大原敬助・片山狂介・高田悪次郎
大原敬助(おおはら けいすけ)、片山狂介(かたやま きょうすけ)、高田悪次郎(たかだ あくじろう)の3人は、霊界物語に登場する人物。
概要
- 第52巻第24章「応対盗」#だけに登場する。他に第25章「恋愛観」#と第27章「胎蔵」#に名前だけが出る。
- 八衢の関所に3人の精霊が現れて、赤白の守衛に詰問される。
- 大原敬助は、年は60歳だが、頭が白く、80歳くらいに見える。杖をついている。
- 片山狂介は60歳くらい。
- 高田悪次郎は、鉄の杖をついている。
- この3人は「大悪党」[1]で、地獄へ落ちた[2]。
大原敬助
実在の人物としては原敬(1856~1921年11月)を暗喩していると解されている。原敬は大正10年(1921年)2月の第一次大本事件当時の総理大臣であり、同年11月に東京駅で中岡艮一によって刺殺された。
大原敬助は白の守衛に「何だか、停車場(注・東京駅か?)のやうな所へ行つて居つたと思へば、私の胸に行当つたものがある(注・刺されたことか?)。其際に、ハツと思つたと思へば、いつの間にか斯様な所へやつて来ました」と話している。
白の守衛に「ヱルサレムの宮(注・綾部の本宮山神殿のことか?)を部下の奴に命じて叩き潰したのは其方だらう」と詰問されると、「イエ滅相な、決して私ぢやありませぬ。片山君が命令を致しましたので、其命令を聞かねば、到底、泥棒会社の社長が勤まりませぬので、止むを得ず部下に命令を致しました。決して主犯では厶いませぬ」と答えている。これは、大本事件は片山狂介(山縣有朋)に指示されて原敬が命令を下したと解することが出来る。
片山狂介
実在の人物としては山縣有朋(1838~1922年2月)を暗喩していると解されている。山縣は元老であり、日本軍閥の祖と呼ばれる。
片山狂介は白の守衛に「随分軍閥でバリついたものだな。お前の為に幾万の精霊を幽界へ送つたか分らぬ、幽界にては大変に名高い男だ」と言われている。
高田悪次郎
実在の人物としては安田善次郎(1838~1921年9月)を暗喩していると解されている。安田は安田財閥の祖である。自宅で刺殺された。
高田悪次郎は白の守衛に「私は表善裏悪の張本人、世界一の富豪にならうと思うて、随分活動致しました。併しながら不慮の災難によつて、かやうな所へ迷ひ込み」云々と話している。
白の守衛になぜ鉄の杖を持って来るのかと問われ、「此鉄棒を以て、凡ての銀行会社を叩き壊し、皆一つに集めて巨万の富を積んだ唯一の武器で厶います」「此鉄棒は斯うみえても二億円の価値があるのです」と答えている。これは安田善次郎が南満州鉄道(資本金2億円)の経営に関わっていたことを指していると解することが出来る。