜談」と書くことは一般的に行われていた。辞書に誤用として記されている〔例：1966年刊『新漢和辞典』726頁、NDLDL蔵書 PID:2512879/1/394〕。

本章の章題が「密議」のつもりで「蜜議」と記したのか、それとも意図的に「蜜議」にしたのかは不明。

なお、霊界物語の他の箇所に「密議」という言葉が何度か使われているが、「蜜議」と表記している箇所は見当たらない。