「岩彦 (半ダース宣伝使)」の版間の差分

出典: 出口王仁三郎と霊界物語の大百科事典『オニペディア(Onipedia)』
Jump to navigation Jump to search
 
(同じ利用者による、間の4版が非表示)
1行目: 1行目:
'''岩彦'''(いわひこ)は、[[霊界物語]]に登場する人物。2人いる。
+
{{Otheruses|半ダース宣伝使の一員の岩彦|その他の岩彦|岩彦 (曖昧さ回避)}}
  
# [[第6巻]]に登場する岩彦。元は「[[虎公]]」という名前である。[[御年村]]の百姓で、[[自称丑寅の金神]]<ref>{{rm|6|44|俄百姓}}:虎公のセリフ「俺をなんと心得てをる。丑の年に生れた虎さまだぞ。丑寅の金神さまぢや」</ref>。手力男神の前身<ref>{{rm|6|45|大歳神}}:「この虎公は(略)天の岩戸の変に際し、岩戸を押し開けたる手力男神はこの男の後身なりける」</ref>。図抜けた大きい男<ref>{{rm|6|45|大歳神}}:「このとき丑寅と自称した虎公は、一座の中でも図抜けた大きい男である」</ref>。[[広道別]]天使はこの虎公に「[[岩彦]]」という名を与えた<ref>{{rm|6|47|仁王と観音}}:「広道別天使は、この大男に'''岩彦'''といふ名を与へ」</ref>。 →「[[手力男]]」を見よ
+
'''岩彦'''(いわひこ)は、[[霊界物語]]に登場する人物。[[ウラル教]][[半ダース宣伝使]]の一員。改心して[[三五教]]の宣伝使となる。第13巻以降に登場する。第39~40巻では「'''ヤッコス'''」と名乗り[[清春山]]の岩窟にバラモン教信者として潜入する。
# [[半ダース宣伝使]]の岩彦。[[第13巻]]以降に登場する。 →「[[半ダース宣伝使]]」の「岩彦」の項を見よ
 
  
== 似た名前の人物 ==
+
半ダース宣伝使全般に関することは「[[半ダース宣伝使]]」を見よ。本項では岩彦に関することを中心に記す。
* [[岩公]]
+
 
 +
== 概要 ==
 +
* 初出:{{rm|13|2|波斯の海}}(岩彦)、{{rm|39|15|焼糞}}(ヤッコス)
 +
* 登場するのは主に第13~15巻と、第39~40巻である。
 +
* 第13~14巻では「'''岩公'''」とも呼ばれている。(ただし「[[岩公]]」という人物は他にもいる→「[[岩公]]」)
 +
* 「仏者の所謂'''文珠菩薩'''は岩彦の宣伝使の霊である」<ref>{{rm|40|7|文珠}}</ref>。 →「[[文珠菩薩]]」
 +
* 岩彦は6人の中のリーダー格で、「宣伝使長」と呼ばれる場合もある<ref>{{rm|13|5|同志打}}:「然し岩彦の<b>宣伝使長</b>は、お化物の舌の上に乗せられて居つて」など。</ref>。
 +
* 頑固な性格で、「岩より堅い岩彦」<ref>{{rm|13|2|波斯の海}}</ref>などと称されている。
 +
* 少し腰が曲がっている。<ref>{{rm|40|16|春駒}}:[[春公]]のセリフ「私の兄は岩彦と申しまして、少し腰の屈んだ男で厶います」</ref>
 +
* 6人のうち[[鷹彦]]だけはもともと三五教の宣伝使で、その正体を隠してウラル教の宣伝使になっていた。他の5人のうち岩彦だけはなかなか三五教に帰順せず、改心が一番最後になった(改心したのは{{rm|13|21|本霊}})
 +
* 「ヤッコス」と名乗ったのは、[[コーカス山]]の[[ヤッコス]]の子孫だと称したからである<ref>{{rm|39|16|親子対面}}:[[レール]]のセリフ「貴様は三五教の間者だらう、コーカス山のヤツコスの子孫だなんて吐してけつかつたが」</ref>。 →「[[ヤッコス]]」
 +
* [[春公]]という生き別れた弟がいる。[[テームス峠]]のバラモン教の関所の関守をしていた。結局、兄とは再会できていない。<ref>{{rm|40|16|春駒}}:[[春公]]のセリフ「私の兄は岩彦と申しまして、少し腰の屈んだ男で厶います。ウラル彦の神様の命令に依つて、音彦、梅彦等といふ神司と竜宮島へ渡つたきり、今に何の消息も厶いませぬ」、「あのヤツコスは私の兄の岩彦で厶いましたか。噂は聞いて居りましたが、まだ会つた事はありませぬ。同じバラモンの内に居りながら、余り所を隔てて居るので、それとは知らずに居りました」</ref>
 +
 
 +
== 主なエピソード ==
 +
第13~15巻で岩彦が単独で行動することはない。半ダース宣伝使全般のエピソードは「[[半ダース宣伝使#主なエピソード]]」を見よ。
 +
 
 +
ここでは第39~40巻の、岩彦が「ヤッコス」と名乗って活躍するエピソードのみを記す。
 +
 
 +
* 岩彦は「ヤッコス」と名乗り、神様の内命によって[[清春山]]の岩窟([[バラモン教]]の[[大足彦]]の拠点がある)にバラモン教の信者となって潜入し、バラモン教の行動を調査していた<ref>{{rm|39|16|親子対面}}:岩彦のセリフ「俺は三五教の岩彦といふ宣伝使だ。神様の内命に依つて貴様等の行動を調査してゐるのを知らぬのかい」、「実の所は三五教の宣伝使岩彦命だ。大神様の内命に依つて、此岩窟へ信者と化けこみ、今迄時を待つてゐたのだ」</ref>。[[照国別]](旧名は梅彦。半ダース宣伝使の一員)一行4人(他に[[菖蒲]]、[[照公]]、[[梅公]])が岩窟にやって来て落とし穴に落ちた時、岩彦は正体を同僚のバラモン兵たちに告白し、照国別一行を救出する(梅彦とは久しぶりの再会<ref>{{rm|39|16|親子対面}}:「ヤア梅彦、久し振だつたねい、こんな所で会はうとは夢にも思はなかつたよ」</ref>)。〔{{rm|39|16|親子対面}}〕
 +
* 岩彦は[[照国別]]一行(他に弟子の[[照公]]、[[梅公]])と共に、清春山の岩窟を出た。[[ライオン河]]の手前の[[クルスの森]]で休憩した。するとバラモン軍の[[片彦]]将軍が率いる騎馬隊が現れた。[[イソ館]]へ向かって進撃中である。それを阻止するため、照国別は宣伝歌を歌う。すると騎馬隊は照国別らを踏み殺そうとする。岩彦は金剛杖を振り回しながら突撃し、馬の脚を殴ると、バラモン軍は逃げ出した。岩彦をそれを追いかける。すると[[釘彦]]将軍が率いる騎馬隊が現れ、岩彦目がけて弓を射る。岩彦は身体一面矢に刺されてしまった。その時、数十頭の唐獅子が現れた。一番大きな獅子に大男が跨がり、眉間から神光を発射しながら、釘彦の部隊に向かって突っ込む。バラモン軍は逃げ去った。その大男は[[時置師神]](杢助)だった。時置師神は岩彦に「今後は決して乱暴なことをしてはならない。暴力で敵と戦うことは神慮に反する」と諫める。そして「汝はこれからこの獅子に跨がり、ライオン河を渡り、黄金姫・清照姫の危難を救え」と命じて去った。この時置師神の正体は実は[[木花姫命]]だった<ref>{{rm|40|7|文珠}}:「今杢助と現はれたのは、其実は五六七大神の命に依り、木花姫命が仮りに杢助の姿を現はし、岩彦の危難を救はれたのである」</ref>)。これより岩彦は[[月の国]]を獅子の助けによってあちこちに変幻出没し、三五教の危難を救い守ることとなった。〔{{rm|40|6|仁愛の真相}}~{{rms|40|7|文珠}}〕
 +
* 生き別れた弟の[[春公]]は、ヤッコスに関して[[照国別]]に次のような噂話を語っている。──[[ライオン河]]の川上に「[[天幽窟]]」という樹木の茂った人間が寄りつかない大秘密郷があり、そこにライオンが何百何千頭も棲んでいる。そのためそこを「ライオン窟」とも呼び、この川をライオン河と呼ぶようになった。昨春、ヤッコスという男がこの川を渡る時、川上にいた唐獅子の子が2匹、川に落ちて流されて来た。ヤッコスはその獅子の子を川から救い、背に負って天幽窟まで送り届けた。それから獅子がヤッコスを守護して、ヤッコスの身に危難が迫った時は、どこからかライオンが沢山現れて危難を救うようになった。それを聞いた[[清春山]]の[[大足別]]が、そんな男が部下にいたら何かの時に役に立つと思い、ヤッコスを自分の家来にした。昨日も[[文珠菩薩]]が獅子に乗って[[テームス峠]]の関所を越えたということを聞いた。このヤッコスが自分の兄なら本当に嬉しいことだ──。〔{{rm|40|17|天幽窟}}〕
  
 
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
 
<references/>
 
<references/>
  
{{デフォルトソート:いわひこ}}
+
{{デフォルトソート:いわひこ }}
 
[[Category:霊界物語の人物]]
 
[[Category:霊界物語の人物]]

2022年10月14日 (金) 14:08時点における最新版

この項目では、半ダース宣伝使の一員の岩彦について説明しています。その他の岩彦については「岩彦 (曖昧さ回避)」をご覧ください。

岩彦(いわひこ)は、霊界物語に登場する人物。ウラル教半ダース宣伝使の一員。改心して三五教の宣伝使となる。第13巻以降に登場する。第39~40巻では「ヤッコス」と名乗り清春山の岩窟にバラモン教信者として潜入する。

半ダース宣伝使全般に関することは「半ダース宣伝使」を見よ。本項では岩彦に関することを中心に記す。

概要

  • 初出:第13巻第2章波斯の海#(岩彦)、第39巻第15章焼糞#(ヤッコス)
  • 登場するのは主に第13~15巻と、第39~40巻である。
  • 第13~14巻では「岩公」とも呼ばれている。(ただし「岩公」という人物は他にもいる→「岩公」)
  • 「仏者の所謂文珠菩薩は岩彦の宣伝使の霊である」[1]。 →「文珠菩薩
  • 岩彦は6人の中のリーダー格で、「宣伝使長」と呼ばれる場合もある[2]
  • 頑固な性格で、「岩より堅い岩彦」[3]などと称されている。
  • 少し腰が曲がっている。[4]
  • 6人のうち鷹彦だけはもともと三五教の宣伝使で、その正体を隠してウラル教の宣伝使になっていた。他の5人のうち岩彦だけはなかなか三五教に帰順せず、改心が一番最後になった(改心したのは第13巻第21章本霊#
  • 「ヤッコス」と名乗ったのは、コーカス山ヤッコスの子孫だと称したからである[5]。 →「ヤッコス
  • 春公という生き別れた弟がいる。テームス峠のバラモン教の関所の関守をしていた。結局、兄とは再会できていない。[6]

主なエピソード

第13~15巻で岩彦が単独で行動することはない。半ダース宣伝使全般のエピソードは「半ダース宣伝使#主なエピソード」を見よ。

ここでは第39~40巻の、岩彦が「ヤッコス」と名乗って活躍するエピソードのみを記す。

  • 岩彦は「ヤッコス」と名乗り、神様の内命によって清春山の岩窟(バラモン教大足彦の拠点がある)にバラモン教の信者となって潜入し、バラモン教の行動を調査していた[7]照国別(旧名は梅彦。半ダース宣伝使の一員)一行4人(他に菖蒲照公梅公)が岩窟にやって来て落とし穴に落ちた時、岩彦は正体を同僚のバラモン兵たちに告白し、照国別一行を救出する(梅彦とは久しぶりの再会[8])。〔第39巻第16章親子対面#
  • 岩彦は照国別一行(他に弟子の照公梅公)と共に、清春山の岩窟を出た。ライオン河の手前のクルスの森で休憩した。するとバラモン軍の片彦将軍が率いる騎馬隊が現れた。イソ館へ向かって進撃中である。それを阻止するため、照国別は宣伝歌を歌う。すると騎馬隊は照国別らを踏み殺そうとする。岩彦は金剛杖を振り回しながら突撃し、馬の脚を殴ると、バラモン軍は逃げ出した。岩彦をそれを追いかける。すると釘彦将軍が率いる騎馬隊が現れ、岩彦目がけて弓を射る。岩彦は身体一面矢に刺されてしまった。その時、数十頭の唐獅子が現れた。一番大きな獅子に大男が跨がり、眉間から神光を発射しながら、釘彦の部隊に向かって突っ込む。バラモン軍は逃げ去った。その大男は時置師神(杢助)だった。時置師神は岩彦に「今後は決して乱暴なことをしてはならない。暴力で敵と戦うことは神慮に反する」と諫める。そして「汝はこれからこの獅子に跨がり、ライオン河を渡り、黄金姫・清照姫の危難を救え」と命じて去った。この時置師神の正体は実は木花姫命だった[9])。これより岩彦は月の国を獅子の助けによってあちこちに変幻出没し、三五教の危難を救い守ることとなった。〔第40巻第6章仁愛の真相#第7章文珠#
  • 生き別れた弟の春公は、ヤッコスに関して照国別に次のような噂話を語っている。──ライオン河の川上に「天幽窟」という樹木の茂った人間が寄りつかない大秘密郷があり、そこにライオンが何百何千頭も棲んでいる。そのためそこを「ライオン窟」とも呼び、この川をライオン河と呼ぶようになった。昨春、ヤッコスという男がこの川を渡る時、川上にいた唐獅子の子が2匹、川に落ちて流されて来た。ヤッコスはその獅子の子を川から救い、背に負って天幽窟まで送り届けた。それから獅子がヤッコスを守護して、ヤッコスの身に危難が迫った時は、どこからかライオンが沢山現れて危難を救うようになった。それを聞いた清春山大足別が、そんな男が部下にいたら何かの時に役に立つと思い、ヤッコスを自分の家来にした。昨日も文珠菩薩が獅子に乗ってテームス峠の関所を越えたということを聞いた。このヤッコスが自分の兄なら本当に嬉しいことだ──。〔第40巻第17章天幽窟#

脚注

  1. 第40巻第7章文珠#
  2. 第13巻第5章同志打#:「然し岩彦の宣伝使長は、お化物の舌の上に乗せられて居つて」など。
  3. 第13巻第2章波斯の海#
  4. 第40巻第16章春駒#春公のセリフ「私の兄は岩彦と申しまして、少し腰の屈んだ男で厶います」
  5. 第39巻第16章親子対面#レールのセリフ「貴様は三五教の間者だらう、コーカス山のヤツコスの子孫だなんて吐してけつかつたが」
  6. 第40巻第16章春駒#春公のセリフ「私の兄は岩彦と申しまして、少し腰の屈んだ男で厶います。ウラル彦の神様の命令に依つて、音彦、梅彦等といふ神司と竜宮島へ渡つたきり、今に何の消息も厶いませぬ」、「あのヤツコスは私の兄の岩彦で厶いましたか。噂は聞いて居りましたが、まだ会つた事はありませぬ。同じバラモンの内に居りながら、余り所を隔てて居るので、それとは知らずに居りました」
  7. 第39巻第16章親子対面#:岩彦のセリフ「俺は三五教の岩彦といふ宣伝使だ。神様の内命に依つて貴様等の行動を調査してゐるのを知らぬのかい」、「実の所は三五教の宣伝使岩彦命だ。大神様の内命に依つて、此岩窟へ信者と化けこみ、今迄時を待つてゐたのだ」
  8. 第39巻第16章親子対面#:「ヤア梅彦、久し振だつたねい、こんな所で会はうとは夢にも思はなかつたよ」
  9. 第40巻第7章文珠#:「今杢助と現はれたのは、其実は五六七大神の命に依り、木花姫命が仮りに杢助の姿を現はし、岩彦の危難を救はれたのである」