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ここでは第39~40巻の、岩彦が「ヤッコス」と名乗って活躍するエピソードのみを記す。
* 岩彦は「ヤッコス」と名乗り、神様の内命によって[[清春山]]の岩窟([[バラモン教]]の[[大足彦]]の拠点がある)にバラモン教の信者となって潜入し、バラモン教の行動を調査していた<ref>{{rm|39|16|親子対面}}:岩彦のセリフ「俺は三五教の岩彦といふ宣伝使だ。神様の内命に依つて貴様等の行動を調査してゐるのを知らぬのかい」、「実の所は三五教の宣伝使岩彦命だ。大神様の内命に依つて、此岩窟へ信者と化けこみ、今迄時を待つてゐたのだ」</ref>。[[照国別]](旧名は梅彦。半ダース宣伝使の一員)一行4人(他に[[菖蒲]]、[[照公]]、[[梅公]])が岩窟にやって来て落とし穴に落ちた時、岩彦は正体を同僚のバラモン兵たちにカミングアウトし、照国別一行を救出する(梅彦とは久しぶりの再会)が岩窟にやって来て落とし穴に落ちた時、岩彦は正体を同僚のバラモン兵たちに告白し、照国別一行を救出する(梅彦とは久しぶりの再会<ref>{{rm|39|16|親子対面}}:「ヤア梅彦、久し振だつたねい、こんな所で会はうとは夢にも思はなかつたよ」</ref>)。〔{{rm|39|16|親子対面}}〕
* 岩彦は[[照国別]]一行(他に弟子の[[照公]]、[[梅公]])と共に、清春山の岩窟を出た。[[ライオン河]]の手前の[[クルスの森]]で休憩した。するとバラモン軍の[[片彦]]将軍が率いる騎馬隊が現れた。[[イソ館]]へ向かって進撃中である。それを阻止するため、照国別は宣伝歌を歌う。すると騎馬隊は照国別らを踏み殺そうとする。岩彦は金剛杖を振り回しながら突撃し、馬の脚を殴ると、バラモン軍は逃げ出した。岩彦をそれを追いかける。すると[[釘彦]]将軍が率いる騎馬隊が現れ、岩彦目がけて弓を射る。岩彦は身体一面矢に刺されてしまった。その時、数十頭の唐獅子が現れた。一番大きな獅子に大男が跨がり、眉間から神光を発射しながら、釘彦の部隊に向かって突っ込む。バラモン軍は逃げ去った。その大男は[[時置師神]](杢助)だった。時置師神は岩彦に「今後は決して乱暴なことをしてはならない。暴力で敵と戦うことは神慮に反する」と諫める。そして「汝はこれからこの獅子に跨がり、ライオン河を渡り、黄金姫・清照姫の危難を救え」と命じて去った。この時置師神の正体は実は[[木花姫命]]だった<ref>{{rm|40|7|文珠}}:「今杢助と現はれたのは、其実は五六七大神の命に依り、木花姫命が仮りに杢助の姿を現はし、岩彦の危難を救はれたのである」</ref>)。これより岩彦は[[月の国]]を獅子の助けによってあちこちに変幻出没し、三五教の危難を救い守ることとなった。〔{{rm|40|6|仁愛の真相}}~{{rms|40|7|文珠}}〕
* 生き別れた弟の[[春公]]は、ヤッコスに関して[[照国別]]に次のような噂話を語っている。──[[ライオン河]]の川上に「[[天幽窟]]」という樹木の茂った人間が寄りつかない大秘密郷があり、そこにライオンが何百何千頭も棲んでいる。そのためそこを「ライオン窟」とも呼び、この川をライオン河と呼ぶようになった。昨春、ヤッコスという男がこの川を渡る時、川上にいた唐獅子の子が2匹、川に落ちて流されて来た。ヤッコスはその獅子の子を川から救い、背に負って天幽窟まで送り届けた。それから獅子がヤッコスを守護して、ヤッコスの身に危難が迫った時は、どこからかライオンが沢山現れて危難を救うようになった。それを聞いた[[清春山]]の[[大足別]]が、そんな男が部下にいたら何かの時に役に立つと思い、ヤッコスを自分の家来にした。昨日も[[文珠菩薩]]が獅子に乗って[[テームス峠]]の関所を越えたということを聞いた。このヤッコスが自分の兄なら本当に嬉しいことだ──。〔{{rm|40|17|天幽窟}}〕