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ページの作成:「'''責付'''(せきふ)とは、戦前の刑事訴訟法において勾留状の執行停止の一種として認められていた制度である。被告人の逃亡等を防ぐため「保釈」は保証金を担保とするが、「責付」はお金ではなく親族等が提出する保証書を担保とする。 == 概要 == 戦前の刑事訴訟法(大正11年改正)第118条<ref>それ以前の刑事訴訟法(明治23年制定)では第159条…」
 
 
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戦前の刑事訴訟法(大正11年改正)第118条<ref>それ以前の刑事訴訟法(明治23年制定)では第159条に同じような制度が規定されている。大正6年(1917年)刊『日本六法全書 26版』{{ndldl|1337431/1/703}}</ref>で責付制度が規定されている。
戦前の刑事訴訟法(大正11年改正)第118条<ref>それ以前の刑事訴訟法(明治23年制定)では第159条に同じような制度が規定されている。大正6年(1917年)刊『日本六法全書 26版』{{ndldl|1337431/1/703}}</ref>で責付制度が規定されている。


{{inyou|'''第百十八条''' 裁判所は検事の意見を聴き決定を以て勾留せられたる被告人を親族其の他の者に責付し又は被告人の住居を制限して勾留の執行を停止することを得
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'''第百十八条''' 裁判所は検事の意見を聴き決定を以て勾留せられたる被告人を親族其の他の者に責付し又は被告人の住居を制限して勾留の執行を停止することを得


責付を為すには被告人の親族其の他の者より何時にても召喚に応し被告人を出頭せしむへき旨の書面を差出さしむへし<ref>昭和10年(1935年)刊『最新六法全書』{{ndldl|1270319/1/293}}(原文の片仮名は平仮名に置き換えた)</ref> }}
責付を為すには被告人の親族其の他の者より何時にても召喚に応し被告人を出頭せしむへき旨の書面を差出さしむへし<ref>昭和10年(1935年)刊『最新六法全書』{{ndldl|1270319/1/293}}(原文の片仮名は平仮名に置き換えた)</ref> }}
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{{inyou|'''第九十五条''' 裁判所は、適当と認めるときは、決定で、勾留されている被告人を親族、保護団体その他の者に委託し、又は被告人の住居を制限して、勾留の執行を停止することができる。<ref>[https://ja.wikisource.org/wiki/%E5%88%91%E4%BA%8B%E8%A8%B4%E8%A8%9F%E6%B3%95/%E4%BB%A4%E5%92%8C5%E5%B9%B47%E6%9C%8813%E6%97%A5%E6%96%BD%E8%A1%8C 刑事訴訟法/令和5年7月13日施行] - ウィキソース</ref> }}
{{inyou|'''第九十五条''' 裁判所は、適当と認めるときは、決定で、勾留されている被告人を親族、保護団体その他の者に委託し、又は被告人の住居を制限して、勾留の執行を停止することができる。<ref>[https://ja.wikisource.org/wiki/%E5%88%91%E4%BA%8B%E8%A8%B4%E8%A8%9F%E6%B3%95/%E4%BB%A4%E5%92%8C5%E5%B9%B47%E6%9C%8813%E6%97%A5%E6%96%BD%E8%A1%8C 刑事訴訟法/令和5年7月13日施行] - ウィキソース</ref> }}


責付制度は東洋法系に独特のものであった<ref>団藤重光 著『新刑事訴訟法綱要 再版』昭和23年(1948年)、194頁、{{ndldl|1444580/1/107}}</ref>。明治以前の日本にあった五人組預かりや村預かりという制度から生じたものだった<ref>豊島直通 著『刑事訴訟法』大正10年(1921年)、114頁、{{ndldl|971233/1/66}}</ref>。
責付制度は東洋法系に独特のものであった<ref>団藤重光 著『新刑事訴訟法綱要 再版』昭和23年(1948年)、194頁、{{ndldl|1444580/1/107}}</ref>。明治以前の日本にあった五人組預かりや村預かりという制度から生じたものだった<ref>豊島直通 著『刑事訴訟法』大正10年(1921年)、114頁、{{ndldl|971233/1/66}}</ref>。台湾には「責付」制度が現在もある<ref>参考サイト:[https://ameblo.jp/lawfollowme/entry-12878959951.html 責付とは何か?] - lawfollowmeのブログ</ref>。


== 大本事件における責付 ==
== 大本事件における責付 ==
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