波切丸
波切丸(なみきりまる)は、霊界物語に登場する船。
ハルの湖の岸辺(ハルの港?)から、スガの港に向かって航海する船。新しい巨船で、数百人の乗客が乗っている。
船上のエピソードには、4つくらいのドラマが絡んでくる。
エピソード
梅公の一行3人(梅公、ヨリコ姫、花香姫)は、師の照国別の一行に合流するために、ハルの湖で波切丸に乗った。
夜、14~5人の海賊に襲撃される。頭目のコーズは乗客に、持ち物一切を献上せよ、と怒鳴るが、そこへ一人の女(ヨリコ姫?)が現れてコーズを始め海賊を海に投げ込んでしまう。
波切丸の船長のアリーは、遠くの島影に十数艘も海賊船が見えたので、航路を東に転じて岸辺に近づけた。しかし暗礁に乗り上げてしまった。
梅公は宣伝歌を歌う。すると颶風が吹いて、波切丸は暗礁から離れた。風はたちまち止んだ。再び波切丸は南へ向かって進み出した。
乗客は「笑いの座」を始めた。この地方の風習で、参加者は黒い布で顔を包んで誰だか分からないようにして、王様の話題でも一般市民の話題でも何でも、おもしろおかしく話して笑いこけ、不平や鬱憤を吐露するというものである。
オーラ山の盗賊のヨリコ姫、シーゴー、玄真坊が話題に上がった。シーゴーもこの船に乗っていて、それをこっそり聞いていた。そこをヨリコ姫に見つかる。
波切丸はハルの湖で一番高い岩山を通り過ぎる。その岩山で、牛のような虎猫が逃げて行き、そして岩山自体が沈んでしまった。→「浮島の怪猫」
再び海賊が襲撃してくる。頭目コーズは実はシーゴーの部下だった。シーゴーが改心したと知り、バカにして、シーゴーがやめろというのを無視する。梅公の天の数歌で振るえて逃げて行く。
船長のアリーも実は海賊で、ダリヤ姫(スガの港の薬種問屋のアリスの娘)を誘拐して船内に監禁していた。アリーとダリヤの呪わしい因縁が明かされる。
アリーは梅公の宣伝を聞いて改心した。
船はスガの港に到着した。