夏山彦
夏山彦(なつやまひこ)は、霊界物語に登場する人物。イホの都の酋長[1](またはイホの酋長[2])。
概要
- 初出:「夏山彦」という名前で呼ばれるのは第12巻第5章「初貫徹」#が初めてだが、それ以前に第2章「直会宴」#で「酋長」と呼ばれて登場している。
- 本人が出るのは第12巻だけである。名前だけならそれ以降も少し出る。
関連人物
主なエピソード
イホの都の国魂神の祠で祭典が行われた。直会の宴で人々が、不作で苦しむ不満を爆発させ、金持ちの春公(春彦)に対して倉のを開放して食糧をよこせと要求する。酋長(夏山彦)は人々をなだめ「イホの人間は八分までウラル教だから隠していたが、実は自分は三五教だ」と言明する。「ウラル教に呆けて仕事もせず酒ばかり飲んで利己主義(われよし)をやって世の中を曇らすので邪気が発生して天候不順になるのだ。改心すると誓ってくれ」と言う。群集のリーダー格の初公(行平別)が号令をかけ、群集は二人に襲いかかる。そこへ三五教の4人の宣伝使(蚊取別、三光の宣伝使)が現れ、暴動を鎮めた。〔第12巻第2章「直会宴」#~第3章「蚊取別」#〕
4人の宣伝使は初公を伴い、夏山彦の館へ向かった。夏山彦は一行を饗応する。そして「白瀬川の6つの滝に悪魔(大蛇)が現れて数多の人民を苦しめている。宣伝使がやって来て言向け和して下さるよう祈っていた」と教える。宣伝使一行は白瀬川の悪魔退治へ向かった。〔第12巻第4章「初蚊斧」#~第6章「招待」#〕
──というのは実は夢だった。木の下で寝込んでいた一行を、夏山彦が迎えに来る。夏山彦は一行を館に連れて行く。そこには蚊取別の妻の祝姫が一絃琴を弾いていた。〔第12巻第9章「正夢」#~第10章「深夜の琴」#〕
祝姫は白瀬川の大蛇退治の途中、滝で邪神によって苦しめられていたところを、夏山彦に助けられ、館に滞在していたのだった。夏山彦は祝姫に恋をしてしまい、祝姫はそのために苦しんでいた。蚊取別は祝姫に離縁を言い渡し、夏山彦と結婚せよと言う→その詳細は「蚊取別」「祝姫」を見よ。 〔第12巻第11章「狸の土舟」#~第12章「化身」#〕
次は名前だけの登場である。
- 大蛇の三公(イホの春公・お常夫婦の子)のセリフの中で「両親がスッポンの湖の大蛇を言向け和しに向かったが大蛇に呑まれてしまった。酋長の夏山彦に神勅を伺ってもらったところ『お前の両親は財産を拵えたが難儀な者を助けることをしなかった。大勢の者の執着心が重なって大蛇となり両親を亡ぼしたのだ。両親の冥福を祈ってやれ』と言われた」ということが物語られている。〔第35巻第9章「分担」#〕
- 黄竜姫やサガレン王の歌の中などで「大国別(大国彦の子)がイホの都でバラモン教を開いたが、三五教の夏山彦、祝姫、行平別(初公)の言霊に打たれて、鬼雲別を始め数多の部下を引き連れて、メソポタミヤの顕恩郷に逃げた」ということが物語られている。〔第26巻第3章「真心の花(二)」#、第30巻第1章「主従二人」#、第36巻第7章「蒙塵」#、第39巻第1章「大黒主」#〕