「神代語」の版間の差分

出典: 出口王仁三郎と霊界物語の大百科事典『オニペディア(Onipedia)』
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[[ファイル:神代語の数字.jpg|thumb|100px|霊界物語第2巻凡例に掲載されている神代語の数字(この画像は昭和4年7月発行の三版をスキャンしたもの)]]
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[[ファイル:第2巻神代語の数字.jpg|thumb|100px|霊界物語第2巻凡例に掲載されている神代語の数字(この画像は昭和4年7月発行の三版をスキャンしたもの)]]
  
 
'''神代語'''(かみよことば)とは、神代に使われていた言葉のこと。「'''神代言葉'''」とも書く。
 
'''神代語'''(かみよことば)とは、神代に使われていた言葉のこと。「'''神代言葉'''」とも書く。
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神代文字である「[[水茎文字]]」とは異なる。
  
 
== 概要 ==
 
== 概要 ==
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* {{rm09|2|0002|凡例}}、{{rm|4|19|猿女の舞}}、{{rm|4|25|燕返し}}に、現代語の歌を神代語に翻訳したものが、'''カタカナで'''記されている。神代語の語彙の実例が分かるのは、この3ヶ所だけである。
 
* {{rm09|2|0002|凡例}}、{{rm|4|19|猿女の舞}}、{{rm|4|25|燕返し}}に、現代語の歌を神代語に翻訳したものが、'''カタカナで'''記されている。神代語の語彙の実例が分かるのは、この3ヶ所だけである。
 
* {{kgm|527|出雲言葉}}に──出雲の言葉には神代語を多分に含んでいる。コーカス民族だった勢力が拡大して彼らの言葉(大和言葉か?)が広まったため、次第に出雲言葉が衰退して行った──ということが書いてある。
 
* {{kgm|527|出雲言葉}}に──出雲の言葉には神代語を多分に含んでいる。コーカス民族だった勢力が拡大して彼らの言葉(大和言葉か?)が広まったため、次第に出雲言葉が衰退して行った──ということが書いてある。
* {{rm09|74|0001序文}}に──天界における言葉は総べてアオウエイの五大父音だけで通じるが、現代人は七十五声を使っているため「神代語(しんだいご)」は通じないので、やむを得ず三十一文字(和歌)で神意を発表した──ということが書いてある。この「神代語」は天界における五大父音のみの言葉を指しており、本ページに記した神代語(かみよことば)とは別のものだと思われる。
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* {{rm09|74|0001|序文}}に──天界における言葉は総べてアオウエイの五大父音だけで通じるが、現代人は七十五声を使っているため「'''神代語(じんだいご)'''」は通じないので、やむを得ず三十一文字(和歌)で神意を発表した──ということが書いてある。この「神代語」は天界における五大父音のみの言葉を指しており、本項に記した神代語(かみよことば)とは別のものだと思われる。
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== 実例 ==
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{{rm09|2|0002|凡例}}、{{rm|4|19|猿女の舞}}、{{rm|4|25|燕返し}}に記された神代語の実例を集めた。
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上段が神代語。下段が現代語。
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=== 第2巻凡例 ===
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コトトモオコヨ カムソモホ<br>
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コトタマワケノ カミサンハ(言霊別の神さんは)
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コスヨトコヨイ ツコイステ<br>
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コシノトコヨヘ ツカヒシテ(こしの常世へ使ひして)
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ミツイトホレテ コスヨオイ<br>
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ミチニタフレテ コシヲヲリ(道に倒れて腰を折り)
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コスイノソロレ コスイトム<br>
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コシニノセラレ コシイタム(輿に乗せられ腰痛む)
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コスヨクシデモ コスヌコス<br>
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コシノクニデモ コシヌカシ(こしの国でも腰抜かし)
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コスヌクカムヨ ワロヲレル<br>
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コシヌケカミト ワラハレル(腰抜け神と笑はれる)
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フトヨコトノロ ノムトヨノイ<br>
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ヒトノコトナラ ナントモナイ(他のことなら何ともない)
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コスカモヨセヌ<br>
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コシヤカマヤセン(こしやかまやせん)
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=== 第4巻第19章 ===
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モロコスヨ トコヨヨクシホ トホケレド<br>
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モロコシノ トコヨノクニハ トホケレド(もろこしの常世の国は遠けれど)
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カムヨヨオモフ マコモトホ<br>
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カミヨヲオモフ マゴコロハ(神代をおもふまごころは)
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カロモアキツモ トコスヱイ<br>
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カラモアキツモ トコシヘニ(からも、あきつも常永に)
 +
 
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コホロヌモヨゾ アメツツヨ<br>
 +
カハラヌモノゾ アメツチノ(変らぬものぞ天地の)
 +
 
 +
カムヨミタマヨ ソチホイテ<br>
 +
カミノミタマノ サチハヒテ(神の御魂のさちはひて)
 +
 
 +
ウモレウデトル カムフトヨ<br>
 +
ウマレイデタル カミヒトノ(生れ出たる神人の)
 +
 
 +
モモトホノヲク トドスクテ<br>
 +
ココロハナホク タダシクテ(心は直く正しくて)
 +
 
 +
マコトヨミツイ ススイツツ<br>
 +
マコトノミチニ ススミツツ(誠の道にすすみつつ)
 +
 
 +
フロクルモモイ ウツトノク<br>
 +
ヒラクルママニ イツトナク(開くるままにいつとなく)
 +
 
 +
ヨホトコヨイヨ クモオコイ<br>
 +
ヨハトコヤミノ クモオコリ(世は常暗の雲おこり)
 +
 
 +
ノミトカモリス ヨツヨイミ<br>
 +
ナミタカマリシ ヨツノウミ(浪たかまりし四つの海)
 +
 
 +
フキコルコセイ スズメムト<br>
 +
フキクルアラシ シヅメムト(吹きくるあらし静めむと)
 +
 
 +
クシホルトチヨ オオカムホ<br>
 +
クニハルタチノ オホカミハ(国治立の大神は)
 +
 
 +
コモトヨクドキ ミヨクドキ<br>
 +
ココロヲクダキ ミヲクダキ(こころを砕き身をくだき)
 +
 
 +
アストヨミキリ ユウキリヨ<br>
 +
アシタノミキリ ユフキリヲ(朝の深霧夕霧を)
 +
 
 +
スノドヨコゼイ フキホロイ<br>
 +
シナドノカゼニ フキハラヒ(科戸の風に吹きはらひ)
 +
 
 +
ホロイトモヘト ウツセミヨ<br>
 +
ハラヒタマヘド ウツセミノ(はらひたまへど空蝉の)
 +
 
 +
ヨホウボトモヨ クロクステ<br>
 +
ヨハウバタマノ クラクシテ(世は烏羽玉の暗くして)
 +
 
 +
タコヨモヨスエ ホコヨモヨ<br>
 +
タカヤマノスヱ ヒキヤマノ(高山の末短山の)
 +
 
 +
ヨモヨヨヨエヨ カムフトヨ<br>
 +
ヤマノヲノヘノ カミヒトモ(山の尾の上の神人も)
 +
 
 +
アソホヨフカリ ツクヨカゲ<br>
 +
アサヒノヒカリ ツキノカゲ(旭日の光月の影)
 +
 
 +
ホスヨカカヨキ スロヌホヨ<br>
 +
ホシノカガヤキ シラヌヒノ(星の輝き不知火の)
 +
 
 +
ツツイコモトヨ ツクスゴト<br>
 +
チヂニココロヲ ツクシガタ(千々に心をつくし潟)
 +
 
 +
イムイヨノイヨ マゴカムヨ<br>
 +
ウミニモノニモ マガカミノ(海にも野にも曲神の)
 +
 
 +
ウトコイクロフ アイソモヨ<br>
 +
イタケリクルフ アリサマヲ(伊猛り狂ふ有様を)
 +
 
 +
ノゴメスコステ ウイスエヨ<br>
 +
ナゴメスカシテ イニシヘノ(和めすかしていにしへの)
 +
 
 +
モトツミカムヨ ウモスヨイ<br>
 +
モトツミカミノ ウマシヨニ(元津御神のうまし世に)
 +
 
 +
モチノヨソムヨ ミコモトヨ<br>
 +
モチナホサムト ミココロヲ(持ち直さむと御心を)
 +
 
 +
クドコセトモイテ カスコクヨ<br>
 +
クダカセタマヒテ カシコクモ(砕かせたまひて畏くも)
 +
 
 +
タコモヨホライ ヨホヨロヅ<br>
 +
タカアマハラニ ヤホヨロヅ(高天原に八百万)
 +
 
 +
カムヨツドエテ マツリコト<br>
 +
カミヲツドヘテ マツリゴト(神を集へてまつりごと)
 +
 
 +
ホジメトモヘボ イミコハヨ<br>
 +
ハジメタマヘド ウミカハヤ(はじめたまへど海川や)
 +
 
 +
ヨモヨヨホテイ トツクモヨ<br>
 +
ヤマヌノハテニ タツクモノ(山野の果てに立つ雲の)
 +
 
 +
ホルルホミノキ トコヨミヨ<br>
 +
ハルルヒマナキ トコヤミノ(晴るる暇なき常暗の)
 +
 
 +
カムヨオトノイ クサヨコヨ<br>
 +
カミノオトナヒ クサヤキノ(神のおとなひ草や木の)
 +
 
 +
カキホトコホイ コトトイテ<br>
 +
カキハトキハニ コトトヒテ(かきはときはに言問ひて)
 +
 
 +
ヨロヅヨウズウイ ソボヘノス<br>
 +
ヨロヅノワザハヒ サバヱナス(万のわざはひ五月蠅如す)
 +
 
 +
ムラゴイオコイ アメツツヨ<br>
 +
ムラガリオコリ アメツチノ(群がりおこり天地の)
 +
 
 +
クシヨモホロボ タコアモヨ<br>
 +
クニノマホラバ タカアマノ(国の真秀良場高天の)
 +
 
 +
ホライアラホレ ムラキモヨ<br>
 +
ハラニアラハレ ムラキモノ(原に現はれ村肝の)
 +
 
 +
コモトヨフロキ フロムネホコヨ<br>
 +
ココロモヒロキ ヒロムネヒコノ(心も広き広宗彦の)
 +
 
 +
ウツヨミコトヨ スラスヨホ<br>
 +
ウヅノミコトノ シラスヨハ(貴の命の知らす世は)
 +
 
 +
ヨモコホクソコ ムノノイキ<br>
 +
ヤマカハクサキ ミナナビキ(山河草木みな靡き)
 +
 
 +
イラヨスクシヨ ノリフブク<br>
 +
ウラヤスクニト ナリヒビク(浦安国となりひびく)
 +
 
 +
カカムメデトキ カムヨヨヨ<br>
 +
カカルメデタキ カミノヨノ(かかる芽出度き神の世の)
 +
 
 +
ウスツエコトク ツキコトメ<br>
 +
イシズヱカタク ツキカタメ(礎かたく搗きかため)
 +
 
 +
タテホシメテル モコボスロ<br>
 +
タテハジメタル マキハシラ(建て初めたる真木柱)
 +
 
 +
ツヨイヨツヨイ ウコギノク<br>
 +
チヨニヤチヨニ ウゴキナキ(千代に八千代に動きなき)
 +
 
 +
イヨキカムヨヨ マツイコト<br>
 +
キヨキカミヨノ マツリゴト(清き神代のまつりごと)
 +
 
 +
タテホシメトル コヨミキリ<br>
 +
タテハジメタル コノミギリ(立てはじめたるこのみぎり)
 +
 
 +
ヨホトフロケク ヨスロケク<br>
 +
ヨハタヒラケク ヤスラケク(世は平けく安らけく)
 +
 
 +
オソモルベスヨ オモイコヨ<br>
 +
ヲサマルベシト オモヒキヤ(治まるべしと思ひきや)
 +
 
 +
ヨモヨヨモヨヨ イミコホヨ<br>
 +
ヨモノヤマヌヤ ウミカハノ(四方の山野や海川の)
 +
 
 +
カムホコトミイ ムロキモヨ<br>
 +
カミハカタミニ ムラキモノ(神はかたみに村肝の)
 +
 
 +
コモトヨモモヨ ソヨギツツ<br>
 +
ココロノママニ サヤギツツ(こころの侭にさやぎつつ)
 +
 
 +
フイヨイクモル アメツツヨ<br>
 +
ヒニヨニクモル アメツチノ(日に夜に曇る天地の)
 +
 
 +
ヨロヅヨモコヨ ホロホムヨ<br>
 +
ヨロヅノマガヲ ハラハムト(万の曲を払はむと)
 +
 
 +
カムヨヨオモフ モコモトヨ<br>
 +
カミヨヲオモフ マゴコロノ(神世を思ふまごころの)
 +
 
 +
トコヨヨクシイ ノモタコク<br>
 +
トコヨノクニニ ナモタカク(常世の国に名もたかく)
 +
 
 +
ミコモトキヨキ トコヨホコ<br>
 +
ミココロキヨキ トコヨヒコ(御心きよき常世彦)
 +
 
 +
オオクシホコヨ フトホシロ<br>
 +
オホクニヒコノ フタハシラ(大国彦の二柱)
 +
 
 +
コモトヨタケヨ ウツアケテ<br>
 +
ココロノタケヲ ウチアケテ(心のたけを打ち明けて)
 +
 
 +
アメヨツツヨヨ オトヨコヨ<br>
 +
アメトツチトノ オダヤカヲ(天と地とのおだやかを)
 +
 
 +
キトソムトメヨ コヨトイヨ<br>
 +
キタサムタメノ コノタビノ(来たさむためのこの度の)
 +
 
 +
トコヨヨスロヨ カムツトイ<br>
 +
トコヨノシロノ カムツドヒ(常世の城の神集ひ)
 +
 
 +
ツトヒトモイス カムフトホ<br>
 +
ツドヒタマヒシ カミヒトハ(集ひたまひし神人は)
 +
 
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キヨケクノヲク タドスクテ<br>
 +
キヨケクナホク タダシクテ(清けく直く正しくて)
 +
 
 +
ヨロヅヨモヨヨ ヨスロケク<br>
 +
ヨロヅノモノニ ヤスラケキ(万のものに安らけき)
 +
 
 +
ウケルイヨツヨ アトエムヨ<br>
 +
イケルイノチヲ アタヘムト(いける生命をあたへむと)
 +
 
 +
コモトヨクドキ コヨツドイ<br>
 +
ココロヲクダク コノツドヒ(心を砕くこの集ひ)
 +
 
 +
クシホルトツヨ オオカムヨ<br>
 +
クニハルタチノ オホカミハ(国治立の大神は)
 +
 
 +
カノロズイベノイ トモフロム<br>
 +
カナラズウベナヒ タマフラム(かならず諾ひたまふらむ)
 +
 
 +
サレドモヨイホ ツユデアリ<br>
 +
サレドモノニハ ツイデアリ(されど物には順序あり)
 +
 
 +
コレヨツユデヨ アヨモリテ<br>
 +
コレノツイデヲ アヤマリテ(これの順序を誤りて)
 +
 
 +
モトヨスヱヨヨ フトツニス<br>
 +
モトトスヱトヲ ヒトツニシ(本と末とを一つにし)
 +
 
 +
ウツヨソトヨヨ ケズメヨホ<br>
 +
ウチトソトトノ ケジメヲバ(内と外との差別をば)
 +
 
 +
アヨモツコトヨ アロゾロメ<br>
 +
アヤマツコトノ アラザラメ(過つことのあらざらめ)
 +
 
 +
コレヨツドヒヨ フロクトロ<br>
 +
コレノツドヒヲ ヒラキタル(これの集ひを開きたる)
 +
 
 +
カムヨミコモト ウトクヨク<br>
 +
カミノミココロ イトキヨク(神の御心いと清く)
 +
 
 +
タフトクモセド アメツツヨ<br>
 +
タフトクマセド アメツチノ(尊く坐せど天地の)
 +
 
 +
モトツミカムヨ サドメトロ<br>
 +
モトツミカミノ サダメタル(元津御神の定めたる)
 +
 
 +
クヨキミニホヨ ヱルソレム<br>
 +
キヨキミニハノ ヱルサレム(聖き神庭のヱルサレム)
 +
 
 +
カムヨミヨコイ カムツドイ<br>
 +
カミノミヤコニ カムツドヒ(神の都に神集ひ)
 +
 
 +
カトミニコモトヨ ウチヒロキ<br>
 +
タガヒニココロヲ ウチヒラキ(たがひに心を打開き)
 +
 
 +
トコヨヨヨミヨト オスフロキ<br>
 +
トコヨノヤミノト オシワケテ(常夜の暗の戸押分けて)
 +
 
 +
コトトイホコリ モコモトヨ<br>
 +
コトトヒハカリ マゴコロヲ(言問ひ議り赤誠を)
 +
 
 +
カムヨミモヘニ サソゲツツ<br>
 +
カミノミマヘニ ササゲツツ(神の御前に捧げつつ)
 +
 
 +
ツクスホアメツツ カムナガラ<br>
 +
ツクスハアメツチ カムナガラ(尽すは天地惟神)
 +
 
 +
カムヨオオヂニ カノウベス<br>
 +
カミノオホヂニ カナフベシ(神の大道に叶ふべし)
 +
 
 +
トコヨヨオノシ オオカムヨ<br>
 +
トコヨモオナジ オホカミノ(常世も同じ大神の)
 +
 
 +
ツクリタモイス クシノレボ<br>
 +
ツクリタマヒシ クニナレバ(造りたまひし国なれば)
 +
 
 +
カムヨサドメス ヱルソレム<br>
 +
カミノサダメシ ヱルサレム(神の定めしヱルサレム)
 +
 
 +
カムヨミヨコヨ カホロズト<br>
 +
カミノミヤコモ カハラジト(神の都も変らじと)
 +
 
 +
コトアゲタモフ カムガムヨ<br>
 +
コトアゲタマフ カミガミモ(言挙げたまふ神人も)
 +
 
 +
サホイイモソム ソリノゴロ<br>
 +
サハニヰマサム サリナガラ(沢に居まさむさりながら)
 +
 
 +
モトツミカムヨ ミコモトホ<br>
 +
モトツミカミノ ミココロハ(元津御神の御心は)
 +
 
 +
アロノミクルフ モロコスヨ<br>
 +
アラナミクルフ モロコシノ(荒浪狂ふもろこしの)
 +
 
 +
トコヨヨクシヨ サトメトロ<br>
 +
トコヨノクニト サダメテシ(常世の国と定めてし)
 +
 
 +
カムヨミコトヨ ノコイケリ<br>
 +
カミノミコトゾ ナカリケリ(神の御言ぞなかりけり)
 +
 
 +
カムヨミユルス ノキクシヨ<br>
 +
カミノミユルシ ナキクニノ(神の御許しなき国の)
 +
 
 +
トコヨヨスロヨ カムツドイ<br>
 +
トコヨノシロノ カムツドヒ(常世の城の神つどひ)
 +
 
 +
ツトイニツドフ モモヨカム<br>
 +
ツドヒニツドフ モモノカミ(集ひにつどふ諸の神)
 +
 
 +
スメオオカムヨ ミコモトヨ<br>
 +
スメオホカミノ ミココロト(皇大神の御心と)
 +
 
 +
オキテヨヨロホ イコノロム<br>
 +
オキテノノリハ イカニゾト(おきての則は如何にぞと)
 +
 
 +
フコクカヘリミ タモフベス<br>
 +
フカクカヘリミ タマフベシ(深く省みたまふべし)
 +
 
 +
トコヨヨクシホ フロクトモ<br>
 +
トコヨノクニハ ヒロクトモ(常世の国は広くとも)
 +
 
 +
トコヨヨカムホ ツヨクトモ<br>
 +
トコヨノカミハ ツヨクトモ(常世の神は強くとも)
 +
 
 +
カムヨユルソヌ カロカムヨ<br>
 +
カミノユルサヌ カラカミノ(神の許さぬから神の)
 +
 
 +
モトニモロコリ クツオイテ<br>
 +
モトニマジコリ クチアヒテ(許に交こり口合ひて)
 +
 
 +
ストヨツルギヨ フリコゾス<br>
 +
シタノツルギヲ フリカザシ(舌の剣を振りかざし)
 +
 
 +
ホホノヲツロス スノキオボ<br>
 +
ヒバナヲチラシ シノギヲバ(火花を散らし鎬をば)
 +
 
 +
カトミニケヅル アソモスソ<br>
 +
タガヒニケヅル アサマシサ(たがひに削る浅間しさ)
 +
 
 +
ヤツコスヨカムホ スメカムヨ<br>
 +
ヤツワウノカミハ スメカミノ(八王の神は皇神の)
 +
 
 +
ヨソストモイス ツコソゾヨ<br>
 +
ヨサシタマヒシ ツカサゾヤ(よさしたまひしつかさぞや)
 +
 
 +
キヨコタフトコ オコソコニ<br>
 +
キヨクタフトク オゴソカニ(清くたふとくおごそかに)
 +
 
 +
マモルホヤツコス クシタモヨ<br>
 +
マモルハヤツワウ クニタマノ(守るは八王国魂の)
 +
 
 +
ムタマニツクル チコロノリ<br>
 +
ミタマニツケル チカラナリ(身魂につける特権なり)
 +
 
 +
ソノチコロソヱ カロソミテ<br>
 +
ソノチカラサヘ カロシミテ(そのちからさへ軽しみて)
 +
 
 +
ヤブレスクツヨ スツルゴト<br>
 +
ヤブレシクツヲ スツルゴト(破れし沓を捨つるごと)
 +
 
 +
ステテオスモヌ カムヨロロ<br>
 +
ステテヲシマヌ カミノムネ(すてて惜まぬ神の胸)
 +
 
 +
アオトコヨミト ノリニケリ<br>
 +
アアトコヤミト ナリニケリ(アヽ常暗となりにけり)
 +
 
 +
アオトコヨミト ノリニケリ<br>
 +
アアトコヤミト ナリニケリ(アヽ常暗となりにけり)
 +
 
 +
アロブルカムヨ ミニモトロ<br>
 +
アラブルカミノ ミニモテル(荒ぶる神の身に持てる)
 +
 
 +
タケキツホモヨ スムヨコニ<br>
 +
タケキツハモノ スミヤカニ(猛きつはもの速かに)
 +
 
 +
ステテコノヨヨ アロソイヨ<br>
 +
ステテコノヨノ アラソヒヲ(捨てこの世のあらそひを)
 +
 
 +
シノドヨコセニ フキホロフ<br>
 +
シナドノカゼニ フキハラフ(科戸の風に吹き払ふ)
 +
 
 +
ソノカトロイホ サドフメモ<br>
 +
ソノカタラヒハ サダヒメモ(その語らひは猿田姫も)
 +
 
 +
ヒドリミギリヨ テヲアゲテ<br>
 +
ヒダリミギリノ テヲアゲテ(左り右りの手を挙げて)
 +
 
 +
アノノイマツリ イソホスヨ<br>
 +
アナナヒマツリ イサヲシヲ(あななひ奉り功績を)
 +
 
 +
スメオオカムヨ ヨモスロム<br>
 +
スメオホカミモ ヨミスラム(皇大神も嘉すらむ)
 +
 
 +
タドヤツコスヨ カムボスロ<br>
 +
タダヤツワウノ カムバシラ(ただ八王の神柱)
 +
 
 +
フトツコクトモ イツソミヨ<br>
 +
ヒトツカクトモ ウツセミノ(一つ欠くとも空蝉の)
 +
 
 +
ミヨモマモヨヨ トチモチニ<br>
 +
ミヨモマガヨト タチマチニ(御代も曲代とたちまちに)
 +
 
 +
カトムキミドレ ツイユベス<br>
 +
カタムキミダレ ツイユベシ(かたむき乱れ潰ゆべし)
 +
 
 +
カムヨユルセス ヤツコスカム<br>
 +
カミノユルセシ ヤツワウガミ(神の許せし八王神)
 +
 
 +
ヤツコシロカム モモヨカム<br>
 +
ヤツガシラガミ モモノカミ(八頭神諸の神)
 +
 
 +
タコモヨホロヨ ミツコイヨ<br>
 +
タカアマハラノ ミツカヒト(高天原の御使と)
 +
 
 +
アメクドリテル サドホメノ<br>
 +
アマクダリタル サダヒメノ(天降りたる猿田姫の)
 +
 
 +
コトボヨホノヨ トコヨミヨ<br>
 +
コトバノハナヲ トコヤミノ(言葉の花を常暗の)
 +
 
 +
ヨホヨアロスニ チロソゾレ<br>
 +
ヨハノアラシニ チラサザレ(夜半の嵐に散らさざれ)
 +
 
 +
ヨホヨアロスニ チロソゾレ<br>
 +
ヨハノアラシニ チラサザレ(夜半の嵐に散らさざれ)
 +
 
 +
オオトロホコヨ トコヨホコ<br>
 +
オホトラヒコヤ トコヨヒコ(大虎彦や常世彦)
 +
 
 +
トコヨヨホメヨ タクイノキ<br>
 +
トコヨノヒメノ タグヒナキ(常世の姫の類ひなき)
 +
 
 +
ノヲキタドスキ モコモトヨ<br>
 +
ナホキタダシキ マゴコロヲ(直き正しき真心を)
 +
 
 +
タフトミウヨモイ ヨロコビテ<br>
 +
タフトミウヤマヒ ヨロコビテ(尊み敬ひ歓びて)
 +
 
 +
コモトキトノキ スコクソヨ<br>
 +
ココロキタナキ シコグサノ(心きたなき醜草の)
 +
 
 +
カキホヨコセニ マコセツツ<br>
 +
カキハヲカゼニ マカセツツ(片葉を風に任せつつ)
 +
 
 +
キヨキツトイヨ ケゴストロ<br>
 +
キヨキツドヒヲ ケガシタル(清き会場を汚したる)
 +
 
 +
ワゴミヨフコキ ツムトゴヨ<br>
 +
ワガミノフカキ ツミトガヲ(我が身の深きつみとがを)
 +
 
 +
トゴメタモホズ ホメカムヨ<br>
 +
トガメタマハズ ヒメガミノ(咎めたまはず姫神の)
 +
 
 +
タロホヌスソブヨ タヒロケク<br>
 +
タラハヌスサビト タヒラケク(足はぬすさびと平けく)
 +
 
 +
ウロヨスロケク カムノヲヒ<br>
 +
ウラヤスラケク カムナホヒ(心安らけく神直日)
 +
 
 +
オオノヲヒニヨ ノルノヲス<br>
 +
オホナホヒニト ノリナホシ(大直日にと詔り直し)
 +
 
 +
マトキクノヲス ミノヲスツ<br>
 +
マタキキナホシ ミナホシツ(また聞直し見直しつ)
 +
 
 +
ミツアルミツニ テヲヒイテ<br>
 +
ミチアルミチニ テヲヒキテ(道ある道に手を曳きて)
 +
 
 +
トコヨヨヨミヨ カゴヨロス<br>
 +
トコヨノヤミヲ カガヤカシ(常世の暗を輝かし)
 +
 
 +
アメヨイホトヨ オスヒロキ<br>
 +
アマノイハトヲ オシヒラキ(天の岩戸を押し開き)
 +
 
 +
アメツミカムヨ ツツヨエヨ<br>
 +
アマツミカミヤ チノウヘノ(天津御神や地の上の)
 +
 
 +
モトツミカムヨ オオモヘニ<br>
 +
モトツミカミノ オホマヘニ(元津御神の大前に)
 +
 
 +
カヘリモヲスノ フトノリト<br>
 +
カヘリマヲシノ フトノリト(かへりまをしの太祝詞)
 +
 
 +
コエモサヨコニ トノヘコス<br>
 +
コヱモサヤカニ トナヘカシ(声もさやかに唱へかし)
 +
 
 +
メデトスメデトス オメデトス<br>
 +
メデタシメデタシ オメデタシ(目出度し目出度しお芽出度し)
 +
 
 +
=== 第4巻第25章 ===
 +
 
 +
チーバブリカンヨミコモト カスクミテ<br>
 +
チハヤフルカミノミココロ カシコミテ(千早振る神の御心かしこみて)
 +
 
 +
アメツツヨシノ コキシタマ<br>
 +
アメツチヨモノ クニタマヤ(天地四方の国魂や)
 +
 
 +
ヤツコスヨツカスヨ ヤツカムロ<br>
 +
ヤツワウノツカサヤ ヤツガシラ(八王の司や八頭)
 +
 
 +
モモロカムタチ ヤモヨロヅ<br>
 +
モモノカミタチ ヤホヨロヅ(ももの神たち八百万)
 +
 
 +
トコヨヨクシイ カムツトヒ<br>
 +
トコヨノクニニ カムツドヒ(常世の国に神集ひ)
 +
 
 +
トツオオカムヨ シスオロミ<br>
 +
トラオホカミヤ シシヲロチ(虎狼や獅子大蛇)
 +
 
 +
オヌモサヨメヨ マトツミヨ<br>
 +
オニモサグメモ マガツミモ(鬼も探女も曲津見も)
 +
 
 +
イヨキクルミテ ムロイコヨ<br>
 +
イヨリツドヒテ ムラキモノ(伊寄り集ひて村肝の)
 +
 
 +
コモトヨコモヨ フチハロチ<br>
 +
ココロノクモヲ フキハラヒ(心の雲を吹き払ひ)
 +
 
 +
ハロチコソメテ カムホヨヨ<br>
 +
ハラヒキヨメテ カミノヨノ(払ひ清めて神の世の)
 +
 
 +
メロトチフカリ テロトオヨ<br>
 +
メデタキヒカリ テルタヘノ(目出度き光照妙の)
 +
 
 +
アヨヨヌスコヨ オオムホト<br>
 +
アヤトニシキノ オホミハタ(綾と錦の大御機)
 +
 
 +
オリテカムヨヨ マツイコヨ<br>
 +
オリテカミヨノ マツリゴト(織りて神世のまつりごと)
 +
 
 +
カコハトコハイ タトヨコヨ<br>
 +
カキハトキハニ タテヨコノ(堅磐常磐にたてよこの)
 +
 
 +
カムヨヨサイヨ カムミトモ<br>
 +
カミノヨサシノ カミミタマ(神の任さしの神みたま)
 +
 
 +
ヨニウテモステ ウロホスク<br>
 +
ヨニイデマシテ ウルハシキ(世に出でまして美はしき)
 +
 
 +
サコエミロクヨ オオカムヨ<br>
 +
サカエミロクノ オホカミノ(栄えみろくの大神の)
 +
 
 +
ヨソケシコモヨ モモロムト<br>
 +
ヤスケキクニヲ マモラムト(安けき国を守らむと)
 +
 
 +
コモトメテトキ トコヨクシ<br>
 +
ココロメデタキ トコヨクニ(心めでたき常世国)
 +
 
 +
オソフクイモス トコヨホコ<br>
 +
ウシハギヰマス トコヨヒコ(うしはぎ坐すとこよひこ)
 +
 
 +
トコヨヨホメヨ ヨヨノゲク<br>
 +
トコヨノヒメノ ヨヲナゲキ(とこよの姫の世をなげき)
 +
 
 +
モモヨツクソヨ アロコセイ<br>
 +
モモノチグサノ アラカゼニ(ももの千草のあら風に)
 +
 
 +
トヨレコロスム ワロワイヨ<br>
 +
タフレクルシム ワザハヒヲ(倒れ苦しむわざはひを)
 +
 
 +
スクホムトメイ モヨホスヨ<br>
 +
スクハムタメノ モヨホシハ(救はむためのもよほしは)
 +
 
 +
コヨアメツツヨ フロケトヨ<br>
 +
コノアメツチノ ヒラケテユ(この天地の開けてゆ)
 +
 
 +
トモスアロスヨ スヅモリテ<br>
 +
タメシアラシノ シヅマリテ(ためしあらしのしづまりて)
 +
 
 +
トコヨヨホロヨ トコスヱイ<br>
 +
トコヨノハルノ トコシヘニ(常世の春の常永に)
 +
 
 +
トヨヨロヅヨヨ ヨロギノク<br>
 +
チヨヨロヅヨモ ウゴキナク(千代万世も動きなく)
 +
 
 +
タコオモホロヨ ヌグホスク<br>
 +
タカアマハラモ ニギハシク(高天原も賑はしく)
 +
 
 +
トツセヨマツヨ ウロアセズ<br>
 +
チトセノマツノ イロアセズ(千歳の松の色あせず)
 +
 
 +
エロホヨスゲリ クホスヨイ<br>
 +
エダハモシゲル クハシヨニ(枝葉も繁るくはし世に)
 +
 
 +
トチノヨソムヨ ムヨワスリ<br>
 +
タテナホサムト ミヲワスレ(立直さむと身を忘れ)
 +
 
 +
ウヘヨワスレテ アソヨベイ<br>
 +
イヘヲワスレテ アサユフニ(家を忘れて朝夕に)
 +
 
 +
コモトヨツクイ モヨツクイ<br>
 +
ココロヲツクシ ミヲツクシ(心を尽し身を尽し)
 +
 
 +
ヨモヨコモクリ ホキホロヒ<br>
 +
ヨモノクモキリ フキハラヒ(四方の雲霧吹払ひ)
 +
 
 +
クシホロトチヨ オオカムヨ<br>
 +
クニハルタチノ オホカミノ(国治立の大神の)
 +
 
 +
ウカスキムヨヨ モモラムト<br>
 +
イカシキミヨヲ マモラムト(いかしき御世を守らむと)
 +
 
 +
フロキトモイス コヨツドイ<br>
 +
ヒラキタマヒシ コノツドヒ(開きたまひしこの集ひ)
 +
 
 +
ツドヒコモステ ユキノリホコモ<br>
 +
ツドヒキタリシ ユキナリヒコモ(集ひ来たりし行成彦も)
 +
 
 +
モロテヨアゲテ コヨトヒヨ<br>
 +
モロテヲアゲテ コノタビノ(もろてをあげてこのたびの)
 +
 
 +
トコヨヨホコヨ ミコモトイ<br>
 +
トコヨノヒコノ ミココロニ(常世の彦の御こころに)
 +
 
 +
マツロイマツイ トコヨミヨ<br>
 +
マツロヒマツリ トコヤミノ(まつろひまつり常暗の)
 +
 
 +
ヨヨトコシエイ テラスノム<br>
 +
ヨヲトコシヘニ テラシナム(世をとこしへに照しなむ)
 +
 
 +
モモヨカムトチ ミトモトチ<br>
 +
モモノカミタチ ミトモタチ(百の神たちみともたち)
 +
 
 +
ヒツカモホヨク カトトキヨ<br>
 +
ヒトヒモハヤク カタトキモ(一日も早くかた時も)
 +
 
 +
イトスムヨコイ カトリアイ<br>
 +
イトスミヤカニ カタリアヒ(いと速やかにかたりあひ)
 +
 
 +
ケフヨツドイヨ ウロスミテ<br>
 +
ケフノツドヒヲ ウレシミテ(けふのつどひをうれしみて)
 +
 
 +
ムノスクスゴス コトノコレ<br>
 +
ムナシクスゴス コトナカレ(むなしく過すことなかれ)
 +
 
 +
クシホロトチヨ カムヨミエ<br>
 +
クニハルタチノ カミノマヘ(国治立の神のまへ)
 +
 
 +
トコヨヨカムヨ ウロホスキ<br>
 +
トコヨノカミノ ウルハシキ(常世の神のうるはしき)
 +
 
 +
アコキコモトヨ ウベノイテ<br>
 +
アカキココロヲ ウベナヒテ(赤き心をうべなひて)
 +
 
 +
ヨモヨカムフト クサヨコヨ<br>
 +
ヨモノカミビト クサヤキノ(四方の神人草や木の)
 +
 
 +
サヨギヨコエヨ スズメカス<br>
 +
サヤギノコヱヲ シヅメカシ(さやぎの声を静めかし)
 +
 
 +
スクイヨカムヨ アレモセル<br>
 +
スクヒノカミト アレマセル(救ひの神とあれませる)
 +
 
 +
クシホロトチヨ カムコモト<br>
 +
クニハルタチノ カミゴコロ(国治立の神ごころ)
 +
 
 +
トドイウケモス トコヨホコ<br>
 +
タダニウケマス トコヨヒコ(ただに受けます常世彦)
 +
 
 +
トコヨヨホメヨ ホロキテス<br>
 +
トコヨノヒメノ ヒラキテシ(とこよの姫のひらきてし)
 +
 
 +
コレヨモヨホス イトキヨス<br>
 +
コレノモヨホシ イトキヨシ(これのもよほしいときよし)
 +
 
 +
キヨキコモトヨ モモヨカム<br>
 +
キヨキココロノ モモノカミ(きよきこころの百の神)
 +
 
 +
ヤツコスカムヨ ツホモヨヨ<br>
 +
ヤツワウノカミヤ ツハモノノ(八王の神やつはものの)
 +
 
 +
トケキウツホヨ トリヨゾキ<br>
 +
タケキウツハヲ トリノゾキ(猛きうつはをとりのぞき)
 +
 
 +
ソヨネトコヨイ アロトメテ<br>
 +
ソノネソコヨリ アラタメテ(その根底よりあらためて)
 +
 
 +
ホヨトリヨゾキ オオカムイ<br>
 +
ハヤトリノゾキ オホカミニ(はやとりのぞき大神に)
 +
 
 +
カノイモツリテ マツヨヨヨ<br>
 +
カナヒマツレヨ マツノヨノ(叶ひまつれよ松の世の)
 +
 
 +
カムヨコモトヨ カムゾメデトキ<br>
 +
カミノココロノ カミゾメデタク(神のこころの神ぞ目出度く)
 +
 
 +
マツヨコモトヨ カムゾメデトケレ<br>
 +
マツノココロノ カミゾメデタケレ(松の心の神ぞ目出度けれ)
 +
 
 +
== 特徴 ==
 +
神代語は現代語と比較して、
 +
* ア列とイ列が少なく、ウ列とオ列が多い。(ただしイは多い)
 +
 
 +
いくつかの神代語は、次のように他の現代語に転訛している場合が多い。
 +
* イは ニヒリなどのイ列に
 +
* スは シに
 +
* ムは ミに
 +
* ソは サに
 +
* トは タやロに
 +
* ホは ハやヒに
 +
* モは マやコに
 +
* ヨは ノヲトモなどのオ列に
 +
* ロは ラに
 +
 
 +
== 使用語数の集計 ==
 +
 
 +
「[[#実例]]」に記した神代語と現代語の、文字の使用数を集計した。
 +
 
 +
右端の「差」は、現代語から神代語を引いた数である。神代語はウ列とオ列が多く(マイナス値)、現代語はア列とイ列が多い(プラス値)。
 +
 
 +
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 +
|-
 +
|class="r"|2859||class="r"|2860||class="h"|計<ref>総数は現代語の方が1字多い(第2巻凡例の「コスカモヨセヌ/コシヤカマヤセン」があるため)。</ref>||class="r"|1
 +
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 +
 
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2023年8月3日 (木) 05:46時点における最新版

霊界物語第2巻凡例に掲載されている神代語の数字(この画像は昭和4年7月発行の三版をスキャンしたもの)

神代語(かみよことば)とは、神代に使われていた言葉のこと。「神代言葉」とも書く。

神代文字である「水茎文字」とは異なる。

目次

概要

  • 第2巻凡例#に、神代語の数字(一二三四五六七八九十百千万)を表す文字が記載されている。神代語の文字が記されているのはここだけである。
  • 第2巻凡例#第4巻第19章猿女の舞#第4巻第25章燕返し#に、現代語の歌を神代語に翻訳したものが、カタカナで記されている。神代語の語彙の実例が分かるのは、この3ヶ所だけである。
  • 玉鏡「出雲言葉」#に──出雲の言葉には神代語を多分に含んでいる。コーカス民族だった勢力が拡大して彼らの言葉(大和言葉か?)が広まったため、次第に出雲言葉が衰退して行った──ということが書いてある。
  • 第74巻序文#に──天界における言葉は総べてアオウエイの五大父音だけで通じるが、現代人は七十五声を使っているため「神代語(じんだいご)」は通じないので、やむを得ず三十一文字(和歌)で神意を発表した──ということが書いてある。この「神代語」は天界における五大父音のみの言葉を指しており、本項に記した神代語(かみよことば)とは別のものだと思われる。

実例

第2巻凡例#第4巻第19章猿女の舞#第4巻第25章燕返し#に記された神代語の実例を集めた。

上段が神代語。下段が現代語。

第2巻凡例

コトトモオコヨ カムソモホ
コトタマワケノ カミサンハ(言霊別の神さんは)

コスヨトコヨイ ツコイステ
コシノトコヨヘ ツカヒシテ(こしの常世へ使ひして)

ミツイトホレテ コスヨオイ
ミチニタフレテ コシヲヲリ(道に倒れて腰を折り)

コスイノソロレ コスイトム
コシニノセラレ コシイタム(輿に乗せられ腰痛む)

コスヨクシデモ コスヌコス
コシノクニデモ コシヌカシ(こしの国でも腰抜かし)

コスヌクカムヨ ワロヲレル
コシヌケカミト ワラハレル(腰抜け神と笑はれる)

フトヨコトノロ ノムトヨノイ
ヒトノコトナラ ナントモナイ(他のことなら何ともない)

コスカモヨセヌ
コシヤカマヤセン(こしやかまやせん)

第4巻第19章

モロコスヨ トコヨヨクシホ トホケレド
モロコシノ トコヨノクニハ トホケレド(もろこしの常世の国は遠けれど)

カムヨヨオモフ マコモトホ
カミヨヲオモフ マゴコロハ(神代をおもふまごころは)

カロモアキツモ トコスヱイ
カラモアキツモ トコシヘニ(からも、あきつも常永に)

コホロヌモヨゾ アメツツヨ
カハラヌモノゾ アメツチノ(変らぬものぞ天地の)

カムヨミタマヨ ソチホイテ
カミノミタマノ サチハヒテ(神の御魂のさちはひて)

ウモレウデトル カムフトヨ
ウマレイデタル カミヒトノ(生れ出たる神人の)

モモトホノヲク トドスクテ
ココロハナホク タダシクテ(心は直く正しくて)

マコトヨミツイ ススイツツ
マコトノミチニ ススミツツ(誠の道にすすみつつ)

フロクルモモイ ウツトノク
ヒラクルママニ イツトナク(開くるままにいつとなく)

ヨホトコヨイヨ クモオコイ
ヨハトコヤミノ クモオコリ(世は常暗の雲おこり)

ノミトカモリス ヨツヨイミ
ナミタカマリシ ヨツノウミ(浪たかまりし四つの海)

フキコルコセイ スズメムト
フキクルアラシ シヅメムト(吹きくるあらし静めむと)

クシホルトチヨ オオカムホ
クニハルタチノ オホカミハ(国治立の大神は)

コモトヨクドキ ミヨクドキ
ココロヲクダキ ミヲクダキ(こころを砕き身をくだき)

アストヨミキリ ユウキリヨ
アシタノミキリ ユフキリヲ(朝の深霧夕霧を)

スノドヨコゼイ フキホロイ
シナドノカゼニ フキハラヒ(科戸の風に吹きはらひ)

ホロイトモヘト ウツセミヨ
ハラヒタマヘド ウツセミノ(はらひたまへど空蝉の)

ヨホウボトモヨ クロクステ
ヨハウバタマノ クラクシテ(世は烏羽玉の暗くして)

タコヨモヨスエ ホコヨモヨ
タカヤマノスヱ ヒキヤマノ(高山の末短山の)

ヨモヨヨヨエヨ カムフトヨ
ヤマノヲノヘノ カミヒトモ(山の尾の上の神人も)

アソホヨフカリ ツクヨカゲ
アサヒノヒカリ ツキノカゲ(旭日の光月の影)

ホスヨカカヨキ スロヌホヨ
ホシノカガヤキ シラヌヒノ(星の輝き不知火の)

ツツイコモトヨ ツクスゴト
チヂニココロヲ ツクシガタ(千々に心をつくし潟)

イムイヨノイヨ マゴカムヨ
ウミニモノニモ マガカミノ(海にも野にも曲神の)

ウトコイクロフ アイソモヨ
イタケリクルフ アリサマヲ(伊猛り狂ふ有様を)

ノゴメスコステ ウイスエヨ
ナゴメスカシテ イニシヘノ(和めすかしていにしへの)

モトツミカムヨ ウモスヨイ
モトツミカミノ ウマシヨニ(元津御神のうまし世に)

モチノヨソムヨ ミコモトヨ
モチナホサムト ミココロヲ(持ち直さむと御心を)

クドコセトモイテ カスコクヨ
クダカセタマヒテ カシコクモ(砕かせたまひて畏くも)

タコモヨホライ ヨホヨロヅ
タカアマハラニ ヤホヨロヅ(高天原に八百万)

カムヨツドエテ マツリコト
カミヲツドヘテ マツリゴト(神を集へてまつりごと)

ホジメトモヘボ イミコハヨ
ハジメタマヘド ウミカハヤ(はじめたまへど海川や)

ヨモヨヨホテイ トツクモヨ
ヤマヌノハテニ タツクモノ(山野の果てに立つ雲の)

ホルルホミノキ トコヨミヨ
ハルルヒマナキ トコヤミノ(晴るる暇なき常暗の)

カムヨオトノイ クサヨコヨ
カミノオトナヒ クサヤキノ(神のおとなひ草や木の)

カキホトコホイ コトトイテ
カキハトキハニ コトトヒテ(かきはときはに言問ひて)

ヨロヅヨウズウイ ソボヘノス
ヨロヅノワザハヒ サバヱナス(万のわざはひ五月蠅如す)

ムラゴイオコイ アメツツヨ
ムラガリオコリ アメツチノ(群がりおこり天地の)

クシヨモホロボ タコアモヨ
クニノマホラバ タカアマノ(国の真秀良場高天の)

ホライアラホレ ムラキモヨ
ハラニアラハレ ムラキモノ(原に現はれ村肝の)

コモトヨフロキ フロムネホコヨ
ココロモヒロキ ヒロムネヒコノ(心も広き広宗彦の)

ウツヨミコトヨ スラスヨホ
ウヅノミコトノ シラスヨハ(貴の命の知らす世は)

ヨモコホクソコ ムノノイキ
ヤマカハクサキ ミナナビキ(山河草木みな靡き)

イラヨスクシヨ ノリフブク
ウラヤスクニト ナリヒビク(浦安国となりひびく)

カカムメデトキ カムヨヨヨ
カカルメデタキ カミノヨノ(かかる芽出度き神の世の)

ウスツエコトク ツキコトメ
イシズヱカタク ツキカタメ(礎かたく搗きかため)

タテホシメテル モコボスロ
タテハジメタル マキハシラ(建て初めたる真木柱)

ツヨイヨツヨイ ウコギノク
チヨニヤチヨニ ウゴキナキ(千代に八千代に動きなき)

イヨキカムヨヨ マツイコト
キヨキカミヨノ マツリゴト(清き神代のまつりごと)

タテホシメトル コヨミキリ
タテハジメタル コノミギリ(立てはじめたるこのみぎり)

ヨホトフロケク ヨスロケク
ヨハタヒラケク ヤスラケク(世は平けく安らけく)

オソモルベスヨ オモイコヨ
ヲサマルベシト オモヒキヤ(治まるべしと思ひきや)

ヨモヨヨモヨヨ イミコホヨ
ヨモノヤマヌヤ ウミカハノ(四方の山野や海川の)

カムホコトミイ ムロキモヨ
カミハカタミニ ムラキモノ(神はかたみに村肝の)

コモトヨモモヨ ソヨギツツ
ココロノママニ サヤギツツ(こころの侭にさやぎつつ)

フイヨイクモル アメツツヨ
ヒニヨニクモル アメツチノ(日に夜に曇る天地の)

ヨロヅヨモコヨ ホロホムヨ
ヨロヅノマガヲ ハラハムト(万の曲を払はむと)

カムヨヨオモフ モコモトヨ
カミヨヲオモフ マゴコロノ(神世を思ふまごころの)

トコヨヨクシイ ノモタコク
トコヨノクニニ ナモタカク(常世の国に名もたかく)

ミコモトキヨキ トコヨホコ
ミココロキヨキ トコヨヒコ(御心きよき常世彦)

オオクシホコヨ フトホシロ
オホクニヒコノ フタハシラ(大国彦の二柱)

コモトヨタケヨ ウツアケテ
ココロノタケヲ ウチアケテ(心のたけを打ち明けて)

アメヨツツヨヨ オトヨコヨ
アメトツチトノ オダヤカヲ(天と地とのおだやかを)

キトソムトメヨ コヨトイヨ
キタサムタメノ コノタビノ(来たさむためのこの度の)

トコヨヨスロヨ カムツトイ
トコヨノシロノ カムツドヒ(常世の城の神集ひ)

ツトヒトモイス カムフトホ
ツドヒタマヒシ カミヒトハ(集ひたまひし神人は)

キヨケクノヲク タドスクテ
キヨケクナホク タダシクテ(清けく直く正しくて)

ヨロヅヨモヨヨ ヨスロケク
ヨロヅノモノニ ヤスラケキ(万のものに安らけき)

ウケルイヨツヨ アトエムヨ
イケルイノチヲ アタヘムト(いける生命をあたへむと)

コモトヨクドキ コヨツドイ
ココロヲクダク コノツドヒ(心を砕くこの集ひ)

クシホルトツヨ オオカムヨ
クニハルタチノ オホカミハ(国治立の大神は)

カノロズイベノイ トモフロム
カナラズウベナヒ タマフラム(かならず諾ひたまふらむ)

サレドモヨイホ ツユデアリ
サレドモノニハ ツイデアリ(されど物には順序あり)

コレヨツユデヨ アヨモリテ
コレノツイデヲ アヤマリテ(これの順序を誤りて)

モトヨスヱヨヨ フトツニス
モトトスヱトヲ ヒトツニシ(本と末とを一つにし)

ウツヨソトヨヨ ケズメヨホ
ウチトソトトノ ケジメヲバ(内と外との差別をば)

アヨモツコトヨ アロゾロメ
アヤマツコトノ アラザラメ(過つことのあらざらめ)

コレヨツドヒヨ フロクトロ
コレノツドヒヲ ヒラキタル(これの集ひを開きたる)

カムヨミコモト ウトクヨク
カミノミココロ イトキヨク(神の御心いと清く)

タフトクモセド アメツツヨ
タフトクマセド アメツチノ(尊く坐せど天地の)

モトツミカムヨ サドメトロ
モトツミカミノ サダメタル(元津御神の定めたる)

クヨキミニホヨ ヱルソレム
キヨキミニハノ ヱルサレム(聖き神庭のヱルサレム)

カムヨミヨコイ カムツドイ
カミノミヤコニ カムツドヒ(神の都に神集ひ)

カトミニコモトヨ ウチヒロキ
タガヒニココロヲ ウチヒラキ(たがひに心を打開き)

トコヨヨヨミヨト オスフロキ
トコヨノヤミノト オシワケテ(常夜の暗の戸押分けて)

コトトイホコリ モコモトヨ
コトトヒハカリ マゴコロヲ(言問ひ議り赤誠を)

カムヨミモヘニ サソゲツツ
カミノミマヘニ ササゲツツ(神の御前に捧げつつ)

ツクスホアメツツ カムナガラ
ツクスハアメツチ カムナガラ(尽すは天地惟神)

カムヨオオヂニ カノウベス
カミノオホヂニ カナフベシ(神の大道に叶ふべし)

トコヨヨオノシ オオカムヨ
トコヨモオナジ オホカミノ(常世も同じ大神の)

ツクリタモイス クシノレボ
ツクリタマヒシ クニナレバ(造りたまひし国なれば)

カムヨサドメス ヱルソレム
カミノサダメシ ヱルサレム(神の定めしヱルサレム)

カムヨミヨコヨ カホロズト
カミノミヤコモ カハラジト(神の都も変らじと)

コトアゲタモフ カムガムヨ
コトアゲタマフ カミガミモ(言挙げたまふ神人も)

サホイイモソム ソリノゴロ
サハニヰマサム サリナガラ(沢に居まさむさりながら)

モトツミカムヨ ミコモトホ
モトツミカミノ ミココロハ(元津御神の御心は)

アロノミクルフ モロコスヨ
アラナミクルフ モロコシノ(荒浪狂ふもろこしの)

トコヨヨクシヨ サトメトロ
トコヨノクニト サダメテシ(常世の国と定めてし)

カムヨミコトヨ ノコイケリ
カミノミコトゾ ナカリケリ(神の御言ぞなかりけり)

カムヨミユルス ノキクシヨ
カミノミユルシ ナキクニノ(神の御許しなき国の)

トコヨヨスロヨ カムツドイ
トコヨノシロノ カムツドヒ(常世の城の神つどひ)

ツトイニツドフ モモヨカム
ツドヒニツドフ モモノカミ(集ひにつどふ諸の神)

スメオオカムヨ ミコモトヨ
スメオホカミノ ミココロト(皇大神の御心と)

オキテヨヨロホ イコノロム
オキテノノリハ イカニゾト(おきての則は如何にぞと)

フコクカヘリミ タモフベス
フカクカヘリミ タマフベシ(深く省みたまふべし)

トコヨヨクシホ フロクトモ
トコヨノクニハ ヒロクトモ(常世の国は広くとも)

トコヨヨカムホ ツヨクトモ
トコヨノカミハ ツヨクトモ(常世の神は強くとも)

カムヨユルソヌ カロカムヨ
カミノユルサヌ カラカミノ(神の許さぬから神の)

モトニモロコリ クツオイテ
モトニマジコリ クチアヒテ(許に交こり口合ひて)

ストヨツルギヨ フリコゾス
シタノツルギヲ フリカザシ(舌の剣を振りかざし)

ホホノヲツロス スノキオボ
ヒバナヲチラシ シノギヲバ(火花を散らし鎬をば)

カトミニケヅル アソモスソ
タガヒニケヅル アサマシサ(たがひに削る浅間しさ)

ヤツコスヨカムホ スメカムヨ
ヤツワウノカミハ スメカミノ(八王の神は皇神の)

ヨソストモイス ツコソゾヨ
ヨサシタマヒシ ツカサゾヤ(よさしたまひしつかさぞや)

キヨコタフトコ オコソコニ
キヨクタフトク オゴソカニ(清くたふとくおごそかに)

マモルホヤツコス クシタモヨ
マモルハヤツワウ クニタマノ(守るは八王国魂の)

ムタマニツクル チコロノリ
ミタマニツケル チカラナリ(身魂につける特権なり)

ソノチコロソヱ カロソミテ
ソノチカラサヘ カロシミテ(そのちからさへ軽しみて)

ヤブレスクツヨ スツルゴト
ヤブレシクツヲ スツルゴト(破れし沓を捨つるごと)

ステテオスモヌ カムヨロロ
ステテヲシマヌ カミノムネ(すてて惜まぬ神の胸)

アオトコヨミト ノリニケリ
アアトコヤミト ナリニケリ(アヽ常暗となりにけり)

アオトコヨミト ノリニケリ
アアトコヤミト ナリニケリ(アヽ常暗となりにけり)

アロブルカムヨ ミニモトロ
アラブルカミノ ミニモテル(荒ぶる神の身に持てる)

タケキツホモヨ スムヨコニ
タケキツハモノ スミヤカニ(猛きつはもの速かに)

ステテコノヨヨ アロソイヨ
ステテコノヨノ アラソヒヲ(捨てこの世のあらそひを)

シノドヨコセニ フキホロフ
シナドノカゼニ フキハラフ(科戸の風に吹き払ふ)

ソノカトロイホ サドフメモ
ソノカタラヒハ サダヒメモ(その語らひは猿田姫も)

ヒドリミギリヨ テヲアゲテ
ヒダリミギリノ テヲアゲテ(左り右りの手を挙げて)

アノノイマツリ イソホスヨ
アナナヒマツリ イサヲシヲ(あななひ奉り功績を)

スメオオカムヨ ヨモスロム
スメオホカミモ ヨミスラム(皇大神も嘉すらむ)

タドヤツコスヨ カムボスロ
タダヤツワウノ カムバシラ(ただ八王の神柱)

フトツコクトモ イツソミヨ
ヒトツカクトモ ウツセミノ(一つ欠くとも空蝉の)

ミヨモマモヨヨ トチモチニ
ミヨモマガヨト タチマチニ(御代も曲代とたちまちに)

カトムキミドレ ツイユベス
カタムキミダレ ツイユベシ(かたむき乱れ潰ゆべし)

カムヨユルセス ヤツコスカム
カミノユルセシ ヤツワウガミ(神の許せし八王神)

ヤツコシロカム モモヨカム
ヤツガシラガミ モモノカミ(八頭神諸の神)

タコモヨホロヨ ミツコイヨ
タカアマハラノ ミツカヒト(高天原の御使と)

アメクドリテル サドホメノ
アマクダリタル サダヒメノ(天降りたる猿田姫の)

コトボヨホノヨ トコヨミヨ
コトバノハナヲ トコヤミノ(言葉の花を常暗の)

ヨホヨアロスニ チロソゾレ
ヨハノアラシニ チラサザレ(夜半の嵐に散らさざれ)

ヨホヨアロスニ チロソゾレ
ヨハノアラシニ チラサザレ(夜半の嵐に散らさざれ)

オオトロホコヨ トコヨホコ
オホトラヒコヤ トコヨヒコ(大虎彦や常世彦)

トコヨヨホメヨ タクイノキ
トコヨノヒメノ タグヒナキ(常世の姫の類ひなき)

ノヲキタドスキ モコモトヨ
ナホキタダシキ マゴコロヲ(直き正しき真心を)

タフトミウヨモイ ヨロコビテ
タフトミウヤマヒ ヨロコビテ(尊み敬ひ歓びて)

コモトキトノキ スコクソヨ
ココロキタナキ シコグサノ(心きたなき醜草の)

カキホヨコセニ マコセツツ
カキハヲカゼニ マカセツツ(片葉を風に任せつつ)

キヨキツトイヨ ケゴストロ
キヨキツドヒヲ ケガシタル(清き会場を汚したる)

ワゴミヨフコキ ツムトゴヨ
ワガミノフカキ ツミトガヲ(我が身の深きつみとがを)

トゴメタモホズ ホメカムヨ
トガメタマハズ ヒメガミノ(咎めたまはず姫神の)

タロホヌスソブヨ タヒロケク
タラハヌスサビト タヒラケク(足はぬすさびと平けく)

ウロヨスロケク カムノヲヒ
ウラヤスラケク カムナホヒ(心安らけく神直日)

オオノヲヒニヨ ノルノヲス
オホナホヒニト ノリナホシ(大直日にと詔り直し)

マトキクノヲス ミノヲスツ
マタキキナホシ ミナホシツ(また聞直し見直しつ)

ミツアルミツニ テヲヒイテ
ミチアルミチニ テヲヒキテ(道ある道に手を曳きて)

トコヨヨヨミヨ カゴヨロス
トコヨノヤミヲ カガヤカシ(常世の暗を輝かし)

アメヨイホトヨ オスヒロキ
アマノイハトヲ オシヒラキ(天の岩戸を押し開き)

アメツミカムヨ ツツヨエヨ
アマツミカミヤ チノウヘノ(天津御神や地の上の)

モトツミカムヨ オオモヘニ
モトツミカミノ オホマヘニ(元津御神の大前に)

カヘリモヲスノ フトノリト
カヘリマヲシノ フトノリト(かへりまをしの太祝詞)

コエモサヨコニ トノヘコス
コヱモサヤカニ トナヘカシ(声もさやかに唱へかし)

メデトスメデトス オメデトス
メデタシメデタシ オメデタシ(目出度し目出度しお芽出度し)

第4巻第25章

チーバブリカンヨミコモト カスクミテ
チハヤフルカミノミココロ カシコミテ(千早振る神の御心かしこみて)

アメツツヨシノ コキシタマ
アメツチヨモノ クニタマヤ(天地四方の国魂や)

ヤツコスヨツカスヨ ヤツカムロ
ヤツワウノツカサヤ ヤツガシラ(八王の司や八頭)

モモロカムタチ ヤモヨロヅ
モモノカミタチ ヤホヨロヅ(ももの神たち八百万)

トコヨヨクシイ カムツトヒ
トコヨノクニニ カムツドヒ(常世の国に神集ひ)

トツオオカムヨ シスオロミ
トラオホカミヤ シシヲロチ(虎狼や獅子大蛇)

オヌモサヨメヨ マトツミヨ
オニモサグメモ マガツミモ(鬼も探女も曲津見も)

イヨキクルミテ ムロイコヨ
イヨリツドヒテ ムラキモノ(伊寄り集ひて村肝の)

コモトヨコモヨ フチハロチ
ココロノクモヲ フキハラヒ(心の雲を吹き払ひ)

ハロチコソメテ カムホヨヨ
ハラヒキヨメテ カミノヨノ(払ひ清めて神の世の)

メロトチフカリ テロトオヨ
メデタキヒカリ テルタヘノ(目出度き光照妙の)

アヨヨヌスコヨ オオムホト
アヤトニシキノ オホミハタ(綾と錦の大御機)

オリテカムヨヨ マツイコヨ
オリテカミヨノ マツリゴト(織りて神世のまつりごと)

カコハトコハイ タトヨコヨ
カキハトキハニ タテヨコノ(堅磐常磐にたてよこの)

カムヨヨサイヨ カムミトモ
カミノヨサシノ カミミタマ(神の任さしの神みたま)

ヨニウテモステ ウロホスク
ヨニイデマシテ ウルハシキ(世に出でまして美はしき)

サコエミロクヨ オオカムヨ
サカエミロクノ オホカミノ(栄えみろくの大神の)

ヨソケシコモヨ モモロムト
ヤスケキクニヲ マモラムト(安けき国を守らむと)

コモトメテトキ トコヨクシ
ココロメデタキ トコヨクニ(心めでたき常世国)

オソフクイモス トコヨホコ
ウシハギヰマス トコヨヒコ(うしはぎ坐すとこよひこ)

トコヨヨホメヨ ヨヨノゲク
トコヨノヒメノ ヨヲナゲキ(とこよの姫の世をなげき)

モモヨツクソヨ アロコセイ
モモノチグサノ アラカゼニ(ももの千草のあら風に)

トヨレコロスム ワロワイヨ
タフレクルシム ワザハヒヲ(倒れ苦しむわざはひを)

スクホムトメイ モヨホスヨ
スクハムタメノ モヨホシハ(救はむためのもよほしは)

コヨアメツツヨ フロケトヨ
コノアメツチノ ヒラケテユ(この天地の開けてゆ)

トモスアロスヨ スヅモリテ
タメシアラシノ シヅマリテ(ためしあらしのしづまりて)

トコヨヨホロヨ トコスヱイ
トコヨノハルノ トコシヘニ(常世の春の常永に)

トヨヨロヅヨヨ ヨロギノク
チヨヨロヅヨモ ウゴキナク(千代万世も動きなく)

タコオモホロヨ ヌグホスク
タカアマハラモ ニギハシク(高天原も賑はしく)

トツセヨマツヨ ウロアセズ
チトセノマツノ イロアセズ(千歳の松の色あせず)

エロホヨスゲリ クホスヨイ
エダハモシゲル クハシヨニ(枝葉も繁るくはし世に)

トチノヨソムヨ ムヨワスリ
タテナホサムト ミヲワスレ(立直さむと身を忘れ)

ウヘヨワスレテ アソヨベイ
イヘヲワスレテ アサユフニ(家を忘れて朝夕に)

コモトヨツクイ モヨツクイ
ココロヲツクシ ミヲツクシ(心を尽し身を尽し)

ヨモヨコモクリ ホキホロヒ
ヨモノクモキリ フキハラヒ(四方の雲霧吹払ひ)

クシホロトチヨ オオカムヨ
クニハルタチノ オホカミノ(国治立の大神の)

ウカスキムヨヨ モモラムト
イカシキミヨヲ マモラムト(いかしき御世を守らむと)

フロキトモイス コヨツドイ
ヒラキタマヒシ コノツドヒ(開きたまひしこの集ひ)

ツドヒコモステ ユキノリホコモ
ツドヒキタリシ ユキナリヒコモ(集ひ来たりし行成彦も)

モロテヨアゲテ コヨトヒヨ
モロテヲアゲテ コノタビノ(もろてをあげてこのたびの)

トコヨヨホコヨ ミコモトイ
トコヨノヒコノ ミココロニ(常世の彦の御こころに)

マツロイマツイ トコヨミヨ
マツロヒマツリ トコヤミノ(まつろひまつり常暗の)

ヨヨトコシエイ テラスノム
ヨヲトコシヘニ テラシナム(世をとこしへに照しなむ)

モモヨカムトチ ミトモトチ
モモノカミタチ ミトモタチ(百の神たちみともたち)

ヒツカモホヨク カトトキヨ
ヒトヒモハヤク カタトキモ(一日も早くかた時も)

イトスムヨコイ カトリアイ
イトスミヤカニ カタリアヒ(いと速やかにかたりあひ)

ケフヨツドイヨ ウロスミテ
ケフノツドヒヲ ウレシミテ(けふのつどひをうれしみて)

ムノスクスゴス コトノコレ
ムナシクスゴス コトナカレ(むなしく過すことなかれ)

クシホロトチヨ カムヨミエ
クニハルタチノ カミノマヘ(国治立の神のまへ)

トコヨヨカムヨ ウロホスキ
トコヨノカミノ ウルハシキ(常世の神のうるはしき)

アコキコモトヨ ウベノイテ
アカキココロヲ ウベナヒテ(赤き心をうべなひて)

ヨモヨカムフト クサヨコヨ
ヨモノカミビト クサヤキノ(四方の神人草や木の)

サヨギヨコエヨ スズメカス
サヤギノコヱヲ シヅメカシ(さやぎの声を静めかし)

スクイヨカムヨ アレモセル
スクヒノカミト アレマセル(救ひの神とあれませる)

クシホロトチヨ カムコモト
クニハルタチノ カミゴコロ(国治立の神ごころ)

トドイウケモス トコヨホコ
タダニウケマス トコヨヒコ(ただに受けます常世彦)

トコヨヨホメヨ ホロキテス
トコヨノヒメノ ヒラキテシ(とこよの姫のひらきてし)

コレヨモヨホス イトキヨス
コレノモヨホシ イトキヨシ(これのもよほしいときよし)

キヨキコモトヨ モモヨカム
キヨキココロノ モモノカミ(きよきこころの百の神)

ヤツコスカムヨ ツホモヨヨ
ヤツワウノカミヤ ツハモノノ(八王の神やつはものの)

トケキウツホヨ トリヨゾキ
タケキウツハヲ トリノゾキ(猛きうつはをとりのぞき)

ソヨネトコヨイ アロトメテ
ソノネソコヨリ アラタメテ(その根底よりあらためて)

ホヨトリヨゾキ オオカムイ
ハヤトリノゾキ オホカミニ(はやとりのぞき大神に)

カノイモツリテ マツヨヨヨ
カナヒマツレヨ マツノヨノ(叶ひまつれよ松の世の)

カムヨコモトヨ カムゾメデトキ
カミノココロノ カミゾメデタク(神のこころの神ぞ目出度く)

マツヨコモトヨ カムゾメデトケレ
マツノココロノ カミゾメデタケレ(松の心の神ぞ目出度けれ)

特徴

神代語は現代語と比較して、

  • ア列とイ列が少なく、ウ列とオ列が多い。(ただしイは多い)

いくつかの神代語は、次のように他の現代語に転訛している場合が多い。

  • イは ニヒリなどのイ列に
  • スは シに
  • ムは ミに
  • ソは サに
  • トは タやロに
  • ホは ハやヒに
  • モは マやコに
  • ヨは ノヲトモなどのオ列に
  • ロは ラに

使用語数の集計

#実例」に記した神代語と現代語の、文字の使用数を集計した。

右端の「差」は、現代語から神代語を引いた数である。神代語はウ列とオ列が多く(マイナス値)、現代語はア列とイ列が多い(プラス値)。

神代語 現代語
253 771 ア列 518
377 653 イ列 276
594 374 ウ列 -220
207 219 エ列 12
1428 843 オ列 -585
2859 2860 [1] 1
神代語 現代語
45 52 7
109 144 35
15 45 30
29 99 70
1 54 53
5 85 80
20 86 66
10 62 52
10 74 64
6 14 8
2 22 20
0 6 6
0 19 19
1 9 8
0 0 0
253 771 518
神代語 現代語
114 23 -91
62 85 23
29 108 79
22 43 21
24 85 61
14 94 80
64 139 75
39 50 11
0 2 2
6 8 2
1 7 6
1 2 1
1 7 6
0 0 0
377 653 276
神代語 現代語
32 33 1
87 79 -8
132 31 -101
117 88 -29
11 9 -2
44 29 -15
111 32 -79
8 8 0
30 44 14
1 4 3
8 4 -4
8 11 3
5 2 -3
0 0 0
594 374 -220
神代語 現代語
13 2 -11
23 28 5
13 11 -2
48 48 0
2 3 1
9 20 11
46 44 -2
22 25 3
6 8 2
7 7 0
1 4 3
10 13 3
7 6 -1
0 0 0
207 219 12
神代語 現代語
57 30 -27
190 136 -54
41 7 -34
207 121 -86
65 207 142
104 32 -72
158 78 -80
423 82 -341
109 48 -61
13 58 45
12 14 2
10 8 -2
30 22 -8
9 0 -9
0 0 0
1428 843 -585

脚注

  1. 総数は現代語の方が1字多い(第2巻凡例の「コスカモヨセヌ/コシヤカマヤセン」があるため)。